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3 心のキズ
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「覚さん、キッチン使わせて」
リビングから時宗が声をかけてくる。
俺がキッチンでコーヒーを飲んでいるからだ。時宗が引っ越してきてから最初の4日は俺は変に緊張して距離をとっていた。でも時宗自身が約束通り不用意に側に来ないし、ひと月も経つ頃には彼の煩すぎない生活の仕方は俺をリラックスさせた。
そもそも年齢もひとつしか違わないし、元々暮らしていた地域(時宗はまだそちらでも暮らしている)も同じだったから、友だちのような感覚になるのも早かった。
「いーよ。」
俺がコーヒーを持ってリビングのソファに座ると、入れ違いで時宗は立ち上がりキッチンに入って行く。
常に俺の動きに合わせてくれているようだ。
テレビを消して携帯を眺めている時だった。
トントントントン
階段を上がる音がした。
ドキリとして時宗を見ると、リビングの扉を見つめていたから同じ音が聞こえたのだろう。
俺はそっと立ち上がると素早くキッチンに入って時宗の側に行く。
トントントントン
足音が降りて来た。
心臓がバクバクなって、どうかリビングのドアまで来ませんようにとビビリな俺は祈る。無意識に時宗の背後に回り彼を盾にする。
しばらくじっとしていた俺たちは、その後何も聞こえなくなって息をついた。
ふと、時宗が背後の俺を振り返る。
「覚さん?大丈夫?」
「だ、大丈夫じゃねーよ。おまえ、よく2階の部屋で寝れるね。」
「えー、怖いって言ったら1階で寝さしてくれんの?」
笑いながら勝手にくっついて来た俺からさりげなく距離をとるようにキッチンの入り口へ移動する。
自然体で人に不快感や気まずさを与えない。自然体でものすごくさりげない気遣いが出来る。コイツはすごく良いやつだ。
「あ、ごめん。」
「うん、大丈夫」
キッチンが使えないでいる時宗に気づいて俺はリビングに戻る。特に何も気にしていない様子の彼にホッとする。
普通は“距離をとって生活してくれ”と言った相手が自らくっついて来れば文句のひとつも出そうなものだけど、物音がするたびに逃げてくる俺に時宗が何か言うことはなかった。
「ねー、覚さん?この家に起きる怖い現象、一緒に解明してみない?」
キッチンカウンターで夕食をとりながら時宗が突然そう言った。
「は?解明って、、?どうやって?」
「前に女の子見たって言ったよね?その子が誰で、何でココに現れるのか俺無性に気になってて、、役場で聞いたら何かわからないのかな。」
真面目な口調で言う時宗を見つめる。
食事をするのに邪魔になるのかヘアバンドで髪が落ちてこないようにしている。そしてキレイな所作で食事をする姿に感心する。
どちらかというと、霊の女の子よりも俺は時宗のことの方が知りたい。
「誰かわかったところで出るのが変わらなかったら怖さ倍増だろ?時宗のいない3日間生きられる気がしねーわ。」
「完全にこっちで暮らそうか?そんなに、俺と一緒に居たいならさ」
髪の毛を上げた少し幼く見える顔で悪戯っ子のように笑う。
「変な言い方をするな!いらねーわ!、、とは言えないけどな。」
2人は笑った。
俺たちはお互いの過去も背景もよく知らないまま、そこそこ信頼関係を築きそこそこ安心して暮らせる関係を築いていた。
ーと、思ったのに、俺の心にはそれでも無理がかかっていたのかも知れない。
ある日、悪夢を見た。トラウマに触れてくる悪夢だ。
俺は体を動かせない状態で横たわっていた。上にいる裸の男が、シャツのボタンを外していく。
たぶん俺は「やめてください」とかそんな事を言っていたと思う。上にいるヤツの顔は見えない。見えないけど誰かはわかっている。
その中年の男の裸も、ゴツゴツした手で俺の体を撫でた感覚も。
体を動かして抵抗したいのに出来ないのはどうしてなのか、、
中年の男は俺の言葉に耳をかさずに、俺のズボンの股間に、勃ちあがった股間を擦り付ける。
言いようもない嫌悪感が俺を襲う。
やめろ、やめてくれ、俺に触るな、お願いだから解放してくれ!
何か自分の悲鳴のような声でハッと目が覚めた。目に入ったのは時宗の顔だった。俺の肩にかけられた手に、俺は混乱して、
その手を掴むと時宗を、殴った。
「って、、」
体勢を崩して畳に尻をついた時宗が唇を腕で庇う。血が出ていた。
俺は痛みに顔を歪める時宗を見て我に返った。
「あ、、ごめ、、、嫌な夢見てて、、悪い」
「すごいうなされてたよ。起こそうと思ったんだけど、、俺もごめん。不用意にあんたに触った。」
なんでこいつはこんなに俺に気を遣ってくれるんだろうか?何でこんなに優しいんだろうか。
「ごめん、、、」
「良いって。このまま眠れる?何かあったかいものでも飲む?」
「、、飲む」
時宗が入れたインスタントのスープを俺はリビングで、時宗はキッチンに立ったまま飲む。
無言だった。
「なぁ、時宗」
「何?」
「話して良い?俺が何で引っ越して来たか」
俺が膝を抱えて小さくなって言うのを、時宗はカップを持ったままの手を止めて見る。
「無理に話さなくていーよ。なんかワケがあるのはわかってるし」
「ー、、一緒に暮らすおまえには、話しておきたい」
「、、じゃあ聞くよ」
時宗の優しい声と、暗いリビングに勇気をもらう。
軽蔑されればそれまでだ。もともと1人で暮らす予定だったんだ。大丈夫。
「ー、、俺さ、、仕事のために、、」
そこで言葉が詰まる。
思い出す嫌悪感と、いざ口にする時の恐怖感。
「、、覚さん、無理しないで。」
「いや、大丈夫。ー、、俺の仕事少し大きな会社のWEBデザイナーだった。」
WEBデザイナーは社に何人も居て、互いにライバル同士だ。出来るやつらは2年目にしてもう頭角を現していて、俺は少し焦っていたんだ。
ある時、上司からとある取引先の担当者が俺のデザインを気に入っていると聞かされた。勧められるままに、懇意になろうと一緒に酒を飲み、、潰された俺は自宅に送ってもらった。
そこで取引先のおっさんがゲイで、俺の仕事ではなくて俺自身を気に入っていると聞かされた。
酔い潰れて朦朧とする頭で、騙されたとわかった。会社の上司はそれを知ってて勧めたのだと。
取引先のおっさんに仕事の契約と引き換えに体の関係を迫られた俺は、、体の関係は無理だと言った。その代わりに、おっさんのモノを口に咥えた。
ー涙が出た。吐き気がした。容赦なく口腔内を突かれ苦しいのに俺の髪を掴んで腰をふる。寒気がした。
おっさんは果てると一旦俺を解放した。
俺は洗面台で口を濯いで涙を堪えて戻ると、大した事じゃないフリをしてテーブルのグラスの水を飲んだ。
そこから記憶がほとんどない。
夢に見たように、ぼんやりと覚えているのはシャツのボタンを外す男、体が動かず大きな声も出ない朦朧とした自分。体をまさぐる手の感触。そして、腰をふる男、、部屋の扉が閉まる前「次はよろしくな」と言われたような断片的な記憶だけだ。
「レイプドラッグ被害って言うの?たぶん薬を飲まされたと思う。何をされたかは殆どわからない。」
「、、、」
「次の日、俺のデザインが採用された。上司は“頑張って良かったな”って俺の肩を叩いてニヤニヤ笑ったよ。ー俺はそのまま会社を出て、、誰にも会わずに、辞めた。」
自分が情けなくて、悔しくて、怖くて、誰にも会いたくなかった。すれ違う人に嫌悪感を抱き、毎夜うなされた。
生活がまともに送れなくなって、ここへ逃げて来た。
ゆっくり少しずつ、言葉に詰まりながらも全てを話し終えると、息が少し震えた。
ーあ、やばい泣きそう、、
そう思った時、キッチンで聞いていた時宗がガチャンと荒い音を立ててカップを置いた。
その音に驚いた俺は、時宗を見てもっと驚いた。
時宗が自分の事でもないのに泣いていたからだ。
霊感がある人は感受性が強いと言う。いや、感受性の強い人が霊感があるのか?
幽霊の姿が見える時宗もまた人より感受性が強いのかも知れない。
「何で時宗が泣くんだよ、、」
「だって、、悔しいだろ、、」
そう言って俺の代わりに泣いた時宗を見て、俺はようやくあの出来事と向き合える気がした。
今思えば、俺が時宗の事を好きになったのはこの瞬間だったのかも知れない。
けど、この時の俺はまだ時宗の涙の本当の意味を知らなかった。
リビングから時宗が声をかけてくる。
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そもそも年齢もひとつしか違わないし、元々暮らしていた地域(時宗はまだそちらでも暮らしている)も同じだったから、友だちのような感覚になるのも早かった。
「いーよ。」
俺がコーヒーを持ってリビングのソファに座ると、入れ違いで時宗は立ち上がりキッチンに入って行く。
常に俺の動きに合わせてくれているようだ。
テレビを消して携帯を眺めている時だった。
トントントントン
階段を上がる音がした。
ドキリとして時宗を見ると、リビングの扉を見つめていたから同じ音が聞こえたのだろう。
俺はそっと立ち上がると素早くキッチンに入って時宗の側に行く。
トントントントン
足音が降りて来た。
心臓がバクバクなって、どうかリビングのドアまで来ませんようにとビビリな俺は祈る。無意識に時宗の背後に回り彼を盾にする。
しばらくじっとしていた俺たちは、その後何も聞こえなくなって息をついた。
ふと、時宗が背後の俺を振り返る。
「覚さん?大丈夫?」
「だ、大丈夫じゃねーよ。おまえ、よく2階の部屋で寝れるね。」
「えー、怖いって言ったら1階で寝さしてくれんの?」
笑いながら勝手にくっついて来た俺からさりげなく距離をとるようにキッチンの入り口へ移動する。
自然体で人に不快感や気まずさを与えない。自然体でものすごくさりげない気遣いが出来る。コイツはすごく良いやつだ。
「あ、ごめん。」
「うん、大丈夫」
キッチンが使えないでいる時宗に気づいて俺はリビングに戻る。特に何も気にしていない様子の彼にホッとする。
普通は“距離をとって生活してくれ”と言った相手が自らくっついて来れば文句のひとつも出そうなものだけど、物音がするたびに逃げてくる俺に時宗が何か言うことはなかった。
「ねー、覚さん?この家に起きる怖い現象、一緒に解明してみない?」
キッチンカウンターで夕食をとりながら時宗が突然そう言った。
「は?解明って、、?どうやって?」
「前に女の子見たって言ったよね?その子が誰で、何でココに現れるのか俺無性に気になってて、、役場で聞いたら何かわからないのかな。」
真面目な口調で言う時宗を見つめる。
食事をするのに邪魔になるのかヘアバンドで髪が落ちてこないようにしている。そしてキレイな所作で食事をする姿に感心する。
どちらかというと、霊の女の子よりも俺は時宗のことの方が知りたい。
「誰かわかったところで出るのが変わらなかったら怖さ倍増だろ?時宗のいない3日間生きられる気がしねーわ。」
「完全にこっちで暮らそうか?そんなに、俺と一緒に居たいならさ」
髪の毛を上げた少し幼く見える顔で悪戯っ子のように笑う。
「変な言い方をするな!いらねーわ!、、とは言えないけどな。」
2人は笑った。
俺たちはお互いの過去も背景もよく知らないまま、そこそこ信頼関係を築きそこそこ安心して暮らせる関係を築いていた。
ーと、思ったのに、俺の心にはそれでも無理がかかっていたのかも知れない。
ある日、悪夢を見た。トラウマに触れてくる悪夢だ。
俺は体を動かせない状態で横たわっていた。上にいる裸の男が、シャツのボタンを外していく。
たぶん俺は「やめてください」とかそんな事を言っていたと思う。上にいるヤツの顔は見えない。見えないけど誰かはわかっている。
その中年の男の裸も、ゴツゴツした手で俺の体を撫でた感覚も。
体を動かして抵抗したいのに出来ないのはどうしてなのか、、
中年の男は俺の言葉に耳をかさずに、俺のズボンの股間に、勃ちあがった股間を擦り付ける。
言いようもない嫌悪感が俺を襲う。
やめろ、やめてくれ、俺に触るな、お願いだから解放してくれ!
