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いじめの黒幕
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水ノ国高校に入学してから一週間。休日に花音たちはカフェでお茶をしていた。
「舞たちのクラスはどう?楽しい?」
「結構楽しいよ~!ね、渚!」
「うん。花音のクラスは?」
「悪くはないけどさぁ~、うちのクラスにすごく性格悪い3人組がいてさ~、その三人組、いろんな人をいじめて楽しんでるらしいんだよね。」
「え…どういうこと?」
「話せば長いんだけど…」
「花音と由佳じゃん!」
由佳の話を遮って、恵梨香が花音たちに声をかけた。
「誰?」
「わたしと同じクラスの恵梨香。恵梨香、二人は隣のクラスの渚と舞。中学時代の友達なの」
「ふーん。よろしく。で、さっき三人組がどうとか言ってなかった?」
「いろんな人をいじめてるグループのことだよ!」
「あぁそう…。その子達の悪口?」
「そうだね。だってあいつら、いつも偉そうでまじウゼェ!」
「え…その三人組って、そんなにやばい子達なの?」
「…それ以上悪口言わない方がいいよ。いつ、いじめられるかわからないから。」
「え~!いいじゃん!つか、三人がいじめてるって言ったのは恵梨香でしょ?何で止めるの?」
「悪口を言った子が、いじめられたからよ。」
「そう…なの?」
「そう。由佳、これは警告。これ以上何も言わないほうがいい。そのほうが身のためだから。じゃあ、また学校で。」
そう言って恵梨香は去っていった。
「で、さっきの続きだけどさ~」
「由佳、悪口言っちゃっていいの?」
「いーの!どーせバレないっしょ!」
相変わらず由佳から三人組の悪口は止まらない。
(つか、由佳って三人組から何もされてないよね?なのにどうしてそんなにあの三人を悪く言えるの?)
昼休み。花音がトイレの個室から出ると
「あははははは!」
トイレの外から由美子たちの大きな笑い声が聞こえてきた。
(まるで由佳の笑い声みたい…って、由佳のこと思いだしたらイライラしてきた)
「由佳なんか…死ねば良い」
花音はそう呟き、トイレをあとにした。
「雫!今の聞いた?」
「聞いた聞いた!吹きそうになった!」
トイレでの花音の呟きを聞いた雫と亜子が、顔を見合わせてケラケラと笑った。
「いっや~!驚いたなぁ~!まさか波沢が小泉のこと嫌ってたなんてねぇ~!」
「マジでそれ!本当は波沢のことも、いじめてやろうかと思ってたけど、どうする?」
「亜子~、波沢さんのこともいじめるつもりだったの~?」
「え~?波沢もうちらの悪口言ってたんじゃないの?」
「悪口言ってたのは小泉だけじゃなかった?そうだよね、恵梨香。」
由美子は恵梨香に向かって尋ねる。
「…あたしが見たところ、波沢花音は、言ってなかったよ。むしろ止めてた。言ってたのは小泉だけ。」
「そっか!恵梨香!偵察ご苦労さん!」
雫が恵梨香の肩をぽんっと叩く。恵梨香は意地の悪い笑みを浮かべる。
入学式当日のこと。
「あいつらうるさい…」
たまたま由佳の近くの席だった恵梨香は、嫌悪感丸出しで睨む由佳に気付いていた。
(もしかしたらこいつ、あたしたちのこと悪く思ってるかもしれない…確かめてみよう。)
そこで恵梨香は、三人に一斉メールを送った。
【ねぇ、あたしらの悪口を言ってる子がいるみたいなの。だから、あたしが確かめるから、三人は教室から出て!】
「マジ…?何そいつ、うっざ。」
「まぁ、言われたとおりでてみるかな。」
「でも、誰が言ったのかな~?」
「さぁ、後で恵梨香に聞いてみようか。」
そこで恵梨香は、あの三人をうっとおしく思う演技をしてみせた。案の定、由佳の口から悪口が止まらなかった。
入学式が終わったあと、四人は校舎裏に集まった。
「初対面の奴に悪口言われるとかマジショック!小泉ってやつ、ムカつく!」
「亜子~、落ち着きなよ~。怖いって~。」
「何!?由美子やみんなはムカつかないわけ?悪口言われて」
「んー、あたしはムカつくっていうか、こう考えてるよ。新しいターゲットが、できたってね」
雫は意地の悪い笑みを浮かべる。
「あははっ!さっすが雫!」
「なるほど!いい考えね!ちょうど退屈してたのよね~!」
「え~?みんな、小泉のことイジメちゃうの~?もしかしたら、中2のときイジメてた子みたいに自殺しちゃうかもよ~?」
「別にあんなやつ死んだって構わないわよ~!」
「亜子ってばひど~い!あたし知らないからね~!」
「まあまあ。今は少し様子を見よう。イジメるのはこれ以上調子に乗ってからにしよう。」
恵梨香の言葉に三人が頷く。
花音たちとあった休日。恵梨香は離れたあとも由佳の様子をうかがっていた。
「やっぱり、制裁が必要みたい。」
恵梨香はカバンからスマホを取り出し、三人に一斉メールを送る。
【みんな!小泉由佳は、あたしが忠告してあげたからにも関わらず、まだ調子に乗ってるみたい!これはお仕置きが必要!】
