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幼少期
22 ガーリックフランスは好評
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「若、硬いです」
「うーん、私も苦手ですかね」
「そうかぁ、このくらい硬い方が食べ応えがあっていいじゃねえか」
と、こんな感じでフランスパンに関しては賛否両論……いや、賛3の否7ってところか?
俺としては焼き立てだし、砂糖も入れたしで記憶にあるフランスパンよりもかなり柔らかいのだが、柔らかすぎるパンに慣れている皆にとってはこれでも硬いらしい。
「まあまあ、慌てなさんな。料理長、ガーリックバターは用意してくれてる?」
「おう、坊ちゃん。でも、どうすんだ? フライドポテトでも作るのか?」
この世界でガーリックバターと言えば揚げたてのフライドポテトに回しかけて、ガーリックポテトを作るのが主流だ。
確かにあれも美味いし、酒のつまみにはピッタリなんだろうけど、今回は違う。
「今作ったパンを輪切りにして、表面に溶かしたガーリックバターを塗って、トースターでトーストしていく……んで、最後にパセリを軽く振りかけて……出来上がり!」
「お、こいつは良い匂いがしますな。しかし、更に焼いちまったら、もっと硬くなるんじゃ?」
「食べてみてよ」
と言いつつ、2つは確保しておく。
試食には調理に参加しなかった人たちも参加するから、当然と言えば当然だけど量に限りがある。
自分の分とレナの分は確保しつつ、残りは料理長を含めて料理人たちに渡すと、半分や4分の1にして綺麗に分け合っている。
「……ん、若!? これは美味しいです」
「ジュワって……ジュワって言った!?」
「……確かにこいつはいつものパンならふにゃふにゃになっちまうな」
「炭酸割……いや、赤ワインか」
最後のは料理長だな、この酒飲みめっ!
まあ、何もしないフランスパンはあまり好評ではなかったが、ガーリックフランスの方はなかなかに好評だ。
俺としてはパリジャンを8分の1にして作るタイプの方が硬めで好きなんだが、この世界では輪切りタイプの方がガーリックバターが染みやすくて良いだろう。
「これなら、どうかな?」
「「「「美味しいですっ!」」」」
「ふむ、坊ちゃん。これもアンドレ商会に売り込むつもりで?」
「まあ、父上に出してつまみとして合格ならそれもアリじゃない? 俺としてはカナッペのクラッカーの代わりにフランスパンを使えば食いでがあると思うよ」
「ほうほうほう。確かにカナッペは美味いんですが、食事代わりとはいかないですからなぁ」
まあ、本当は明太子を使った明太バターフランスが作りたいのだが、唐辛子が最近できたところ、更にはタラコは港以外では珍味扱いだからな、在庫がないんだ。
コメ食文化だと、魚卵って食べやすいんだけど、パン食文化だとパスタに入れるか、そのままつまみにするくらいだからな。
「あとは、オニオンスープに浮かべてチーズをのせてオーブンで温めたり、キノコの炒め物を中に入れてチーズソースをかけたりとかかな……あ、アヒージョの付け合わせとかチーズフォンデュも良いよね」
「坊ちゃん、流石にそれ全部は無理でさぁ。……ま、とりあえずガーリックバターのを夕飯に少し、あとはオニオンスープも作ってみますかね」
「まあ、その辺の研究は任せるよ。俺としては月に何度か食べられたら満足だしね」
俺としてはパンの時は毎回フランスパンでもいいくらいなんだが、この世界の常識もあるし、他の人が好まないものを特注で出してくれとは言いづらい。
ま、作り方自体は料理人に伝えられたし、父上や母上が気に入ったら適当に作ってくれるだろうし、もう少し大きくなったら自分で作ってもいいしな。
そのころにはバルディ領でタラコを仕入れて、明太子を試作してもいいしな。
「若、今日は食べすぎですのでもう少し、走り込みをしましょう」
「そうだね、レナ」
ウイスキーボンボンは食べなかったけど、焼き立てフランスパンにガーリックフランスと少しカロリーオーバーだ。
発酵時間に走り込みはしていたけど、体形を維持するためにも、もう少し走った方が良いだろうな。
「あ、料理長。ウイスキーボンボンが固まったら、父上に食べてもらってみて。……母上には教えないようにして」
「わかってまさぁ。授乳期間中は少量とはいえ酒は出しませんよ」
「頼むね……じゃ、レナ、行こうか」
「はい」
見合用に増量した体重は戻したし、体形も維持する努力はしているが、ダンジョンを攻略するためにはまだまだ足りない。
少なくとも全力疾走して息切れしても動けるだけの回復力と、そこそこの速さで1時間ほど走っても疲れないくらいの体力は欲しいな。
剣術の練習もしないといけないし、馬術の方も……うーん、時間が足りないなぁ。
「うーん、私も苦手ですかね」
「そうかぁ、このくらい硬い方が食べ応えがあっていいじゃねえか」
と、こんな感じでフランスパンに関しては賛否両論……いや、賛3の否7ってところか?
俺としては焼き立てだし、砂糖も入れたしで記憶にあるフランスパンよりもかなり柔らかいのだが、柔らかすぎるパンに慣れている皆にとってはこれでも硬いらしい。
「まあまあ、慌てなさんな。料理長、ガーリックバターは用意してくれてる?」
「おう、坊ちゃん。でも、どうすんだ? フライドポテトでも作るのか?」
この世界でガーリックバターと言えば揚げたてのフライドポテトに回しかけて、ガーリックポテトを作るのが主流だ。
確かにあれも美味いし、酒のつまみにはピッタリなんだろうけど、今回は違う。
「今作ったパンを輪切りにして、表面に溶かしたガーリックバターを塗って、トースターでトーストしていく……んで、最後にパセリを軽く振りかけて……出来上がり!」
「お、こいつは良い匂いがしますな。しかし、更に焼いちまったら、もっと硬くなるんじゃ?」
「食べてみてよ」
と言いつつ、2つは確保しておく。
試食には調理に参加しなかった人たちも参加するから、当然と言えば当然だけど量に限りがある。
自分の分とレナの分は確保しつつ、残りは料理長を含めて料理人たちに渡すと、半分や4分の1にして綺麗に分け合っている。
「……ん、若!? これは美味しいです」
「ジュワって……ジュワって言った!?」
「……確かにこいつはいつものパンならふにゃふにゃになっちまうな」
「炭酸割……いや、赤ワインか」
最後のは料理長だな、この酒飲みめっ!
まあ、何もしないフランスパンはあまり好評ではなかったが、ガーリックフランスの方はなかなかに好評だ。
俺としてはパリジャンを8分の1にして作るタイプの方が硬めで好きなんだが、この世界では輪切りタイプの方がガーリックバターが染みやすくて良いだろう。
「これなら、どうかな?」
「「「「美味しいですっ!」」」」
「ふむ、坊ちゃん。これもアンドレ商会に売り込むつもりで?」
「まあ、父上に出してつまみとして合格ならそれもアリじゃない? 俺としてはカナッペのクラッカーの代わりにフランスパンを使えば食いでがあると思うよ」
「ほうほうほう。確かにカナッペは美味いんですが、食事代わりとはいかないですからなぁ」
まあ、本当は明太子を使った明太バターフランスが作りたいのだが、唐辛子が最近できたところ、更にはタラコは港以外では珍味扱いだからな、在庫がないんだ。
コメ食文化だと、魚卵って食べやすいんだけど、パン食文化だとパスタに入れるか、そのままつまみにするくらいだからな。
「あとは、オニオンスープに浮かべてチーズをのせてオーブンで温めたり、キノコの炒め物を中に入れてチーズソースをかけたりとかかな……あ、アヒージョの付け合わせとかチーズフォンデュも良いよね」
「坊ちゃん、流石にそれ全部は無理でさぁ。……ま、とりあえずガーリックバターのを夕飯に少し、あとはオニオンスープも作ってみますかね」
「まあ、その辺の研究は任せるよ。俺としては月に何度か食べられたら満足だしね」
俺としてはパンの時は毎回フランスパンでもいいくらいなんだが、この世界の常識もあるし、他の人が好まないものを特注で出してくれとは言いづらい。
ま、作り方自体は料理人に伝えられたし、父上や母上が気に入ったら適当に作ってくれるだろうし、もう少し大きくなったら自分で作ってもいいしな。
そのころにはバルディ領でタラコを仕入れて、明太子を試作してもいいしな。
「若、今日は食べすぎですのでもう少し、走り込みをしましょう」
「そうだね、レナ」
ウイスキーボンボンは食べなかったけど、焼き立てフランスパンにガーリックフランスと少しカロリーオーバーだ。
発酵時間に走り込みはしていたけど、体形を維持するためにも、もう少し走った方が良いだろうな。
「あ、料理長。ウイスキーボンボンが固まったら、父上に食べてもらってみて。……母上には教えないようにして」
「わかってまさぁ。授乳期間中は少量とはいえ酒は出しませんよ」
「頼むね……じゃ、レナ、行こうか」
「はい」
見合用に増量した体重は戻したし、体形も維持する努力はしているが、ダンジョンを攻略するためにはまだまだ足りない。
少なくとも全力疾走して息切れしても動けるだけの回復力と、そこそこの速さで1時間ほど走っても疲れないくらいの体力は欲しいな。
剣術の練習もしないといけないし、馬術の方も……うーん、時間が足りないなぁ。
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