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35話 確実な決別1
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35話 確実な決別1
――ジャスティス達は、北国タータルネークの主要港(しゅようこう)、ティエラ港に続く街道を馬で襲歩(しゅうほ)しつつ向かっていた。
馬に乗った事はあるジャスティスだが、それは騎士としての訓練程度でこんなに速く移動する馬に乗ったのは初めてだった。頬にあたる風が突き刺さるように痛く目は開けてられず堪らず俯き呻(うめ)きの声が洩(も)れた。
「……くッ、つぅ……」
「はははッ。しっかり掴まってろよッ!」
自分の後ろで手綱を引くカインの少し楽しげな声が聞こえる。
「……は、はいぃ!」
少し前のめりになりながらもジャスティスは馬の速度と乗っている衝撃に負けじと叫ぶように返事をした。
しばらく走るとティエラ港までは馬で来ればあっという間に着いた。この港街は海岸に面して建物が連なっており入り口は堅牢な鉄の扉で周りは石壁を高く積み上げて囲まれている。
山賊達やカインは、街に入る手前で馬から降りた。
「カインさん、どうしたんですか?」
ジャスティスが首を傾げると、
「いや……。俺らは一応『賊』だからな」
言いつつ、カインは山賊達が用意したスカーフを頭に巻き革のベストを羽織り、腰に剣をぶら下げて、どこにでもいるハンターのような格好となった。
「いいかジャスティス。俺らはお前に雇われたハンターに扮(ふん)する。何気なく街に入ってどこにも寄らず一直線に南のターミナルを目指せ」
「え。あ、はい……」
カインの思わせぶりな言い方に少し不思議に思いつつジャスティスは素直に頷いた。
大きな鉄の扉をくぐるとそこはジャスティスが今まで見たことのない光景が広がっていた。磯の香りと港街の独特な匂い。通路の所々には露店が立ち並び海の幸や珍しい果物まで売っている。
ジャスティスは次々と飛び交う競(せ)りのような掛け声をくぐり抜けて、カインに言われた通り『ターミナル』を目指す。その間に行商人などに捕まるがハンターに扮したカインらのひと睨(にら)みで彼らはそそくさと逃げていった。
『ターミナルの前に来たら左の細い路地に入ってくれ』
山賊Cに背後からそう言われ無言で頷いたジャスティスはターミナル手前にある路地に足を踏み入れた。
建物の壁と壁の間を縫うように続く、人一人分(ひとひとりぶん)の狭い通路をひたすら進んでいく内にジャスティスは少し不安を感じた。
このまま山賊さん達に連れ去られちゃうんじゃないか、と言う錯覚を起こしそうになるがそれはジャスティスの杞憂に過ぎなかった。通路は次第に少し拓けた広場に出た。そこでジャスティスを待っていたのは――
「よおカイン! 連れは見つかったか?」
厳(いか)ついドワーフのような筋肉隆々の男性が、カインの姿を見るなり豪快に笑って見せる。
「お頭ァァ!!」
それまで静かにジャスティスの後ろにいた山賊たちが歓喜の声をあげて『お頭』と呼んだ男性に近寄っていく。
「おいッテメェら! よくも善良な市民様に手をあげやがってぇ!!」
山賊たちと頭のあいだに割って入るのは、こちらもウルーガに負けないくらいの大男だった。
「だ、だってサンポーさん……」
「だってもクソもあるかいッ!」
口籠る山賊Cの後頭部を軽く叩くサンポーと呼ばれる男。
ジャスティスにとっては脅威に思える山賊Cはどうやら賊の中ではまだまだ『下っ端』のようだった。
――ジャスティス達は、北国タータルネークの主要港(しゅようこう)、ティエラ港に続く街道を馬で襲歩(しゅうほ)しつつ向かっていた。
馬に乗った事はあるジャスティスだが、それは騎士としての訓練程度でこんなに速く移動する馬に乗ったのは初めてだった。頬にあたる風が突き刺さるように痛く目は開けてられず堪らず俯き呻(うめ)きの声が洩(も)れた。
「……くッ、つぅ……」
「はははッ。しっかり掴まってろよッ!」
自分の後ろで手綱を引くカインの少し楽しげな声が聞こえる。
「……は、はいぃ!」
少し前のめりになりながらもジャスティスは馬の速度と乗っている衝撃に負けじと叫ぶように返事をした。
しばらく走るとティエラ港までは馬で来ればあっという間に着いた。この港街は海岸に面して建物が連なっており入り口は堅牢な鉄の扉で周りは石壁を高く積み上げて囲まれている。
山賊達やカインは、街に入る手前で馬から降りた。
「カインさん、どうしたんですか?」
ジャスティスが首を傾げると、
「いや……。俺らは一応『賊』だからな」
言いつつ、カインは山賊達が用意したスカーフを頭に巻き革のベストを羽織り、腰に剣をぶら下げて、どこにでもいるハンターのような格好となった。
「いいかジャスティス。俺らはお前に雇われたハンターに扮(ふん)する。何気なく街に入ってどこにも寄らず一直線に南のターミナルを目指せ」
「え。あ、はい……」
カインの思わせぶりな言い方に少し不思議に思いつつジャスティスは素直に頷いた。
大きな鉄の扉をくぐるとそこはジャスティスが今まで見たことのない光景が広がっていた。磯の香りと港街の独特な匂い。通路の所々には露店が立ち並び海の幸や珍しい果物まで売っている。
ジャスティスは次々と飛び交う競(せ)りのような掛け声をくぐり抜けて、カインに言われた通り『ターミナル』を目指す。その間に行商人などに捕まるがハンターに扮したカインらのひと睨(にら)みで彼らはそそくさと逃げていった。
『ターミナルの前に来たら左の細い路地に入ってくれ』
山賊Cに背後からそう言われ無言で頷いたジャスティスはターミナル手前にある路地に足を踏み入れた。
建物の壁と壁の間を縫うように続く、人一人分(ひとひとりぶん)の狭い通路をひたすら進んでいく内にジャスティスは少し不安を感じた。
このまま山賊さん達に連れ去られちゃうんじゃないか、と言う錯覚を起こしそうになるがそれはジャスティスの杞憂に過ぎなかった。通路は次第に少し拓けた広場に出た。そこでジャスティスを待っていたのは――
「よおカイン! 連れは見つかったか?」
厳(いか)ついドワーフのような筋肉隆々の男性が、カインの姿を見るなり豪快に笑って見せる。
「お頭ァァ!!」
それまで静かにジャスティスの後ろにいた山賊たちが歓喜の声をあげて『お頭』と呼んだ男性に近寄っていく。
「おいッテメェら! よくも善良な市民様に手をあげやがってぇ!!」
山賊たちと頭のあいだに割って入るのは、こちらもウルーガに負けないくらいの大男だった。
「だ、だってサンポーさん……」
「だってもクソもあるかいッ!」
口籠る山賊Cの後頭部を軽く叩くサンポーと呼ばれる男。
ジャスティスにとっては脅威に思える山賊Cはどうやら賊の中ではまだまだ『下っ端』のようだった。
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