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第二章 13
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雷鳴も断続的に轟き、時折稲光が鋭く暗闇を切り裂いていた。
雨足も、時が過ぎていくほどに強まっていき、道場にこびり付いていた汚れを拭い去っていく。
激しい雨音になかなか寝付けなかったが、夜更けということもあり、三人は床に就いていた。
「……?」
そんななか、最初に“異変”に気づいたのはライナスの母だった。
突然体を起こして、激しい雷鳴に耳を澄まし始めたのだ。どうやら、雷鳴のなかに別の音が混じってるらしい。
母の顔が、次第に青ざめていく。
「……あ、あなた」
慌てて、しかし声を殺しながら、隣に寝ているアイザックを揺り起こした。
「何事だ。こんな時間に」
一方、こんな大雨のなか熟睡していたアイザックは、眠りを妨げられた怒りで、つい声が大きくなってしまった。
そして、重くなった瞼を少し開けながら、渋々体を起こした。
「何かが聞こえませんか?」という母の質問に、アイザックは憮然とした態度で布団を被ってしまった。
「雷だろう。馬鹿馬鹿しい」
その時だった。
玄関の戸を激しく叩く音が聞こえたのだ。明らかに雨音ではない。それどころか、人の声も聞こえてきた。
「師匠! 開けてください!」
激しい雨音より、その声は切迫性を孕んでいた。
『……』
不安そうに自分を見つめる妻の顔を見ながら、アイザックは無言で頷いてから、意を決したかのようにして立ち上がった。
そして玄関に向かった。
玄関に辿り着くと、戸越しの何者かに話しかけた。
「どうした。破門にしたはずだぞ」その言葉は、感情が抜け落ちていた。
いや、正直どう反応していいのか、アイザック自身迷っていた。
声の主は、破門した門下生に違いなかったからだ。
こんな時間に戻ってきた人間を怒ればいいのか、それとも他人だといわんばかりに冷たく突き放せばいいのか、はたまた唯一戻ってきてくれた門下生だと喜べばいいのか。――深夜にも関わらず、なぜかそんなことを気にしていた。
予想通り、開けた戸の隙間から覗いた顔は、いつか道場を辞めた門下生だった。
しかしその顔は、何を見てきたのか、恐怖が張り付き、絶え間なく震えていた。
「そ、そんなこと言わず、助けてください!」
なぜか、一向になかに入らない門下生の助けを求める声に、アイザックは一度ため息を吐いてから、仕方なく戸をさらに開いた。
開けた戸から入ってきたのは、門下生の左手だった。だが、様子がおかしい。
時折明滅する雷光により、その異変の正体に気づいた。
血塗れなのだ。……左手が。
「……」
アイザックは息を呑んだ。
しかし、持ち前の胆力で声が出るのを辛うじて抑えることができた。だが、ここにきて、また迷いが生じる。――戸をさらに開けて外を覗くべきか、それとも閉めて奥に逃げるべきか……。
そんな逡巡が、戸を触っていた自身の手から、意識を奪ってしまった。
おかげで、戸が勢いよく放たれてしまった。だが、おかしい。さっきまで震えていた門下生が、開けたとは思えないからだ。
直後、門下生が、ごろりと玄関内に倒れ込んでしまった。
それ以来、ピクリともしない。代わりに、その背中の大傷から出てきた多量の血液が、地面を侵食していく。
その傷は、刃物で刺されたように見えた。
「……」
アイザックは状況を理解できず、門下生の亡骸を呆然と眺めているしかなかった。――いや、そんな暇すら与えてくれなかった。
一体、何が?
