90 / 133
第20話 ボクと私
第20話・3 少女ひとり?享楽
しおりを挟む
無造作に振るわれたトワの踵の一撃が地面を抉った。
宙に跳ね上がったコンクリートの破片が散り、視界を一瞬曇らせる。
「リルっ!」
レイラの警告とほぼ同時、破片の陰からトワの龍の手が襲いかかった。
「……!!」
しかし、リルの体は既に動いていた。
僅かな躊躇も無く、的確なタイミングで体を滑らせ──逆にその手の下へ潜り込む。
「……甘ぇよッ!」
爪が弧を描き、トワの肘の内側へ鋭く打ち込まれた。
──ガッ……!
乾いた衝突音。
「……!」
トワは一歩、後退する。
「リル、今の……見えてたの?」
レイラのその問いに、リルはふっと息を吐いた。
「見えてるよ」
驚いてリルを見るレイラ。
その視線の先──リルの瞳が微かに赤く、淡く発光していた。
「……?!」
その光は、瞳の中心だけを照らし出すように発されている。
周囲の残光は、動きに合わせて軌跡のように尾を引いていた。
(……目、光ってる……?)
レイラは即座に理解する。
それは戦闘中の異常ではなく、制御された力だ。
(感知……してるんだ、リル……敵の動きを!)
そして加速するトワの動き。
今度は龍の手だけではなく、膝と足先を連動させた鋭い連撃。
しかし、リルは全てを見切っていた。
一撃、二撃──全てを僅かなステップと捌きでいなし、反撃を織り交ぜる。
「お前、楽しいんだろ……? オレもだ。今のオレは、楽しくてしょうがねぇよ」
リルの動きは美しさすらを感じさせる程、無駄が無かった。
(このままなら、押せる……!)
レイラがそう思った瞬間、剣を手にトワの死角へと跳び込んでいく。
「……今ッ!」
──シュバッ……!
風を裂く一閃。
トワは直前でレイラの斬撃に気づき、再び後方へ跳ねる。
「……ァハ、楽しいね、ほんとに……♪」
その声は確実に上気していた。
トワにとって、これはただの戦闘ではなく、悦びだった。
レイラの目も鋭さを増し、リルの瞳は更に強く赤く──。
静かに、戦場が燃え上がっていく。
トワの手が地面を叩き、粉塵が再び舞い上がった。
風圧に飛ばされそうになりながらも、リルは僅かに口元を吊り上げる。
(……見える)
トワの気配が動く度、リルの瞳に赤い残光がすっと走る。
その軌道をなぞるように、リルの体は呼吸のように自然に反応していた。
「ほらどうした……ッ……!」
「……!」
すぐに背後へ回り込むリルの動きに、トワは振り返るが一瞬遅れる。
その頬を、リルの鋭い爪が掠め──。
──スパッ……!!
細い一線が、血と共に肌に切り傷を描いた。
だが、トワはまるで気にする様子も無く、にい……と笑みを浮かべる。
「……すごいね。やっぱりキミ、楽しい♪」
地面を蹴り、リルの腹部を狙う低い回し蹴りが放たれる。
しかし、その攻撃も読まれていた。
リルは体を沈め、地面を滑るようにしてトワの懐へ潜り込み──。
「甘ぇって言ってんだろ……!」
カウンターの一撃を叩き込もうとした、その瞬間。
──ドンッ!!
トワの振り下ろされた手が、力一杯にリルを押し返す。
「くっ……!!」
リルは跳ねるように距離を取りながら、奥歯を噛みしめた。
(普通じゃねえ……攻撃は大振りのくせに、反応速度が異常すぎる)
「リル、大丈夫!?」
剣を携えたまま駆け寄るレイラ。
「なんとかな。でも……あいつ、手も足もバケモンだ。気ィ抜いたら終わる」
「じゃあ、私がその“気を抜かせる隙”作るよ」
レイラは瞳に鋭い光を宿らせながら──。
「連携する。私でも間を作る事くらいは……!」
「…………」
そしてリルは口角を上げて頷く。
「……いいね。今のオレらなら、できるかもな」
そのやり取りを、トワは微笑みながら見つめていた。
「ふたりとも、すごい。うれしい。もっと強くなって。もっともっと、楽しくして……♪」
トワの瞳には戦闘への渇きが宿る。
戦場の空気は、尚も熱を上げ続ける。
その中心で、今──。
“ふたりの連携”が放たれようとしていた。
「いくよ、リル!」
レイラの声が風を裂く。
剣を構え、リルと正面を挟むようにトワを挟撃する形で走り出した。
「来て来て……♪」
トワが呟いた瞬間、地を蹴る音と空気が重なり合い、三者の間に雷のような緊張が走る。
(ここだ!)
