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11 もう良いだろ
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11月28日。
その日は夜中のうちに降った雪がうっすらと積もり1日中寒くなるという予報だった。
俺は朝に1度花を手向に家を出たきり、仕事の休みをとってずっと庭に面した窓辺で外を見ていた。
少し離れた所に猫が座って、同じく外を眺めていたが、鳥や虫もおらず何も変化のない外の景色にやがて飽きて丸くなって眠り出す。
この猫はずっと庭に棲みついていたのが、寒くなって玄関から勝手に入り込んだ猫で、この2週間ばかり俺の同居人だった。
外を眺め続けて数時間も経った頃、ようやく人影が現れて、俺はダウンを着ると外へ出た。
裏庭に周り、足跡を辿るように山の方へあがる。
「時宗」
通気洞の前に花を手向け、手を合わせている男に声をかけると、驚きもしないで立ち上がってこちらを振り返った。
「やっぱり来るってわかってたんだ」
「えりなの命日だろ」
ほんの少しの間無言で見つめ合う。
「家に、上がっても良い?」
「、、お前の家だよ」
俺の言葉にふっと笑った時宗の吐く息が白くて、一瞬だけ霞がかって見えた彼の白い顔がなんだか儚げに見えた。
「ユウにも、梶にも会ったんだってね。」
「会ったよ。、、ごめん、いろいろ話聞いた。」
「うん、良いよ。俺も限界感じてたし、、」
リビングで俺の淹れたコーヒーを飲む。
伏し目がちな目元は笑っておらずどこかよそよそしさを感じる。
俺はどんな顔をしていたんだろうか?怒っていたのか、嬉しかったのか、自分でもよくわからなかった。
その時、リビングの片隅で寝ていた猫があくびをしながら時宗を見た。
「え、猫、、」
「庭にいたやつ。勝手に入ってきて我が物顔で生活してんだ。」
「あぁ、あいつね。、、そっか、もう新しい同居人いたんだ」
その言葉に俺は、思わず時宗の胸ぐらを掴んで強く引く。
時宗が、顔を背けてぎゅっと目を閉じた。
その顔を見て殴ろうとした俺の拳は、そのままゆっくりと下された。
「おまえ、バカじゃないの」
「、、、」
「なんで、、何で、何も言わなかった?、、俺ごときのために、、」
掴んだ手を離して、言おうと決めていた文句をぶつけようとして、うまく言葉が出て来ない。
「梶からその理由も聞いたでしょ。」
「何で会社まで辞めた?それだけはあの人教えてくれなかった。」
「、、、それを話す覚悟で来たんだ。」
彼が隠してきた事を、仲の良い同僚でさえ自分の口からは言えないと言い切った事を、遂に聞くのだ。
「でも覚さん、その話を聞いても、今日は追い出さないで。」
「、、話せよ。」
「、、、この名前、あんたの前で出したくないんだけど、、古賀部長のこと、、」
その名前に俺の心臓が跳ねる。
古賀部長というのは取引のある会社の部長、、そう、あの時俺に薬を飲ませて、、
「覚さん、、?大丈夫?聞けそう?」
心配そうに顔を覗き込む時宗にうなずく。
聞かなければいけないから、、。
「あの人もともとそういう噂あったんだって。使って貰いたかったら体を差し出せば良い的な。、、覚さんのデザインが採用された瞬間に覚さんが会社を突然辞めたことで、あのひとのしている事が信憑性を持った噂になった。
梶に聞いたと思うんだけど俺は覚さんが心配になって、探し回ってここまで来たんだ。ただ心配で何か助けになりたかった。
でも、部長との間にあったこと覚さんに聞いた時、正直言って噂以上だった。」
思い出して悔しそうな顔をする。
ー会社の噂ではきっと関係を迫られた俺が応じたくらいの話だったんだろう。
でも実際には薬を飲まされて意識朦朧となった俺はたぶんレイプ被害に遭っている。
「あの日、、俺が出社でここに居なかった日、覚さんは役場の人と飲みに行って、パニックをおこして俺に電話したでしょ。、、あの時の覚さんの震えた声を聞いた時、、俺もう我慢の限界だった、、」
「、、、」
「俺は古賀のやってる事を明るみに出そうと思って自分から近付いた、、案の定、取り引きの条件は体の関係」
