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第1章 幻の石
第4話
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初日から挫折してしまいそうな程の疲れと、祖父の事を知っていたオジさんの言葉にグッタリとしてしまった。
ヨシばあの家に帰って来て座り込む。
その姿を見て
「随分、頑張ってきたみたいだね~~ 良い石、取れたかい? 」
良い石、取るどころか…… やる気すら取られて帰って来た様なもんですよ……
思わずそう言いたかったが、その言葉を言ってしまうと本当にやる気が無くなりそうなので、敢えて口にする事を止めた。
話題を変えるつもりで、
「ヨシばあ。町外れに住んでいるオジさん知ってる? タケ爺の事、知ってる人なんだけど」
「ん? 外れ? あ~~ 赤い橋の方かね。
ナカちゃんかい? 陶芸やってる」
「ナカちゃん? えっ、陶芸やってるの? 陶芸家なの? 気がつかなかった」
「はは、陶芸家ってほどじゃないよ。趣味でやってて、たまに隣町の土産物屋に置いて貰ってるみたいよ。売れてるのか売れて無いかは知らんけど」
「へぇ~~ 黒曜石、沢山あったから見に行ったら声かけられて…… 」
「ナカちゃんも兄さんと一緒に昔、石探ししてたからね。色々詳しいから教えてもらえば? 」
やっぱりあのオジさん(ナカちゃん)も石探しやっていたのか。どうりで、あんなに沢山黒曜石が……
『瑠璃黒曜』探していた人が、「もう無い」と言い切る位だから…… 本当に無いのかな~~。
まだ夕陽が残っているうちに晩御飯。
ただヘトヘトになる程、体力を使ったので有り難かった。
ヨシばあも自分に気を遣ってくれて肉やら色々、おかずを作ってくれた。普段はお婆ちゃんなので野菜中心の食事だろうに。まぁ昔から料理上手なヨシばあ なので、どんな物でも美味しいのだが。
ご飯を食べ、風呂に入り明日からの作戦を練り直そうと思っていたが……
お約束通り、そのまま…… 爆睡。
作戦の練り直しも無く、見事に朝を迎える。相変わらずヨシばあは、既に起きていて外で草むしりをしている。
「何時起きなんだ、ヨシばあは? 」
ご飯も用意されている。
「ん~~ 何だかな? ただヨシばあ のご飯を食べに来ているだけに思える」
そう思うとあんなに昨日、やる気が失われそうだった自分だが、少し意欲が湧いた。
「ヨシばあ の所に居候して、ただ飯食って…… 何の為に親にウソまでつき此処に来たのか! くそっ。意地でも見つけてやる~~ 」
つい声が漏れて。
「な~~に? ご飯、不味かったか? 」
外で草むしりしてたヨシばあが、窓越しに言った。
早速、出かける事に。
朝っぱらからスクーターに乗り、まず向かった先は……
「おはようございます~~ 」
「なんだ、タケ爺の孫か。何だ、朝っぱらから」
「あの、えーとナカさん。ですか? 」
「おーー そうだ。ヨシさんから聞いたのか? 」
「はい。実は…… やっぱり『瑠璃黒曜』探したいんです。出来れば…… アドバイス的な…… 何か、有りませんかね? 」
「ねぇな。馬鹿だなぁ兄ちゃん。あったら俺が教えて欲しいくらいだぁ~~ 」
うう、やっぱりか。ある程度予想はしてたが……
「兄ちゃん、名前は? 」
「は、はい。彰《アキラ》です。野上《ノガミ》 彰《アキラ》です」
「アキラか。良い名前だな。まあ、アドバイスでは無いが忠告だけするぞ。あそこの赤い橋あるだろ、その下流に白い橋あるけどその橋から下流は危ないから行くなよ! 」
「白い橋ですか? 知らなかった」
「古い白い橋だ。その先は渓谷になっていて川から上がれないぞ。急に流れも速くなって岩もゴロゴロだからな。川に落ちたら命、落とすぞ」
