プロクラトル

たくち

文字の大きさ
6 / 174
砂の世界

団長の憂鬱

しおりを挟む
「う~、ひまぁ」

 王都にある最高級の宿屋の8回建ての最上階の部屋の中、背もたれに向かい合うように椅子に座り、ガタガタと椅子を揺らしている赤い髪の少女、赤姫せきひの団長であるユナだ。

「何か面白い事ないかなぁ」

 先程からこればかり言っている。本当の事を言うならば彼女は暇な訳ではない、赤姫は現在ラピス王国に雇われているしラピス王国でも最強の戦力であるのため、ミリス皇国との戦争の件で毎日のように作戦会議が行われている。今日もこの後会議が行われる予定である。
 当然団長であるユナは参加しなければならないが、この会議では毎回同じような話しかしないため飽きてしまったのだ。

 ラピス王国の将軍達はよそ者である赤姫を良く思っていないため、毎回何かしら理由をつけて赤姫に対し文句を言ってくる。
 だがお世辞にもこの国の兵士達は赤姫からしたら強いとは言えない、しかしプライドだけは一丁前に 持っているため毎回喧嘩のような会話になってしまう。
 ユナは気が短い方なのですぐに売り言葉に買い言葉で言い争ってしまうのだが、暴れる訳にもいかず毎回赤姫のナンバー3であるクレアになだめられていた。

 会議の内容は、国境付近で起こっている小さな争いの内容が多いのだが、そんな小さな争いに赤姫を投入する訳ではない。
 なので最初に赤姫が参戦した以降はずっと王都で待機していた。そのためストレスを発散する事も出来ず、ここ最近はずっとイライラしてしまっていた。

「でもなんかナナのやつ機嫌良かっわね、何かあったのかな?」

 副長のナナは何かいい事があったのか最近やけに機嫌がいい、自分がイライラしてる中、ユナの頭の中では自由気ままに楽しく遊んでるナナが想像され少し嫉妬している。

「もっとあいつといたら楽しかったかなぁ?」

 この頃ずっと思っている事だった。最初の戦争で出会ったシンと王都へ旅をしている時は、楽しかったのをユナは覚えている、それに

「私の髪の毛綺麗って言ってくれたよね?それに可愛いって」

 こう言われていたのも覚えている、異性から面と向かってこう言われたのは初めての事であったし嫌な気もしなかった、純粋に嬉しかった。

「でも、胸をさわられたわね、それは許せないわ、ムカつく」

 そう、可愛いなどと言われたのは嬉しかったが、この事だけは許せなかった。
 次会ったらもう一度文句を言ってやろうと考えていたが、酒場で働いているところを見たらそんな事忘れて思いっきり笑ってしまっていた。

「はぁ、報酬は良いんだけど、やっぱこの仕事受けない方が良かった」

 ラピス王国に雇われていなければ、あの面白そうな男と冒険でも出来たかも知れないと、この後行われる気まず堅っ苦しい会議を思い憂鬱になる。
 もともと堅っ苦しいのは嫌いだった、赤姫だけであれば個々の戦闘力は高いし、ナンバー3のクレアが基本的に指揮を取り、自分とナナは特に高い戦闘力を持っている。

 基本自由に行動出来たのでストレスを感じる事は無かった。
 まあこんな風に団長と副長が自由すぎるので後をまとめるナンバー3のクレアは毎回頭を悩ませているのだが、ユナは知らない。

「そうよ!会議なんてクレアが出れば良いのよ!」

 しまいには自分の部下のせいにしてしまおうと考えている。
 そんな事を思っていると、窓から見覚えのある黒髪の少年がフード付きのコートを来て何やらコソコソと裏門である北方面に歩いて行くのが目に入った。

「あいつあっちに行って何する気なの?北は岩山地帯だから、鉱山ぐらいしかないわよ」

 彼女はあの男が証を求めて旅をしているのを知っている。
 それに証があの方面にもない事も分かっている。ラピス王国の北側に行く人間など鉱山で働く人間しかほぼいない。
 道があるにはあるが整備はほとんどされてなく、道を逸れたところには魔獣が住み着いている。
 ほとんどの魔獣は縄張りが狭く採石場に来る事はめったにないが、魔獣の住処に行こうなどと言う人間もいない。