何か自分の悲鳴のような声でハッと目が覚めた。目に入ったのは時宗の顔だった。俺の肩にかけられた手に、俺は混乱して、
その手を掴むと時宗を、殴った。
「って、、」
体勢を崩して畳に尻をついた時宗が唇を腕で庇う。血が出ていた。
俺は痛みに顔を歪める時宗を見て我に返った。
「あ、、ごめ、、、嫌な夢見てて、、悪い」
「すごいうなされてたよ。起こそうと思ったんだけど、、俺もごめん。不用意にあんたに触った。」
なんでこいつはこんなに俺に気を遣ってくれるんだろうか?何でこんなに優しいんだろうか。
「ごめん、、、」
「良いって。このまま眠れる?何かあったかいものでも飲む?」
「、、飲む」
時宗が入れたインスタントのスープを俺はリビングで、時宗はキッチンに立ったまま飲む。
無言だった。
「なぁ、時宗」
「何?」
「話して良い?俺が何で引っ越して来たか」
俺が膝を抱えて小さくなって言うのを、時宗はカップを持ったままの手を止めて見る。
「無理に話さなくていーよ。なんかワケがあるのはわかってるし」
「ー、、一緒に暮らすおまえには、話しておきたい」
「、、じゃあ聞くよ」
時宗の優しい声と、暗いリビングに勇気をもらう。
軽蔑されればそれまでだ。もともと1人で暮らす予定だったんだ。大丈夫。
「ー、、俺さ、、仕事のために、、」
そこで言葉が詰まる。
思い出す嫌悪感と、いざ口にする時の恐怖感。
「、、覚さん、無理しないで。」
「いや、大丈夫。ー、、俺の仕事少し大きな会社のWEBデザイナーだった。」
WEBデザイナーは社に何人も居て、互いにライバル同士だ。出来るやつらは2年目にしてもう頭角を現していて、俺は少し焦っていたんだ。
ある時、上司からとある取引先の担当者が俺のデザインを気に入っていると聞かされた。勧められるままに、懇意になろうと一緒に酒を飲み、、潰された俺は自宅に送ってもらった。
そこで取引先のおっさんがゲイで、俺の仕事ではなくて俺自身を気に入っていると聞かされた。
酔い潰れて朦朧とする頭で、騙されたとわかった。会社の上司はそれを知ってて勧めたのだと。
取引先のおっさんに仕事の契約と引き換えに体の関係を迫られた俺は、、体の関係は無理だと言った。その代わりに、おっさんのモノを口に咥えた。
ー涙が出た。吐き気がした。容赦なく口腔内を突かれ苦しいのに俺の髪を掴んで腰をふる。寒気がした。
おっさんは果てると一旦俺を解放した。
俺は洗面台で口を濯いで涙を堪えて戻ると、大した事じゃないフリをしてテーブルのグラスの水を飲んだ。
そこから記憶がほとんどない。
夢に見たように、ぼんやりと覚えているのはシャツのボタンを外す男、体が動かず大きな声も出ない朦朧とした自分。体をまさぐる手の感触。そして、腰をふる男、、部屋の扉が閉まる前「次はよろしくな」と言われたような断片的な記憶だけだ。
「レイプドラッグ被害って言うの?たぶん薬を飲まされたと思う。何をされたかは殆どわからない。」
「、、、」
「次の日、俺のデザインが採用された。上司は“頑張って良かったな”って俺の肩を叩いてニヤニヤ笑ったよ。ー俺はそのまま会社を出て、、誰にも会わずに、辞めた。」
自分が情けなくて、悔しくて、怖くて、誰にも会いたくなかった。すれ違う人に嫌悪感を抱き、毎夜うなされた。
生活がまともに送れなくなって、ここへ逃げて来た。
ゆっくり少しずつ、言葉に詰まりながらも全てを話し終えると、息が少し震えた。
ーあ、やばい泣きそう、、
そう思った時、キッチンで聞いていた時宗がガチャンと荒い音を立ててカップを置いた。
その音に驚いた俺は、時宗を見てもっと驚いた。
時宗が自分の事でもないのに泣いていたからだ。
霊感がある人は感受性が強いと言う。いや、感受性の強い人が霊感があるのか?
幽霊の姿が見える時宗もまた人より感受性が強いのかも知れない。
「何で時宗が泣くんだよ、、」
「だって、、悔しいだろ、、」
そう言って俺の代わりに泣いた時宗を見て、俺はようやくあの出来事と向き合える気がした。
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