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番外編・終 第二王子・クリス視点
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城に着き、お茶会が開かれている部屋に向かう。頼む、居てくれ!
扉を開けると、驚いた顔をしている彼女が居た。
「そんなに急いで、学園はどうしたのですか?」
「少々…用事があって…早退してきました…」
急いできたために、喋るのが少し辛い。ゆっくりと深呼吸をし、息を整える。
「さて、あなたの学業に差し支えるほどの緊急の要件はなかったはずですが…」
「僕はフィーア姉様に伝えたいことがあって来ました!」
「私にですか?」
フィーア姉様は不思議そうにしている。それもそうだろう。僕も今日まで気づいてもいなかったのだから。
「…それは大事なことですか?」
「はい、僕にとって、とても大事なことです」
「わかりました。聞きます」
「二人っきりで、庭に来てもらえませんか?」
「?ええ」
僕は心臓が痛いのを我慢し、庭に向かう。今はアメリアも来ていない。まあ、どこかで隠れて見ているとは思うが、目に見えないだけまだマシか。
「フィーア姉様はこの場所を覚えていますか?」
「ええ、覚えていますよ。第一王子とのお茶会の場所。約束を破られ、少しショックを受けた場所であり、私が好きな男の子に初めて会った場所です」
「そう言ってもらえて嬉しいです。それに、僕もあのとき、フィーア姉様と出会えてよかったと思っています」
あのとき、知らない人が庭にいると思った。それだけだったのに、目が離せなくて、近づいた。その行動を今でも褒めてやりたい。だって、そのおかげで、フィーア姉様と出会えたのだから。
「…あのときの約束、覚えていますか?」
「ええ、覚えていますよ。『僕が王になった時には僕の隣で、僕を支えてくれませんか?』ですよね」
「はい。今でもその時の気持ちがなくなってはいません。ずっとあなたのことを思い、この国のことを思い、努力して来ました」
「存じています。忘れていても、クリス様が努力していることは知っていましたから」
「それは嬉しいですね。それで、今日急いでいたのはそのことなんです」
「そのこと?」
「はい。僕はその…フィーア姉様に好意を伝えてもらって、嬉しかったです。思い人が僕を好きでいてくれたと。けれど、僕自身があなたに思いを伝えていないことに気がつきました」
僕はずっと、僕のことしか考えていなかった。愚兄と婚約を白紙にするときも全部、自分勝手だった。だから…
「フィーア姉様、違う、ソフィア。ずっと、初めて会った時から、あなたのことが好きでした。あなたのことを一時も忘れたことはありません」
「これから今まで以上に大変になると思います。それでも僕と一緒に来てくれますか?」
「はい!もちろんです。私でよければ、ずっと…あなたの隣で」
嬉しい。自分の気持ちを伝えられた喜びと彼女の返答がとても嬉しい。これだけで、生きていてよかったと思える。
「…ですが、今日学園をサボりましたよね。ですので、今度の休日に会うのは先延ばしですね」
「えっ」
「嬉しかったですよ。クリス様。また、今度ゆっくりとお話ししましょうね。では失礼します」
「フィーア姉様は意地悪ですね」
「はい!だって、私はクリス様の悪役令嬢ですから!」
僕の悪役令嬢というのは分からない。だけど、彼女にとって、悪役令嬢とは悪いイメージではないのだろう。だって、あんな笑顔で自分を悪役令嬢だというのだから。
扉を開けると、驚いた顔をしている彼女が居た。
「そんなに急いで、学園はどうしたのですか?」
「少々…用事があって…早退してきました…」
急いできたために、喋るのが少し辛い。ゆっくりと深呼吸をし、息を整える。
「さて、あなたの学業に差し支えるほどの緊急の要件はなかったはずですが…」
「僕はフィーア姉様に伝えたいことがあって来ました!」
「私にですか?」
フィーア姉様は不思議そうにしている。それもそうだろう。僕も今日まで気づいてもいなかったのだから。
「…それは大事なことですか?」
「はい、僕にとって、とても大事なことです」
「わかりました。聞きます」
「二人っきりで、庭に来てもらえませんか?」
「?ええ」
僕は心臓が痛いのを我慢し、庭に向かう。今はアメリアも来ていない。まあ、どこかで隠れて見ているとは思うが、目に見えないだけまだマシか。
「フィーア姉様はこの場所を覚えていますか?」
「ええ、覚えていますよ。第一王子とのお茶会の場所。約束を破られ、少しショックを受けた場所であり、私が好きな男の子に初めて会った場所です」
「そう言ってもらえて嬉しいです。それに、僕もあのとき、フィーア姉様と出会えてよかったと思っています」
あのとき、知らない人が庭にいると思った。それだけだったのに、目が離せなくて、近づいた。その行動を今でも褒めてやりたい。だって、そのおかげで、フィーア姉様と出会えたのだから。
「…あのときの約束、覚えていますか?」
「ええ、覚えていますよ。『僕が王になった時には僕の隣で、僕を支えてくれませんか?』ですよね」
「はい。今でもその時の気持ちがなくなってはいません。ずっとあなたのことを思い、この国のことを思い、努力して来ました」
「存じています。忘れていても、クリス様が努力していることは知っていましたから」
「それは嬉しいですね。それで、今日急いでいたのはそのことなんです」
「そのこと?」
「はい。僕はその…フィーア姉様に好意を伝えてもらって、嬉しかったです。思い人が僕を好きでいてくれたと。けれど、僕自身があなたに思いを伝えていないことに気がつきました」
僕はずっと、僕のことしか考えていなかった。愚兄と婚約を白紙にするときも全部、自分勝手だった。だから…
「フィーア姉様、違う、ソフィア。ずっと、初めて会った時から、あなたのことが好きでした。あなたのことを一時も忘れたことはありません」
「これから今まで以上に大変になると思います。それでも僕と一緒に来てくれますか?」
「はい!もちろんです。私でよければ、ずっと…あなたの隣で」
嬉しい。自分の気持ちを伝えられた喜びと彼女の返答がとても嬉しい。これだけで、生きていてよかったと思える。
「…ですが、今日学園をサボりましたよね。ですので、今度の休日に会うのは先延ばしですね」
「えっ」
「嬉しかったですよ。クリス様。また、今度ゆっくりとお話ししましょうね。では失礼します」
「フィーア姉様は意地悪ですね」
「はい!だって、私はクリス様の悪役令嬢ですから!」
僕の悪役令嬢というのは分からない。だけど、彼女にとって、悪役令嬢とは悪いイメージではないのだろう。だって、あんな笑顔で自分を悪役令嬢だというのだから。
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それに、感想もありがとうございます。
剣術なども十分に修練していなかった為に、生き残ることはないと思っています。もし生き残っているとしたら、sagadai様の言うような新たな話ができるかも知れません。
退会済ユーザのコメントです
報告ありがとございます。
男爵令嬢の名前は「メアリー」が正しく、「マリア」が間違っています。
話数も表示していただけたおかげで、すぐに見つけることができました。ありがとございます。
すぐに訂正させていただきます。混乱させてしまい申し訳ありませんでした。
感想ありがとうございます!
そう言っていただけてとても嬉しく思います。
これからも読んでいただけると嬉しいです!