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第六話

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勇者サイド

「勇者様、た、大変です!」

兵士の一人が勇者達がいる訓練場に慌ててきた。

「どうしました」
「敵襲です」
「え!?」

東華達は謁見の間に集まっていた。

「国王様相手は?」
「うむ、相手は龍だ。しかも黒龍」
「強いのですか?」
「ああ、この国にいる兵士全軍出撃させても勝てるか分からんな、例え勝ったとしても帰ってくるのは1割程度がいいところだろう」
「い、1割ですか」

フローリア王国の兵士の数は約100000人そして、皆勇者まではいかんがそれなりに強い方である。

「取り敢えず、我々が相手をしますのでその間に一般人の避難を」

そう言ったのはこの国の騎士団長の"グレア・モーリス"だ。

「すまない」
「いえ、国を守るのが騎士の役目です」

国王が騎士団長との間で話がつき勇者達は一般人の避難に協力する形となって、勇者と国王の話が終わった所で早速行動しようとすると兵士が入ってきた。

「こ、国王様至急伝えたいことがあります」
「貴様!無礼であるぞ」
「も、申し訳ないありません!」
「よい、申してみよ」
「は!王国に来ていた黒龍は王宮内に侵入しました」
「なんだと!」
「しかし、黒龍はなにもせず後ろに乗っていた男が勇者を出せと」
「勇者を」

国王は考えた、勇者の存在はまだ口外してない。つまり外部に漏らした者がいる可能性がある。と、国王が考え込んでいると

「国王様、僕達はこれから黒龍の元へ向かおうと思いす」
「いや、待て。罠かもしれん」
「それでも、相手が勇者狙いなら僕達が向かわなければ何をするか分かりません」
「確かにそうだが」

勇者と国王は暫く言い争いをしていた。




佑介サイド
 
「遅い」

佑介達は此処に来てからずっと待っていた。兵士の一人に勇者を連れてくるよう伝えたのにも関わらずだ。

待つこと10分ようやく勇者が、現れた。よく見ると、見覚えの無い顔のやつもいる。多分、身代りだろう。残りの勇者は奥に要ることは気配で分かった。

「黒龍よ話を聞こう」

(あいつは確か光輝?だっけ、あんまり興味無かったから覚えてないけど)

カレンに隠れて見ていたが東華も龍輝も居ないみたいだ、おそらく奥いる奴らの中に二人とも居るのだろうな。俺は、そう考えると勇者の前に姿を表した。

「お前が黒幕か!」
「ん?」
「覚悟」

そう言って光輝?は斬りかかってきた。

(え?遅くない)

俺は、反撃はせずただ避け続けた。すると、避けるのに必至になって反撃できないと思ったのか。一気に間を詰めてきた。

(はぁ、面倒だ)

俺は、奴が突いてきたのを避け腕を掴みそのまま一本背負いの要領で投げ飛ばした。すると、勢いが強すぎて勇者は気絶した。

「そ、そんな。勇者様が殺られた」
「くそ」
「光輝、お前の仇は絶対とってやる」

(気絶してるだけなんだけどなー)

敵意を向けてくる、勇者達に対してどうしようかと悩んでいると

「佑介?」

振り向くたそこには東華がいた。

「危険です。聖女様、速くお下がりを」

東華の後ろには神官らしき服を着た男がいた。

「よ、久しぶりだな東華」
「佑介!」

東華は神官らしき男の手を振りほどき走って俺の胸に飛び込んできた。

「バカ、心配したんだから」
「悪い」

俺と東華が再開を喜んでいるとタイミングを見計らったように声を掛けてきた奴がいた。

「熱々ですなー」
「茶化すな龍輝」
「久しぶりだな」
「元気そうで何よりだ」

俺と龍輝は拳を合わせた。

 東華達と再開を果たした後、俺は取り敢えず兵士達に捕まると言う形で王の前まで来た。

「そなたがユウスケか」
「そうだ」
「そなたが転移した場所を聞いてもよいか?」
「最果ての島」

俺が転移した場所を教えると周りがざわつき出した。

「では、もうひとつ聞こう。あの、龍について教えて欲しい」
「ああ、あいつはカレン。黒龍帝とか言う種族で最果ての島の頂点に立ってた」
「では、そなたはカレン殿の部下と言うわけか?」
「そんなわけ無かろう」

答えたのはカレンだった。

「我は主の僕、最果ての島の絶対強者も主様だ」
「つまり、ユウスケはこの中で最も強いと言う事か?」
「そうなるな」

国王はまた考え込むと佑介に提案した。

「ユウスケよフローリア王国の勇者の一員として残ってくれぬか?」

この発言には周りに貴族達も賛成だった。何故なら、佑介は最果ての島で最強だと言う、ならば魔王すらも凌駕すると言うことだ。つまり、佑介一人で物凄い戦力になるのだ。だが、佑介からの答えは

「断る」
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