「、、え、、時宗?、、おまえもしかして、、」
嫌な予感がして血の気が引く。顔面蒼白になった俺に、時宗は手を伸ばし「大丈夫?」と、背中をさする。
「覚さん、俺ゲイなんだ。男と関係を持った事がある。だから古賀にされた事だって体は傷ついても心はたいして傷つかない。、、それにそうなる事をわかっていて近づいたんだし。」
「ま、待て、傷、、って、、」
時宗は大した事じゃないと言うように肩をすぼめて小さく笑う。
「俺はゲイだけど、受け入れる側じゃない。でも古賀は無理矢理、俺に挿れやがった。」
言葉が出ない俺の前で時宗は笑う。
「流石に叫んだよね。最悪だった。」
そして、笑うのを辞めた時、彼の目には憎しみだけが残っていた。
「もしも覚さんが同じ思いをしてたらと思ったら、殺してやりたくなったよ。、、まぁ、俺がしたのはそういう類の事じゃない。ー俺は、自分に起きた事を、、全部録音してたんだ。」
ーあ、まさか、、時宗が会社を辞めたのって、、
「録音したものを、古賀の会社の人事に公にした。それはうちの会社でも公になって、古賀は辞職したよ。ただ俺も流石に会社に居づらくなったってわけ、、。最初からそういうつもりだったんだけど。」
「おまえ、俺のされたことへの、復讐をしたのか?」
喉がカラカラになって掠れる。
「復讐なんて、そんなカッコいい事じゃないって。俺は古賀が許せなかった。たぶん、覚さんの他にも同じような目にあった人が何人もいたと思うよ。」
「、、俺のせいだろ!俺に、、会わなきゃ、、時宗がそんな思いまでして、、」
「違うって。古賀のせいだろ?ーでも、たぶん覚さんはそう言うと思ってた。だからこの話もしないで、消えるつもりだったんだ、、」
悲しそうに俺を見る時宗が、もう俺の前から消える覚悟をしていたと思ったら異様な孤独感が俺を襲った。
時宗の隠したかったことが、俺のせいであって、俺のためであって、息がしにくいほどの罪悪感。
「時宗、、何で俺の前から居なくなろうとしたの?」
「、、、俺が、覚さんを抱きたいと思っちゃったからだよ。言ったじゃん、あんたに手を出しそうで怖いって。」
「俺、お前が帰って来なくなって、お前のこといろいろ聞いて、すげー後悔したよ。ちゃんと好きだって言わなかった事、、」
俺が初めて口にした本心に時宗は驚いて俺を見て、そして困った顔をして手のひらで顔を覆う。それに構わず俺は続けた。
「俺たち本当はわかっていたけど、どっちも言葉でハッキリさせなかった。それって、ハッキリさせちゃえば今まで以上の関係になるってわかってたからだよな?」
「そうだね。、、もし覚さんの気持ちが俺にあったら、、友情とか信頼とかそれ以上のものだったら、俺は今まで以上のものを望んだと思う」
俺は、まだ手のひらで顔を覆っている時宗の腕を掴む。腕を引かれて顔を覆う手を離した時宗の狼狽する瞳がこちらを見て目があった。
「俺は、時宗が好きだ。」
「、、、」
「時宗、もういいだろ」
時宗は何だか泣きそうな顔をしてその口を引きむすんだまま俺を見る。
「俺はちゃんと聞きたい」
「、、、」
「もう、ハッキリさせたいんだよ!だから、、だからちゃんと言えよ!!」
「、、、俺は!、、、俺も、、覚さんが好きだ、、」
時宗が泣きそうな顔のままようやく口にした。
ホッとして俺が頷くのを見て時宗は、俺をぐっと引き寄せると両手をまわして抱きしめながら堰を切ったように「好きだ」「好きだ」と繰り返す。
俺は久しぶりに時宗の体温を感じながら抱きしめ返す。
そして覚悟の言葉を吐いた。
「時宗、俺を抱きたいなら抱けよ。覚悟出来てる。、、俺がパニックになったらお前が引きずり戻してくれんだろ?」
「、、覚さん、、本気で言ってる、、?」
「本気だよ」
ー幸い俺はあの時薬で朦朧としていたから挿れられていたとしても記憶にはない。
ただパニックにならないとは言い切れない。時宗の手でイッた時だってなりかけたくらいだ。
、、でも、相手が時宗なら、、コイツの声が聞こえれば、、戻って来られる気がする。
俺は時宗が好きだから、、時宗があの男に復讐めいたことをしたほど俺を想ってくれているから、、
俺は時宗とあのことを乗り越えたいと思った。
その日は夜中のうちに降った雪がうっすらと積もり1日中寒くなるという予報だった。
俺は朝に1度花を手向に家を出たきり、仕事の休みをとってずっと庭に面した窓辺で外を見ていた。
少し離れた所に猫が座って、同じく外を眺めていたが、鳥や虫もおらず何も変化のない外の景色にやがて飽きて丸くなって眠り出す。
この猫はずっと庭に棲みついていたのが、寒くなって玄関から勝手に入り込んだ猫で、この2週間ばかり俺の同居人だった。
外を眺め続けて数時間も経った頃、ようやく人影が現れて、俺はダウンを着ると外へ出た。
裏庭に周り、足跡を辿るように山の方へあがる。
「時宗」
通気洞の前に花を手向け、手を合わせている男に声をかけると、驚きもしないで立ち上がってこちらを振り返った。
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「えりなの命日だろ」
ほんの少しの間無言で見つめ合う。
「家に、上がっても良い?」
「、、お前の家だよ」
俺の言葉にふっと笑った時宗の吐く息が白くて、一瞬だけ霞がかって見えた彼の白い顔がなんだか儚げに見えた。
「ユウにも、梶にも会ったんだってね。」
「会ったよ。、、ごめん、いろいろ話聞いた。」
「うん、良いよ。俺も限界感じてたし、、」
リビングで俺の淹れたコーヒーを飲む。
伏し目がちな目元は笑っておらずどこかよそよそしさを感じる。
俺はどんな顔をしていたんだろうか?怒っていたのか、嬉しかったのか、自分でもよくわからなかった。
その時、リビングの片隅で寝ていた猫があくびをしながら時宗を見た。
「え、猫、、」
「庭にいたやつ。勝手に入ってきて我が物顔で生活してんだ。」
「あぁ、あいつね。、、そっか、もう新しい同居人いたんだ」
その言葉に俺は、思わず時宗の胸ぐらを掴んで強く引く。
時宗が、顔を背けてぎゅっと目を閉じた。
その顔を見て殴ろうとした俺の拳は、そのままゆっくりと下された。
「おまえ、バカじゃないの」
「、、、」
「なんで、、何で、何も言わなかった?、、俺ごときのために、、」
掴んだ手を離して、言おうと決めていた文句をぶつけようとして、うまく言葉が出て来ない。
「梶からその理由も聞いたでしょ。」
「何で会社まで辞めた?それだけはあの人教えてくれなかった。」
「、、、それを話す覚悟で来たんだ。」
彼が隠してきた事を、仲の良い同僚でさえ自分の口からは言えないと言い切った事を、遂に聞くのだ。
「でも覚さん、その話を聞いても、今日は追い出さないで。」
「、、話せよ。」
「、、、この名前、あんたの前で出したくないんだけど、、古賀部長のこと、、」
その名前に俺の心臓が跳ねる。
古賀部長というのは取引のある会社の部長、、そう、あの時俺に薬を飲ませて、、
「覚さん、、?大丈夫?聞けそう?」
心配そうに顔を覗き込む時宗にうなずく。
聞かなければいけないから、、。
「あの人もともとそういう噂あったんだって。使って貰いたかったら体を差し出せば良い的な。、、覚さんのデザインが採用された瞬間に覚さんが会社を突然辞めたことで、あのひとのしている事が信憑性を持った噂になった。
梶に聞いたと思うんだけど俺は覚さんが心配になって、探し回ってここまで来たんだ。ただ心配で何か助けになりたかった。
でも、部長との間にあったこと覚さんに聞いた時、正直言って噂以上だった。」
思い出して悔しそうな顔をする。
ー会社の噂ではきっと関係を迫られた俺が応じたくらいの話だったんだろう。
でも実際には薬を飲まされて意識朦朧となった俺はたぶんレイプ被害に遭っている。
「あの日、、俺が出社でここに居なかった日、覚さんは役場の人と飲みに行って、パニックをおこして俺に電話したでしょ。、、あの時の覚さんの震えた声を聞いた時、、俺もう我慢の限界だった、、」
「、、、」
「俺は古賀のやってる事を明るみに出そうと思って自分から近付いた、、案の定、取り引きの条件は体の関係」
「、、え、、時宗?、、おまえもしかして、、」
