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私が望んだのは…
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「……」
リオン様の言葉に返す言葉が見つからない。だって、その通りなのだから。私はお姉様の言った物語に沿って生きてきたのだから。
「シェリア嬢を助けたい。仮に君の思いを汲み取るのならば、奪ったものを返したい。それだけなら私も何も言わない。だが、君はそれ以上に彼女から離れようとしているんじゃないか? アリシア、君は一体何を隠している?」
「私は……悪役…ですから」
「なに…?」
「私は悪役ですから。主人公であるお姉様の側にいてはいけない。ただそれだけです」
それだけ。私は悪役として、この物語から消え去る。それが私の考え…
「はぁ、君はシェリア嬢に対して、悪役と言い張ると言っていたが、言い張っているのは君の方じゃないのか?」
「…違います。お姉様とは違って、私は事実を言っているだけですから」
「事実と言うのであれば、自分が何をして来たのか言ってみるがいい。ただ、部屋を奪ったとかは別だよ。初めて来た家に与えられた部屋が他人の物かどうかなんて、誰にもわからないんだから」
「! それなら、お姉様を人形と言った「あまり私を舐めないで欲しいな」…!」
「君がシェリア嬢をお人形と呼んだ理由なんて知っているし、それは彼女を侮蔑する為じゃなく、守る為だ。それに、言ったのもあの父親の前だけだろう」
「それは……」
「ほら、君自身、自分がどんな罪かなんて分かっていない。物語に囚われているのは君の方なんじゃないかな?」
「違います!私は…」
私はお姉様に笑っていただけるように…その為に私は必要ない。だから……
「私はお姉様に笑っていて欲しいのです。初めて会った時の顔ではなく、笑って…だから私は!」
「自分を犠牲にか?物語の悪役がいなくなれば、主人公が幸せになり終わる。だが、本当か?」
「ほん……とう…?」
「ああ、物語のアリシアはシェリアを傷つけて、それはいなくなった方がいい人物だったのであろうな。だが君はどうなんだ? 私には到底、そのような人物には見えないのだが?」
「それは……」
「君が救いたいと思っていたのは一体誰なんだい?」
私が救いたい人? そんな人、お姉様だけ……
「君が救おうと思っていたのはシェリア嬢ではなく、物語のシェリアじゃない「違う!」……」
思わず叫んでしまい、リオン様が黙る。だけど、それ以上先のことは言って欲しくなかった。
「…違います。私は…お姉様が…幸せになれるように…」
そう。私がいなくなればそれで…
「私たちは物語の人物ではない。生きているんだよ。私も、シェリア嬢も。もちろん君もだ、アリシア。物語のように悪役が倒され、主人公が幸せになって終わりではない。私たちには気持ちがある。君と触れ合ってきたシェリア嬢の気持ちを君は裏切るのか?」
「じゃあ…じゃあ、私はどうすれば良かったのですか! お姉様を傷つける私なんて…お姉様と一緒にいても迷惑をかける…だけなのに…」
「現実に向き合い、物語を逃げ道にするのではなく、現実のシェリア嬢とちゃんと話し合うべきだった。君は物語が現実に当てはまると思い込みすぎだ。レオス、今のシェリア嬢の状況を聞かせてあげたらどうかな?」
リオン様は扉の前でずっと黙っていたレオス様に声をかける。すると、レオス様は心底嫌そうな顔をした後、話し出した。
「はぁ、ここで俺に回ってくるのかよ。まあいい。いいか、よく聞け。お前が連行されてからシェリーはずっと家に引き籠っていた。ずっと泣きながらな。アンすらも部屋に入れなかった。飯も食わなかった。お前が望んだのはそんなシェリーの姿か?」
「違っ」
どうして、お姉様が…私がいなくなればお姉様は……
私がいなくなったから…私のせいで…
「君はどうしてそう…シェリア嬢が関わった途端に賢さがなくなるのかとても不思議だが、君が今、彼女にできることはある」
私がお姉様にできること…
「それは…」
「もう、姉妹としての関係はできない。だが、友人として関わることはできる。今回の試験で飛び級できるほどなのは確認できた。どうする? 私と共にシェリア嬢と同学年になるつもりは「なります!」ふふっ、そうか。ならばそう手配しよう」
同級生になる。それで、お姉様に謝らないと。それから、今度はもう二度と私からは離れない。一緒にいていいかなんて悩まない。私がお姉様と一緒にいたいんだから。
「そうか、ならば君には養子になってもらう。一応貴族の方が何かと便利だからな。それに、君の実力を大いに評価してくれて、ぜひ君を養子にしたいと話が来ているんだ。構わないかい?」
リオン様の言葉に返す言葉が見つからない。だって、その通りなのだから。私はお姉様の言った物語に沿って生きてきたのだから。
「シェリア嬢を助けたい。仮に君の思いを汲み取るのならば、奪ったものを返したい。それだけなら私も何も言わない。だが、君はそれ以上に彼女から離れようとしているんじゃないか? アリシア、君は一体何を隠している?」
「私は……悪役…ですから」
「なに…?」
「私は悪役ですから。主人公であるお姉様の側にいてはいけない。ただそれだけです」
それだけ。私は悪役として、この物語から消え去る。それが私の考え…
「はぁ、君はシェリア嬢に対して、悪役と言い張ると言っていたが、言い張っているのは君の方じゃないのか?」
「…違います。お姉様とは違って、私は事実を言っているだけですから」
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「! それなら、お姉様を人形と言った「あまり私を舐めないで欲しいな」…!」
「君がシェリア嬢をお人形と呼んだ理由なんて知っているし、それは彼女を侮蔑する為じゃなく、守る為だ。それに、言ったのもあの父親の前だけだろう」
「それは……」
「ほら、君自身、自分がどんな罪かなんて分かっていない。物語に囚われているのは君の方なんじゃないかな?」
「違います!私は…」
私はお姉様に笑っていただけるように…その為に私は必要ない。だから……
「私はお姉様に笑っていて欲しいのです。初めて会った時の顔ではなく、笑って…だから私は!」
「自分を犠牲にか?物語の悪役がいなくなれば、主人公が幸せになり終わる。だが、本当か?」
「ほん……とう…?」
「ああ、物語のアリシアはシェリアを傷つけて、それはいなくなった方がいい人物だったのであろうな。だが君はどうなんだ? 私には到底、そのような人物には見えないのだが?」
「それは……」
「君が救いたいと思っていたのは一体誰なんだい?」
私が救いたい人? そんな人、お姉様だけ……
「君が救おうと思っていたのはシェリア嬢ではなく、物語のシェリアじゃない「違う!」……」
思わず叫んでしまい、リオン様が黙る。だけど、それ以上先のことは言って欲しくなかった。
「…違います。私は…お姉様が…幸せになれるように…」
そう。私がいなくなればそれで…
「私たちは物語の人物ではない。生きているんだよ。私も、シェリア嬢も。もちろん君もだ、アリシア。物語のように悪役が倒され、主人公が幸せになって終わりではない。私たちには気持ちがある。君と触れ合ってきたシェリア嬢の気持ちを君は裏切るのか?」
「じゃあ…じゃあ、私はどうすれば良かったのですか! お姉様を傷つける私なんて…お姉様と一緒にいても迷惑をかける…だけなのに…」
「現実に向き合い、物語を逃げ道にするのではなく、現実のシェリア嬢とちゃんと話し合うべきだった。君は物語が現実に当てはまると思い込みすぎだ。レオス、今のシェリア嬢の状況を聞かせてあげたらどうかな?」
リオン様は扉の前でずっと黙っていたレオス様に声をかける。すると、レオス様は心底嫌そうな顔をした後、話し出した。
「はぁ、ここで俺に回ってくるのかよ。まあいい。いいか、よく聞け。お前が連行されてからシェリーはずっと家に引き籠っていた。ずっと泣きながらな。アンすらも部屋に入れなかった。飯も食わなかった。お前が望んだのはそんなシェリーの姿か?」
「違っ」
どうして、お姉様が…私がいなくなればお姉様は……
私がいなくなったから…私のせいで…
「君はどうしてそう…シェリア嬢が関わった途端に賢さがなくなるのかとても不思議だが、君が今、彼女にできることはある」
私がお姉様にできること…
「それは…」
「もう、姉妹としての関係はできない。だが、友人として関わることはできる。今回の試験で飛び級できるほどなのは確認できた。どうする? 私と共にシェリア嬢と同学年になるつもりは「なります!」ふふっ、そうか。ならばそう手配しよう」
同級生になる。それで、お姉様に謝らないと。それから、今度はもう二度と私からは離れない。一緒にいていいかなんて悩まない。私がお姉様と一緒にいたいんだから。
「そうか、ならば君には養子になってもらう。一応貴族の方が何かと便利だからな。それに、君の実力を大いに評価してくれて、ぜひ君を養子にしたいと話が来ているんだ。構わないかい?」
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