息を呑んだ。水量が多い川ではあるが、命を落とすって。白い橋の先は、違う雰囲気の川になるって事か。
「はい、気をつけます」
「で、やっぱり『瑠璃』探しは諦められないのか? あまり勧められねぇ~~けどな」
ナカさんが、少し表情を曇らせながら言った。
「なにか? 危険とかですか? 」
「いや、見つからないとは思うけど…… あの石は、取らない方がいいのかもしれない。『瑠璃』に魅了される奴は多いけど、手にした奴は皆んな不幸になる。だからお前…… アキラの爺様もすぐ手離したんだ。資料館にあるだろ? 『瑠璃』。
あれ取った奴も不幸が重なって、それで寄付したんだ~~ 」
「え~~、そんな云われが、あるんすか?だからタケ爺は『瑠璃』の事、自分に言わなかったのかな? 」
「だな。……ただな、一度『瑠璃』に魅了されると分かっていても探したくなる。俺みたいに…… ふふふ、まぁどうせ取れんから、やるだけやってみろ。タケ爺の孫なら尚更、止められんだろ」
ビビりの自分が、益々ビビった。
ナカさんの言葉が、いい加減な言葉に思えなかったし。
しかし…… ビビりながらも心の奥底でワクワク感の様なドキドキ感の様な感じもあった。
『やはり…… 自分は、タケ爺の孫なんだな。タケ爺も『瑠璃黒曜』に魅了された様に自分も既に…… 』
「アドバイスありがとうございます。気をつけて、やるだけやってみます。タケ爺の孫なので…… 」
「爺様だって見つけたんだから、もしかしたらもしかするかも知れんぞ!
ははは、見つけたら見せてくれよ。大事なアドバイスしてあげたんだからな! 」
勿論、ナカさんが言った事が本当かどうかはわからない。
ただそれだけ『瑠璃黒曜』が妖しげで、人を魅了させ、そして幻の石と言われる事だと。
いい加減な石探しでは、駄目だ。
背筋が伸び、引き締まった気持ちで 赤い橋の上から川を見下ろしてた自分が居た。
「じっちゃんの名に懸けて!
ん? 違うか…… 」
第4話 終
ヨシばあの家に帰って来て座り込む。
その姿を見て
「随分、頑張ってきたみたいだね~~ 良い石、取れたかい? 」
良い石、取るどころか…… やる気すら取られて帰って来た様なもんですよ……
思わずそう言いたかったが、その言葉を言ってしまうと本当にやる気が無くなりそうなので、敢えて口にする事を止めた。
話題を変えるつもりで、
「ヨシばあ。町外れに住んでいるオジさん知ってる? タケ爺の事、知ってる人なんだけど」
「ん? 外れ? あ~~ 赤い橋の方かね。
ナカちゃんかい? 陶芸やってる」
「ナカちゃん? えっ、陶芸やってるの? 陶芸家なの? 気がつかなかった」
「はは、陶芸家ってほどじゃないよ。趣味でやってて、たまに隣町の土産物屋に置いて貰ってるみたいよ。売れてるのか売れて無いかは知らんけど」
「へぇ~~ 黒曜石、沢山あったから見に行ったら声かけられて…… 」
「ナカちゃんも兄さんと一緒に昔、石探ししてたからね。色々詳しいから教えてもらえば? 」
やっぱりあのオジさん(ナカちゃん)も石探しやっていたのか。どうりで、あんなに沢山黒曜石が……
『瑠璃黒曜』探していた人が、「もう無い」と言い切る位だから…… 本当に無いのかな~~。
まだ夕陽が残っているうちに晩御飯。
ただヘトヘトになる程、体力を使ったので有り難かった。
ヨシばあも自分に気を遣ってくれて肉やら色々、おかずを作ってくれた。普段はお婆ちゃんなので野菜中心の食事だろうに。まぁ昔から料理上手なヨシばあ なので、どんな物でも美味しいのだが。
ご飯を食べ、風呂に入り明日からの作戦を練り直そうと思っていたが……
お約束通り、そのまま…… 爆睡。
