222 / 259
アマテラス
QUARTETTO#5
しおりを挟む
────キサ(アシダカ種、ニダヴェリール宮廷特務機関)
ニダヴェリールはとても美しい世界だ。
ユグドラシルの空に憧れている人も多いようだが、何もない漆黒の空は、この世界の美に絶妙な均衡を付与している。
原生林の猛獣たちも、皆、美しさに満ち溢れている。
最近は、暇さえあれば、原生林を散策し、この世界の美を満喫している。
ここに来れなければ体験することのできなかった、至高の芸術だ。
ヒューマノイドの時とは比べ物にならないくらい、流水の創作が、捗るようになった。
高次元的な視点で、美を研ぎ澄ませる工程は、まさに底なしだ。
ヒューマノイド時代だったら満足できた内容も、物足りなくて仕方がない。
イサナギの水底は、確かに深く美しかったが、もっと深いはずだ。
私の力不足なのがよくわかる。
しかし、その程度の理由では諦めきれない美がその先に待っている。
あー、ヘルヘイム、見てみたいな。
でも、はいったら死ぬって話だし、耐性のあるルーノ族が羨ましい。
ルーノのシャーマン達の特殊言語もとても美しい。
特殊言語の修練を眺めていると、感性を刺激されて心地いい。
気がついたらルカティアさんが、隣にいた。
「ルカティアさん、どうしたの?」
「よく見学に来ているみたいだから、意見でも聞こうと思って」
「素人の意見が参考になるの?」
「芸術への造詣が深いって聞いてるから、どう感じるのかなって」
「とても綺麗だとおもいますよ」
「ありがとう。気になるところとかない?」
「うーん、これ何かの部品? 他に練習してるのと合体しそう」
「そこまでわかるの?」
「無造作に分解したって感じというか、不自然な断面があるように感じたの」
「無造作か。もっと綺麗に分解できる?」
端末のデータを見せてくれた。
「へー、これを分解したのかー。
なら、こことここ入れ替えて、こう変更して、これはこっちに移動して、こう。
ちがうな、やっぱりこうがいいかな。
これは、こうした方がもっときれい。
あと、これはこうして、こんな感じが自然でいいかな」
……
「ごめん、つい熱中しちゃった」
「気にしないで、私がお願いしたことだし、それに面白い意見を聞かせてもらったからね。これ、本気で検証してみようとおもう、なにかあったらまた相談させてね」
「ほんとに? 適当に変えてるから信用しないでね」
「わかってる。ちゃんと確認する。ありがとう」
ルカティアさんは急いでどこかへいってしまった。
自分の感性で修正をかけてしまったら、心地よく聞こえていた特殊言語の不自然さが気になって仕方がなくなって来た。
心地よさを満喫するどころではない。
早く退散しないと、悪い夢でもみちゃうそうだ。
私は急いでその場を後にした。
ニダヴェリールはとても美しい世界だ。
ユグドラシルの空に憧れている人も多いようだが、何もない漆黒の空は、この世界の美に絶妙な均衡を付与している。
原生林の猛獣たちも、皆、美しさに満ち溢れている。
最近は、暇さえあれば、原生林を散策し、この世界の美を満喫している。
ここに来れなければ体験することのできなかった、至高の芸術だ。
ヒューマノイドの時とは比べ物にならないくらい、流水の創作が、捗るようになった。
高次元的な視点で、美を研ぎ澄ませる工程は、まさに底なしだ。
ヒューマノイド時代だったら満足できた内容も、物足りなくて仕方がない。
イサナギの水底は、確かに深く美しかったが、もっと深いはずだ。
私の力不足なのがよくわかる。
しかし、その程度の理由では諦めきれない美がその先に待っている。
あー、ヘルヘイム、見てみたいな。
でも、はいったら死ぬって話だし、耐性のあるルーノ族が羨ましい。
ルーノのシャーマン達の特殊言語もとても美しい。
特殊言語の修練を眺めていると、感性を刺激されて心地いい。
気がついたらルカティアさんが、隣にいた。
「ルカティアさん、どうしたの?」
「よく見学に来ているみたいだから、意見でも聞こうと思って」
「素人の意見が参考になるの?」
「芸術への造詣が深いって聞いてるから、どう感じるのかなって」
「とても綺麗だとおもいますよ」
「ありがとう。気になるところとかない?」
「うーん、これ何かの部品? 他に練習してるのと合体しそう」
「そこまでわかるの?」
「無造作に分解したって感じというか、不自然な断面があるように感じたの」
「無造作か。もっと綺麗に分解できる?」
端末のデータを見せてくれた。
「へー、これを分解したのかー。
なら、こことここ入れ替えて、こう変更して、これはこっちに移動して、こう。
ちがうな、やっぱりこうがいいかな。
これは、こうした方がもっときれい。
あと、これはこうして、こんな感じが自然でいいかな」
……
「ごめん、つい熱中しちゃった」
「気にしないで、私がお願いしたことだし、それに面白い意見を聞かせてもらったからね。これ、本気で検証してみようとおもう、なにかあったらまた相談させてね」
「ほんとに? 適当に変えてるから信用しないでね」
「わかってる。ちゃんと確認する。ありがとう」
ルカティアさんは急いでどこかへいってしまった。
自分の感性で修正をかけてしまったら、心地よく聞こえていた特殊言語の不自然さが気になって仕方がなくなって来た。
心地よさを満喫するどころではない。
早く退散しないと、悪い夢でもみちゃうそうだ。
私は急いでその場を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
慈愛と復讐の間
レクフル
ファンタジー
とある国に二人の赤子が生まれた。
一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。
慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。
これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。
だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。
大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。
そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。
そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。
慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。
想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる