7 / 67
第一章 6
しおりを挟む
「……」
一方テレーゼは表情一つ変えず、まるで触手のように伸びて来る糸達を、規則的に斬り捨てていく。
やはりテレーゼの優位は変わらない――と思われていた。しかし、現実は違うらしい。
糸の群れが、次第に包囲網を狭めて来たのだ。その証拠に、彼女の背後でも何本もの糸が蠢いていた。
どうやら、地面の割目の隙間を潜行してきたらしい。
『あー!』
再度声を上げる二人。
一方テレーゼは、そんな二人の態度に気付く余裕などなかった。無数の糸の激しい攻撃を回避するのに必死だったからだ。
刃が何度も振られる。しかもその太刀筋は、初めこそ規則正しかったが、徐々に糸の透きを突くような攻撃に、ペースが乱されていく。
現に糸が撚り合わさり、瞬く間に太く、長く、丈夫になっていく。まるで大蛇のようだ。違うのは、大蛇の頭が鋭く尖っていることぐらいか――。
その複数の大蛇が、テレーゼの四肢を目がけ飛び掛かる。
テレーゼがとりあえず、視界に入った五匹の大蛇を始末する。切っ先が、上下左右そして正眼に向かって、連続で刺突させる。
破裂。
糸の残骸が周囲に飛び散った。――その雨のなか、テレーゼが振り返るより速く、刀を背後に回す。直後、破裂音がまた一つ。
時間差でテレーゼが振り返った。視界に、糸の雨が降っていた。大蛇を一匹葬ったらしい。
どうやら六匹で終わりのようだ。攻撃が止んだ。
違う。
「!」
テレーゼの目が弾かれたように見開かれた。
降っていた糸の雨が地面に落ちた途端、再度撚り合わさり、彼女の足に絡みついたのだ。
蹴って払おうとするも、何もかもが遅かった。
今度は両手が、次に顔が糸の集合体によって絡め取られていったのだ。いつのまにかミイラのごとく、全身を覆っていた。
『あーー!』
ミイラになったテレーゼが、無様に地面に転がる光景を目にして、レッドとユズハが声を上げた。
「五月蝿ぇんだよ!」
砕封魔の声が響いた。一瞬、いつも通りの口調に聞こえたが、その声の裏に危機感が漂っているのを、レッドが本能的に察知した。
遠くで、レッドが喚いた。その言葉は僅かに硬かった。
「五月蝿いだと!?」
「そんなに心配なら、俺達を助けてみやがれっ!」
またレッドの何かのスイッチを押してしまったらしい。さっきまでの恐怖や絶望は、何処かに吹き飛んだようだ。
レッドが、わざと大袈裟な態度で聞く動作をする。白々しく、左耳に掌を添えて、だ。
「何だって?」
どうやら、あの高飛車な刀が自分に助けを求めてきたことが、嬉しかったらしい。
――あのひねくれ者が……。
「五月蝿ぇ! た、助けやがれ!」
「あれ? 俺って役立たずじゃなかったっけ?」
レッドの中に、妙な優越感が漂い始めた。
――今まで散々上から目線だったクセに!