レイラは瞬間的に右手で剣を振りかぶると同時に──左手をそっと自らの眼帯へと伸ばした。
──スルッ……
眼帯の固定が外される。
「……!!」
露わになる左目。そこにはレイラの龍因子が淡く光りながら渦巻き、空気すら僅かに震わせた。
周囲の風が逆巻く。
レイラの髪が揺れ、目元に宿るその力が、まるでオーラのように全身へ纏い始める。
「これは……」
トワがピタリと動きを止めた。
そのまま、レイラをじっと見つめる。
目線が“戦闘”から“観察”へと、僅かに移った。
(……効いてるな)
リルはすぐに気づく。
これまで一直線に自分だけを狙っていたトワが、初めて横を見た。
「いいぞレイラ……! 気を取られてるうちに……!」
「うん、今だ!」
レイラの剣が地を滑り、斜めからトワの死角へと切り込む。
トワがハッと振り向いた時には、既に──。
──ガキィィン!!
剣がトワのアームカバーの表面に炸裂。
防がれたが布は裂かれ、トワの体が僅かに崩れる。
「……今の、何……」
トワが初めて警戒したように呟いたその隙に、リルは既に地面を蹴っていた。
「──レイラ、上出来」
「任せた!」
次の連撃が放たれる──!
戦局は、ついに均衡から逆転へと傾き始めていた。
「うう……」
トワの体勢が崩れた、その瞬間。
「──ッらァ゙ッ!!」
リルの爪が渾身の力で振るわれた。
──ズバッ……!!!
トワのアームカバーの一部が更に裂け、内側の禍々しい鱗と、鋭く変形した指が覗く。
「……!」
大きく目を見開いたトワ。
そのまま数歩後退する──これまで無かった、明確な防御の動き。
「決まった!」
声を上げるレイラ。同時に剣を構え直す。
「……ッ、はあ……!!」
リルは荒い息を吐きながら、少し距離を詰めながらニヤリと笑った。
「どうした、楽しいんだろ? まだ逝ってねえよな? もうちょい付き合ってもらうぜ……!」
「……すごい……すごいすごい……!」
肩を小さく震わせるトワ。
その顔に浮かんだのは──。
「……もっともっと、本気で殺ってもいい……?」
微笑とも、恐怖とも、期待とも取れる、狂気の入り混じった笑顔。
「ボクの中の奥の奥が、ね……疼いて、ギューってなって、今とっても楽しそうなの」
(……来る)
リルとレイラの体が自然と構え直る。
空気がまた一段と重くなり、草がざわりと揺れたその瞬間──。
「や、やだ~~~~~~~っ!!!」
──ずざざざっ!!