「これでオッケー!ふふっ。これからが楽しみだね、小泉。」
恵梨香は悪魔のような笑みを浮かべて笑った。
「舞たちのクラスはどう?楽しい?」
「結構楽しいよ~!ね、渚!」
「うん。花音のクラスは?」
「悪くはないけどさぁ~、うちのクラスにすごく性格悪い3人組がいてさ~、その三人組、いろんな人をいじめて楽しんでるらしいんだよね。」
「え…どういうこと?」
「話せば長いんだけど…」
「花音と由佳じゃん!」
由佳の話を遮って、恵梨香が花音たちに声をかけた。
「誰?」
「わたしと同じクラスの恵梨香。恵梨香、二人は隣のクラスの渚と舞。中学時代の友達なの」
「ふーん。よろしく。で、さっき三人組がどうとか言ってなかった?」
「いろんな人をいじめてるグループのことだよ!」
「あぁそう…。その子達の悪口?」
「そうだね。だってあいつら、いつも偉そうでまじウゼェ!」
「え…その三人組って、そんなにやばい子達なの?」
「…それ以上悪口言わない方がいいよ。いつ、いじめられるかわからないから。」
「え~!いいじゃん!つか、三人がいじめてるって言ったのは恵梨香でしょ?何で止めるの?」
「悪口を言った子が、いじめられたからよ。」
「そう…なの?」
「そう。由佳、これは警告。これ以上何も言わないほうがいい。そのほうが身のためだから。じゃあ、また学校で。」
そう言って恵梨香は去っていった。
「で、さっきの続きだけどさ~」
「由佳、悪口言っちゃっていいの?」
「いーの!どーせバレないっしょ!」
相変わらず由佳から三人組の悪口は止まらない。
(つか、由佳って三人組から何もされてないよね?なのにどうしてそんなにあの三人を悪く言えるの?)
昼休み。花音がトイレの個室から出ると
「あははははは!」
トイレの外から由美子たちの大きな笑い声が聞こえてきた。
(まるで由佳の笑い声みたい…って、由佳のこと思いだしたらイライラしてきた)
「由佳なんか…死ねば良い」
花音はそう呟き、トイレをあとにした。
「雫!今の聞いた?」
「聞いた聞いた!吹きそうになった!」
トイレでの花音の呟きを聞いた雫と亜子が、顔を見合わせてケラケラと笑った。
「いっや~!驚いたなぁ~!まさか波沢が小泉のこと嫌ってたなんてねぇ~!」
「マジでそれ!本当は波沢のことも、いじめてやろうかと思ってたけど、どうする?」
「亜子~、波沢さんのこともいじめるつもりだったの~?」
「え~?波沢もうちらの悪口言ってたんじゃないの?」
「悪口言ってたのは小泉だけじゃなかった?そうだよね、恵梨香。」
由美子は恵梨香に向かって尋ねる。
「…あたしが見たところ、波沢花音は、言ってなかったよ。むしろ止めてた。言ってたのは小泉だけ。」
「そっか!恵梨香!偵察ご苦労さん!」
雫が恵梨香の肩をぽんっと叩く。恵梨香は意地の悪い笑みを浮かべる。
入学式当日のこと。
「あいつらうるさい…」
たまたま由佳の近くの席だった恵梨香は、嫌悪感丸出しで睨む由佳に気付いていた。
(もしかしたらこいつ、あたしたちのこと悪く思ってるかもしれない…確かめてみよう。)
そこで恵梨香は、三人に一斉メールを送った。
【ねぇ、あたしらの悪口を言ってる子がいるみたいなの。だから、あたしが確かめるから、三人は教室から出て!】
「マジ…?何そいつ、うっざ。」
「まぁ、言われたとおりでてみるかな。」
「でも、誰が言ったのかな~?」
「さぁ、後で恵梨香に聞いてみようか。」
そこで恵梨香は、あの三人をうっとおしく思う演技をしてみせた。案の定、由佳の口から悪口が止まらなかった。
入学式が終わったあと、四人は校舎裏に集まった。
「初対面の奴に悪口言われるとかマジショック!小泉ってやつ、ムカつく!」
「亜子~、落ち着きなよ~。怖いって~。」
「何!?由美子やみんなはムカつかないわけ?悪口言われて」
「んー、あたしはムカつくっていうか、こう考えてるよ。新しいターゲットが、できたってね」
雫は意地の悪い笑みを浮かべる。
「あははっ!さっすが雫!」
「なるほど!いい考えね!ちょうど退屈してたのよね~!」
「え~?みんな、小泉のことイジメちゃうの~?もしかしたら、中2のときイジメてた子みたいに自殺しちゃうかもよ~?」
「別にあんなやつ死んだって構わないわよ~!」
「亜子ってばひど~い!あたし知らないからね~!」
「まあまあ。今は少し様子を見よう。イジメるのはこれ以上調子に乗ってからにしよう。」
恵梨香の言葉に三人が頷く。
花音たちとあった休日。恵梨香は離れたあとも由佳の様子をうかがっていた。
「やっぱり、制裁が必要みたい。」
恵梨香はカバンからスマホを取り出し、三人に一斉メールを送る。
【みんな!小泉由佳は、あたしが忠告してあげたからにも関わらず、まだ調子に乗ってるみたい!これはお仕置きが必要!】
「これでオッケー!ふふっ。これからが楽しみだね、小泉。」
恵梨香は悪魔のような笑みを浮かべて笑った。
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