嫌な予感がして血の気が引く。顔面蒼白になった俺に、時宗は手を伸ばし「大丈夫?」と、背中をさする。
「覚さん、俺ゲイなんだ。男と関係を持った事がある。だから古賀にされた事だって体は傷ついても心はたいして傷つかない。、、それにそうなる事をわかっていて近づいたんだし。」
「ま、待て、傷、、って、、」
時宗は大した事じゃないと言うように肩をすぼめて小さく笑う。
「俺はゲイだけど、受け入れる側じゃない。でも古賀は無理矢理、俺に挿れやがった。」
言葉が出ない俺の前で時宗は笑う。
「流石に叫んだよね。最悪だった。」
そして、笑うのを辞めた時、彼の目には憎しみだけが残っていた。
「もしも覚さんが同じ思いをしてたらと思ったら、殺してやりたくなったよ。、、まぁ、俺がしたのはそういう類の事じゃない。ー俺は、自分に起きた事を、、全部録音してたんだ。」
ーあ、まさか、、時宗が会社を辞めたのって、、
「録音したものを、古賀の会社の人事に公にした。それはうちの会社でも公になって、古賀は辞職したよ。ただ俺も流石に会社に居づらくなったってわけ、、。最初からそういうつもりだったんだけど。」
「おまえ、俺のされたことへの、復讐をしたのか?」
喉がカラカラになって掠れる。
「復讐なんて、そんなカッコいい事じゃないって。俺は古賀が許せなかった。たぶん、覚さんの他にも同じような目にあった人が何人もいたと思うよ。」
「、、俺のせいだろ!俺に、、会わなきゃ、、時宗がそんな思いまでして、、」
「違うって。古賀のせいだろ?ーでも、たぶん覚さんはそう言うと思ってた。だからこの話もしないで、消えるつもりだったんだ、、」
悲しそうに俺を見る時宗が、もう俺の前から消える覚悟をしていたと思ったら異様な孤独感が俺を襲った。
時宗の隠したかったことが、俺のせいであって、俺のためであって、息がしにくいほどの罪悪感。
「時宗、、何で俺の前から居なくなろうとしたの?」
「、、、俺が、覚さんを抱きたいと思っちゃったからだよ。言ったじゃん、あんたに手を出しそうで怖いって。」
「俺、お前が帰って来なくなって、お前のこといろいろ聞いて、すげー後悔したよ。ちゃんと好きだって言わなかった事、、」
俺が初めて口にした本心に時宗は驚いて俺を見て、そして困った顔をして手のひらで顔を覆う。それに構わず俺は続けた。
「俺たち本当はわかっていたけど、どっちも言葉でハッキリさせなかった。それって、ハッキリさせちゃえば今まで以上の関係になるってわかってたからだよな?」
「そうだね。、、もし覚さんの気持ちが俺にあったら、、友情とか信頼とかそれ以上のものだったら、俺は今まで以上のものを望んだと思う」
俺は、まだ手のひらで顔を覆っている時宗の腕を掴む。腕を引かれて顔を覆う手を離した時宗の狼狽する瞳がこちらを見て目があった。
「俺は、時宗が好きだ。」
「、、、」
「時宗、もういいだろ」
時宗は何だか泣きそうな顔をしてその口を引きむすんだまま俺を見る。
「俺はちゃんと聞きたい」
「、、、」
「もう、ハッキリさせたいんだよ!だから、、だからちゃんと言えよ!!」
「、、、俺は!、、、俺も、、覚さんが好きだ、、」
時宗が泣きそうな顔のままようやく口にした。
ホッとして俺が頷くのを見て時宗は、俺をぐっと引き寄せると両手をまわして抱きしめながら堰を切ったように「好きだ」「好きだ」と繰り返す。
俺は久しぶりに時宗の体温を感じながら抱きしめ返す。
そして覚悟の言葉を吐いた。
「時宗、俺を抱きたいなら抱けよ。覚悟出来てる。、、俺がパニックになったらお前が引きずり戻してくれんだろ?」
「、、覚さん、、本気で言ってる、、?」
「本気だよ」
ー幸い俺はあの時薬で朦朧としていたから挿れられていたとしても記憶にはない。
ただパニックにならないとは言い切れない。時宗の手でイッた時だってなりかけたくらいだ。
、、でも、相手が時宗なら、、コイツの声が聞こえれば、、戻って来られる気がする。
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