超魔人C'NEミュージアン -CHOUJIN CODENAME MUSIAN-

黒鉄ライドウ

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第三話 ロックは笑顔の秘訣

たとえ君に嫌われても

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夕暮れ時の午後5時。

本性を暴露された里中は現在、校長室に呼ばれている、あれだけのことがわかったのだから確実に懲戒免職はまぬがれないだろう。

「アルト君!!……本当にありがとう!!!」

あの全校集会の後、美空は校庭のベンチで座っているアルトとクロマルに深かお礼を言った。その目には嬉しいのか涙を流している。

「いいよお礼なんて、美空お姉さんの無実を証明できて、俺達も何よりだよ、ねぇクロマル?」

「ニャ!」

アルトもクロマルもスッキリした気持ちだ、これで名残なく安心して出発できる。

「それじゃあお姉さん、俺たちはもう」「岸本さん」

3人が声のする方を振り向くと、そこにはバツが悪そうな表情の校長と2年B組のクラスメイトがいた。

「なっ……なんですか校長先生?」

美空が気まずそうに聞くと校長が口を開き、

「いや、そのね、今回の件は君が被害者なのはよく分かった、が、その、なんだ…」

次のセリフに三人は動揺した、

「今回の事は、親や誰も公表せずに、君のうちで留めておいてくれないか?」

は!?なんだそれは!?あれだけの仕打ちを受けたのに示談で済ませろだと?ふざけているにも程がある!!

「今回の事で、里中先生は担任を外れ、1ヶ月の停職処分となることになったんだ」

「えっ?あの?免職じゃなくてですか?」

「しょうがないんだよ、彼女の親は我が校に多額の金を寄付してくれているんだ、機嫌を損ねるわけにはいかないんだよ、それに、もしこの事が公になったら、我が校の評判がガタ落ちになるとごろか君のクラスの何人かは推薦が取り消される事になるんだ」

呆れたものだ、完全に私利的な理由だ、アルトの感情は

「そんな……」

「彼らだって彼らなりに反省しているんだ、君だって気まずくはなりたくないだろう?それに、少しは君にも落ち度があったんじゃないのかい?」

「!?」

なんて奴らだ!!示談と綺麗に並べているがこんなの完全に隠蔽ではないか!?おまけに君にも落ち度だと?美空がどんだけ苦しみ続けたんだと思ってるんだ!!それを!!

アルトの怒りは怒髪天に到達した。

「君たちいい加減に!!!」「ふざけんなぁ!!!」

今度は全員の視線が怒声のなる方へ向かう、そこには髪がぐちゃぐちゃになり、目が充血している里中がいた。

「アンタ達のせいで……アンタ達のせいで!!!!」

「里中君!!君は停職だと言ったはずだ!!帰りなさい!!」

「黙れうすらハゲが!!!」

完全に狂乱状態である、その様子は以前にも見た安人の母と同じ、いやそれ以上である。

「あの教室は、クラスは、私の王国だったのに!!よくもぶち壊しにしてくれたわね!!」

「何が王国だ!!君は彼女をなんだと思ってるんだ!!」

「はぁ!?何よクソガキ!!分からないようなら言ってやるわ、そいつは私のクラスの民の中でも最下層の人間、奴隷よ!!奴隷は奴隷らしく這いつくばってればよかったのよ!!」

里中は卑しい笑みを浮かべながら涎を垂らして叫ぶ。

………………不思議だ……先程までのイライラとした気持ちがなくなりスーとした気持ちだ。

人間怒りが頂点に達すると冷静になるんだってどこかで聞いた事があるが、本当にその通りなんだな。

「君…心底可哀想な人だね…」

「は?」

「だってそうだろう?そうやって自分以外の誰かを見下してながら貶める事でしか自分を保つ事ができないんだからね」

「!?」

一瞬図星のような表情になるがらすぐにアルトを睨みつける。

「まっ、今回の事でよく分かっただろ?人を陥れたら碌な結果にならないって、これを気に自分を改めるんだね」

アルトが皮肉そうに言うとぐぬぬぬぬ!!!と里中は歯軋りし、

「うるさい…アンタみたいにお子様が私に説教?……何様のつもりだ!!」

胸ポケットから黒い四角のMD、ジャークレコードを取り出した。

「……やっぱり今回もか……」

「どいつもこいつも馬鹿にしやがって!!全員跪かせてやる!!!」

『スワンノイズラァ!!』

里中がレコードのボタンを押すと、触手が伸び、里中を包み込み、ノイズラァ化させる。

現れたのは白鳥を人間にしたような両腕が羽になっている怪人であった。

「何だ!?里中が化け物に!!」「にっ、逃げろ!!殺される!!」

校長を含めた周りの生徒達が一斉になが始める。

「ハハハ!!惨めな愚民共ね!!まっそれはさておき」

スワンノイズラァはアルト達の方へと歩き出す。

「まずは女王に楯突いた不届者に裁きを下さないと、ねぇ~?」

美空は腰を抜かして震え始めてる。大変だ、早くミュージアンに変身しないと!アルトは帽子に手をかざして魔力を送ろうとする。

『来るな化け物!!!』

「ハッ!?」

アルトの頭に突然、あの時の記憶がフラッシュバックした。

そして思った、ここで、美空の前で変身すれば、今度は美空にも拒絶されるじゃないかと。

アルトは一瞬躊躇った、が、

「いや…….誰か……助けて……」

美空が薄れた声で涙を流しながら誰かに助けを求めている。

一気に目が覚めた。ここで自分が助けなきゃ、美空は救われない!!!!

アルトは美空の前に立つ。

「クロマル!」

アルトはミュージアンフォンを操作してクロマルの変身を解除、クロマルは人間から車輪猫カーキャットの姿へと変わる。

「えっ!?何!?クロマルさんが!?」

美空は恐怖以上に驚きを隠せないでいる。

「アルト君……貴方は一体…」

「………………」

アルトは覚悟を決した顔つきになり、美空に笑顔で答えた。

「大丈夫……君は……君の幸せは……俺が守る……」

アルトは再び帽子に魔力を送り込んだ。

「たとえ君に嫌われたとしても!!」

『バイザーON!!』

アルトはカバンからダンスマジョリーレコードを取り出してボタンを押す。

『ダンス!!』

そして、バイザーにセット。

『ローディング、ダンス!!』

メリーゴーランドのようなファンシーな音と共に魔法陣が現れ、バイザーを倒して叫んだ。

超魔人覚醒ちょうじんかくせい!!」

魔法陣からカーテンが飛び出し、アルトを包み込み、開いた時には、

『ダンシングフォーム!!フィーバー!!』

アルトは超魔人ミュージアンとなっていた。

「ひっ!?」

美空は顔をミュージアンに出したて引き攣る。当然だ、目の前の男の子が化け物の怪人になったんだから。

「クロマル!!お姉さんを安全なところへ!」

「ニャ!!」

クロマルは美空を襟元を加え、美空を背中に乗せると、ダッシュでその場を離れていった。

「あっ、…アルト君!」

美空が何か言いかけたが、アルトには聞こえない。

「アンタ、なんていう化け物?w」

スワンノイズラァが笑うかのように問いかけるが、アルトは冷静に答えた。

「……超魔人ミュージアン……」

「はぁ?超魔人?」

そして、アルトは指を上に刺して言った。

「さぁ……音楽セッションを始めようか……」
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