作戦の練り直しも無く、見事に朝を迎える。相変わらずヨシばあは、既に起きていて外で草むしりをしている。
「何時起きなんだ、ヨシばあは? 」
ご飯も用意されている。
「ん~~ 何だかな? ただヨシばあ のご飯を食べに来ているだけに思える」
そう思うとあんなに昨日、やる気が失われそうだった自分だが、少し意欲が湧いた。
「ヨシばあ の所に居候して、ただ飯食って…… 何の為に親にウソまでつき此処に来たのか! くそっ。意地でも見つけてやる~~ 」
つい声が漏れて。
「な~~に? ご飯、不味かったか? 」
外で草むしりしてたヨシばあが、窓越しに言った。
早速、出かける事に。
朝っぱらからスクーターに乗り、まず向かった先は……
「おはようございます~~ 」
「なんだ、タケ爺の孫か。何だ、朝っぱらから」
「あの、えーとナカさん。ですか? 」
「おーー そうだ。ヨシさんから聞いたのか? 」
「はい。実は…… やっぱり『瑠璃黒曜』探したいんです。出来れば…… アドバイス的な…… 何か、有りませんかね? 」
「ねぇな。馬鹿だなぁ兄ちゃん。あったら俺が教えて欲しいくらいだぁ~~ 」
うう、やっぱりか。ある程度予想はしてたが……
「兄ちゃん、名前は? 」
「は、はい。彰《アキラ》です。野上《ノガミ》 彰《アキラ》です」
「アキラか。良い名前だな。まあ、アドバイスでは無いが忠告だけするぞ。あそこの赤い橋あるだろ、その下流に白い橋あるけどその橋から下流は危ないから行くなよ! 」
「白い橋ですか? 知らなかった」
「古い白い橋だ。その先は渓谷になっていて川から上がれないぞ。急に流れも速くなって岩もゴロゴロだからな。川に落ちたら命、落とすぞ」
息を呑んだ。水量が多い川ではあるが、命を落とすって。白い橋の先は、違う雰囲気の川になるって事か。
「はい、気をつけます」
「で、やっぱり『瑠璃』探しは諦められないのか? あまり勧められねぇ~~けどな」
ナカさんが、少し表情を曇らせながら言った。
「なにか? 危険とかですか? 」
「いや、見つからないとは思うけど…… あの石は、取らない方がいいのかもしれない。『瑠璃』に魅了される奴は多いけど、手にした奴は皆んな不幸になる。だからお前…… アキラの爺様もすぐ手離したんだ。資料館にあるだろ? 『瑠璃』。
あれ取った奴も不幸が重なって、それで寄付したんだ~~ 」
「え~~、そんな云われが、あるんすか?だからタケ爺は『瑠璃』の事、自分に言わなかったのかな? 」
「だな。……ただな、一度『瑠璃』に魅了されると分かっていても探したくなる。俺みたいに…… ふふふ、まぁどうせ取れんから、やるだけやってみろ。タケ爺の孫なら尚更、止められんだろ」
ビビりの自分が、益々ビビった。
ナカさんの言葉が、いい加減な言葉に思えなかったし。
しかし…… ビビりながらも心の奥底でワクワク感の様なドキドキ感の様な感じもあった。
『やはり…… 自分は、タケ爺の孫なんだな。タケ爺も『瑠璃黒曜』に魅了された様に自分も既に…… 』
「アドバイスありがとうございます。気をつけて、やるだけやってみます。タケ爺の孫なので…… 」
「爺様だって見つけたんだから、もしかしたらもしかするかも知れんぞ!
ははは、見つけたら見せてくれよ。大事なアドバイスしてあげたんだからな! 」
勿論、ナカさんが言った事が本当かどうかはわからない。
ただそれだけ『瑠璃黒曜』が妖しげで、人を魅了させ、そして幻の石と言われる事だと。
いい加減な石探しでは、駄目だ。
背筋が伸び、引き締まった気持ちで 赤い橋の上から川を見下ろしてた自分が居た。
「じっちゃんの名に懸けて!
ん? 違うか…… 」
第4話 終
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