20 / 57
実践
しおりを挟む
緊張していた空気がお姉様によって壊されてから、意識を取り戻したのかレオス様が吠える。
「シェリー!こいつがどんな奴か知っているんだろう!どうして、どうしてこんなことをしているんだ!こいつは君を裏切るんだろう!?」
どうしてこんなことをしているのかという疑問については同意ですが、私がお姉様を裏切るという発言については許容できない。『だろう』という言葉は未来のことを知っている人にしかできない言葉だ。そして、それを知っているのはお姉様のみ。つまり、お姉様はレオス様にも前世の話をしたことを意味している。
「お言葉ですが、裏切ると言うのであれば、あなたも同じでは?お姉様を見捨てて私と婚約をしたレオス様?」
「違う!俺はそんなことはしない!」
「ええ、口ではそういえますね。ですが、今はそれよりも…」
「ああ、そうだな」
私とレオス様は同時にお姉様の方を見る。幸せそうに私を撫でているお姉様は見られていることが不思議なようです。が、これだけは言わなければなりません。
「「お前は(お姉様は)どうして、そうポンポンと前世の話をするんだ(されるのですか)!」」
「ふぇっ」
「お前を傷つける可能性があったんだろう!なぜそんな奴にお前の秘密を暴露するんだ。それによってもっとお前が傷つく可能性は上がると思わなかったのか!」
「そうですお姉様!裏切るとわかっているような男に話すなんて有り得ません!お姉様が話すことによって、よりバレないようにお姉様が口封じをされる可能性だってあったんですよ!」
「俺はそんなことをしねえよ!」
「どうだか。爵位に釣られて、婚約者よりも違う女に尻尾を振るような方の言葉なんて信用できません!」
「誰がお前なんかに!」
「そうですか…ごめんなさい、お姉様。少し待っていてください。この男がお姉様に相応しくないと言うことを証明して見せましょう」
私はじっと、レオン様のことを見る。口は悪いけど、公爵家の人と考えるならしっかりと鍛錬しているのでしょう。今こそ、アーシャ先生に教わった貴族の男の落とし方を実践するときです。
「いい?アリシア。貴族の男の大抵はちゃんと体を鍛えているものなのよ。高貴の貴族なら特に小さい頃から鍛えられていることが多いわ。まぁ、全員とは言わないけどね…それよりも、そんな男性に対し、手を握って、見上げてこう言うの。『民を守るために、こんな努力をされているなんて…私、尊敬します!』ってね。それで、大抵の男は落ちるわ」
「落としてどうするんですか?それに…私はアーシャ先生ほど綺麗じゃ…」
「アリシアは綺麗だし、可愛いわ。それは間違いない。私が保証してあげるわ。それに男を落とす理由?そうね、言い寄ってきたときに、持ち上げて、照れている間にこれからも頑張ってくださいと言うと、みんな揃って『はい!』と答えるから、話がそらしやすかったからかな?」
「それは…」
「いいのよ。貴族なんて、自由恋愛の方が珍しいもの。私も含めてね。だから、あなたは好きな人を見つけるのよ?」
「いなかったときは?」
「その時は、その時よ。見つかったら運が良かったと思えばいいわ」
「え~」
「言葉が乱れているわよ。アリシア。いつでも気を抜かずにね」
「はい。わかりました。アーシャ様」
使うことがあるとは思わなかったけど、お姉様のためにやります!
「シェリー!こいつがどんな奴か知っているんだろう!どうして、どうしてこんなことをしているんだ!こいつは君を裏切るんだろう!?」
どうしてこんなことをしているのかという疑問については同意ですが、私がお姉様を裏切るという発言については許容できない。『だろう』という言葉は未来のことを知っている人にしかできない言葉だ。そして、それを知っているのはお姉様のみ。つまり、お姉様はレオス様にも前世の話をしたことを意味している。
「お言葉ですが、裏切ると言うのであれば、あなたも同じでは?お姉様を見捨てて私と婚約をしたレオス様?」
「違う!俺はそんなことはしない!」
「ええ、口ではそういえますね。ですが、今はそれよりも…」
「ああ、そうだな」
私とレオス様は同時にお姉様の方を見る。幸せそうに私を撫でているお姉様は見られていることが不思議なようです。が、これだけは言わなければなりません。
「「お前は(お姉様は)どうして、そうポンポンと前世の話をするんだ(されるのですか)!」」
「ふぇっ」
「お前を傷つける可能性があったんだろう!なぜそんな奴にお前の秘密を暴露するんだ。それによってもっとお前が傷つく可能性は上がると思わなかったのか!」
「そうですお姉様!裏切るとわかっているような男に話すなんて有り得ません!お姉様が話すことによって、よりバレないようにお姉様が口封じをされる可能性だってあったんですよ!」
「俺はそんなことをしねえよ!」
「どうだか。爵位に釣られて、婚約者よりも違う女に尻尾を振るような方の言葉なんて信用できません!」
「誰がお前なんかに!」
「そうですか…ごめんなさい、お姉様。少し待っていてください。この男がお姉様に相応しくないと言うことを証明して見せましょう」
私はじっと、レオン様のことを見る。口は悪いけど、公爵家の人と考えるならしっかりと鍛錬しているのでしょう。今こそ、アーシャ先生に教わった貴族の男の落とし方を実践するときです。
