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終章 迷宮都市
06 スパイス
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レイジが持ち帰ってきた、植物の種子は十数種類あったのだが、どれもこれも確かに肉に合う食材と言えるだろう。
なにしろ、前の世界ではスパイスと呼ばれていたもので、名前や効能が微妙に違うが、ターメリック、クミン、コリアンダー、タイム、オレガノ……エトセトラエトセトラ。
どれもこれも肉に合わせてもいいし、魚に合わせてもいい。
なによりもこれで、カレーやそれに関する料理が解禁できる!
いや、食堂内の調味料にはカレー粉もあるし、これらのスパイス類も豊富に置いてあるんだが、中毒性が高いというか、かなり味が濃くなるから代替品がこの世界で見つかるまでは封印していたんだよな。
「レイジ、この植物は迷宮内では普通に生えてたのか?」
「ん? うん、三階層までの道にはいろんな所に生えてたよ」
よしよし、迷宮を探索している人の話では、迷宮内の植物や魔獣は一定の時間が経つと元に戻る習性があるらしいから、乱獲しても絶滅する心配はないんだよな。
「よーし、じゃあ、今日はレイジに特別にこの植物と魔獣の肉で特製の唐揚げを作ってやろう」
「やったー!」
異界のレシピにはカレー粉の調合についても記述があるから、それを参考にしつつ足りない分は食堂内の調味料で賄うか。
レイジが持って帰ってきてくれたスパイスは、すでに乾燥済みのものなので、軽くミルにかけるだけで簡単に粉々になる。
これに塩や胡椒を加えて、肉にまぶし、片栗粉と小麦粉を混ぜたいわゆる唐揚げ粉をまぶして揚げれば簡単なカレー味の唐揚げの完成だ。
肉が鳥ではなくウサギだが、今回レイジが持ってきてくれた角付きウサギはかなりの大きさなので、骨から外しても唐揚げにするには十分な大きさの肉を確保できる。
「マサトさん、お兄ちゃんに出すこの唐揚げは食堂でも出すんですか?」
「レイジや他の冒険者が迷宮から肉や植物を確保してくれたら、出せるかもしれないけど今のところはレイジ専用かな」
スパイスをミルで粉々した瞬間から、食堂内はスパイシーな香りで包まれているから食堂の料理人はもちろん、数少なくなっていたお客さんもソワソワしながらこっちを伺ってるんだよな。
とはいえ、量を確保できなければ食べられる人と食べられない人が出てくるし、そもそも持って帰ってきたレイジが食べられなくなる危険も出てくるから、量が確保できなければレイジ専用と言い切っておかないと困る。
「持ってきたら作ってくれるんですか!?」
「レイジ以外は特別扱いで作ってあげることは出来ないけど、量が確保できれば食堂内のメニューにするよ」
騎士や軍人の若者、それに冒険者が色めきだって聞いてきた。
レイジは家族みたいなものだから特別扱いするのに抵抗はないが、他の人たちは持ってきさえすれば特別扱いでなんでも作ってもらえると思われると困るからな。
「レイジ君、どこでその植物を獲ってきたか教えてくれないか?」
「他に似たような植物はあったか?」
とりあえず、これまでは見向きもされていなかった植物だから、誰も詳細を知らない……レイジ以外は。
だから、レイジのところに詳細を知ろうとみんなが向かっていってしまったな。
「よーし、いい感じに揚がったな」
作り立てはレイジにと言いたいが、どんな味付けになったか確認しないわけにもいかないし、とりあえずは味見だな。
うん、鑑定でウサギの魔獣肉は味が濃くて美味と出ていたが、確かにカレー粉に負けないくらいの味の濃さだな。
カレー粉のスパイシーな味が口中を襲った後には肉の旨味がこれでもか、と口中に広がっていく。
まさに、噛みしめるごとに旨味が漏れ出てくるようだな。
「マサトさん、わたしも味見していいですか?」
「「お、おれたちも」」
ミーナと料理人の天職持ちの騎士、軍人も寄ってきたな。
「レイジの分がなくならないように小さいのでな」
今回の功労者はもちろんレイジなので、レイジが満足いくまで食べられるように味見は一口の半分くらいの大きさだ。
当然、俺が味見したのも同じ大きさのものだ。
「~~~~っ! 美味しいです!」
「「~~~っ鳥の唐揚げよりも美味い!」」
どうやら、賄いで唐揚げを食べ慣れている人間でもこの唐揚げのうまさは格別のようだな。
「「「お、俺たちは迷宮で魔獣と植物を獲ってくる!!」」」
味見の様子を見ていた騎士、軍人、冒険者は我先にと食堂を出て、迷宮に向かうようだ。
「んじゃあ、今回の功労者のレイジにカレー味のウサギ唐揚げ定食だ」
「やったー!!」
なにしろ、前の世界ではスパイスと呼ばれていたもので、名前や効能が微妙に違うが、ターメリック、クミン、コリアンダー、タイム、オレガノ……エトセトラエトセトラ。
どれもこれも肉に合わせてもいいし、魚に合わせてもいい。
なによりもこれで、カレーやそれに関する料理が解禁できる!