 しかしユナの感と言うものが本能で悟ってくる。
 あの男は何か面白そうな事をするんじゃないかと、あんな堅っ苦しい会議よりもこっちの方が絶対面白いと。
 思えばあの男は不思議だった、一緒に旅をしてたが戦闘は全部自分がやった、あの男が戦おうとするところは見ていない。
 しかし騎士に囲まれていた時に一瞬感じた気配が忘れられない、代行者となっているんだ何か秘密があるに違いない、追いかければその秘密がわかるかも知れない。
 こう思ってしまったらもうユナは止まらない、嫌な事より面白そうな事を優先する。
 先ほど副長のナナは勝手に行動していると文句を言っていたのだが、自分もそれ以上の勝手な行動しようとしている事などユナは欠片も思っていない

 追いかけよう、こうと決まったユナの行動は早い。
 まだ会議まで時間がありクレアが迎えに来るまでは余裕がある。
 それにこの時間ならみんな自室にこもっているだろうし、口うるさいクレアも気を抜いている事だろう。
 窓から出て行ってしまえば誰にも気付かれる訳はない。
 もともと本気をで気配を消したユナに気付ける者などほとんどいない、「よし!」と気合を入れたユナはまず置き手紙を書く。

 そして辺りに誰もいないのを確認し、窓から隣の建物に飛び移りあの黒髪の青年を追いかける。
2時間後、宿の最上階の部屋で「会議よろしくねー」と言うユナの似顔絵が描かれた置き手紙を見つけ、宿中を駆け回るが団長どころか副長の姿も消えている事に気付いたクレアが暴れ、団員達が必死で取り押さえた事など一切考えていない。


 北門を抜けた先、鉱山に向かう道の岩陰に隠れながら先を進むシンを追いかけるユナは完全に気配を消していた。
 その証拠に近くの枯れ木に止まっている臆病な事で有名なラピ鳥は逃げる事なく羽を休めている。
 王都から追いかけて来ているがここまでシンがこちらに気付いた様子もない今もユナが聞いた事のない歌を歌いながら拾った木の棒をクルクルと振り回しながら歩いている。

 ここに来るまで何度か立ち止まりながら歩いていたが何か怪しい様子は無かった。
 ただこちら方面に散歩に来たような感じであったし「何もねえなぁ」などと独り言を呟いている。

 そんな様子を見ていると真剣に尾行しているこちらがバカみたいではないかと思い始めてきた。
 いっそ出て行って「何してるの?」なんて聞いた方が良いんじゃないかと考えるがまだ始まったばかりだ、もうちょっと様子を見ていようと思っていると、何やらシンの様子が変わった。

「この道進んでも何もなさそうだな」

 などと呟きながら道を外れ整備されていない方向へ向かってしまったのだ。

「あのバカ!そんな方が行ったら魔獣の縄張りに入っちゃうわよ!」

 危ない、そう思い声を掛けようとしたユナであったが好奇心がそれを許さなかった。
 これで魔獣なんて出てきたら戦うしかない。もしかしたら実力が見れるかも知れないと考え、まだ尾行する事に決めた。

 そんな事をユナが考えているとはつゆ知らず着々と道を進むシン。
 しばらくすると何か見つけたのか「お!あったあった」と言いながら、道具袋から何か取り出し岩山に近づいている。
 何があったのか気になったユナはさらに気配を消して近づく、すると目に見えたのは鉱山から顔を出しているラピス鉱石の原石を掘り出しているシンの姿だ。

「ちょっと勝手に採掘なんて犯罪じゃない!」

 鉱山で許可なく採掘する事は犯罪として国では処罰される。そんな当たり前の事だがシンはその法律の事を知らなかった。
 金を稼ぐ事に頭がいっぱいでそんな簡単な事を思いつかなかったのだ。結局「鉱石掘り出して売ったら金になんじゃね?」と考えのままここまで来ていたのだ

 ここはやめさせて戻らした方が良いよね?などとユナが考えているうちにどんどん掘り出し「大量大量!あっはっは」などと陽気に採掘している。

 ここはやめさせると身を乗り出して声を掛けようとしたユナの目に巨大な灰色のものが見えた
 
(あっ!あれってもしかして岩狼⁈まずい逃げないと!)

 岩狼・ラピス鉱山を縄張りにしている魔獣の中でも最高峰の強さを持った魔獣である。
 岩狼はラピス鉱石を食べていると言われており、その灰色の体毛は名前の通り非常に硬く、並の武器では逆にこちらの武器が傷ついてしまうほどだ。

『キサマ、何をしている?』

 腹の底に響くような低い声で岩狼がシンに問いかける。知能の高い魔獣は言葉をしゃべる事が出来るのだ。

「ん?なんだお前しゃべれんのか」

 背後から声を掛けられたシンは平然と言葉を返す。
 なぜ岩狼を見てそんな冷静でいられるのかわからないユナだったがシンがこの世界に来たばかりというのを思い出す。

(まさかあいつ岩狼を知らないの?岩狼は知能が高い話をして許してもらわないと、でもあいつは知らないみたいだしここは私が何とかしないとだよね?)

