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イサナミの書
サキュヴァリス
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────ククリ(人狼ガルダーガ種、ニダヴェリール宮廷正室、アースバインダー)
いつものベンチで、お茶を飲んで一息ついていたら、ルシオーヌが、隣にすわった。
私は、彼女にお茶を入れてあげた。
「ありがとう」
「珍しいね、私に質問することなんてもうないでしょ?
ルーテシアに聞きなよ」
「ククリさんに質問したいことはたくさんあるよ。
でも、今はそれ以上に、気持ちが落ち着かないんだ」
「彼らのこと?」
「うん。見るに耐えなかった」
「それでも、容赦なく殺せるかい?」
「だからこそだね。負の連鎖を早く断ち切らないと」
「君らしいね」
「でも、あそこまで酷い生物は、はじめてみたよ。
とくに赤色のホムンクルスと会話して見たけど、虫酸が走った」
「赤色のホムンクルスとは、会話しないで見つけたらすぐ殺せって意味わかったでしょ?」
「うん。あれは最悪の生物だね。よくわかった。ヒューマノイドじゃどうにもできないね」
「それでも、ヒューマノイドになんとかさせないといけないんだ」
「たしかに、見分けがつけば対処はできるね。とにかく彼らと会話させないで、すぐ殺すことを徹底させないと、足元をすくわれるだろうね……」
「だろうね、いろんなタイプがいるからね。甘えるのが上手かったり、情に訴えるのが上手かったり、暴漢だったり、知的なタイプだったり、母親や父親のように優しそうだったり、とても温厚に見えたり、物静かだったり、ほんとうに多種多様だね」
「情報メディアが発達したらもうダメなんじゃない?」
「うん。カタリーナ=エヌ=ラフィノスは、情報メディアの弾圧に必死だよ。しかも、青色のホムンクルスを使って、世界中の赤色のホムンクルスを定期的に粛清させているしね。それで諸外国から嫌われまくってる。飛び抜けた最強国だから手が出せずにいるけどね。
今は、情報収集と裏工作がしやすいようにコングロマリットを裏で組織して、世界経済の手綱を握ろうと頑張ってるみたいだよ。そろそろ経済界での発言力も備わって来たんじゃないかな」
「国を滅ぼしても人が変わらないと意味がないから、本当に難しい問題だよね。
たしかに、経済面で世界の覇権を握ってしまう方が現実的なのかも。
だけど、カルト宗教しか根付かないのもよくわかる。
善意の種は徹底的に根絶やしにされるんだよね?」
「赤色のホムンクルスが造る世界は、善意が不徳として認知されて軽蔑や弾圧の対象になる世界だからね」
「この世界がギアに統合なんかされたら、ガイゼルヘルさんが駆けつけて来てすぐに絶滅させちゃうよね?」
「だろうね。典型的に彼が嫌いな生物だろうし」
「ククリさん、ありがとね。ここに連れて来てくれて」
「私じゃないでしょ? ティフォーニアでしょ?」
「ククリさんが推薦してくれたっていってたよ?」
「一緒に居たいから推薦しただけだよ」
「あはは、そっちかー。でもありがとう。イサナミは面白い」
「ヴェルキエーレにもそう感じるの?」
「うん。応用の仕方はわからないけれど、いろいろと気付くものがある。
寝る前に、降臨を解除して、ギアですこしだけ訓練してるけど、ちょっと変わった気がする。
まだ、確実に変わった確信はないけれど、僕にはとても大切なチャンスだって確信はあるんだ。
とくに自分らしい心のあり方みたいなのが、身についてきた気がする。
自分を素直に受け入れると言うかそんな漠然としたものだけど、少しずつ自信がついて来たんだ」
「そういってもらえると嬉しいな。もともと心の修練が目的だったからね」
いつものベンチで、お茶を飲んで一息ついていたら、ルシオーヌが、隣にすわった。
私は、彼女にお茶を入れてあげた。
「ありがとう」
「珍しいね、私に質問することなんてもうないでしょ?
ルーテシアに聞きなよ」
「ククリさんに質問したいことはたくさんあるよ。
でも、今はそれ以上に、気持ちが落ち着かないんだ」
「彼らのこと?」
「うん。見るに耐えなかった」
「それでも、容赦なく殺せるかい?」
「だからこそだね。負の連鎖を早く断ち切らないと」
「君らしいね」
「でも、あそこまで酷い生物は、はじめてみたよ。
とくに赤色のホムンクルスと会話して見たけど、虫酸が走った」
「赤色のホムンクルスとは、会話しないで見つけたらすぐ殺せって意味わかったでしょ?」
「うん。あれは最悪の生物だね。よくわかった。ヒューマノイドじゃどうにもできないね」
「それでも、ヒューマノイドになんとかさせないといけないんだ」
「たしかに、見分けがつけば対処はできるね。とにかく彼らと会話させないで、すぐ殺すことを徹底させないと、足元をすくわれるだろうね……」
「だろうね、いろんなタイプがいるからね。甘えるのが上手かったり、情に訴えるのが上手かったり、暴漢だったり、知的なタイプだったり、母親や父親のように優しそうだったり、とても温厚に見えたり、物静かだったり、ほんとうに多種多様だね」
「情報メディアが発達したらもうダメなんじゃない?」
「うん。カタリーナ=エヌ=ラフィノスは、情報メディアの弾圧に必死だよ。しかも、青色のホムンクルスを使って、世界中の赤色のホムンクルスを定期的に粛清させているしね。それで諸外国から嫌われまくってる。飛び抜けた最強国だから手が出せずにいるけどね。
今は、情報収集と裏工作がしやすいようにコングロマリットを裏で組織して、世界経済の手綱を握ろうと頑張ってるみたいだよ。そろそろ経済界での発言力も備わって来たんじゃないかな」
「国を滅ぼしても人が変わらないと意味がないから、本当に難しい問題だよね。
たしかに、経済面で世界の覇権を握ってしまう方が現実的なのかも。
だけど、カルト宗教しか根付かないのもよくわかる。
善意の種は徹底的に根絶やしにされるんだよね?」
「赤色のホムンクルスが造る世界は、善意が不徳として認知されて軽蔑や弾圧の対象になる世界だからね」
「この世界がギアに統合なんかされたら、ガイゼルヘルさんが駆けつけて来てすぐに絶滅させちゃうよね?」
「だろうね。典型的に彼が嫌いな生物だろうし」
「ククリさん、ありがとね。ここに連れて来てくれて」
「私じゃないでしょ? ティフォーニアでしょ?」
「ククリさんが推薦してくれたっていってたよ?」
「一緒に居たいから推薦しただけだよ」
「あはは、そっちかー。でもありがとう。イサナミは面白い」
「ヴェルキエーレにもそう感じるの?」
「うん。応用の仕方はわからないけれど、いろいろと気付くものがある。
寝る前に、降臨を解除して、ギアですこしだけ訓練してるけど、ちょっと変わった気がする。
まだ、確実に変わった確信はないけれど、僕にはとても大切なチャンスだって確信はあるんだ。
とくに自分らしい心のあり方みたいなのが、身についてきた気がする。
自分を素直に受け入れると言うかそんな漠然としたものだけど、少しずつ自信がついて来たんだ」
「そういってもらえると嬉しいな。もともと心の修練が目的だったからね」
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