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リオン視点12
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ミラという女がしてきたこと、関係者……それらについて全てがわかったのは卒業パーティーが行われる一週間前のことだった。
それほど時間がかかったのは、レーソン家の当主が加害者なのか被害者なのかわからなかったから。彼が目覚めるのを待つのに時間がかかってしまった。まぁ、結果は黒だったのだが……。
「ほんと、浮気をする様な奴は碌な人がいませんね? リオン様も浮気なんてしないでくださいね?」
「するわけないだろう! ようやく、リーアとの関係を表にする事ができたというのに、そんな馬鹿な事していられるか」
「ふふっ、ならいいのです。あの子を泣かせたらリオン様とはいえ容赦しませんから」
「わかっている。それで? 本当に君も行くのかい?」
「当たり前じゃないですか。目の前で行ってもらわないと……私の気が済みませんから」
最後の方は小声で聞き取れなかったが、恐らく今回、ミラに対して一番敵意を持っているのは彼女だろう。
今回、牢屋に来ているのは私とシェリア嬢の他にはレオスしか来ていない。リーアには話してもいない。言えば来ると言うと思ったのであえて言わなかった。
「アリシアを連れてこなかったのはどうしてですか? 彼女を殺害する所を見られたくなかったから? それとも「後者だよ」……そうですか」
この牢屋にもうリーアの両親はいない。リーアに話していない訳ではないが、事実を見るのとはまた違うだろう。
「遺体は?」
「もうないよ」
「ならよかったのでは?」
「私は連れて来なくてよかったと確信しているけどね。一つ一つの疲労は少なくても、それは別だろう? 私が連れて来ていないことに安心していただろうに」
私は、彼女と一緒に来たレオスがずっと抱えている鍋に目を向ける。おそらく、あれはアリーシャ殿が亡くなった原因の料理だ。
「……そうですね。もしアリシアが来ていたらレオに処分してもらうつもりでした」
「はぁ。毒は……?」
「元々毒を飲ませる予定だったのでしょう? その毒をいただきました」
「彼女も食べないだろうに……」
「……まあ、いくつか案は考えて来ましたが、駄目なら諦めて毒を飲ませます」
本当に渋々といった感じなので、大人しく食してもらう事を期待するとしよう。
そうこう話している内に、目的の人物の前にたどり着く。
「リオン様! それにレオス! 私を助けに来てくれたのね!」
「どうして自分が助けられると思っているんだ」
私が呆れすぎて何も言えない間に、レオスが殺気を放ちながら睨みつけるが、当人にはまるで効いていないみたいだった。
「私は何もしていません! むしろ私は被害者です!」
「毒草はどこで手に入れた」
「だーかーらー、偶然、庭に生えていたんですってば! 父にも確認したらどうですか? たぶんそう言うと思いますけど」
「いや、あの毒草は君の父が植えた物だよ」
「はっ? えっ……、何で……」
「君の本当の母親と一緒になるために、今の母親を殺したかったみたいだよ」
本当に、浮気をする奴は碌でもない者ばかりだ。寄り添った者を殺してまで他の女性と一緒になりたいとは……。それに、それを受け入れる奴もどうかしている。
「でも、お母さんは……」
「ああ、殺害する前に亡くなった。そして君が来た事で状況が変わった。今殺しても彼には何の得にもならない。だからずっと放置されていたのを君が目をつけた」
「それじゃあ、どうして……」
「君に教えたのは、君がそれを使って何かしてくれないかと思っていたからだ。謝って口にすればなおよかったのだろう。彼が欲しかったのは君の母親であり、君ではない」
「でも! ゲームでは私は愛されて……」
「それは、あなたしかいなかったからでしょう」
「シェリア嬢?」
「どういうことよ」
「推測でしかないですが、ゲームではあなたを見つけるのは現レーソン夫人を殺した後、愛する女性を探したが忘れ形見であるあなたしか見つからなかった。孤独なレーソン男爵は唯一の家族となったあなたを愛した」
「なら!」
「現状、レーソン家にとってあなたは問題ばかり起こす目の上のたんこぶです。あなたが家をうろついているだけで、夫人機嫌も下がりますし……殺されなかっただけマシじゃないですか?」
「じゃ、じゃあ、あの女の方を殺せばよかったじゃない! まぁ私が毒を飲ませてやったけどね」
「やはりそれもあなたでしたか……。まぁいいです。話を戻しますが、あなたにそのような価値ごあるのですか?」
「私はこの世界の重要人物よ!」
「それはゲームのミラであり、あなたではないでしょ」
シェリア嬢の言葉に、ミラはキョトンとした顔をする。何故理解できないかがわからない。ゲームというものはわからないが、彼女の言動から彼女の行動指針のようなものなのだろう。だが、シェリア嬢の言う通り、現実で彼女は必要ない。
そのことを理解していない彼女と話しをするのは骨が折れそうだ。
それほど時間がかかったのは、レーソン家の当主が加害者なのか被害者なのかわからなかったから。彼が目覚めるのを待つのに時間がかかってしまった。まぁ、結果は黒だったのだが……。
「ほんと、浮気をする様な奴は碌な人がいませんね? リオン様も浮気なんてしないでくださいね?」
「するわけないだろう! ようやく、リーアとの関係を表にする事ができたというのに、そんな馬鹿な事していられるか」
「ふふっ、ならいいのです。あの子を泣かせたらリオン様とはいえ容赦しませんから」
「わかっている。それで? 本当に君も行くのかい?」
「当たり前じゃないですか。目の前で行ってもらわないと……私の気が済みませんから」
最後の方は小声で聞き取れなかったが、恐らく今回、ミラに対して一番敵意を持っているのは彼女だろう。
今回、牢屋に来ているのは私とシェリア嬢の他にはレオスしか来ていない。リーアには話してもいない。言えば来ると言うと思ったのであえて言わなかった。
「アリシアを連れてこなかったのはどうしてですか? 彼女を殺害する所を見られたくなかったから? それとも「後者だよ」……そうですか」
この牢屋にもうリーアの両親はいない。リーアに話していない訳ではないが、事実を見るのとはまた違うだろう。
「遺体は?」
「もうないよ」
「ならよかったのでは?」
「私は連れて来なくてよかったと確信しているけどね。一つ一つの疲労は少なくても、それは別だろう? 私が連れて来ていないことに安心していただろうに」
私は、彼女と一緒に来たレオスがずっと抱えている鍋に目を向ける。おそらく、あれはアリーシャ殿が亡くなった原因の料理だ。
「……そうですね。もしアリシアが来ていたらレオに処分してもらうつもりでした」
「はぁ。毒は……?」
「元々毒を飲ませる予定だったのでしょう? その毒をいただきました」
「彼女も食べないだろうに……」
「……まあ、いくつか案は考えて来ましたが、駄目なら諦めて毒を飲ませます」
本当に渋々といった感じなので、大人しく食してもらう事を期待するとしよう。
そうこう話している内に、目的の人物の前にたどり着く。
「リオン様! それにレオス! 私を助けに来てくれたのね!」
「どうして自分が助けられると思っているんだ」
私が呆れすぎて何も言えない間に、レオスが殺気を放ちながら睨みつけるが、当人にはまるで効いていないみたいだった。
「私は何もしていません! むしろ私は被害者です!」
「毒草はどこで手に入れた」
「だーかーらー、偶然、庭に生えていたんですってば! 父にも確認したらどうですか? たぶんそう言うと思いますけど」
「いや、あの毒草は君の父が植えた物だよ」
「はっ? えっ……、何で……」
「君の本当の母親と一緒になるために、今の母親を殺したかったみたいだよ」
本当に、浮気をする奴は碌でもない者ばかりだ。寄り添った者を殺してまで他の女性と一緒になりたいとは……。それに、それを受け入れる奴もどうかしている。
「でも、お母さんは……」
「ああ、殺害する前に亡くなった。そして君が来た事で状況が変わった。今殺しても彼には何の得にもならない。だからずっと放置されていたのを君が目をつけた」
「それじゃあ、どうして……」
「君に教えたのは、君がそれを使って何かしてくれないかと思っていたからだ。謝って口にすればなおよかったのだろう。彼が欲しかったのは君の母親であり、君ではない」
「でも! ゲームでは私は愛されて……」
「それは、あなたしかいなかったからでしょう」
「シェリア嬢?」
「どういうことよ」
「推測でしかないですが、ゲームではあなたを見つけるのは現レーソン夫人を殺した後、愛する女性を探したが忘れ形見であるあなたしか見つからなかった。孤独なレーソン男爵は唯一の家族となったあなたを愛した」
「なら!」
「現状、レーソン家にとってあなたは問題ばかり起こす目の上のたんこぶです。あなたが家をうろついているだけで、夫人機嫌も下がりますし……殺されなかっただけマシじゃないですか?」
「じゃ、じゃあ、あの女の方を殺せばよかったじゃない! まぁ私が毒を飲ませてやったけどね」
「やはりそれもあなたでしたか……。まぁいいです。話を戻しますが、あなたにそのような価値ごあるのですか?」
「私はこの世界の重要人物よ!」
「それはゲームのミラであり、あなたではないでしょ」
シェリア嬢の言葉に、ミラはキョトンとした顔をする。何故理解できないかがわからない。ゲームというものはわからないが、彼女の言動から彼女の行動指針のようなものなのだろう。だが、シェリア嬢の言う通り、現実で彼女は必要ない。
そのことを理解していない彼女と話しをするのは骨が折れそうだ。
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