ブルー・クレセンツ・ノート

キクイチ

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バーバリアン

TWiLiGHT OF BARBARiANS#11

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────ミユキ(アラクネ種、ニダヴェリール宮廷特務機関、第一補佐官)


「ククリン。ルカ姉にげちゃったよ。どうするの?」

「カグツチがあるから仕方ないよ。
 ニダヴェリールの次世代技能だし。
 アカネとカツラとユキナに任せればいいと思うよ」

「目標は全員が刹那せつなだよ?」

「うん。うちとしても嬉しい条件。3人ともかなり育つだろうからね。
 指導する相手も素質のある人しかいないから、手は掛からないはず」

「キサはいいの?」

「キサの指導は壊滅的だから適材適所だね。水面みなもはユキナが得意だから問題ない。彼女の説明はグラミアすら理解できない領域」

「そこまで?」

「ミユキなら分かるかも? 芸術的感性らしいから」
「でも、水面みなもだから感性合わないかもだけどね」

「そっか、あとで話ししてみよ」

「うん。結果おしえてね。興味ある」

「ミヅキはどうするの?」

「ミヅキは猛特訓に専念してもらってる。データ取りたいからね。あと勉強中」

「あー、精霊法術理論?」

「うん。獣道の実験したけど無理だった。アカネとユキナが匙投げた」

「まぁ、不器用だから仕方ないよね。いまの精度まで気流操作できるようになっただけでもすごいよ」

「あの精度なら、精霊法術いけるはずだから期待してる。本人も気持ちを切り替えて、そっちを極めるつもりだって」

「でもさ、実際のところ、相当工夫しないと実用レベルに届かないよね?
 詠うのすごい大変だもの。
 スサノヲはククリンが体系まとめてくれたおかげで、かなりましだけど」

「複雑なことしようとしたらそうだろうね。でも、単純なものでも精霊術式が組めるだけで、かなり戦略に幅が出るから、自分次第だと思う」

「ルナ姉も特訓中?」

「うん。喜んでた。ルーノのシャーマンには朗報だからね」

「浄化の精霊も強力なの?」

「浄化は即効性だから、呪詛の3倍以上高速に溶けまくるってさ」

「うは、すごいね。でも英知の精霊がまるで想像できない」

「実際に一番やばいのは英知の精霊かもね。回復系だけじゃなく、隠遁系とか、探索系とか、かなり守備範囲がひろいらしい」

「しかも、それに全部が加護のるのかー。なおさらすごいね」

「うん。シャーマン達は必死で勉強してる」

「そういえば、ユキリンを最近見かけないけど、ククリン知ってる?」

「ルカに拉致されて、特訓中」

「カグツチ?」

「まだそのレベルじゃないから、スサノヲまで引っ張りあげるってさ」

「ああ、あいつ玄龍げんりゅうだから、可能性があるのかー」

「かなり器用な子らしいから、もう影の住人だってさ」

「ユキリンのくせに生意気だなー。あいつ、スサノヲまで届きそうなの?」

「ルカの見立てではいけそうだって。ハーピーは気流操作が上手みたいだね種族として」

「空中で立体的に動くから、そういう器官が発達してるのかな?」

「なるほどね。そうかもしれない。
 新種族の知覚器官の性能を、コロニーで再評価してみたほうがいいね。
 新たな発見があるかもしれない。
 ミヅキにお願いしておこう。
 もしかしたら、人気が低迷してたハーピーも注目されるかもね」

「可能性はあるよねー。
 あいつたしかに器用だしなー。
 ユキリンのくせに生意気だなー」

「精霊術式は、単純でも強力なのたくさんあるから、飛行速度とか旋回性能、隠遁レベルとかかなり変わると思う」

「ほんとに?」

「まだ、全部調べきれてない?」

「うん。ざっと何があるか把握した感じ。
 威力はわからないから、少しずつ試してる。
 糸でおもしろいのはまだピンとこないかな。
 なにか面白そうなのある?」

「さっきのハーピー向けで考えると、糸の遠隔操作に応用できそうじゃない?」

「そっか、法術式で補ってたところ、一部置き換えるだけでかなり変わるよね」

「うん」

「隠遁は練習中だから、速度UPを試してみる。でも早すぎると手におえないね」

「そこは慣れるしかないよ。普通の法術式を織り交ぜるとかして制御してみたら?
 でも自分の移動には便利でしょ?」

「うん。とりあえず、その線で試してみる」

「安全な広いところでやってね。ペシャンコにならないように気をつけてね」

「それこわいよね」

「防御系が先かな?」

「でも、どこまで耐えられるかわからないじゃん。
 あと、負担が大きいからどれかに絞り込まないとだしね」

「ルシオーヌに相談すれば?」

「そうだね。そうする」
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