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プロローグ
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プロローグ
「……ここにいたのね、テラ」
荒れ果てた村落の外れにある小高い丘。小さな墓石が二つ並んだ前に祈りを捧げる一人の青年。背後から名を呼ばれた彼は振り返る。
「うん……。最後の、お別れを言いにね」
「そうね。ここに戻って来られるかどうかも分からないから……」
テラの名を呼んだのはセレンと言う人物だった。肩まである疎(まば)らな髪を後ろでひとつに結えている。目にかかりそうな前髪をそっと払い除けて憂いを帯びた瞳でテラを見る。
「戻ってくるさ……必ず。その為に俺はもう一度アイツに会わなければならない」
何かを決意したようにテラは力強く言い放つと、側にいたセレンの腰に手を回し自身の胸にセレンを抱き入れた。
「ーーそうじゃな」
テラの言葉に賛同するように背後から可愛らしい声が聞こえ、テラとセレンはそちらを振り返る。
そこには幼い少女と、彼女に寄り添うように傍(かたわら)に立つ赤毛の男性の姿。
「それと。朕(ちん)はお前が言う『じいちゃん』にも会ってみたい」
幼女――ノリスは自身の背丈よりも高い錫杖(しゃくじょう)を軽々と振り上げた。そうすると彼ら四人の側に、荒れた大地の視界がボヤけて淡い白色の光を帯びた空間――異次元とも言うのだろうか――が何もなく浮かび上がった。いわゆる、【時空間転移(じくうかんてんい)】と言う高度な魔術の一種。
テラとセレン、ノリスと赤毛の男性の四人がその空間に吸い込まれるように入ると空間は跡形もなく霧散して消えた。
「……ここにいたのね、テラ」
荒れ果てた村落の外れにある小高い丘。小さな墓石が二つ並んだ前に祈りを捧げる一人の青年。背後から名を呼ばれた彼は振り返る。
「うん……。最後の、お別れを言いにね」
「そうね。ここに戻って来られるかどうかも分からないから……」
テラの名を呼んだのはセレンと言う人物だった。肩まである疎(まば)らな髪を後ろでひとつに結えている。目にかかりそうな前髪をそっと払い除けて憂いを帯びた瞳でテラを見る。
「戻ってくるさ……必ず。その為に俺はもう一度アイツに会わなければならない」
何かを決意したようにテラは力強く言い放つと、側にいたセレンの腰に手を回し自身の胸にセレンを抱き入れた。
「ーーそうじゃな」
テラの言葉に賛同するように背後から可愛らしい声が聞こえ、テラとセレンはそちらを振り返る。
そこには幼い少女と、彼女に寄り添うように傍(かたわら)に立つ赤毛の男性の姿。
「それと。朕(ちん)はお前が言う『じいちゃん』にも会ってみたい」
幼女――ノリスは自身の背丈よりも高い錫杖(しゃくじょう)を軽々と振り上げた。そうすると彼ら四人の側に、荒れた大地の視界がボヤけて淡い白色の光を帯びた空間――異次元とも言うのだろうか――が何もなく浮かび上がった。いわゆる、【時空間転移(じくうかんてんい)】と言う高度な魔術の一種。
テラとセレン、ノリスと赤毛の男性の四人がその空間に吸い込まれるように入ると空間は跡形もなく霧散して消えた。
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