【完結】転生者のお姉様は自分を悪役令嬢と言い張るのですが…どう考えても悪役は私です

白キツネ

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お人形

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 私のお願いに周りにいる人から視線が集まる。当たり前だよね。私も聴く側だったら、頭がおかしいって思うもの。
 だけど、この人なら叶えてくれるだろう。

「シア、生きているお人形とは何だい?」

「そのままですわ、お父様。お姉様、いえ、シェリアを私のお人形にしたいと思ったの。だってこんなに綺麗なのに、ずっと押し入れに入れておくなんて、もったいないわ」

 食事も与えず、お姉様をずっと入れておくつもりだったのでしょうけど、そんなことはさせない。

「だが…」

「大丈夫ですわ。私の部屋に置いておいたら、お父様の目にも入りませんし、寝るところは……」

 あれは、お姉様が見ていたソファー…
 あの大きさのソファーなら、寝れそうかな?

「そうですね。このソファーを気に入っているみたいなので、これに寝かせればいいでしょう。ちょうど人一人分寝れそうな大きさですし。ねっ、ダメですか?」

「それは…それでシアに何かあったら。そいつがシアに何かしないという保証が…」

 全てを奪おうとしているんだ。普通ならば抵抗されるに決まっている。今更何を気にしているんだと言いたい。

「では、監視をつければ良いのですね。そこのマリアはどうでしょうか?さっき、シェリアのことを呼び捨てにして、そのソファーを一人で持って行かせようとしていましたよ」

 マリアお願い。私の意図に気付いて。下手に父の手下でも潜り駒されたら面倒なことになる。だから…お願い!

「マリア、本当か?」

「…はい。お嬢様の言う通りです。旦那様に無視する様に言われていましたが、何やら不審な動きをしていたので、呼び止めました。運ぶのを手伝うように言われましたが、手伝う理由はないので、一人ですればいいと言ってしまいました。指示を無視してしまい、申し訳ありません」

 良かった。マリアは私の意図に気づいてくれた!けど、アンにはまだ伝わっていないみたい。マリアの発言に一番驚いてる。お姉様はずっと黙ってるってことは気づいてくれたのかな?

「…わかった。マリア、そいつがシアに何かしようとしたら、なんとしてでも止めろ。最悪殺してもいい。わかったな」

「…はい」

 最低…殺してもいいって、お姉様だって自分の娘なのに…

 何があったらそんな考えになるのか、どうしてそんなことが言えるのか?私には理解できないし、したくもない。

「ありがとうございます!お父様、大好き!」

「ああ、私も大好きだよ。そのソファーはあとで持って行かせるから、部屋に戻っていいよ」

 ちょろい。このまま大人しく、一緒にいなくなりましょうね。お父様。

「はーい。アン、マリア、私の部屋に戻るわ。それと…」

 お姉様が私を見上げる。ごめんなさい、お姉様。私にはこれしか思いつきませんでした。お姉様ならもっといい方法があったかもしれませんが、今は我慢してください。

「行きましょう。私の大切なお人形さん」

 思ってた以上に低い声が出たことに自分でも驚く。私ってこんな低い声が出たんだ。それに…

 お姉様が少し、私を怖がっているように見える。それもそっか。私のこの行動は、物語と同じでなくても、お姉様が知っている未来には近づいたはずだから。

 怖がらせてごめんなさい…お姉様。

 今はこんなことしかできませんが、必ずお姉様に元通りの生活をお返ししてみせます。

 お姉様が言っていた物語のようにはさせませんから。
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