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03 大陸横断鉄道での出会い
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「はい、書類に不備はありませんね。では、良い旅を」
ペルヴィス領を飛び出した私は早速、大陸横断鉄道に乗り込み他国への旅を始めた。
領を出る前に銀行で全財産を引き出しておいたから、他国へ行って数か月は遊んで暮らせる程度には資金があるけれど、早く拠点を決めてポーションづくりもしないとね。
とりあえずの目的地は薬草学のメッカであるバルシュ王国。
この国とバルシュ王国は同盟を組んでいて、鉄道で国境を越えることが可能なのが決め手だったわね。
「ええと、切符に書かれている番号は……ここね」
国内をつなぐ鉄道は座席がずらっと並んでいるタイプが多いけれど、外国とつながっている鉄道の場合は半個室のボックスタイプが多い。
今回の鉄道も王都同士をつないでいるので、半個室のボックスタイプ……まあ、始発から終点まで乗ると半日以上かかるから、そうなるわよね。
「おやおや、これは可愛らしいお嬢さんが入ってきたね」
切符に書かれている部屋を覗くと、そこには初老の男性が席に着いていた。
ボックスタイプの席はワンシート1チケットで売っているから、知らない人と相席になるのよね。
「こんにちは。しばらくの間、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ。荷物はそれだけかい? 棚に上げるのを手伝おうか?」
「大丈夫です。実は中身はほとんど薬草なので意外に軽いんですよ」
実際には金貨なども入っているので、それほど軽いというわけでもないけど、旅行の荷物としては軽い方だろう。
金貨で持ち歩くのは怖かったから、ペルヴィス領を出る前に生活に困らない程度のお金を残して他は薬草に換えてある。
薬草なら日持ちもするし、普通の人には草にしか見えないから置き引きや盗難には遭いにくいと、母に言われていたというのもある。
「薬草……バルシュ王国へ薬草を売りに行くのかい?」
「いえ、こう見えても薬師なので、バルシュ王国へは勉強に。薬草はポーションにして売ってみようかなって」
「ほう。勉強熱心な子はバルシュ王国でも歓迎されるからね。存分に学ぶといいよ」
「おじいさんは?」
「おっと、名乗ってなかったね。モーリスだよ。この国には薬師見習いを探しに来たんだけどね、なかなかいい子が居なくて」
「そうなんですね。マリーです……一応、薬師見習い? みたいなものです」
「みたいな?」
「ポーションは作れるんですけど、きちんと師事したわけではなくて、母の見様見真似なんです」
ペルヴィス領にも薬師はいたけれど、私は母のポーションづくりを見ていたり、母が亡くなった後は残してくれた手記を参考にポーションを作っていた。
本当はプロの薬師に弟子入りして薬師を目指すべきなのだろうけど、これまでは学ぶ時間すら確保できないほどにポーションづくりに生活が圧迫されていたから、そんな暇はなかったのよね。
「ほう、独学でポーションを?」
「はい……あ、もしかしてバルシュ王国ではよく思われていませんか?」
「いえいえ、ポーションは効能が一番ですからな。きちんと効き目が出れば、独学か学んだかは関係ありませんよ」
モーリスさんは優しそうな笑顔を浮かべながら、そう話してくれる。
私は長年ポーションを作っていたけれど、販売はすべてお父様に仕切られていたから、利用者がどう思っているのか、本当に喜ばれているのかわからなかったのよね。
でも効能が一番かぁ……私のポーションはどのくらいなんだろう?
「そういえば、どこまで行くのですかな?」
「……あっ、はい。王都まで行ってみようかな、と思ったんですけど、モーリスさんのオススメってありますか?」
ろくに情報もないから、王都に行こうと思っていたけれど、バルシュ王国に詳しい人に聞いた方が穴場がわかるかも。
どうせお父様も私を連れ戻そうと探すだろうし、王都にいるよりも目立たない場所の方が良いだろうしね。
「オススメ……ですか。そうですな。では、ルグラン領など、どうでしょうか?」
「ルグラン領……聞いたことないです」
「王都からは少し離れていますが、薬草学の学校もありますし、各種ギルドではポーションの需要が高いところなのですよ」
「学校……行ってみたいですけど、他国の人間は無理ですよね?」
「もし来てくださるのなら、紹介状を書きますよ」
「いいんですかっ!?」
「先ほどもいいましたが、優秀な薬師を探しているのですよ。マリー嬢がそうなってくれるのなら、こちらとしても助かりますからな」
ペルヴィス家から出ていくことができ、モーリスさんとも出会え、私ってば運が向いてきているのかも!
モーリスさんと一緒にルグラン領に行ってみようかしら。
ペルヴィス領を飛び出した私は早速、大陸横断鉄道に乗り込み他国への旅を始めた。
領を出る前に銀行で全財産を引き出しておいたから、他国へ行って数か月は遊んで暮らせる程度には資金があるけれど、早く拠点を決めてポーションづくりもしないとね。
とりあえずの目的地は薬草学のメッカであるバルシュ王国。
この国とバルシュ王国は同盟を組んでいて、鉄道で国境を越えることが可能なのが決め手だったわね。
「ええと、切符に書かれている番号は……ここね」
国内をつなぐ鉄道は座席がずらっと並んでいるタイプが多いけれど、外国とつながっている鉄道の場合は半個室のボックスタイプが多い。
今回の鉄道も王都同士をつないでいるので、半個室のボックスタイプ……まあ、始発から終点まで乗ると半日以上かかるから、そうなるわよね。
「おやおや、これは可愛らしいお嬢さんが入ってきたね」
切符に書かれている部屋を覗くと、そこには初老の男性が席に着いていた。
ボックスタイプの席はワンシート1チケットで売っているから、知らない人と相席になるのよね。
「こんにちは。しばらくの間、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ。荷物はそれだけかい? 棚に上げるのを手伝おうか?」
「大丈夫です。実は中身はほとんど薬草なので意外に軽いんですよ」
実際には金貨なども入っているので、それほど軽いというわけでもないけど、旅行の荷物としては軽い方だろう。
金貨で持ち歩くのは怖かったから、ペルヴィス領を出る前に生活に困らない程度のお金を残して他は薬草に換えてある。
薬草なら日持ちもするし、普通の人には草にしか見えないから置き引きや盗難には遭いにくいと、母に言われていたというのもある。
「薬草……バルシュ王国へ薬草を売りに行くのかい?」
「いえ、こう見えても薬師なので、バルシュ王国へは勉強に。薬草はポーションにして売ってみようかなって」
「ほう。勉強熱心な子はバルシュ王国でも歓迎されるからね。存分に学ぶといいよ」
「おじいさんは?」
「おっと、名乗ってなかったね。モーリスだよ。この国には薬師見習いを探しに来たんだけどね、なかなかいい子が居なくて」
「そうなんですね。マリーです……一応、薬師見習い? みたいなものです」
「みたいな?」
「ポーションは作れるんですけど、きちんと師事したわけではなくて、母の見様見真似なんです」
ペルヴィス領にも薬師はいたけれど、私は母のポーションづくりを見ていたり、母が亡くなった後は残してくれた手記を参考にポーションを作っていた。
本当はプロの薬師に弟子入りして薬師を目指すべきなのだろうけど、これまでは学ぶ時間すら確保できないほどにポーションづくりに生活が圧迫されていたから、そんな暇はなかったのよね。
「ほう、独学でポーションを?」
「はい……あ、もしかしてバルシュ王国ではよく思われていませんか?」
「いえいえ、ポーションは効能が一番ですからな。きちんと効き目が出れば、独学か学んだかは関係ありませんよ」
モーリスさんは優しそうな笑顔を浮かべながら、そう話してくれる。
私は長年ポーションを作っていたけれど、販売はすべてお父様に仕切られていたから、利用者がどう思っているのか、本当に喜ばれているのかわからなかったのよね。
でも効能が一番かぁ……私のポーションはどのくらいなんだろう?
「そういえば、どこまで行くのですかな?」
「……あっ、はい。王都まで行ってみようかな、と思ったんですけど、モーリスさんのオススメってありますか?」
ろくに情報もないから、王都に行こうと思っていたけれど、バルシュ王国に詳しい人に聞いた方が穴場がわかるかも。
どうせお父様も私を連れ戻そうと探すだろうし、王都にいるよりも目立たない場所の方が良いだろうしね。
「オススメ……ですか。そうですな。では、ルグラン領など、どうでしょうか?」
「ルグラン領……聞いたことないです」
「王都からは少し離れていますが、薬草学の学校もありますし、各種ギルドではポーションの需要が高いところなのですよ」
「学校……行ってみたいですけど、他国の人間は無理ですよね?」
「もし来てくださるのなら、紹介状を書きますよ」
「いいんですかっ!?」
「先ほどもいいましたが、優秀な薬師を探しているのですよ。マリー嬢がそうなってくれるのなら、こちらとしても助かりますからな」
ペルヴィス家から出ていくことができ、モーリスさんとも出会え、私ってば運が向いてきているのかも!
モーリスさんと一緒にルグラン領に行ってみようかしら。
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