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九章
50話 ベーテリウス海賊団1
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50話 ベーテリウス海賊団1
「『仮拠点』?」
ジャスティスもまたポークサンドを頬張りながらカインの隣に立ち首を傾げる。その後ろをウルーガは微笑ましく見守りつつ少し後ろからついていく。
「ああ」
カインは短く頷いて振り返ると、ウルーガにもうひとつパンをくれと動作で示し、ウルーガは少し苦笑いしてカインにパンを差し出した。
「俺らみたいな賊は本拠点とは別に簡易的な拠点をいくつも持っている。まあ同業(どうぎょう)のやつらや海賊、山賊も同じような感じだがな」
「へぇ~そうなんですね」
ジャスティスは感心したように目を丸くする。
「まあ、一度戻らなきゃならなかったってのもあるけどな」
そんな会話をしつつカインについていくと、平原が拓けて前方には小さな海岸線になっていた。そこに申し訳程度にある桟橋と簡素な小屋があった。
「おぉ~い、お頭ぁ~!」
人が五、六人は乗れるであろう小型の船を整備していたのだろうか、一目で船乗りと分かるような格好の男性が、カインの姿を目にするなりこちらに向かって大声を上げつつ片腕を大きく振っている。
「おお!」
カインもまた応えるように口端をあげて嬉しそうに笑って腕を振り上げた。
カイン含めジャスティスとウルーガは少し足早に、呼ばれた男性の方へと向かっていった。
「お頭、お疲れ様です!」
「ザンパ、お前こそ少し肥えたか?」
二人は腕相撲をするように手を組み合い、空いた手は互いの背中に回し再会の抱擁を交わした。それは互いを信じきった戦友のような感じで、二人の様子を見たジャスティスは少し複雑な気持ちになった。
「そちらのお二人は?」
一通りの再会の挨拶を終えたザンパが、カインの後ろにいるジャスティスとウルーガに目を向ける。
「こいつらは俺の『ツレ』だ」
カインが横目でジャスティスたちを見て簡単に紹介をする。
カイン含めジャスティスとウルーガは、ザンパが用意していた小舟に乗りベーテリウス海賊団の仮拠点へとその身を移動した。
――小舟に揺られること小一時間。ジャスティスたちはカインの仲間がいるというベーテリウス海賊団の仮拠点がある陸に到着した。
仮拠点は天帝国ドゥラコーンの離れ小島に拠点を構えていた。そこからほぼ真西には巨大な岩山で囲まれた陸が霞んで見えるくらいだった。
ザンパを船に残しカインに連れられてジャスティスとウルーガは、あたり一面、赤土の荒野を進む。元々拓けている場所だったが、ところどころに野営をした痕跡が残っており、ジャスティスはそれらを物珍しそうに興味深く見て回りカインの跡をついていく。
しばらくカインの後をついていくと前方に泉があり、先には豊かな木々が広がっていた。その手前付近に簡易的なテントや焚き火などがあり数人の人だかりが見えた。
「『仮拠点』?」
ジャスティスもまたポークサンドを頬張りながらカインの隣に立ち首を傾げる。その後ろをウルーガは微笑ましく見守りつつ少し後ろからついていく。
「ああ」
カインは短く頷いて振り返ると、ウルーガにもうひとつパンをくれと動作で示し、ウルーガは少し苦笑いしてカインにパンを差し出した。
「俺らみたいな賊は本拠点とは別に簡易的な拠点をいくつも持っている。まあ同業(どうぎょう)のやつらや海賊、山賊も同じような感じだがな」
「へぇ~そうなんですね」
ジャスティスは感心したように目を丸くする。
「まあ、一度戻らなきゃならなかったってのもあるけどな」
そんな会話をしつつカインについていくと、平原が拓けて前方には小さな海岸線になっていた。そこに申し訳程度にある桟橋と簡素な小屋があった。
「おぉ~い、お頭ぁ~!」
人が五、六人は乗れるであろう小型の船を整備していたのだろうか、一目で船乗りと分かるような格好の男性が、カインの姿を目にするなりこちらに向かって大声を上げつつ片腕を大きく振っている。
「おお!」
カインもまた応えるように口端をあげて嬉しそうに笑って腕を振り上げた。
カイン含めジャスティスとウルーガは少し足早に、呼ばれた男性の方へと向かっていった。
「お頭、お疲れ様です!」
「ザンパ、お前こそ少し肥えたか?」
二人は腕相撲をするように手を組み合い、空いた手は互いの背中に回し再会の抱擁を交わした。それは互いを信じきった戦友のような感じで、二人の様子を見たジャスティスは少し複雑な気持ちになった。
「そちらのお二人は?」
一通りの再会の挨拶を終えたザンパが、カインの後ろにいるジャスティスとウルーガに目を向ける。
「こいつらは俺の『ツレ』だ」
カインが横目でジャスティスたちを見て簡単に紹介をする。
カイン含めジャスティスとウルーガは、ザンパが用意していた小舟に乗りベーテリウス海賊団の仮拠点へとその身を移動した。
――小舟に揺られること小一時間。ジャスティスたちはカインの仲間がいるというベーテリウス海賊団の仮拠点がある陸に到着した。
仮拠点は天帝国ドゥラコーンの離れ小島に拠点を構えていた。そこからほぼ真西には巨大な岩山で囲まれた陸が霞んで見えるくらいだった。
ザンパを船に残しカインに連れられてジャスティスとウルーガは、あたり一面、赤土の荒野を進む。元々拓けている場所だったが、ところどころに野営をした痕跡が残っており、ジャスティスはそれらを物珍しそうに興味深く見て回りカインの跡をついていく。
しばらくカインの後をついていくと前方に泉があり、先には豊かな木々が広がっていた。その手前付近に簡易的なテントや焚き火などがあり数人の人だかりが見えた。
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