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八章
40話 海獣オクタゴン2
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40話 海獣オクタゴン2
「こいつは……ッ!」
カインが眉をしかめて唸るような呟きを漏らす。
ジャスティス達三人が前方の甲板に駆け寄ってくると、前部甲板の船首を挟んで二本の触手で柵を撒き掴んでいるのは、海に棲む獣と言われる海獣(かいじゅう)オクタゴンであった。
「海獣オクタゴン!!」
すでに青銅の剣(ブロンズソード)を抜き放ったカインは、
頭だけでも五メートルはあるかと思われる巨大なタコを真正面から見据えている。
ジャスティスやウルーガも同じように双剣や盾を構えていた。
「……あ、あんた達戦えるのかッ?!」
三人の後を追ってきた船長が震える声で呟けば、
「この船にあのタコを退けるような力はねぇだろ」
「た、確かに……」
船長が少し残念そうに頷く。
「なら戦えるやつが出張るしかない」
「お、追っ払ってくれるならこちらとしてはありがたい!」
船長のその言葉を聞いたカインが急に口角をあげて船長に詰め寄る。
「よし! じゃあ交渉しようか」
「あれを追い払うなら、こちらはなんだって聞くよ」
カインの態度に少し戸惑う船長。
「俺たちはタコを追い払う。その代わりに俺達の運賃をタダにするそれが条件だ」
「そ、そんな事でいいなら全くもって構わんよ! その代わりにちゃんと退治してくれ」
よほど難しい交渉だと思っていたのだろうか、船長は安堵したような顔つきで力強くそう答えた。そしてその場をカイン達に任せて船長は乗客や乗員の安全を確認するために戻っていった。
「そういう事だお二人さん。あいつ、始末するぞ!」
カインが、ジャスティスとウルーガにそう言うと二人は黙って頷いた。
「これ……タコなんですか?」
ジャスティスが目の前の巨大なタコのような生き物を不思議そうに見ながら呟けば、
「ジャスティス! お前『タコ焼き』食いたくないかッ?!」
カインが突然大声で叫んだ。
「え?! 食べたいです!!」
ジャスティスもカインに負けじと大声で応える。
嵐による風雨(ふうう)のなか、ジャスティスらが乗る客船の甲板に丸太のような触手(しょくしゅ)を引っ掛け自らの餌(エサ)にしようとしている海獣オクタゴン。
それと対峙(たいじ)するのはジャスティスとカイン。そしてウルーガだった。
「おっしゃ! あの触手、叩き切ってタコ焼きパーティーするぞ!」
「……俺、腕によりをかける……ッ!」
強い雨に打たれながらも豪快に笑うカインと、すでに盾を前方に構えるウルーガ。
「まずは邪魔な腕から切り落とすか!」
言いながらカインは船首まで走り、柵を掴んでいる触手にブロンズソードを力強く振り落とした――
――が。
カインが放った一撃は、オクタゴンの柔軟な膜(まく)によって緩やかに弾かれた。
「クソッ! ぶよぶよしてて攻撃が効かねぇ……ッ?!」
舌打ちするカインは即座にその場から飛び退いた直後、
ドオォォォン!!
大砲が鳴り響くような音と共にオクタゴンの触手が振り下ろされて甲板の板をメリメリと軋ませた。
「おいッ、お前ら大丈夫かッ?!」
「はい!」
「……俺、大丈夫!」
カインがジャスティスとウルーガを気遣い声をかけると、二人は意外にもしっかりとした返事を返してきた。
振り下ろされた触手が、ゆっくりと離れると同時に今度はカインの左側に違う触手が振り下ろされてくる。
「カインさん……!」
ジャスティスが叫ぶや否やカインは間一髪で触手を交わしつつこちらへ駆け寄ってきた。
「フゥ! 危なかったぜ!」
「カインさん大丈夫ですか?!」
オクタゴンの二度による触手の攻撃に船体は大きく左右に揺れている。
「こいつは……ッ!」
カインが眉をしかめて唸るような呟きを漏らす。
ジャスティス達三人が前方の甲板に駆け寄ってくると、前部甲板の船首を挟んで二本の触手で柵を撒き掴んでいるのは、海に棲む獣と言われる海獣(かいじゅう)オクタゴンであった。
「海獣オクタゴン!!」
すでに青銅の剣(ブロンズソード)を抜き放ったカインは、
頭だけでも五メートルはあるかと思われる巨大なタコを真正面から見据えている。
ジャスティスやウルーガも同じように双剣や盾を構えていた。
「……あ、あんた達戦えるのかッ?!」
三人の後を追ってきた船長が震える声で呟けば、
「この船にあのタコを退けるような力はねぇだろ」
「た、確かに……」
船長が少し残念そうに頷く。
「なら戦えるやつが出張るしかない」
「お、追っ払ってくれるならこちらとしてはありがたい!」
船長のその言葉を聞いたカインが急に口角をあげて船長に詰め寄る。
「よし! じゃあ交渉しようか」
「あれを追い払うなら、こちらはなんだって聞くよ」
カインの態度に少し戸惑う船長。
「俺たちはタコを追い払う。その代わりに俺達の運賃をタダにするそれが条件だ」
「そ、そんな事でいいなら全くもって構わんよ! その代わりにちゃんと退治してくれ」
よほど難しい交渉だと思っていたのだろうか、船長は安堵したような顔つきで力強くそう答えた。そしてその場をカイン達に任せて船長は乗客や乗員の安全を確認するために戻っていった。
「そういう事だお二人さん。あいつ、始末するぞ!」
カインが、ジャスティスとウルーガにそう言うと二人は黙って頷いた。
「これ……タコなんですか?」
ジャスティスが目の前の巨大なタコのような生き物を不思議そうに見ながら呟けば、
「ジャスティス! お前『タコ焼き』食いたくないかッ?!」
カインが突然大声で叫んだ。
「え?! 食べたいです!!」
ジャスティスもカインに負けじと大声で応える。
嵐による風雨(ふうう)のなか、ジャスティスらが乗る客船の甲板に丸太のような触手(しょくしゅ)を引っ掛け自らの餌(エサ)にしようとしている海獣オクタゴン。
それと対峙(たいじ)するのはジャスティスとカイン。そしてウルーガだった。
「おっしゃ! あの触手、叩き切ってタコ焼きパーティーするぞ!」
「……俺、腕によりをかける……ッ!」
強い雨に打たれながらも豪快に笑うカインと、すでに盾を前方に構えるウルーガ。
「まずは邪魔な腕から切り落とすか!」
言いながらカインは船首まで走り、柵を掴んでいる触手にブロンズソードを力強く振り落とした――
――が。
カインが放った一撃は、オクタゴンの柔軟な膜(まく)によって緩やかに弾かれた。
「クソッ! ぶよぶよしてて攻撃が効かねぇ……ッ?!」
舌打ちするカインは即座にその場から飛び退いた直後、
ドオォォォン!!
大砲が鳴り響くような音と共にオクタゴンの触手が振り下ろされて甲板の板をメリメリと軋ませた。
「おいッ、お前ら大丈夫かッ?!」
「はい!」
「……俺、大丈夫!」
カインがジャスティスとウルーガを気遣い声をかけると、二人は意外にもしっかりとした返事を返してきた。
振り下ろされた触手が、ゆっくりと離れると同時に今度はカインの左側に違う触手が振り下ろされてくる。
「カインさん……!」
ジャスティスが叫ぶや否やカインは間一髪で触手を交わしつつこちらへ駆け寄ってきた。
「フゥ! 危なかったぜ!」
「カインさん大丈夫ですか?!」
オクタゴンの二度による触手の攻撃に船体は大きく左右に揺れている。
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