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二章
五十九話
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捜索願の文字が目に入ってこない。
脳みそに布でもかけられた気分だ。
早めに佐久間と会っていればこんなことにはならなかったのだろうか?
何のために父はいなくなったんだ? 俺のせいか? 俺への当て付けか? 被害妄想が俺を苛む。
捜索願を提出するべく、警官に話しかける。
捜索願を出すと、警官は忙しなく動き回り、やがて俺に紙を突き出してきた。届け出たはずの捜索願だった。
「受理できません」
ロボットのように無機質な声。
世界が回り始めた。吐き気がする。
「どういうことですか」
やっとのことでその言葉を吐き出した。
「貴方のお父様は失踪宣告書を提出されています」
失踪宣告書? シッソウセンコク?
警官の説明はこうだった。
失踪宣告書とは、「これから姿を消すが、他人に迷惑をかけるつもりはないし、自殺もしないから探さないでほしい」といった旨の書かれた書類である。
失踪者からこれが出された場合、よほどの事情がなければ警官は捜索できない。
父が届けた失踪宣告書には、『気持ちの整理をつけたいので旅に出ます。必ず戻るので探さないでください』と記されていたという。本人から探さないでと言われれば探すことはできない。
不条理。
絶望的な宣告を長々と聞かされ、崩れ落ちそうになった。必死に事情を話すも、警官は他人事のようにため息をついただけだった。親戚の元へ身を寄せたらどうだ、とあまりに標準的なアドバイスを送られ、半ば追い出されるようにして俺は交番を出た。
脳みそに布でもかけられた気分だ。
早めに佐久間と会っていればこんなことにはならなかったのだろうか?
何のために父はいなくなったんだ? 俺のせいか? 俺への当て付けか? 被害妄想が俺を苛む。
捜索願を提出するべく、警官に話しかける。
捜索願を出すと、警官は忙しなく動き回り、やがて俺に紙を突き出してきた。届け出たはずの捜索願だった。
「受理できません」
ロボットのように無機質な声。
世界が回り始めた。吐き気がする。
「どういうことですか」
やっとのことでその言葉を吐き出した。
「貴方のお父様は失踪宣告書を提出されています」
失踪宣告書? シッソウセンコク?
警官の説明はこうだった。
失踪宣告書とは、「これから姿を消すが、他人に迷惑をかけるつもりはないし、自殺もしないから探さないでほしい」といった旨の書かれた書類である。
失踪者からこれが出された場合、よほどの事情がなければ警官は捜索できない。
父が届けた失踪宣告書には、『気持ちの整理をつけたいので旅に出ます。必ず戻るので探さないでください』と記されていたという。本人から探さないでと言われれば探すことはできない。
不条理。
絶望的な宣告を長々と聞かされ、崩れ落ちそうになった。必死に事情を話すも、警官は他人事のようにため息をついただけだった。親戚の元へ身を寄せたらどうだ、とあまりに標準的なアドバイスを送られ、半ば追い出されるようにして俺は交番を出た。
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