さっきまで、グチグチ悩んでいたのは、一体誰か……。
その間、蜘蛛が身動きできないテレーゼに、じわじわと近付いていく。
「や、“役立たず”は、撤回だ!」
苦し紛れの刀の言葉に、レッドは口元を綻ばせた瞬間、負傷してたはずの足で、地面を蹴っていた。
「……」
そんな一人と一振りに挟まれる大蜘蛛。前後を忙しなく振り返る。一体、どちらの攻撃を回避すればいいのか……。
といっても、実際距離が近いのはテレーゼ側。しかも今は手も足もでない状態。一気に飛び掛れば、何とか――できなかった。
「!」
足下が一気に崩れてきたのだ。最初は自分が起こした振動によるものだと思っていた。――足にしがみつく人間を見るまでは。
ユズハが、苦笑いを浮かべていた。
「べ、別にアンタがタイプって訳じゃないから」
どうやら、蜘蛛と同じく瓦礫の隙間を縫うようにして糸を通したらしい。ただ違うのは、その糸を掴みながら人間も移動したとうことだ。おかげで彼女は満身創痍。服もボロボロだ。
「ギッ!」
化物がユズハを振り払おうと、足を地面から引き抜いた。足が上下左右と、無秩序に力任せに振られる。同時に豪快な風切り音が、周囲に轟いた。
「た、助けてぇぇぇ!」
尋常ならざる風圧をまともに受けたユズハは、必死にしがみ付いていたが、結局腕力が耐えられず、空に舞い上がる結果に――。
「……」
そんな彼女が夜空に打ち上がるのを、ただ黙って見つめる蜘蛛ではなかった。七本の足を力ませ、体を地面スレスレに沈み込ませる。
刹那、瓦礫を蹴散らしながら、跳び上がったのだ。
「ちょっと! 来ないで!」
空中のユズハが、瞬く間に迫って来る化物に悲鳴を上げる。そんな彼女の体が、次第に上昇を止め、一旦停止する。「え。……嘘」と顔を引き攣らせると、視界が急変。――服や皮膚、髪をなびかせながら、急降下したのだ。
「うそぉぉぉ……!」
「ギッ――!」
蜘蛛の足が、今にもユズハのふくらはぎに触れそうなほど迫ってきた。いや、現に切り裂いた。
「……」
しかし、ユズハは急に悲鳴を上げなくなった。それどころか、ふくらはぎからは出血もしなかった。
いや、違う。
彼女の体が、乾いた音と共に破裂したのだ。その欠片は、白くてところどころ長かった。
糸だ。
糸の集合体だったのだ。つまり偽物――。
直後、地面で誰かが“たわわ”な胸を張ってみせる。
「糸を操れるのは、アンタだけじゃないのよ?」
本当のユズハの言葉を、化物は聞いたかどうか。――何しろ、糸の集団が頭上に降りかかったかと思う暇すら与えられず、その体を覆い尽くし自由を奪い始めたのだ。
おかげで、急降下。あっという間に狭まる視界から、それが見てとれた。そうでなくても体が危機を知らせていたが、時既に遅し。
蜘蛛の咆哮すら、糸に包まれ静寂が出現。そして地面に激突。轟音が大地を揺さぶった。
「今だ!」
砕封魔の合図で、飛び出したのはレッドだった。実は、今まで負傷した足を引きずりながらも、走っていたのだ。
つまりユズハは、時間稼ぎをしていたのだ。
「うぉぉぉ……!」
糸に絡まり身動きできなくなったテレーゼより刀を奪い取り、体を反転――糸の塊と化した化物に向かって、刃を水平に滑らせていく。しかしその大きさゆえ、腕の振り幅だけでは捌ききれず、刀を持ちながら走るはめに――。まるで巨大な魚の解体ショーだ。
刃がようやく、蜘蛛の腹部まで到達した。
「ギギギギギギギギギギギギギギギギギギ…………!」
直後、蜘蛛の断末魔の悲鳴が轟いた――。
*
蜘蛛は、苦しむかのように暫く体を痙攣させていた。まぁ。その巨体ゆえ、痙攣が地震のごとく大地を揺さぶっていたのは言うまでもない。
しかし紫色の体液が、周囲の地面を染め上げると、その地震もピタリと止んでしまった。
するとその体が、たちまち目が眩むほどの光に包まれる。
『!』
レッド達が、目の痛みを覚えて慌てて瞼を閉じた。
夜だというに、真昼のように明るくなった。
数分だろうか。周囲が照らされたのは――。
レッドが、目の痛みが消えるのを待ってから、瞼を恐る恐る開ける。
「これは……」
目の前に現れた“何か”に、驚きを隠せなかった。あの蜘蛛の死体ではないのだ。
「モジュール」
隣りにいたユズハが、抑揚のない言霊を吐き出した。
レッドの首が、ユズハに向かって弾かれる。
彼もまた、他の一般市民同様、バグがモジュールの素だとは知らなかったのだ。