何かが……こちらを覗いていたのだ。
大きな目と鋭い顎――そして大きな鎌が、雷光を反射していた。
普通なら、こんな大きさいるはずがないのに。それなのにアイザックを、まるでゴミを見るように見下している。
さすがのアイザックも、驚きの声を上げざるを得なかった。
「う、うわぁぁぁ……!」
それは、大きなカマキリだった。
アイザックの声に反応したカマキリが、戸を切り裂きながら、なかに突入してきた。
そんなカマキリの後方には、いくつもの亡骸が転がっていた。
つまり、雷鳴だと思っていたもののなかに、人間の悲鳴も混ざっていたのだ――。
そのことに気づき、さらに恐怖したアイザックは、亡骸たちから目を離すことができなかった。――たとえ、左肩に鋭い痛みが走ったとしても。
カマキリの鎌が突き刺さっていたのだ。
「……」
さすがのアイザックも、時が経つにつれて痛みに意識が移り、傷を押さえながら地面に転がってしまった。
「が、があぁぁぁ……!」
アイザックの呻き声を聞いた妻が、「何事ですか!?」と慌てて駆けてきた。
その声と足音を耳にし、苦しみながらもアイザックが「く、来るなっ!」と制止したが――一足遅かった。
「……」
カマキリの意識が妻に向けられたのだ。
直後、轟音とともに玄関周囲が吹き飛ばされ、妻に向かって突進していった。
「きゃあああ……!」
普段おとなしい妻が、力の限り悲鳴を上げてしまった。
「……?」
その悲鳴に、今度は寝床でライナスが目を覚ましてしまった。
不思議に思いながらも、とりあえず、大きな物音がする玄関へと足が自然と向かっていた。
近づくにつれて、足元が不安定になってきた。もしかしたら、自分がまだ寝ぼけているのかもしれないと思ったが、どうやらそうではないらしい。
本当に、家のなかが破壊されて、目の前に瓦礫の絨毯が敷き詰められていたのだ。しかも、ところどころ何かに染まっている。
「どうしたの?」と聞いてみたものの、返事がない。いや、誰かがいる気配はある。だが、暗くて見えない。
そんな時に、雷が状況を照らし出した。
すでに息絶えた門下生。
傷を押さえながら悶え苦しむ父親。
息子を庇おうと必死に這ってくる母親。
それらを手に掛けようとするカマキリの化物。
それぞれが狭い玄関という空間に存在していた。どうやら、瓦礫をところどころ染め上げたのは、門下生やアイザックの血らしい。
「ラ、ライナス……」
たった今、母親がライナスに覆い被さるようにして庇った。
そんな母子に襲い掛かろうとするカマキリの前に、アイザックが立ち塞がった。戸の残骸である角材を手にしながら。
「早く逃げろっ!」
背後の母子に話しかけた直後、前へ向き直ると、カマキリの顔が迫っていた。
「!」
刹那、襲い掛かる鋭い鎌。
アイザックが自身の顔との間に角材を滑り込ませて、慌てて飛び退った。
角材が粉々に飛散した。
「くっ!」
咄嗟にアイザックが、真剣白刃取りの要領で、鎌を頭上で受け止めた。
しかし、その衝撃は凄まじく、意識を根こそぎ刈られそうだった。それでも、膝を折ることはしなかった……。
――まだ死ねんっ!
アイザックの視界の端で、妻が息子を抱えて奥に消えていった。
それを確認すると、悲鳴を上げる両膝に鞭を入れて踏ん張った。
そして掴んだ鎌を左に流し、カマキリの巨体が若干傾いた透きに、素早く後ろへ回り込んだ。
別の角材でカマキリの後頭部を叩きたかったが、化物の首が一八〇度回転したためできなかった。
「――!」
予想外の展開に、一瞬怯んだアイザックだったが、意を決して角材で化物の左目を突き刺した。夥しい体液が迸った。
直後、カマキリが咆哮を上げ、苦しみだした。
その透きに、奥に逃げた妻たちを追いかけた。
雨足も、時が過ぎていくほどに強まっていき、道場にこびり付いていた汚れを拭い去っていく。
激しい雨音になかなか寝付けなかったが、夜更けということもあり、三人は床に就いていた。
「……?」
そんななか、最初に“異変”に気づいたのはライナスの母だった。
突然体を起こして、激しい雷鳴に耳を澄まし始めたのだ。どうやら、雷鳴のなかに別の音が混じってるらしい。
母の顔が、次第に青ざめていく。
「……あ、あなた」
慌てて、しかし声を殺しながら、隣に寝ているアイザックを揺り起こした。
「何事だ。こんな時間に」
一方、こんな大雨のなか熟睡していたアイザックは、眠りを妨げられた怒りで、つい声が大きくなってしまった。
そして、重くなった瞼を少し開けながら、渋々体を起こした。
「何かが聞こえませんか?」という母の質問に、アイザックは憮然とした態度で布団を被ってしまった。
「雷だろう。馬鹿馬鹿しい」
その時だった。
玄関の戸を激しく叩く音が聞こえたのだ。明らかに雨音ではない。それどころか、人の声も聞こえてきた。
「師匠! 開けてください!」
激しい雨音より、その声は切迫性を孕んでいた。
『……』
不安そうに自分を見つめる妻の顔を見ながら、アイザックは無言で頷いてから、意を決したかのようにして立ち上がった。
そして玄関に向かった。
玄関に辿り着くと、戸越しの何者かに話しかけた。
「どうした。破門にしたはずだぞ」その言葉は、感情が抜け落ちていた。
いや、正直どう反応していいのか、アイザック自身迷っていた。
声の主は、破門した門下生に違いなかったからだ。
こんな時間に戻ってきた人間を怒ればいいのか、それとも他人だといわんばかりに冷たく突き放せばいいのか、はたまた唯一戻ってきてくれた門下生だと喜べばいいのか。――深夜にも関わらず、なぜかそんなことを気にしていた。
予想通り、開けた戸の隙間から覗いた顔は、いつか道場を辞めた門下生だった。
しかしその顔は、何を見てきたのか、恐怖が張り付き、絶え間なく震えていた。
「そ、そんなこと言わず、助けてください!」
なぜか、一向になかに入らない門下生の助けを求める声に、アイザックは一度ため息を吐いてから、仕方なく戸をさらに開いた。
開けた戸から入ってきたのは、門下生の左手だった。だが、様子がおかしい。
時折明滅する雷光により、その異変の正体に気づいた。
血塗れなのだ。……左手が。
「……」
アイザックは息を呑んだ。
しかし、持ち前の胆力で声が出るのを辛うじて抑えることができた。だが、ここにきて、また迷いが生じる。――戸をさらに開けて外を覗くべきか、それとも閉めて奥に逃げるべきか……。
そんな逡巡が、戸を触っていた自身の手から、意識を奪ってしまった。
おかげで、戸が勢いよく放たれてしまった。だが、おかしい。さっきまで震えていた門下生が、開けたとは思えないからだ。
直後、門下生が、ごろりと玄関内に倒れ込んでしまった。
それ以来、ピクリともしない。代わりに、その背中の大傷から出てきた多量の血液が、地面を侵食していく。
その傷は、刃物で刺されたように見えた。
「……」
アイザックは状況を理解できず、門下生の亡骸を呆然と眺めているしかなかった。――いや、そんな暇すら与えてくれなかった。
一体、何が?
何かが……こちらを覗いていたのだ。
大きな目と鋭い顎――そして大きな鎌が、雷光を反射していた。
普通なら、こんな大きさいるはずがないのに。それなのにアイザックを、まるでゴミを見るように見下している。
さすがのアイザックも、驚きの声を上げざるを得なかった。
「う、うわぁぁぁ……!」
それは、大きなカマキリだった。
アイザックの声に反応したカマキリが、戸を切り裂きながら、なかに突入してきた。
そんなカマキリの後方には、いくつもの亡骸が転がっていた。
つまり、雷鳴だと思っていたもののなかに、人間の悲鳴も混ざっていたのだ――。
そのことに気づき、さらに恐怖したアイザックは、亡骸たちから目を離すことができなかった。――たとえ、左肩に鋭い痛みが走ったとしても。
カマキリの鎌が突き刺さっていたのだ。
「……」
さすがのアイザックも、時が経つにつれて痛みに意識が移り、傷を押さえながら地面に転がってしまった。
「が、があぁぁぁ……!」
アイザックの呻き声を聞いた妻が、「何事ですか!?」と慌てて駆けてきた。
その声と足音を耳にし、苦しみながらもアイザックが「く、来るなっ!」と制止したが――一足遅かった。
「……」
カマキリの意識が妻に向けられたのだ。
直後、轟音とともに玄関周囲が吹き飛ばされ、妻に向かって突進していった。
「きゃあああ……!」
普段おとなしい妻が、力の限り悲鳴を上げてしまった。
「……?」
その悲鳴に、今度は寝床でライナスが目を覚ましてしまった。
不思議に思いながらも、とりあえず、大きな物音がする玄関へと足が自然と向かっていた。
近づくにつれて、足元が不安定になってきた。もしかしたら、自分がまだ寝ぼけているのかもしれないと思ったが、どうやらそうではないらしい。
本当に、家のなかが破壊されて、目の前に瓦礫の絨毯が敷き詰められていたのだ。しかも、ところどころ何かに染まっている。
「どうしたの?」と聞いてみたものの、返事がない。いや、誰かがいる気配はある。だが、暗くて見えない。
そんな時に、雷が状況を照らし出した。
すでに息絶えた門下生。
傷を押さえながら悶え苦しむ父親。
息子を庇おうと必死に這ってくる母親。
それらを手に掛けようとするカマキリの化物。
それぞれが狭い玄関という空間に存在していた。どうやら、瓦礫をところどころ染め上げたのは、門下生やアイザックの血らしい。
「ラ、ライナス……」
たった今、母親がライナスに覆い被さるようにして庇った。
そんな母子に襲い掛かろうとするカマキリの前に、アイザックが立ち塞がった。戸の残骸である角材を手にしながら。
「早く逃げろっ!」
背後の母子に話しかけた直後、前へ向き直ると、カマキリの顔が迫っていた。
「!」
刹那、襲い掛かる鋭い鎌。
アイザックが自身の顔との間に角材を滑り込ませて、慌てて飛び退った。
角材が粉々に飛散した。
「くっ!」
咄嗟にアイザックが、真剣白刃取りの要領で、鎌を頭上で受け止めた。
しかし、その衝撃は凄まじく、意識を根こそぎ刈られそうだった。それでも、膝を折ることはしなかった……。
――まだ死ねんっ!
アイザックの視界の端で、妻が息子を抱えて奥に消えていった。
それを確認すると、悲鳴を上げる両膝に鞭を入れて踏ん張った。
そして掴んだ鎌を左に流し、カマキリの巨体が若干傾いた透きに、素早く後ろへ回り込んだ。
別の角材でカマキリの後頭部を叩きたかったが、化物の首が一八〇度回転したためできなかった。
「――!」
予想外の展開に、一瞬怯んだアイザックだったが、意を決して角材で化物の左目を突き刺した。夥しい体液が迸った。
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