短い話たち

ダンゴムシ

あまりに頭がかゆいので
庭で頭をかいた
フケがいっぱい落ちた所に
たまたま一匹のダンゴムシがいた
ダンゴムシは
落ちて来たフケを食べ始めた
ということは
こいつは僕を食べてるんだ
そう思ったら
想像が膨らんで
僕の身体中にダンゴムシが付いて
僕を喰っている絵が浮かんだ
それはまるで
ダンゴムシの鎧をまとった戦士だった

と
また想像が膨らんだ
ところで戦士の僕は
何と戦うんだ？
戦士の僕はとりあえず
椅子に座って考えた
それはまるで
考える人のポーズだった

と
戦士の僕は思考を止めた
考える前に考えてみたら
僕はダンゴムシに喰われてるんだ

みるみる僕が崩れていく

考えるまでもないことだった