目の前の事実を、暫く頭の中で上手く処理できなかった。だが、一つ分かったことがある。
「アンタ回収屋か」
「そういうこと。普通は、リュウランゼなんか助けないで、後からモジュールを回収して終わりなんだけどね」
「そうか。いや、助かったよ。……その何ていうか、俺相当取り乱してたと思うんだけど……」
レッドが照れ臭そうに頭を掻き始めた。
「そうだ。あの時、バグから逃げなきゃ。一発で倒したのに」
「ハハハ……」
「ついには、俺を放り投げるし」
「面目ない」
「終いには、何が“うぉぉぉ……!”だよ。物語の主人公になったつもりかよ」
自分の言葉に、すかさず割り込んでくる声に違和感を覚えた。頭を掻いていた手を、ピタリと止めた。ユズハではない、別の声だ。
右手だ。
「お前か!」
刀が「おう。俺だ!」と偉そうに反応する。
その言葉で、レッドが怒りに身を任せる。肩を震わせながら、俯きだした。
「……」
「どうした? 図星か。情けねぇ」
しかし刀は、肩を震わしたのは、自分の言葉が的を射ていたからだと思い込んでいた。笑っているのか刀身が震えている。鞘に収まっていないので、カタカタと鳴ってはいないが……。
一方ユズハは、そんな一人と一振りの掛け合いを見もせず、事務的にモジュールの塊を掘り起こしていた。といっても、あの蜘蛛が素だ、大きさもユズハの何倍もある。結構な重労働だ。
そして、レッドの怒りがようやく爆発する。
「雪山で、独り笑っていろ!」
レッドが砕封魔を、天高く放り投げた。
「この野郎! 俺を置いていくなぁぁぁ……!」
落下し、地面に置き去りにされた砕封魔が、遠ざかるレッド達に、必死に助けを求めていた。
その声は、一晩山中に響いたという……。
一方テレーゼは表情一つ変えず、まるで触手のように伸びて来る糸達を、規則的に斬り捨てていく。
やはりテレーゼの優位は変わらない――と思われていた。しかし、現実は違うらしい。
糸の群れが、次第に包囲網を狭めて来たのだ。その証拠に、彼女の背後でも何本もの糸が蠢いていた。
どうやら、地面の割目の隙間を潜行してきたらしい。
『あー!』
再度声を上げる二人。
一方テレーゼは、そんな二人の態度に気付く余裕などなかった。無数の糸の激しい攻撃を回避するのに必死だったからだ。
刃が何度も振られる。しかもその太刀筋は、初めこそ規則正しかったが、徐々に糸の透きを突くような攻撃に、ペースが乱されていく。
現に糸が撚り合わさり、瞬く間に太く、長く、丈夫になっていく。まるで大蛇のようだ。違うのは、大蛇の頭が鋭く尖っていることぐらいか――。
その複数の大蛇が、テレーゼの四肢を目がけ飛び掛かる。
テレーゼがとりあえず、視界に入った五匹の大蛇を始末する。切っ先が、上下左右そして正眼に向かって、連続で刺突させる。
破裂。
糸の残骸が周囲に飛び散った。――その雨のなか、テレーゼが振り返るより速く、刀を背後に回す。直後、破裂音がまた一つ。
時間差でテレーゼが振り返った。視界に、糸の雨が降っていた。大蛇を一匹葬ったらしい。
どうやら六匹で終わりのようだ。攻撃が止んだ。
違う。
「!」
テレーゼの目が弾かれたように見開かれた。
降っていた糸の雨が地面に落ちた途端、再度撚り合わさり、彼女の足に絡みついたのだ。
蹴って払おうとするも、何もかもが遅かった。
今度は両手が、次に顔が糸の集合体によって絡め取られていったのだ。いつのまにかミイラのごとく、全身を覆っていた。
『あーー!』
ミイラになったテレーゼが、無様に地面に転がる光景を目にして、レッドとユズハが声を上げた。
「五月蝿ぇんだよ!」
砕封魔の声が響いた。一瞬、いつも通りの口調に聞こえたが、その声の裏に危機感が漂っているのを、レッドが本能的に察知した。
遠くで、レッドが喚いた。その言葉は僅かに硬かった。
「五月蝿いだと!?」
「そんなに心配なら、俺達を助けてみやがれっ!」
またレッドの何かのスイッチを押してしまったらしい。さっきまでの恐怖や絶望は、何処かに吹き飛んだようだ。
レッドが、わざと大袈裟な態度で聞く動作をする。白々しく、左耳に掌を添えて、だ。
「何だって?」
どうやら、あの高飛車な刀が自分に助けを求めてきたことが、嬉しかったらしい。
――あのひねくれ者が……。
「五月蝿ぇ! た、助けやがれ!」
「あれ? 俺って役立たずじゃなかったっけ?」
レッドの中に、妙な優越感が漂い始めた。
――今まで散々上から目線だったクセに!
さっきまで、グチグチ悩んでいたのは、一体誰か……。
その間、蜘蛛が身動きできないテレーゼに、じわじわと近付いていく。
「や、“役立たず”は、撤回だ!」
苦し紛れの刀の言葉に、レッドは口元を綻ばせた瞬間、負傷してたはずの足で、地面を蹴っていた。
「……」
そんな一人と一振りに挟まれる大蜘蛛。前後を忙しなく振り返る。一体、どちらの攻撃を回避すればいいのか……。
といっても、実際距離が近いのはテレーゼ側。しかも今は手も足もでない状態。一気に飛び掛れば、何とか――できなかった。
「!」
足下が一気に崩れてきたのだ。最初は自分が起こした振動によるものだと思っていた。――足にしがみつく人間を見るまでは。
ユズハが、苦笑いを浮かべていた。
「べ、別にアンタがタイプって訳じゃないから」
どうやら、蜘蛛と同じく瓦礫の隙間を縫うようにして糸を通したらしい。ただ違うのは、その糸を掴みながら人間も移動したとうことだ。おかげで彼女は満身創痍。服もボロボロだ。
「ギッ!」
化物がユズハを振り払おうと、足を地面から引き抜いた。足が上下左右と、無秩序に力任せに振られる。同時に豪快な風切り音が、周囲に轟いた。
「た、助けてぇぇぇ!」
尋常ならざる風圧をまともに受けたユズハは、必死にしがみ付いていたが、結局腕力が耐えられず、空に舞い上がる結果に――。
「……」
そんな彼女が夜空に打ち上がるのを、ただ黙って見つめる蜘蛛ではなかった。七本の足を力ませ、体を地面スレスレに沈み込ませる。
刹那、瓦礫を蹴散らしながら、跳び上がったのだ。
「ちょっと! 来ないで!」
空中のユズハが、瞬く間に迫って来る化物に悲鳴を上げる。そんな彼女の体が、次第に上昇を止め、一旦停止する。「え。……嘘」と顔を引き攣らせると、視界が急変。――服や皮膚、髪をなびかせながら、急降下したのだ。
「うそぉぉぉ……!」
「ギッ――!」
蜘蛛の足が、今にもユズハのふくらはぎに触れそうなほど迫ってきた。いや、現に切り裂いた。
「……」
しかし、ユズハは急に悲鳴を上げなくなった。それどころか、ふくらはぎからは出血もしなかった。
いや、違う。
彼女の体が、乾いた音と共に破裂したのだ。その欠片は、白くてところどころ長かった。
糸だ。
糸の集合体だったのだ。つまり偽物――。
直後、地面で誰かが“たわわ”な胸を張ってみせる。
「糸を操れるのは、アンタだけじゃないのよ?」
本当のユズハの言葉を、化物は聞いたかどうか。――何しろ、糸の集団が頭上に降りかかったかと思う暇すら与えられず、その体を覆い尽くし自由を奪い始めたのだ。
おかげで、急降下。あっという間に狭まる視界から、それが見てとれた。そうでなくても体が危機を知らせていたが、時既に遅し。
蜘蛛の咆哮すら、糸に包まれ静寂が出現。そして地面に激突。轟音が大地を揺さぶった。
「今だ!」
砕封魔の合図で、飛び出したのはレッドだった。実は、今まで負傷した足を引きずりながらも、走っていたのだ。
つまりユズハは、時間稼ぎをしていたのだ。
「うぉぉぉ……!」
糸に絡まり身動きできなくなったテレーゼより刀を奪い取り、体を反転――糸の塊と化した化物に向かって、刃を水平に滑らせていく。しかしその大きさゆえ、腕の振り幅だけでは捌ききれず、刀を持ちながら走るはめに――。まるで巨大な魚の解体ショーだ。
刃がようやく、蜘蛛の腹部まで到達した。
「ギギギギギギギギギギギギギギギギギギ…………!」
直後、蜘蛛の断末魔の悲鳴が轟いた――。
*
蜘蛛は、苦しむかのように暫く体を痙攣させていた。まぁ。その巨体ゆえ、痙攣が地震のごとく大地を揺さぶっていたのは言うまでもない。
しかし紫色の体液が、周囲の地面を染め上げると、その地震もピタリと止んでしまった。
するとその体が、たちまち目が眩むほどの光に包まれる。
『!』
レッド達が、目の痛みを覚えて慌てて瞼を閉じた。
夜だというに、真昼のように明るくなった。
数分だろうか。周囲が照らされたのは――。
レッドが、目の痛みが消えるのを待ってから、瞼を恐る恐る開ける。
「これは……」
目の前に現れた“何か”に、驚きを隠せなかった。あの蜘蛛の死体ではないのだ。
「モジュール」
隣りにいたユズハが、抑揚のない言霊を吐き出した。
レッドの首が、ユズハに向かって弾かれる。
彼もまた、他の一般市民同様、バグがモジュールの素だとは知らなかったのだ。
目の前の事実を、暫く頭の中で上手く処理できなかった。だが、一つ分かったことがある。
「アンタ回収屋か」
「そういうこと。普通は、リュウランゼなんか助けないで、後からモジュールを回収して終わりなんだけどね」
「そうか。いや、助かったよ。……その何ていうか、俺相当取り乱してたと思うんだけど……」
レッドが照れ臭そうに頭を掻き始めた。
「そうだ。あの時、バグから逃げなきゃ。一発で倒したのに」
「ハハハ……」
「ついには、俺を放り投げるし」
「面目ない」
「終いには、何が“うぉぉぉ……!”だよ。物語の主人公になったつもりかよ」
自分の言葉に、すかさず割り込んでくる声に違和感を覚えた。頭を掻いていた手を、ピタリと止めた。ユズハではない、別の声だ。
右手だ。
「お前か!」
刀が「おう。俺だ!」と偉そうに反応する。
その言葉で、レッドが怒りに身を任せる。肩を震わせながら、俯きだした。
「……」
「どうした? 図星か。情けねぇ」
しかし刀は、肩を震わしたのは、自分の言葉が的を射ていたからだと思い込んでいた。笑っているのか刀身が震えている。鞘に収まっていないので、カタカタと鳴ってはいないが……。
一方ユズハは、そんな一人と一振りの掛け合いを見もせず、事務的にモジュールの塊を掘り起こしていた。といっても、あの蜘蛛が素だ、大きさもユズハの何倍もある。結構な重労働だ。
そして、レッドの怒りがようやく爆発する。
「雪山で、独り笑っていろ!」
レッドが砕封魔を、天高く放り投げた。
「この野郎! 俺を置いていくなぁぁぁ……!」
落下し、地面に置き去りにされた砕封魔が、遠ざかるレッド達に、必死に助けを求めていた。
その声は、一晩山中に響いたという……。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる