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045 協会と帝城からの報告
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あれから、いくつかの付与を施した魔導具を依頼されたが、師匠が交渉してくれたおかげで今までの業務を圧迫するほどにはならなかった。
まあそれでも、師匠の方に無属性の魔石を使った魔導具の依頼が来るくらいには、協会と帝城での実証実験は捗っていたらしい。
「色々と分かったことがあるから報告するわ」
「はい、師匠」
というわけで、夕飯をギルドでとっている最中に師匠から協会と帝城での実験結果を報告されることになった。
今日も今日とて夕飯は僕が作っている……まあ、外で重要な話をするわけにはいかないし、師匠はパンを温めて飲み物を淹れるくらいしかできないってわかったからいいんだけど。
「まず、カズが懸念していた魔石へ付与魔法をかけた人によって、空間収納がどうなるかだけど、違う人が付与をし直しても空間収納はそのままだったわ」
おっと、それは意外だな。僕の考えでは付与した人間によって空間収納する空間が決まると思っていた。
「じゃあ、かなり便利ですね」
「そうともいかないわ。どうも空間収納は入口の開け閉めの際に使用者の魔力を微量に使っているみたいで、1つの空間には1人しかアクセスできないみたいなの」
「ということは、入れたものは自分でしか取り出せないってことですか?」
まあ、不便っちゃ不便だけど、盗まれないと考えたら便利な面もありそうだけどな。
それに複数人でパーティーを組む冒険者からしたら、1つの魔導具でパーティー分の容量が増えるんだかからお得じゃない?
「どうもね、空間収納を付与された魔導具は初めに発動した人の魔力を覚えているようで、それ以外の人は魔導具として利用できないみたいなの」
「……ん?」
つまりは個人認証されているってことか?
「だから空間収納を付与された魔導具は完全に個人用。誰かに譲ることもできないし、空にして売ることもできないってわけ」
「ん~、魔石を付けなおさないとダメってことですか?」
「そうよ。まあ、その点は普通の魔導具と同じといえば同じだけどね」
なるほど。そういえば着火用の魔導具なんかは魔力切れになったら、錬金術師が魔石組込で新しい魔石と取り換えるんだったな。
必要がなくなった場合には魔石を取り換える段階で、商人や錬金術師に中古品として売却するというのも聞いたことがある。
「鑑定系の魔導具はそんなことなかったんですよね?」
「ええ、鑑定系は使いまわしができたわ」
それは朗報だな。空間収納が使いまわしできないということは、市販される際にはかなりの高値に設定するか、量を用意しないといけなくなるし。
もしも鑑定系の魔導具も使いまわしできなかったら、国が流通を管理するとしても、かなりの混乱になっただろうからな。
「他には問題はなかったんですか?」
「あったわ。……どうも鑑定系の魔導具は使う人によって見える情報が違うみたいなの」
「ん? その人が錬金術師だったとかですか?」
「それがそうでもないの。錬金術師は全員がカズや私が見たような情報になっているけれど、それ以外にもそう見えている人はいるし、逆に見えない人もいるらしいの。見えない人は鉄鉱石は『鉄鉱石』としか表示されないらしいわ」
ふむふむ。要するに錬金術師と一部の人はレベル2の素材鑑定が、それ以外の人はレベル1の素材鑑定が見えているわけか。
素材鑑定はレベル1の段階では名称だけ、詳細な説明はレベル2にならないと見えなかったからなぁ。
「ちなみに、錬金術師じゃないのに詳細な鑑定ができた人はどういう人でしたか?」
「ええと、確か素材管理部の人と加工室に勤務している人……だったかな?」
「ということは、日常的に素材に触れている人たちですよね。だったら、素材鑑定ではなくても自前で鑑定系のスキルを持っているのでは?」
「……聞いたことはないけれど、そうかも」
素材鑑定は錬金術師のスキルだけれど、他にも鑑定系のスキルを持っている天職持ちがいることは知っている。
自分が天職を持っていなくても、他のスキルや魔法を覚えることはできると師匠に聞いているし、その人たちも素材鑑定を覚えているのでは、と考えた。
通常は自分がもっていない天職のスキルや魔法を覚えるのには長い年月が必要らしいけど、別の鑑定を持っている人なら素材鑑定を覚えるのも早いかもしれない。
「スキルを確認する必要があるかもしれません。素材鑑定を覚えているかもしれませんし、そうでなかったら他の天職の鑑定スキルが影響しているかもしれないので」
「全員のスキルを確かめてもらうわ」
そういって食事に戻った師匠だけれど、その肩はガックリと落ちていた。
師匠が平穏な日常に換えるのは、まだまだ先のようだな。
まあそれでも、師匠の方に無属性の魔石を使った魔導具の依頼が来るくらいには、協会と帝城での実証実験は捗っていたらしい。
「色々と分かったことがあるから報告するわ」
「はい、師匠」
というわけで、夕飯をギルドでとっている最中に師匠から協会と帝城での実験結果を報告されることになった。
今日も今日とて夕飯は僕が作っている……まあ、外で重要な話をするわけにはいかないし、師匠はパンを温めて飲み物を淹れるくらいしかできないってわかったからいいんだけど。
「まず、カズが懸念していた魔石へ付与魔法をかけた人によって、空間収納がどうなるかだけど、違う人が付与をし直しても空間収納はそのままだったわ」
おっと、それは意外だな。僕の考えでは付与した人間によって空間収納する空間が決まると思っていた。
「じゃあ、かなり便利ですね」
「そうともいかないわ。どうも空間収納は入口の開け閉めの際に使用者の魔力を微量に使っているみたいで、1つの空間には1人しかアクセスできないみたいなの」
「ということは、入れたものは自分でしか取り出せないってことですか?」
まあ、不便っちゃ不便だけど、盗まれないと考えたら便利な面もありそうだけどな。
それに複数人でパーティーを組む冒険者からしたら、1つの魔導具でパーティー分の容量が増えるんだかからお得じゃない?
「どうもね、空間収納を付与された魔導具は初めに発動した人の魔力を覚えているようで、それ以外の人は魔導具として利用できないみたいなの」
「……ん?」
つまりは個人認証されているってことか?
「だから空間収納を付与された魔導具は完全に個人用。誰かに譲ることもできないし、空にして売ることもできないってわけ」
「ん~、魔石を付けなおさないとダメってことですか?」
「そうよ。まあ、その点は普通の魔導具と同じといえば同じだけどね」
なるほど。そういえば着火用の魔導具なんかは魔力切れになったら、錬金術師が魔石組込で新しい魔石と取り換えるんだったな。
必要がなくなった場合には魔石を取り換える段階で、商人や錬金術師に中古品として売却するというのも聞いたことがある。
「鑑定系の魔導具はそんなことなかったんですよね?」
「ええ、鑑定系は使いまわしができたわ」
それは朗報だな。空間収納が使いまわしできないということは、市販される際にはかなりの高値に設定するか、量を用意しないといけなくなるし。
もしも鑑定系の魔導具も使いまわしできなかったら、国が流通を管理するとしても、かなりの混乱になっただろうからな。
「他には問題はなかったんですか?」
「あったわ。……どうも鑑定系の魔導具は使う人によって見える情報が違うみたいなの」
「ん? その人が錬金術師だったとかですか?」
「それがそうでもないの。錬金術師は全員がカズや私が見たような情報になっているけれど、それ以外にもそう見えている人はいるし、逆に見えない人もいるらしいの。見えない人は鉄鉱石は『鉄鉱石』としか表示されないらしいわ」
ふむふむ。要するに錬金術師と一部の人はレベル2の素材鑑定が、それ以外の人はレベル1の素材鑑定が見えているわけか。
素材鑑定はレベル1の段階では名称だけ、詳細な説明はレベル2にならないと見えなかったからなぁ。
「ちなみに、錬金術師じゃないのに詳細な鑑定ができた人はどういう人でしたか?」
「ええと、確か素材管理部の人と加工室に勤務している人……だったかな?」
「ということは、日常的に素材に触れている人たちですよね。だったら、素材鑑定ではなくても自前で鑑定系のスキルを持っているのでは?」
「……聞いたことはないけれど、そうかも」
素材鑑定は錬金術師のスキルだけれど、他にも鑑定系のスキルを持っている天職持ちがいることは知っている。
自分が天職を持っていなくても、他のスキルや魔法を覚えることはできると師匠に聞いているし、その人たちも素材鑑定を覚えているのでは、と考えた。
通常は自分がもっていない天職のスキルや魔法を覚えるのには長い年月が必要らしいけど、別の鑑定を持っている人なら素材鑑定を覚えるのも早いかもしれない。
「スキルを確認する必要があるかもしれません。素材鑑定を覚えているかもしれませんし、そうでなかったら他の天職の鑑定スキルが影響しているかもしれないので」
「全員のスキルを確かめてもらうわ」
そういって食事に戻った師匠だけれど、その肩はガックリと落ちていた。
師匠が平穏な日常に換えるのは、まだまだ先のようだな。
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