物陰から飛び出したクオンが、頭を抱えながら転げるように駆け出した。
「こ、こわいこわいこわいっ!! なんか空気が変わったのわかる~!! ひゃあああ~っ!!」
その緊張感の無さに、レイラとリルの一瞬の集中が砕けそうになる。
「クオン……なんで今、出てくるの」
「無理~っ! なんかトワが本気出しそうなのわかる~っ!? やばいってぇ~~!!」
「……こいつ……マジで敵じゃねえな……」
リルが呆れたように言葉を吐いたその時、トワの気配が再び濃くなった。
「…………」
まっすぐリルへと向けられる視線。
「そろそろ、ボクの全部……見たい?」
微笑みのまま、トワの背中からふわりと瘴気が立ちのぼる。
指先が更に龍のように変異し、骨の軋むような音と共に濃くなる気配。
「……もっと、強くなれる気がする。ねえリル……見てて……」
その声は淡々としているのに、どこか浮かれたように揺れていた。
目の奥に宿る戦闘への悦びは、もはや隠されていない。
しかし。
「だめーっ! ほんとに! 喧嘩はやめてーっ!!」
バッとクオンがトワの前に。
「トワ~~~!! もう~~~っ!! なんでそうすぐ戦うの~~~っ!!」
「…………」
レイラもリルも思わず固まる。
「クオン……そこ、出ないで、危ない……!」
「わかってるよ~~っ! でも、トワが止まらないんだもん~~!」
クオンはバタバタとトワの腕にしがみつこうとするが、トワはするりと身を躱し全く意に介していない。
「……クオン、だめ。今イイところ。ボク、楽しいんだよ……♪」
「たのしくないよーっ!! リルさんもレイラさんも迷惑してるでしょ!? お願いだからやめてよ~~~っ!!」
「……むぅ」
トワは小さく唸ったような声を漏らし、ほんの少しだけ足を止める。
だがその目は、リルを見たまま──一切逸れていない。
「クオンどいて。今、ボク、強い相手と殺る時間なの。止めないで」
「わあああああん!! もお~~~~~!!」
クオンが地面にへたり込むのと同時、トワがまた一歩、前へ。
「……オレも見えてきた気がすんだよ。お前の限界ってやつがな」
リルが深く構え直す──。
「レイラ、次。一気にいくぞ……!」
「うん!」
楽しげに笑ったまま、瘴気を身に纏うトワ──。
リルとレイラは、今度こそ止めるために動き出した。
──ガンッ!!
剣と龍の腕がぶつかる音が、火花と共に響く。レイラは跳躍しながら再び体勢を立て直した。
「ッ、私じゃ完全には通せない……!」
「でも効いてるぞ」
リルの声には確かな手応えがあった。
動きには迷いが無く、瞳には赤い残光が走り続ける。
「お前、さっきより動き鈍ってんだよ……楽しいのはオレも一緒だが、本能に頼りすぎたな、トワ」
「……ううん、違うよ。これは、本当のボクの方が、前に出てきてるだけ……」
不意に、トワが静かに答える。
その言葉には、これまでのような淡さと違う、どこか“悪魔”のような濁りが含まれていた。
「……見たいでしょ? ボクがどこまで、強くなれるのか」
──ドンッ!!
空気が爆ぜる。
トワの足元から吹き上がる瘴気の波。
地面が抉れ、草木がざわつく。
「……!?」
ボロボロのアームカバーの中で、変異した指が更に蠢いているのが見えた。
「……っ、このままじゃ、まずい!」
レイラは剣を構えながら、両目を細める。
「リル……!」
「わかってる」
ふたりが並び立ち──リルが一気に加速した。
──バシュッ!!
足元を掠める風。
リルの爪がトワに迫り、レイラがその真逆からすれ違いざまに追撃する。
連携──。
ふたりの動きは、もはや“戦術”ではなく“呼吸”になっていた。
「……うれしい……こんなに、楽しいの、はじめて……!」
トワは受け止めながら、傷付きながら、目を見開き口角を上げた笑顔を崩さない。
「ァハハっ……♪」
その表情のまま、更に加速していく。
──だが、その瞳の奥に浮かぶ微かな“歪み”に、レイラは気がついた。
「……!」
(もしかして……)
(制御できなくなりかけてる?)
戦いは、確実に臨界に近づいている。
「リル! 次で決めよう!」
「……了解」
ふたりの攻勢が、一瞬の隙を穿とうと交差する──!
──ズバッ……!!
「!!」
風を切る音が重なった。
リルの爪が閃光のように迫り、トワは即座に腕で受け止める。
火花が散り、力と力が拮抗する一瞬。
だがレイラがその隙を逃さない。剣が弧を描き、トワの背後から突き抜けるように振るわれた。
「──ッ!」
トワは反転し、剣を弾こうと脚を振り上げる。
しかし、レイラは弾かれる寸前に身を沈め、その刃はトワの脇腹を掠めていた。
「ぐうう……!」
続くリルの連撃。瘴気が唸りを上げ、爪と脚技が連続して叩き込まれる。
それでも──。
それでも。トワは笑う。
「もっと……もっと……!!」
その笑みは高揚と、そして僅かな焦燥に揺れていた。
リルとレイラの動きは速すぎて、もはや視線で追えない。
トワの周囲に残像が幾重にも交錯し、轟音と衝撃波が地を抉る。
「だああああッ!!」
「ッ!!」
レイラの声と共に、一瞬の連携が決まった。
リルの爪がトワの動きを止め、その背後からレイラの剣が突き抜ける。
──トワの胸に、焼くような痛みが走った。
「……あ゙……」
そして笑みを浮かべたまま後ずさる──。
だがその瞳は、確かに揺らいでいた。
「……楽しい……けど……」
膝が沈む。
「……痛い……」
その体がついに地に伏す──。
「…………!」
土煙がゆっくりと広がり、戦場に静寂が戻っていった。
微かに漂うトワの瘴気が風に流れ、消えていく。
「……っ、……リル……」
「…………」
静かに晴れていく土煙。
うつ伏せに倒れ伏したトワの体の周囲には、微かに瘴気の残り香が漂っていた。
レイラは呼吸を整えつつも、まだ油断はしていない。
剣を下ろさぬまま、じっとトワの様子を見守っていた。
「……あんだけ食らったら、動けねえよな」
リルがぽつりと呟く。
爪に残った返り血を軽く振るい、姿勢を戻す。
──その時だった。
「トワ~~~~~~~!!!」
けたたましく駆け寄ってきたのは、言うまでもなくクオン。
「ああ~! だから喧嘩はダメって言ったのにぃ~~~!!」
ズザザッと膝から滑り込み、トワの傍にしゃがみ込む。
その顔には恐怖も怯えもない。
あるのはただ、純粋な──おろおろ。
「わぁあ……お腹とか腕とか、こんなに怪我して……! うーん、あっ!? ああ~っ! おふたり共ほんとに申し訳ございませんでしたっ!!」
振り返って、レイラたちにぺこぺこと頭を下げる。
「あのっ! お怪我は……ちょっとありそうですね!? すっ、すみません~! この子、言っても聞かなくて~~っ!!」
リルはぽかんとした顔で。
「……やっぱ、敵じゃねえよな……」
「……うん。敵っていうか、なんか……お姉ちゃん?」
レイラの言葉に、思わずリルが吹き出しかけた。
「とりあえず……もう戦うつもりはないみたいだね。……今のところは」
剣をようやく納めるレイラ。
クオンは何も警戒せず、うつ伏せで倒れているトワの頬をそっと指でつついていた。
「トワ~……? 起きて……?」
その瞬間だった。
──ピクッ……
倒れていたトワの指先が、一瞬、僅かに痙攣したように動く。
クオンは気づかず、ただそっと笑いかけた。
「もう、無茶しすぎだよ……。ちゃんと、ごめんなさいしなきゃだよ~」
しかし──リルとレイラの視線は、鋭くその“微細な変化”を捉えている。
そして。
『──生体反応、残ってる』
低く耳に届くセセラからの無線。
「……!」
(……まだ、終わってない……)
再び走る緊張の中、次を警戒するように、ふたりは顔を見合わせた。
立ち込める砂煙と、沈黙。
誰もが息を呑んだまま動けずにいた中──。
「……ッ!」
トワの体が、ゆらりと揺れた。
クオンも慌てて立ち上がり、レイラとリルが同時に身構える。
「動いた……!」
「リル、構えて!」
トワは立ち上がるも顔は伏せたまま。表情は見えない。
しかしその手の指先が僅かに動いたかと思えば──。
──ズブッ……!!
隣にいたクオンの腹部を──。
「……あ……?」
刃物のようなトワの爪がいとも容易く、縦に貫いていた。
「クオン……!?」
「な……!?」
リルとレイラの目が見開かれる。
機関のモニター室でも空気が一気に張り詰めた。
宙に跳ね上がったコンクリートの破片が散り、視界を一瞬曇らせる。
「リルっ!」
レイラの警告とほぼ同時、破片の陰からトワの龍の手が襲いかかった。
「……!!」
しかし、リルの体は既に動いていた。
僅かな躊躇も無く、的確なタイミングで体を滑らせ──逆にその手の下へ潜り込む。
「……甘ぇよッ!」
爪が弧を描き、トワの肘の内側へ鋭く打ち込まれた。
──ガッ……!
乾いた衝突音。
「……!」
トワは一歩、後退する。
「リル、今の……見えてたの?」
レイラのその問いに、リルはふっと息を吐いた。
「見えてるよ」
驚いてリルを見るレイラ。
その視線の先──リルの瞳が微かに赤く、淡く発光していた。
「……?!」
その光は、瞳の中心だけを照らし出すように発されている。
周囲の残光は、動きに合わせて軌跡のように尾を引いていた。
(……目、光ってる……?)
レイラは即座に理解する。
それは戦闘中の異常ではなく、制御された力だ。
(感知……してるんだ、リル……敵の動きを!)
そして加速するトワの動き。
今度は龍の手だけではなく、膝と足先を連動させた鋭い連撃。
しかし、リルは全てを見切っていた。
一撃、二撃──全てを僅かなステップと捌きでいなし、反撃を織り交ぜる。
「お前、楽しいんだろ……? オレもだ。今のオレは、楽しくてしょうがねぇよ」
リルの動きは美しさすらを感じさせる程、無駄が無かった。
(このままなら、押せる……!)
レイラがそう思った瞬間、剣を手にトワの死角へと跳び込んでいく。
「……今ッ!」
──シュバッ……!
風を裂く一閃。
トワは直前でレイラの斬撃に気づき、再び後方へ跳ねる。
「……ァハ、楽しいね、ほんとに……♪」
その声は確実に上気していた。
トワにとって、これはただの戦闘ではなく、悦びだった。
レイラの目も鋭さを増し、リルの瞳は更に強く赤く──。
静かに、戦場が燃え上がっていく。
トワの手が地面を叩き、粉塵が再び舞い上がった。
風圧に飛ばされそうになりながらも、リルは僅かに口元を吊り上げる。
(……見える)
トワの気配が動く度、リルの瞳に赤い残光がすっと走る。
その軌道をなぞるように、リルの体は呼吸のように自然に反応していた。
「ほらどうした……ッ……!」
「……!」
すぐに背後へ回り込むリルの動きに、トワは振り返るが一瞬遅れる。
その頬を、リルの鋭い爪が掠め──。
──スパッ……!!
細い一線が、血と共に肌に切り傷を描いた。
だが、トワはまるで気にする様子も無く、にい……と笑みを浮かべる。
「……すごいね。やっぱりキミ、楽しい♪」
地面を蹴り、リルの腹部を狙う低い回し蹴りが放たれる。
しかし、その攻撃も読まれていた。
リルは体を沈め、地面を滑るようにしてトワの懐へ潜り込み──。
「甘ぇって言ってんだろ……!」
カウンターの一撃を叩き込もうとした、その瞬間。
──ドンッ!!
トワの振り下ろされた手が、力一杯にリルを押し返す。
「くっ……!!」
リルは跳ねるように距離を取りながら、奥歯を噛みしめた。
(普通じゃねえ……攻撃は大振りのくせに、反応速度が異常すぎる)
「リル、大丈夫!?」
剣を携えたまま駆け寄るレイラ。
「なんとかな。でも……あいつ、手も足もバケモンだ。気ィ抜いたら終わる」
「じゃあ、私がその“気を抜かせる隙”作るよ」
レイラは瞳に鋭い光を宿らせながら──。
「連携する。私でも間を作る事くらいは……!」
「…………」
そしてリルは口角を上げて頷く。
「……いいね。今のオレらなら、できるかもな」
そのやり取りを、トワは微笑みながら見つめていた。
「ふたりとも、すごい。うれしい。もっと強くなって。もっともっと、楽しくして……♪」
トワの瞳には戦闘への渇きが宿る。
戦場の空気は、尚も熱を上げ続ける。
その中心で、今──。
“ふたりの連携”が放たれようとしていた。
「いくよ、リル!」
レイラの声が風を裂く。
剣を構え、リルと正面を挟むようにトワを挟撃する形で走り出した。
「来て来て……♪」
トワが呟いた瞬間、地を蹴る音と空気が重なり合い、三者の間に雷のような緊張が走る。
(ここだ!)
レイラは瞬間的に右手で剣を振りかぶると同時に──左手をそっと自らの眼帯へと伸ばした。
──スルッ……
眼帯の固定が外される。
「……!!」
露わになる左目。そこにはレイラの龍因子が淡く光りながら渦巻き、空気すら僅かに震わせた。
周囲の風が逆巻く。
レイラの髪が揺れ、目元に宿るその力が、まるでオーラのように全身へ纏い始める。
「これは……」
トワがピタリと動きを止めた。
そのまま、レイラをじっと見つめる。
目線が“戦闘”から“観察”へと、僅かに移った。
(……効いてるな)
リルはすぐに気づく。
これまで一直線に自分だけを狙っていたトワが、初めて横を見た。
「いいぞレイラ……! 気を取られてるうちに……!」
「うん、今だ!」
レイラの剣が地を滑り、斜めからトワの死角へと切り込む。
トワがハッと振り向いた時には、既に──。
──ガキィィン!!
剣がトワのアームカバーの表面に炸裂。
防がれたが布は裂かれ、トワの体が僅かに崩れる。
「……今の、何……」
トワが初めて警戒したように呟いたその隙に、リルは既に地面を蹴っていた。
「──レイラ、上出来」
「任せた!」
次の連撃が放たれる──!
戦局は、ついに均衡から逆転へと傾き始めていた。
「うう……」
トワの体勢が崩れた、その瞬間。
「──ッらァ゙ッ!!」
リルの爪が渾身の力で振るわれた。
──ズバッ……!!!
トワのアームカバーの一部が更に裂け、内側の禍々しい鱗と、鋭く変形した指が覗く。
「……!」
大きく目を見開いたトワ。
そのまま数歩後退する──これまで無かった、明確な防御の動き。
「決まった!」
声を上げるレイラ。同時に剣を構え直す。
「……ッ、はあ……!!」
リルは荒い息を吐きながら、少し距離を詰めながらニヤリと笑った。
「どうした、楽しいんだろ? まだ逝ってねえよな? もうちょい付き合ってもらうぜ……!」
「……すごい……すごいすごい……!」
肩を小さく震わせるトワ。
その顔に浮かんだのは──。
「……もっともっと、本気で殺ってもいい……?」
微笑とも、恐怖とも、期待とも取れる、狂気の入り混じった笑顔。
「ボクの中の奥の奥が、ね……疼いて、ギューってなって、今とっても楽しそうなの」
(……来る)
リルとレイラの体が自然と構え直る。
空気がまた一段と重くなり、草がざわりと揺れたその瞬間──。
「や、やだ~~~~~~~っ!!!」
──ずざざざっ!!
物陰から飛び出したクオンが、頭を抱えながら転げるように駆け出した。
「こ、こわいこわいこわいっ!! なんか空気が変わったのわかる~!! ひゃあああ~っ!!」
その緊張感の無さに、レイラとリルの一瞬の集中が砕けそうになる。
「クオン……なんで今、出てくるの」
「無理~っ! なんかトワが本気出しそうなのわかる~っ!? やばいってぇ~~!!」
「……こいつ……マジで敵じゃねえな……」
リルが呆れたように言葉を吐いたその時、トワの気配が再び濃くなった。
「…………」
まっすぐリルへと向けられる視線。
「そろそろ、ボクの全部……見たい?」
微笑みのまま、トワの背中からふわりと瘴気が立ちのぼる。
指先が更に龍のように変異し、骨の軋むような音と共に濃くなる気配。
「……もっと、強くなれる気がする。ねえリル……見てて……」
その声は淡々としているのに、どこか浮かれたように揺れていた。
目の奥に宿る戦闘への悦びは、もはや隠されていない。
しかし。
「だめーっ! ほんとに! 喧嘩はやめてーっ!!」
バッとクオンがトワの前に。
「トワ~~~!! もう~~~っ!! なんでそうすぐ戦うの~~~っ!!」
「…………」
レイラもリルも思わず固まる。
「クオン……そこ、出ないで、危ない……!」
「わかってるよ~~っ! でも、トワが止まらないんだもん~~!」
クオンはバタバタとトワの腕にしがみつこうとするが、トワはするりと身を躱し全く意に介していない。
「……クオン、だめ。今イイところ。ボク、楽しいんだよ……♪」
「たのしくないよーっ!! リルさんもレイラさんも迷惑してるでしょ!? お願いだからやめてよ~~~っ!!」
「……むぅ」
トワは小さく唸ったような声を漏らし、ほんの少しだけ足を止める。
だがその目は、リルを見たまま──一切逸れていない。
「クオンどいて。今、ボク、強い相手と殺る時間なの。止めないで」
「わあああああん!! もお~~~~~!!」
クオンが地面にへたり込むのと同時、トワがまた一歩、前へ。
「……オレも見えてきた気がすんだよ。お前の限界ってやつがな」
リルが深く構え直す──。
「レイラ、次。一気にいくぞ……!」
「うん!」
楽しげに笑ったまま、瘴気を身に纏うトワ──。
リルとレイラは、今度こそ止めるために動き出した。
──ガンッ!!
剣と龍の腕がぶつかる音が、火花と共に響く。レイラは跳躍しながら再び体勢を立て直した。
「ッ、私じゃ完全には通せない……!」
「でも効いてるぞ」
リルの声には確かな手応えがあった。
動きには迷いが無く、瞳には赤い残光が走り続ける。
「お前、さっきより動き鈍ってんだよ……楽しいのはオレも一緒だが、本能に頼りすぎたな、トワ」
「……ううん、違うよ。これは、本当のボクの方が、前に出てきてるだけ……」
不意に、トワが静かに答える。
その言葉には、これまでのような淡さと違う、どこか“悪魔”のような濁りが含まれていた。
「……見たいでしょ? ボクがどこまで、強くなれるのか」
──ドンッ!!
空気が爆ぜる。
トワの足元から吹き上がる瘴気の波。
地面が抉れ、草木がざわつく。
「……!?」
ボロボロのアームカバーの中で、変異した指が更に蠢いているのが見えた。
「……っ、このままじゃ、まずい!」
レイラは剣を構えながら、両目を細める。
「リル……!」
「わかってる」
ふたりが並び立ち──リルが一気に加速した。
──バシュッ!!
足元を掠める風。
リルの爪がトワに迫り、レイラがその真逆からすれ違いざまに追撃する。
連携──。
ふたりの動きは、もはや“戦術”ではなく“呼吸”になっていた。
「……うれしい……こんなに、楽しいの、はじめて……!」
トワは受け止めながら、傷付きながら、目を見開き口角を上げた笑顔を崩さない。
「ァハハっ……♪」
その表情のまま、更に加速していく。
──だが、その瞳の奥に浮かぶ微かな“歪み”に、レイラは気がついた。
「……!」
(もしかして……)
(制御できなくなりかけてる?)
戦いは、確実に臨界に近づいている。
「リル! 次で決めよう!」
「……了解」
ふたりの攻勢が、一瞬の隙を穿とうと交差する──!
──ズバッ……!!