「いい?アリシア。貴族の男の大抵はちゃんと体を鍛えているものなのよ。高貴の貴族なら特に小さい頃から鍛えられていることが多いわ。まぁ、全員とは言わないけどね…それよりも、そんな男性に対し、手を握って、見上げてこう言うの。『民を守るために、こんな努力をされているなんて…私、尊敬します!』ってね。それで、大抵の男は落ちるわ」
「落としてどうするんですか?それに…私はアーシャ先生ほど綺麗じゃ…」
「アリシアは綺麗だし、可愛いわ。それは間違いない。私が保証してあげるわ。それに男を落とす理由?そうね、言い寄ってきたときに、持ち上げて、照れている間にこれからも頑張ってくださいと言うと、みんな揃って『はい!』と答えるから、話がそらしやすかったからかな?」
「それは…」
「いいのよ。貴族なんて、自由恋愛の方が珍しいもの。私も含めてね。だから、あなたは好きな人を見つけるのよ?」
「いなかったときは?」
「その時は、その時よ。見つかったら運が良かったと思えばいいわ」
「え~」
「言葉が乱れているわよ。アリシア。いつでも気を抜かずにね」
「はい。わかりました。アーシャ様」
使うことがあるとは思わなかったけど、お姉様のためにやります!
1
あなたにおすすめの小説
【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!
MEIKO
ファンタジー
最近まで死の病に冒されていたランドン伯爵家令嬢のアリシア。十六歳になったのを機に、胸をときめかせながら帝都学園にやって来た。「病も克服したし、今日からドキドキワクワクの学園生活が始まるんだわ!」そう思いながら一歩踏み入れた瞬間浮かれ過ぎてコケた。その時、突然奇妙な記憶が呼び醒まされる。見たこともない子爵家の令嬢ルーシーが、学園に通う見目麗しい男性達との恋模様を繰り広げる乙女ゲームの場面が、次から次へと思い浮かぶ。この記憶って、もしかして前世?かつての自分は、日本人の女子高生だったことを思い出す。そして目の前で転んでしまった私を心配そうに見つめる美しい令嬢キャロラインは、断罪される側の人間なのだと気付く…。「こんな見た目も心も綺麗な方が、そんな目に遭っていいいわけ!?」おまけに婚約者までもがヒロインに懸想していて、自分に見向きもしない。そう愕然としたアリシアは、自らキャロライン嬢の取り巻きAとなり、断罪を阻止し婚約者の目を覚まさせようと暗躍することを決める。ヒロインのヤロウ…赦すまじ!
笑って泣けるコメディです。この作品のアイデアが浮かんだ時、男女の恋愛以外には考えられず、BLじゃない物語は初挑戦です。貴族的表現を取り入れていますが、あくまで違う世界です。おかしいところもあるかと思いますが、ご了承下さいね。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
恋愛戦線からあぶれた公爵令嬢ですので、私は官僚になります~就業内容は無茶振り皇子の我儘に付き合うことでしょうか?~
めもぐあい
恋愛
公爵令嬢として皆に慕われ、平穏な学生生活を送っていたモニカ。ところが最終学年になってすぐ、親友と思っていた伯爵令嬢に裏切られ、いつの間にか悪役公爵令嬢にされ苛めに遭うようになる。
そのせいで、貴族社会で慣例となっている『女性が学園を卒業するのに合わせて男性が婚約の申し入れをする』からもあぶれてしまった。
家にも迷惑を掛けずに一人で生きていくためトップであり続けた成績を活かし官僚となって働き始めたが、仕事内容は第二皇子の無茶振りに付き合う事。社会人になりたてのモニカは日々奮闘するが――
悪役令嬢を追放されたけれど、国一番の公爵様に異例の溺愛をされています
exdonuts
恋愛
かつて婚約者の王太子に裏切られ、断罪され、すべてを失った公爵令嬢リリア。けれど、追放先で出会ったのは“冷徹”と噂される隣国の公爵様だった。
彼は言う――「君を幸せにするのは、俺の役目だ」と。
誤解と陰謀の果てに手にした、真実の愛とざまぁの快音。これは、誰よりも不器用な二人が再び歩き出す恋の物語。
最後に笑うのは、かつて虐げられた“悪役令嬢”。
転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!
木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。
胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。
けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。
勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに……
『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。
子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。
逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。
時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。
これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる