17 / 22
十章
53話 理の指輪2
しおりを挟む
53話 理の指輪2
「そんな事があったんですね…」
カインから経緯を聞きジャスティスは顔を少し曇らせた。それは脱獄を手助けした後悔ではなくただ単にカインの身を案じた心配の気持ちが露わになった表情である事はカインもよく分かっていた。
「これは伝説級の代物らしくて、今や世界中の斡旋所で捜索の対象になっているらしい」
「ちょっとそれ見せてもらっていいですか」
ジャスティスがそう言うとカインは黙って指輪をジャスティスに手渡した。
「この宝玉は橄欖石(かんらんせき)ですね」
指輪を一目見てジャスティスがそう言うと、
「え、ジャスティスちゃん宝石の名前すぐに分かるの?」
今まで黙って聞いていたルキナが少し驚いたように言う。
「あ、はい。僕そういうの大好きで」
ジャスティスが頷けば――
「そうそうコイツ鍛治とか物作りが得意みたいだぜ」
そう言いつつ、カインは腰からジャスティスが以前ドラゴンの爪で作り出したダガーを取り出して見せた。
「俺のこの盾もジャスティスに作ってもらった」
と。ウルーガまでもが盾をドンと目の前に掲げて見せてきた。
「ジャスティスちゃんすごいじゃないの! こんな才能あるなんて!」
ルキナは目を輝かせてそう言うとジャスティスの頭を自分の胸に抱き寄せて少し乱暴に『いいこいいこ』と撫でる。
「え、あ、いえ…才能ってほどじゃ……」
ルキナの突然の抱擁(ほうよう)にジャスティスは気が動転してしまい言葉が上手く出てこなかった。
「おいルキナ。本人が困ってるからやめてやれ……」
その様子に呆れたカインがすぐさま助け舟を出すと、
「あらやだ、あたしったら! ごめんなさいね!」
そう言いルキナはパッとジャスティスを解放した。
「……い、いえ」
ジャスティスは小さく呟いてルキナに乱されたであろう髪をサッと撫でて整える。
「で。カーくんこれが報酬ってわけ?」
ルキナはジャスティスの手から素早く指輪をつまみ取り自分の目の前でクルリと一周させて見る。
「いや。それは報酬じゃねえ」
カインは首を軽く横に振るう。
「『伝説級』の代物だって言ったろ。それを手にしたって事は……」
カインがそこで言葉を止めるとルキナが続けた。
「……この先が厄介ってこと?」
「そういう事だ」
静かに頷くカインとルキナの間には何やら緊張した空気がはしり、それを意図せず感じ取ったジャスティスがコクリと唾を飲み込む。
「そういう事ね」
カインと同じように納得したルキナは軽い溜息を吐いて興味深げに指輪を眺めてふと気づいたように、
「あら? ここに何か掘られているわね」
指輪の内側に刻まれた文字らしきものを見つけた。
「ああ気づいたか。それ失われた言語(カオスワーズ)っていうらしいな」
「カオスワーズ?」
ジャスティスは興味が湧いたようで、ルキナが持っていた指輪を再び受け取る。親指と人差し指で指輪を挟んで持ちじっくりと眺めて見ると宝玉が埋め込まれた場所と対面した内側に複雑な紋様の文字が刻まれているのが見えた。
「そんな事があったんですね…」
カインから経緯を聞きジャスティスは顔を少し曇らせた。それは脱獄を手助けした後悔ではなくただ単にカインの身を案じた心配の気持ちが露わになった表情である事はカインもよく分かっていた。
「これは伝説級の代物らしくて、今や世界中の斡旋所で捜索の対象になっているらしい」
「ちょっとそれ見せてもらっていいですか」
ジャスティスがそう言うとカインは黙って指輪をジャスティスに手渡した。
「この宝玉は橄欖石(かんらんせき)ですね」
指輪を一目見てジャスティスがそう言うと、
「え、ジャスティスちゃん宝石の名前すぐに分かるの?」
今まで黙って聞いていたルキナが少し驚いたように言う。
「あ、はい。僕そういうの大好きで」
ジャスティスが頷けば――
「そうそうコイツ鍛治とか物作りが得意みたいだぜ」
そう言いつつ、カインは腰からジャスティスが以前ドラゴンの爪で作り出したダガーを取り出して見せた。
「俺のこの盾もジャスティスに作ってもらった」
と。ウルーガまでもが盾をドンと目の前に掲げて見せてきた。
「ジャスティスちゃんすごいじゃないの! こんな才能あるなんて!」
ルキナは目を輝かせてそう言うとジャスティスの頭を自分の胸に抱き寄せて少し乱暴に『いいこいいこ』と撫でる。
「え、あ、いえ…才能ってほどじゃ……」
ルキナの突然の抱擁(ほうよう)にジャスティスは気が動転してしまい言葉が上手く出てこなかった。
「おいルキナ。本人が困ってるからやめてやれ……」
その様子に呆れたカインがすぐさま助け舟を出すと、
「あらやだ、あたしったら! ごめんなさいね!」
そう言いルキナはパッとジャスティスを解放した。
「……い、いえ」
ジャスティスは小さく呟いてルキナに乱されたであろう髪をサッと撫でて整える。
「で。カーくんこれが報酬ってわけ?」
ルキナはジャスティスの手から素早く指輪をつまみ取り自分の目の前でクルリと一周させて見る。
「いや。それは報酬じゃねえ」
カインは首を軽く横に振るう。
「『伝説級』の代物だって言ったろ。それを手にしたって事は……」
カインがそこで言葉を止めるとルキナが続けた。
「……この先が厄介ってこと?」
「そういう事だ」
静かに頷くカインとルキナの間には何やら緊張した空気がはしり、それを意図せず感じ取ったジャスティスがコクリと唾を飲み込む。
「そういう事ね」
カインと同じように納得したルキナは軽い溜息を吐いて興味深げに指輪を眺めてふと気づいたように、
「あら? ここに何か掘られているわね」
指輪の内側に刻まれた文字らしきものを見つけた。
「ああ気づいたか。それ失われた言語(カオスワーズ)っていうらしいな」
「カオスワーズ?」
ジャスティスは興味が湧いたようで、ルキナが持っていた指輪を再び受け取る。親指と人差し指で指輪を挟んで持ちじっくりと眺めて見ると宝玉が埋め込まれた場所と対面した内側に複雑な紋様の文字が刻まれているのが見えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【新作】1分で読める! SFショートショート
Grisly
ファンタジー
❤️⭐️感想お願いします。
1分で読める!読切超短編小説
新作短編小説は全てこちらに投稿。
⭐️忘れずに!コメントお待ちしております。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる