猫と私と犬の小説家

瀧川るいか

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嘘と矛盾と心理学

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[年齢]秘密。可愛いから関係ない。
[身長]153センチくらい。詳しくは忘れた。
[スリーサイズ]上から、大きいよ。細いよ。普通だよ。
[性格]基本的に穏やか。少し真面目。オタク気質。
[足のサイズ]小さい。
[手の大きさ]掌は小さい。ピアノのお陰で指は長い。
[利き手]一応左利き。右手も起用。
[血液型]A型。几帳面で可愛い。
[星座]山羊座。白い感じで可愛い。
[職業]可愛い生き物。姫。
[誕生日]内緒。
[干支]ウサギ。可愛い他ない。
[好きな食べ物]甘いもの。辛いもの。
[嫌い食べ物]ピーナッツ。普通にアレルギー。
[好きなもの]ゲーム。アニメ。漫画。旅。音楽鑑賞。カラオケ。映画鑑賞。可愛いもの。キレイなもの。
[嫌いなもの]可愛くないもの。キレイじゃないもの。私を不愉快にするもの全て。
[直したい癖]歩く時についつい気になって前髪を抑えるとこ。無駄に早い歩行速度。ゲームしてて腹立つとたまに舌打ちしたり口が悪くなるとこ。本気でムカつくと何か起きちゃうとこ。
[長所]可愛いとこ。
[短所]可愛過ぎるとこ。
[好きな色]赤。ピンク。水色。白。
[座右の銘]可愛いは努力。
[家族]チャチャとメー。
[将来の夢]可愛い日本代表。
[学生時代の部活]したことない。

「うーん。こんな感じかなぁ~」
たまには自己分析をしてみようと思って紙に自分の事を書いてた。というのは冗談。
「概ね間違いないと思うけどなぁ~」
なんとなく心理カウンセラーの資格を取りたくて教材を買った。そこには自己分析を深めると書いていたので自分自身を分析したりしていた。
付属のDVDは一瞬見て、止めた。なんか映像が私に相応しくなかった。
「なになに~?」
「沢山の人に寄り添えるようにまずは自分自身を知る事から始めましょう」
「そうですか~」
「まぁ~所詮心理学は統計学だからなぁ~」
「人はそれぞれ一人一人違うものなんだから統計的に見る事は違う気がするなぁ~」
「そりゃさ~データ的にこうゆう傾向にありますとかはあるだろうけどさぁ~」
「まぁ~その人にはその人にあった寄り添い方があるんだろうけど正解なんてその瞬間瞬間で違うでしょ~」
「感情って生ものだからね~」
「辛いと思った五分後と二時間後では辛い気持ちの度合いも違うだろうしなぁ~」
「いやぁ~それを教科書みたいのを見て勉強するのはなんか違うなぁ~」
「ちょっとつまらなーーい」
いちいちツッコミを入れてしまう。これは悪い癖。
通信教育にチャレンジしている可愛い私。
物凄い矛盾を感じながらテキストを開いている。
普段手にしている分厚い本と似たことが書いてあるが少し表現が違う。
「なになに~海馬は記憶力ね~扁桃体は情動学習ね~前頭連合野は自発性や計画性ね~」
「これって何の意味あるんだぁ?」
「まぁ~いいか」
心理学の本は趣味程度で読んでいたけど学習テキストになると違う雰囲気になる。
非常に分かりやすく書いてあってありがたい。
「あ~あれってそーゆー事だったんだぁ~」
「気持ちを落ち着かせるにはラベンダーやカモミールの香りが有効ねぇ~」
「なんかラベンダーってトイレっぽいなぁ~」
「でも家のトイレ落ち着くもんなぁ~なるほど~」
最近はお香ブームの私は匂いの影響については物凄く納得。匂いで気持ちが落ち着いているし、お香の煙る感じが堪らないのだ。
安さの殿堂に行き大量購入して備蓄している。気に入ると無くなるのが不安でついつい多めに買ってしまう。同じ服とかの色違いとか同じ靴とかアクセサリーとかも。
「確かに匂いって大事だなぁ~気持ちが落ち着く」
「なになに?落ち込んだ気分を元気にさせたい時はオレンジとかグレープフルーツの柑橘系が良いかぁ~それは知らなかったなぁ~食べるのは好きだけど。でも柑橘系食べると気持ち上がるもんなぁ~。視覚的にも味覚的にも」
「いやぁ~間違ってないなぁ~」
パラパラとページをめくりながら目を通していくと沢山の専門用語に出会う。
日常生活ではあまり使う事のない言葉達に出会う。勉強は楽しい。
「なんか難しい言葉が多い」
「もっと簡単で分かりやすい言葉がいいなぁ」
「アリストテレス?知ってる知ってる」
「ヴィルヘルムヴント?知ってる知ってる」
「名前くらい知ってる知ってる」
「ジークムント・フロイト様は知ってるよぉ~無意識という存在に意識を向けて心理学の発展に大きく貢献した人!」
普段意識せずなんとなく読んでいた心理学の本。
自分の中でしっかりと知識として根付いた事が嬉しく思えた。
無意識にやっていた事でも意識してみたら自分の知識になっていた。
「あ~こーゆー事かぁ~偉大だな~フロイト様は。今の当たり前は昔の偉大な方々の気付きによって作られてるんだなぁ~」
倫理的に物事を考える事が多い。
衝動的に感情で突っ走る時もあるが結果的に計算高く考えてしまう。
というのも感情的に行動した後に自分の中で倫理的に物事を整理して綺麗にして間違ってなかったと思えるように生きてきた気がする。
でも自分に嘘や矛盾があるように全ての人間に嘘や矛盾はあると思う。
「だから人間は面白いんだよ」
そんな言葉を誰かから聞いた気がする。
「世の中の嘘や矛盾を下らないと笑い飛ばして、愛する事が出来たら生きる事は楽しい」
そんな言葉を誰かから聞いた気がする。
「うーん。なんだか頭が疲れてきた~」
テーブルの上の世界に夢中になっていた私に気遣って遠くから見つめていた茶トラの二匹は心配そうに近付いてきた。珍しくチャチャが一番に寄ってきた。
「ニャ~ニャ~」
「どした~?」
何故か少し寂しそうな茶トラの二匹。少し元気がない構ってちゃんのメーも寄ってきた。
「メ~」
「そんな寂しそうな顔しないのぉ~」
「姫だってたまには勉強するんだからぁ」
気付いたらテーブルの上で夢中になってから六時間経っていた。
「ごめんごめん」
私の六時間は茶トラの二匹からしたら二十四時間。
二十四時間も一人でブツブツ言ったり、難しい顔してたら心配する。この子達は心配する。
私はテキストを閉じて、茶トラの二匹と戯れる事にした。
「うーん。ごめんごめん。心配したよね~大丈夫大丈夫!よく姫を待っててくれた~偉いぞ~」
嬉しそうに体を擦り付けて、いつもみたいに毛だらけにしてくれた。
「はいはい~わかたから~」
「ほら遊ぼ!」




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