 そうユナが考えている間にシンと岩狼の会話は進んでいた。

『何をしているか聞いているのだ、答えろ愚かな人間よ』

「愚かって、まあ否定はしないけど、見りゃ分かんだろ採掘だよ採掘」

『愚かとわかりながら我の食物を奪うと言うのか、キサマ死にたいのだな』

「死にたくないね、だいたいなんでお前のエサって決めてんだ、この鉱石は俺が見つけた物だお前のエサじゃない」

『本当に愚かな人間だ、ここは我の縄張りだと知らないとは』

「知るか!そんな事俺はここに来たばっかだからな縄張りなんて知らないね」

『フン、良いだろう、キサマはここで我のエサとしてくれよう』

 あのバカ!と心でシンに悪態を吐く。
 悪態を吐きながら、岩狼からどうやって2人逃げ出すかの算段を付けようとする、岩狼は速い、それにここは奴のテリトリーだ自分達2人だけでは分が悪すぎる。

 いくら序列5位のユナとはいえそれは人族の中に限った話である。
 魔獣の力は強大でそれこそ赤姫全員で討伐に向かわなくては、確実に勝利出来ない。
 1人でも勝てるかも知れないが絶対ではない、負け=死である事は傭兵であり、生まれてから戦闘ばかりしているユナにはそれがわかる、最後まで生き残ってこそ勝利と言えるのだ。

 だが現状はどうだ、この一帯の覇者の一体である岩狼相手に自分と実力のわからない男との共闘となるだろう。
 旅をするぐらいだそこそこの実力があるだろうが、もしかすると全く戦えないのかも知れないそんな状態で戦うのは絶対に悪手だろう

 そう考えやはり逃亡の仕方を考えるユナ。
 しかしどうにも良いと思える案が思いつかない、それもそうだ、ユナは小さい頃から強大な力を持って生まれた、子供同士のケンカだけでなく大人とのケンカでも圧勝して生きてきたのだ。
 生まれてから敗北した事など1度だってない、ユナは常に勝者だったのだ、そんな自分が敗者の生き方でもある、逃げる事なんてわかるはずがない。
 それでもシンを助ける為、一生懸命思考しているうちに少しの間だが目を離してしまっていた

 それに気づいたユナは、ハッとした表情をしながら視線を戻すことにする。
 視線の先にあるのは、黒髪の男と岩狼の姿がある、見ていなくてもそれぐらいはわかるシンの気配は先程からずっと感じている。
 まだ生きてるそう安心もするが、これからどうしようという不安がある中、元の視線の位置まで戻った。

「えっ⁉︎」

 しかし、戻したユナの目がうつした物は、想像と違ったものをうつしだしていた。
 黒髪の青年は先程と変わらず岩山に立っているが問題は他にある。
 そう先程まで視線の大半を覆っていた6メートルほどあるだろう体格をした灰色の毛並みの岩狼の姿が無くなっているのだ。

「何があったの?岩狼はどこ?」

 そんな光景を頭が全く理解出来ない、あの岩狼がいなくなったのだ。
 しばらくボーっとしてしまったユナであったが、シンの「今日はこんぐらいで帰るか!」という言葉を聞き我にかえってくる。

 結局帰りも特に怪しいとこもなくまたもや聞いた事のない歌を歌いながら帰るシンをただただ見ているユナであった。

 そして、夕暮れ時になり、今だに頭がボーっとしたまま赤姫が独占している高級宿の1回まで辿り着いたユナを出迎えていたのは、銀色に輝く髪を頭の少し後ろでお団子状に纏めながら腰までその髪を伸ばしている20代前半だろう。
 少し大人の雰囲気を醸し出しているが、鬼のような形相をしながら仁王立ちしている赤姫のナンバー3クレアだった。

 やばい、本能で察知したユナだったが時すでに遅し、いっしゅんで捉えられ2時間ほど大きなお説教をされ、さらに抱えられたと思ったらクレア必殺のケツ叩きが始まってしまった。
 あまりの痛さに涙がにじんでいたが、メンバーは誰も止めてくれずお尻が真っ赤になるまで叩かれてしまった。
 それを見てしまった赤姫にはクレアには絶対に逆らわないという鉄の掟が作られたそうだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――

金斬 児狐
ファンタジー
 ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。  しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。  しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。  ◆ ◆ ◆  今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。  あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。  不定期更新、更新遅進です。  話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。    ※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

処理中です...