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19 追放サイド:没落への道(その6)
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「おまえとの竜化なんて二度と御免だね。ばーか」
なんだと? この竜、今なんていいやがった?
ライトニングは少年のような姿で退屈そうに俺様を薄目で見ている。相変わらず雪が舞い続けていた。
「ど、どういうことだ! お前は、俺様と盟約を結んだろうが!」
「結んでねーよ」
「な、なにっ! ど、どういう意味だ!」
俺様の疑問に、奴は思い切り嘆息してから答え始める。
「ラウダ、だっけ? お前さー。ほんとバカだよな。オレっちは、ジン様を見守るために、とりあえずお前を寄生先に選んだだけなんだよねー」
まただ! またジン・カミクラだ! また、またジン・カミクラ! どいつもこいつも、カミクラ、カミクラうるせえんだよ! あんなFランク以下の男が、なんだというのだ!
「ジン様はSSS級だから、オレっちみたいな低レベルのA級クラスとは契約できないんだよね。でも、あの人、超絶不幸じゃん? だから近くで見守ろうと思って、適当にお前を使ったんだわ。ジン様をお前が蹴落とした時は、オレっち爆発しそうだったけど、デュランダル様がいたから問題なかったわけ。理解した?」
「ふ、ふ、ふざけるなあっ! 俺様はA級ランカーであり、北方のグングニルを手に入れてSSS級になる男なのだあっ!」
俺様の宣言に、ライトニングはきょとんとしている。だが次第に奴は肩を揺らし始めた。
「ふ、ふふ、あははははははははっ! SSS級だって!? なれるわけないじゃん!」
「な、なれる! 俺様ほどの男ならば、必ずなれる!」
笑っていたライトニングは、今度は急に静かになって俺様を真顔で睨みつけた。
「無知って大変だよね。あのねラウダくん。SSS級になれるのは現世で一人だけなの。そして、その唯一無二の存在がジン・カミクラ様。オレっちたちのご主人様なわけ。だからさー」
そこまで言ってから、奴の周囲に雷が集まり始める。ビリビリと凄まじいオーラが溢れていく。降っていた雪が弾けて蒸発していた。
「それ以上、我らがドラゴンマスターを侮辱すると――終焉が訪れるぞ」
ライトニングの瞳が金色に輝く。圧倒的なプレッシャーが俺様を包んでいく。何故だ! 俺様だってあいつの力を使いこなせていたではないか! どうして、こんなにもライトニングを驚異に感じるのだ!
「ああ。それとお前、ジン様のことをFランク以下とか罵ってたけどさ。それはお前だよ。あんたはFランク以下。お前と盟約するドラゴンなんて、この世にはいないんだよ」
そ、そんな。そんな――バカな。
「お、俺様がFランク以下? 俺様が?」
「そうだ。お前は自分がバカにしていたどの相手よりも下の存在。誰一人として、お前より下の存在は――存在しない。お前が最下位なんだよ」
嘘だ。嘘だ。嘘だ。
俺様はその場にがっくりと膝を折る。グラインが母親と男児を介抱し、ドアを直しているところが見えた。雪が静かに肩や大腿部に積もっていく。全てが白い。
ライトニングは小さく嘆息すると、最後の言葉を俺様に告げる。
「今まで付き合っていたよしみで、見逃してやる。とっとと失せろ」
もう奴の言葉は入ってこなかった。雪の冷たさも、空腹も、疲労も感じない。何も、感じない。
俺様は全てを失ったのか……? この俺様が?
「いやだ……いやだ……いやだああああああああああああああああああああああっ!」
絶叫を上げると、俺様はもはや自分でもわからずに走り出していた。
なんだと? この竜、今なんていいやがった?
ライトニングは少年のような姿で退屈そうに俺様を薄目で見ている。相変わらず雪が舞い続けていた。
「ど、どういうことだ! お前は、俺様と盟約を結んだろうが!」
「結んでねーよ」
「な、なにっ! ど、どういう意味だ!」
俺様の疑問に、奴は思い切り嘆息してから答え始める。
「ラウダ、だっけ? お前さー。ほんとバカだよな。オレっちは、ジン様を見守るために、とりあえずお前を寄生先に選んだだけなんだよねー」
まただ! またジン・カミクラだ! また、またジン・カミクラ! どいつもこいつも、カミクラ、カミクラうるせえんだよ! あんなFランク以下の男が、なんだというのだ!
「ジン様はSSS級だから、オレっちみたいな低レベルのA級クラスとは契約できないんだよね。でも、あの人、超絶不幸じゃん? だから近くで見守ろうと思って、適当にお前を使ったんだわ。ジン様をお前が蹴落とした時は、オレっち爆発しそうだったけど、デュランダル様がいたから問題なかったわけ。理解した?」
「ふ、ふ、ふざけるなあっ! 俺様はA級ランカーであり、北方のグングニルを手に入れてSSS級になる男なのだあっ!」
俺様の宣言に、ライトニングはきょとんとしている。だが次第に奴は肩を揺らし始めた。
「ふ、ふふ、あははははははははっ! SSS級だって!? なれるわけないじゃん!」
「な、なれる! 俺様ほどの男ならば、必ずなれる!」
笑っていたライトニングは、今度は急に静かになって俺様を真顔で睨みつけた。
「無知って大変だよね。あのねラウダくん。SSS級になれるのは現世で一人だけなの。そして、その唯一無二の存在がジン・カミクラ様。オレっちたちのご主人様なわけ。だからさー」
そこまで言ってから、奴の周囲に雷が集まり始める。ビリビリと凄まじいオーラが溢れていく。降っていた雪が弾けて蒸発していた。
「それ以上、我らがドラゴンマスターを侮辱すると――終焉が訪れるぞ」
ライトニングの瞳が金色に輝く。圧倒的なプレッシャーが俺様を包んでいく。何故だ! 俺様だってあいつの力を使いこなせていたではないか! どうして、こんなにもライトニングを驚異に感じるのだ!
「ああ。それとお前、ジン様のことをFランク以下とか罵ってたけどさ。それはお前だよ。あんたはFランク以下。お前と盟約するドラゴンなんて、この世にはいないんだよ」
そ、そんな。そんな――バカな。
「お、俺様がFランク以下? 俺様が?」
「そうだ。お前は自分がバカにしていたどの相手よりも下の存在。誰一人として、お前より下の存在は――存在しない。お前が最下位なんだよ」
嘘だ。嘘だ。嘘だ。
俺様はその場にがっくりと膝を折る。グラインが母親と男児を介抱し、ドアを直しているところが見えた。雪が静かに肩や大腿部に積もっていく。全てが白い。
ライトニングは小さく嘆息すると、最後の言葉を俺様に告げる。
「今まで付き合っていたよしみで、見逃してやる。とっとと失せろ」
もう奴の言葉は入ってこなかった。雪の冷たさも、空腹も、疲労も感じない。何も、感じない。
俺様は全てを失ったのか……? この俺様が?
「いやだ……いやだ……いやだああああああああああああああああああああああっ!」
絶叫を上げると、俺様はもはや自分でもわからずに走り出していた。
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