いや、食堂内の調味料にはカレー粉もあるし、これらのスパイス類も豊富に置いてあるんだが、中毒性が高いというか、かなり味が濃くなるから代替品がこの世界で見つかるまでは封印していたんだよな。
「レイジ、この植物は迷宮内では普通に生えてたのか?」
「ん? うん、三階層までの道にはいろんな所に生えてたよ」
よしよし、迷宮を探索している人の話では、迷宮内の植物や魔獣は一定の時間が経つと元に戻る習性があるらしいから、乱獲しても絶滅する心配はないんだよな。
「よーし、じゃあ、今日はレイジに特別にこの植物と魔獣の肉で特製の唐揚げを作ってやろう」
「やったー!」
異界のレシピにはカレー粉の調合についても記述があるから、それを参考にしつつ足りない分は食堂内の調味料で賄うか。
レイジが持って帰ってきてくれたスパイスは、すでに乾燥済みのものなので、軽くミルにかけるだけで簡単に粉々になる。
これに塩や胡椒を加えて、肉にまぶし、片栗粉と小麦粉を混ぜたいわゆる唐揚げ粉をまぶして揚げれば簡単なカレー味の唐揚げの完成だ。
肉が鳥ではなくウサギだが、今回レイジが持ってきてくれた角付きウサギはかなりの大きさなので、骨から外しても唐揚げにするには十分な大きさの肉を確保できる。
「マサトさん、お兄ちゃんに出すこの唐揚げは食堂でも出すんですか?」
「レイジや他の冒険者が迷宮から肉や植物を確保してくれたら、出せるかもしれないけど今のところはレイジ専用かな」
スパイスをミルで粉々した瞬間から、食堂内はスパイシーな香りで包まれているから食堂の料理人はもちろん、数少なくなっていたお客さんもソワソワしながらこっちを伺ってるんだよな。
とはいえ、量を確保できなければ食べられる人と食べられない人が出てくるし、そもそも持って帰ってきたレイジが食べられなくなる危険も出てくるから、量が確保できなければレイジ専用と言い切っておかないと困る。
「持ってきたら作ってくれるんですか!?」
「レイジ以外は特別扱いで作ってあげることは出来ないけど、量が確保できれば食堂内のメニューにするよ」
騎士や軍人の若者、それに冒険者が色めきだって聞いてきた。
レイジは家族みたいなものだから特別扱いするのに抵抗はないが、他の人たちは持ってきさえすれば特別扱いでなんでも作ってもらえると思われると困るからな。
「レイジ君、どこでその植物を獲ってきたか教えてくれないか?」
「他に似たような植物はあったか?」
とりあえず、これまでは見向きもされていなかった植物だから、誰も詳細を知らない……レイジ以外は。
だから、レイジのところに詳細を知ろうとみんなが向かっていってしまったな。
「よーし、いい感じに揚がったな」
作り立てはレイジにと言いたいが、どんな味付けになったか確認しないわけにもいかないし、とりあえずは味見だな。
うん、鑑定でウサギの魔獣肉は味が濃くて美味と出ていたが、確かにカレー粉に負けないくらいの味の濃さだな。
カレー粉のスパイシーな味が口中を襲った後には肉の旨味がこれでもか、と口中に広がっていく。
まさに、噛みしめるごとに旨味が漏れ出てくるようだな。
「マサトさん、わたしも味見していいですか?」
「「お、おれたちも」」
ミーナと料理人の天職持ちの騎士、軍人も寄ってきたな。
「レイジの分がなくならないように小さいのでな」
今回の功労者はもちろんレイジなので、レイジが満足いくまで食べられるように味見は一口の半分くらいの大きさだ。
当然、俺が味見したのも同じ大きさのものだ。
「~~~~っ! 美味しいです!」
「「~~~っ鳥の唐揚げよりも美味い!」」
どうやら、賄いで唐揚げを食べ慣れている人間でもこの唐揚げのうまさは格別のようだな。
「「「お、俺たちは迷宮で魔獣と植物を獲ってくる!!」」」
味見の様子を見ていた騎士、軍人、冒険者は我先にと食堂を出て、迷宮に向かうようだ。
「んじゃあ、今回の功労者のレイジにカレー味のウサギ唐揚げ定食だ」
「やったー!!」
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