「!!」
風を切る音が重なった。
リルの爪が閃光のように迫り、トワは即座に腕で受け止める。
火花が散り、力と力が拮抗する一瞬。
だがレイラがその隙を逃さない。剣が弧を描き、トワの背後から突き抜けるように振るわれた。
「──ッ!」
トワは反転し、剣を弾こうと脚を振り上げる。
しかし、レイラは弾かれる寸前に身を沈め、その刃はトワの脇腹を掠めていた。
「ぐうう……!」
続くリルの連撃。瘴気が唸りを上げ、爪と脚技が連続して叩き込まれる。
それでも──。
それでも。トワは笑う。
「もっと……もっと……!!」
その笑みは高揚と、そして僅かな焦燥に揺れていた。
リルとレイラの動きは速すぎて、もはや視線で追えない。
トワの周囲に残像が幾重にも交錯し、轟音と衝撃波が地を抉る。
「だああああッ!!」
「ッ!!」
レイラの声と共に、一瞬の連携が決まった。
リルの爪がトワの動きを止め、その背後からレイラの剣が突き抜ける。
──トワの胸に、焼くような痛みが走った。
「……あ゙……」
そして笑みを浮かべたまま後ずさる──。
だがその瞳は、確かに揺らいでいた。
「……楽しい……けど……」
膝が沈む。
「……痛い……」
その体がついに地に伏す──。
「…………!」
土煙がゆっくりと広がり、戦場に静寂が戻っていった。
微かに漂うトワの瘴気が風に流れ、消えていく。
「……っ、……リル……」
「…………」
静かに晴れていく土煙。
うつ伏せに倒れ伏したトワの体の周囲には、微かに瘴気の残り香が漂っていた。
レイラは呼吸を整えつつも、まだ油断はしていない。
剣を下ろさぬまま、じっとトワの様子を見守っていた。
「……あんだけ食らったら、動けねえよな」
リルがぽつりと呟く。
爪に残った返り血を軽く振るい、姿勢を戻す。
──その時だった。
「トワ~~~~~~~!!!」
けたたましく駆け寄ってきたのは、言うまでもなくクオン。
「ああ~! だから喧嘩はダメって言ったのにぃ~~~!!」
ズザザッと膝から滑り込み、トワの傍にしゃがみ込む。
その顔には恐怖も怯えもない。
あるのはただ、純粋な──おろおろ。
「わぁあ……お腹とか腕とか、こんなに怪我して……! うーん、あっ!? ああ~っ! おふたり共ほんとに申し訳ございませんでしたっ!!」
振り返って、レイラたちにぺこぺこと頭を下げる。
「あのっ! お怪我は……ちょっとありそうですね!? すっ、すみません~! この子、言っても聞かなくて~~っ!!」
リルはぽかんとした顔で。
「……やっぱ、敵じゃねえよな……」
「……うん。敵っていうか、なんか……お姉ちゃん?」
レイラの言葉に、思わずリルが吹き出しかけた。
「とりあえず……もう戦うつもりはないみたいだね。……今のところは」
剣をようやく納めるレイラ。
クオンは何も警戒せず、うつ伏せで倒れているトワの頬をそっと指でつついていた。
「トワ~……? 起きて……?」
その瞬間だった。
──ピクッ……
倒れていたトワの指先が、一瞬、僅かに痙攣したように動く。
クオンは気づかず、ただそっと笑いかけた。
「もう、無茶しすぎだよ……。ちゃんと、ごめんなさいしなきゃだよ~」
しかし──リルとレイラの視線は、鋭くその“微細な変化”を捉えている。
そして。
『──生体反応、残ってる』
低く耳に届くセセラからの無線。
「……!」
(……まだ、終わってない……)
再び走る緊張の中、次を警戒するように、ふたりは顔を見合わせた。
立ち込める砂煙と、沈黙。
誰もが息を呑んだまま動けずにいた中──。
「……ッ!」
トワの体が、ゆらりと揺れた。
クオンも慌てて立ち上がり、レイラとリルが同時に身構える。
「動いた……!」
「リル、構えて!」
トワは立ち上がるも顔は伏せたまま。表情は見えない。
しかしその手の指先が僅かに動いたかと思えば──。
──ズブッ……!!
隣にいたクオンの腹部を──。
「……あ……?」
刃物のようなトワの爪がいとも容易く、縦に貫いていた。
「クオン……!?」
「な……!?」
リルとレイラの目が見開かれる。
機関のモニター室でも空気が一気に張り詰めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
花鳥見聞録
木野もくば
ファンタジー
花の妖精のルイは、メジロのモクの背中に乗って旅をしています。ルイは記憶喪失でした。自分が花の妖精だったことしか思い出せません。失くした記憶を探すため、さまざまな世界を冒険します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる