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コヨタ

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第23話 造られた私たち

第23話・6 突如示された模倣品

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 Z.EUS側のレイとリウの訓練直後、ほぼ同時刻の龍調査機関。

 静まり返っていたモニター室。
 それは、しばらく続いていた“嵐の後の平穏”が、今日も続くものだと信じていた場所だった。

 しかし──。

「な!? 何か……来たぞ……!」

 調査班のひとりが静かに、しかし明らかに緊張した声で呟いた。

 大型スクリーンに、警告音アラートと共に赤い反応マーカーが表示される。
 場所は、郊外の緩衝地帯付近。

「これは……完全な龍反応……いや、違う。構造が通常個体と異なる……!」

 別の職員が画面に食いつく。

「いくつある?」

「2体。……どちらも、形状は人型です……!」

 部屋の空気が変わった。

 ──異形の龍は数あれど、最初から人の姿で出現する龍など、本来存在しない。

「まさか……“人型龍種”が、また……!?」

「先日報告された悪魔の女と同種か?」

 ざわつく室内。
 その中で、扉が開いた。

 黒いワンピースの裾を翻して入ってきたのは、所長・シエリ。

「……どうした。久しぶりの静寂を破るに値するか?」

 セセラもそのすぐ後に現れ、眼鏡越しに画面を覗く。

「……赤2体、しかもどっちも人型? ……ハァ~、嫌な予感すんな……」

「セセラ。出撃候補は?」

「…………」

 セセラはすぐには答えなかった。
 小さく舌打ちをして、腕を組む。

「……レイラは怪我からのリハビリ中。リルは……精神状態が不安定すぎる。仮に今出せたとしても、あんな状態で暴走したらどうすんだって話だ」

「ならば通常戦闘班で対応を──」

「いや、無理だ。出力が違いすぎる。あのクオントワ級に届かないとは言え、……たぶん、今回のもとして作られてる」

 モニターにはぼやけた映像ではあるが、少女のような影が映っていた。

 その動きは、あまりに滑らかで、人間的で──。

「……こいつら……なんか不気味だな」

「……セセラ」

 呼びかけるシエリの声は、いつになく低い。

「……本来、こういう時のためにレイラあの子たちはここにいる。けれど、“あの子たちの心”まで壊していいとは、私は思わない」

「…………ッ……」

 セセラの顔から冗談が抜け落ちた。

「……チッ……わかった。こっちで手札を整えてから、出すかどうか判断する」

「その前に、情報収集を優先しよう。正体が掴めない限り、送り込むことはできない」

「……了解」

 ──その時だった。

 警告音アラートが再び鳴った。
 そして、表示された映像に──誰もが言葉を失う。

「っ……!」

 映っていたのは、淡い水色の髪の少女と、鋭く黒い爪を持つ、ピンク色の髪の少女。

 画面の解析が進み、その骨格構造、動作パターン、全てが照合され、先程よりもその姿が

「……!?」

「似て……る……!? レイラちゃん……リルくん……!? いや、違う……っ、これは……っ」

「はァッ!? なんだこれ……?!」

 思わず叫ぶセセラ。

「コピーみてえな……!」

(こんなん……間違いねえ……!! ジキルの……奴っ……!!)

 瞳を細めたシエリが静かに呟いた。

「始まったか……戦争が」

「…………!!」

 再び沈黙が落ちたモニター室。
 セセラは両手をデスクに突いたまま、しばらく動かなかった。

「…………っつーことかよ……?」

 セセラの喉から絞り出すような低い声が聞こえる。
 それは、自身の怒りと困惑が滲んだ音だった。

「……クソッ……どこまで俺たちをおちょくれば気が済むんだよ、あの野郎……ッ……」

「セセラ」

 シエリの声が再び、冷静に響く。

「発信源は既に固定されているか?」

「位置座標、確定──」

 その問いには解析班のひとりが声を上げた。

「郊外区域・旧工業廃区……立ち入り制限区画です」

「ふむ……この場所を選んで起動させたとしか思えないな」

「……はあ……」

 セセラは肩を一度強く上下させると、顎を引き鋭い目でシエリを見る。

「先生……レイラたちに、この情報を見せてやっていいもんなのか?」

「……あのふたりが、最も反応する姿を持っている。……いずれ嫌でも見ることになるだろう」

「だよな……ッ……!」

 舌打ちして、額を押さえるセセラ。

「だけどよ……少なくとも今、リルには見せられねえ……。あいつ、まだギリギリで踏みとどまってる。けど、下手したら崩れる」

「……レイラは?」

「……昨日よりは落ち着いてる。でも、こんなのを見せたら……傷口に火炎放射器って感じだ」

「では──どうする、セセラ」

 シエリの瞳が、真正面からセセラへ問いかける。

「…………っ」

 セセラは黙り込んだ。
 腕を組み、天井を一度仰ぎ、そして──。

「……少し……時間を稼ぐ」

 眉間に皺を寄せながら続ける。

「誰か別の人間を、まず現地へ向かわせる。……リルたちの目には触れさせず、ギリギリまで様子を見る。無理だと判断したら、あいつらの出番だ」

「戦闘班に頼んで、別部隊を動かすか?」

「ああ。ただし、今回ばかりは……特殊戦闘訓練を積んでる連中でなきゃ無理だ。相手はだぞ。たとえ偽物でも、戦闘データが本物ベースなら最悪、こっちの班が全滅する」

「承知した。……だが、急げ。現地周辺は市街地にも近い」

 セセラは頷きながら、すぐさま通信端末を手に取る。

 その手の甲には、僅かに汗が滲んでいた。

「やっぱり……テメェはこういうことを平気でやるヤツだったなァ……ジキルせんぱい゙ィ゙……!!」

 口元を歪ませ濁った声を出すセセラの額には、青筋がピキリと走っていた。


 ◇


 ──中央会議室。

 先程のモニター室から移動し、セセラとシエリは既に非公開のブリーフィングを始めていた。
 出席者は極僅か、幹部数名。機密保持と心理的配慮のため、レイラとリルにはまだ伝えられていない。

「……状況は最悪に近い」

 煙草を咥えたセセラが両手を机に突きながら発言する。

「擬似個体、2体。人型。動き、骨格、戦闘スタイル……どれも本人そっくりだ。完全に意図して作られてやがる」

「……!!」

「今の段階では、正式な任務としてレイラたちに指示を出すには情報が足りねえ」

 セセラの後にシエリが続けた。

「だが……この反応を放っておけば、やがて市街地に届く。待ってはいられないのだ」

「けどあいつら、今この瞬間だって全力で治療と安定に費やしてるんだぜ……レイラは右腕固定だし、リルは精神がどっちに傾くかわからない。下手すりゃ、敵の姿だけでブッ壊れるかもしれねえ」

「…………」

 会議室に、重苦しい沈黙が流れる。

「では、誰が出るのですか……?」

 誰かが問いかける。
 だが、誰も答えなかった。
 擬似レイラと擬似リル──“未知の人型龍”に対応できる人材など、限られていた。

 ──そのとき。

「……俺が話す」

 セセラが、低い声で宣言した。

「出るかどうかは、あいつら自身に決めさせる。任務じゃない。これは、話として伝えるだけにしておく」

「……!」

「強制はしねえよ。だが……知っておく必要は、ある」

「セセラ……」

 と、シエリがセセラを見つめた。

「……俺はあいつらの管理者でも親でもねえ。でも、最低限……選ぶ機会くらいは与えてやりたい」

「……そうだな」

 その言葉に頷くシエリ。

「ただし……この件、アシュラとラショウにも伝えるとするならばより慎重に。あの子らは本来“出撃資格”を持たない。感情的に動かれれば、制御が効かなくなる可能性がある」

「わかってる……」

 そう答えながら、セセラはゆっくりと会議室を後にした。

 そして、目指すのは──医療棟のレイラの元。

「…………」

 セセラのその赤い瞳は、やはり少しだけ迷いを孕んでいる。
 だが、伝えなければならないという強い意志が、彼の背を押していた。


 ◇


 カーテン越しに射す夕陽が、病室の空気を少しだけ柔らかくしていた。
 レイラはベッドに座り、固定された腕を庇うように膝を抱えている。

 ──コンコンッ……

 ノックの音。

「……どうぞ」

 力の無い声で返すと、静かに扉が開いた。

「よ、レイラ……」

 現れたのは、セセラ。

「疲れてる?」

「……うん、少しだけ。薊野さん、どうかした?」

「まあな……」

 セセラはベッド脇の椅子に腰を下ろし、珍しく真面目な顔をしていた。
 冗談も茶化しも無く、まっすぐにレイラを見る。

「……ちょっと、見てもらいたいもんがあってよ」

 そう言って、タブレット端末を差し出した。

「……?」

 その画面には、荒れた土地に立つふたつの人影の映像。

「…………え……ッ……?」

 レイラは思わず息を呑む。

 ──ひとりは、自分にそっくりな姿。
 もうひとりは、リルに酷似した外見をしていた。

「……これ、なに……?」

「……擬似個体──ジキルの仕業と見てる。お前と、リルの情報を基に作られた存在。さっき郊外の旧区画で起動された」

「…………!!」

 レイラの顔がみるみると強張っていく。
 指先が微かに震えていた。

「……そっくり……だ、なんで……こんな……」

「わかんねぇ。けど、たぶん。俺たちを。……お前を」

 セセラは少しだけ目を伏せ、言葉を選びながら続ける。

「……今回は、出ろとは言わねえ。お前もリルも、まだ回復の途中だ。だが、この存在を知ってるかどうかで、今後の動き方が変わる。……だから、伝えに来た」

「…………っ」

 静かに視線を画面に戻すレイラ。
 自分の擬似個体は、無表情なままだった。

「……私と、リルの……偽物……」

「ただの偽物じゃねえ。意図して作られてる。あいつらはお前たちをなぞって動く」

「…………」

「……だから、お前に先に伝えた。お前がどうするかを決めていい」

「……っ……」

 セセラが立ち上がろうとした、そのとき。

「……薊野さん」

 呼び止めるレイラ。
 その声は少しだけ、決意を帯びていた。

「リルには、……もう話したの?」

「いや……まだだよ」

「……わかった。……だったら……私も一緒に、行く」

「……おい、無理すんな──」

「大丈夫。……すごく怖いけど。ちゃんと、私の意思も聞いてほしいから。リルに」

「…………」

 セセラはその言葉に数秒間沈黙し──やがて肩を落とすように息を吐く。

「……ったく、強情だな……。あいよ。じゃあ次は、リルだ」


 ◇


 夕陽が長く影を引く。
 リルは中庭の片隅、誰もいないベンチに腰を下ろしていた。

「…………」

 まだ表情には陰が残る。片手には開いていない缶コーヒー。指が微かに震えていた。

「よォ、リル」

「……!」

 突如聞こえたその声に振り向くと、セセラ。
 そして隣には──。

「……レイラ……?」

 右腕を固定されたままのレイラが、緊張しているのかセセラの手を借りながらゆっくりと歩み寄ってきた。

「……なんだよ」

 短く問いかけるリル。セセラは少し肩をすくめる。

「話がある。……お前に」

「…………ッ」

 リルはベンチの隣に空きを作るように少し身を引いた。
 レイラは、躊躇いながらもそこに腰を下ろす。

「……あのな。さっき異常反応があった。……2体の個体が動き出した」

「……個体?」

「擬似個体ってやつだ。まあ……とにかく、まず見てくれ」

 セセラはタブレット端末を差し出す。
 リルがそれを手に取り、無言で映像を確認した。

 ──そこには、まるでレイラとリルに酷似した少女たちの姿。

「…………?!」

 目を見開いたリルの指が止まる。
 無言のまま、リルはゆっくりとレイラの方へ視線を送った。

「なっ、んだこれ……気持ちわる……ッ……、これが、の……?」

「……ああ」

 セセラは短く答えると。

名前コードネームはまだ登録されてないが、こっちでは擬似レイラ、擬似リルって呼んでる。……姿や挙動、戦い方、全部お前たちに似せてある。……そう判断するしかなかった」

「…………」

 レイラは俯いたまま、硬く拳を握っていた。
 リルはタブレットを膝の上に置くと、重く口を開く。

「……こいつら、どこにいる」

「場所はまだ不安定だ。だが、反応があったのは旧区画の外れ。……ただの“偽物”とは思えない精度だ。おそらく、ジキルの作りもん。奴はデータを事前に──」

「オレたちを、再現してるってわけか」

 そう言ったリルの声には、怒りよりも、静かな絶望の色が濃かった。

 セセラは、視線をレイラへ。

「……レイラにはさっきも言ったが、今回は出ろとは言わねえ。判断はお前たちに任せる。今の状態じゃ、まだ万全とは言えないしな。けど──」

「……戦うよ」

 それは、レイラの言葉だった。

「私……逃げてばっかりじゃ……きっとまた、みんなを巻き込む。……あんなのが、本当に私たちの姿で誰かを傷つけるなら……絶対に、止める」

「……っ」

 リルはその横顔を見て、何かを言いかけて──口を閉じた。
 しばらくの沈黙の後、片手に持つ缶を握りしめる。

「……もうちょいだけ、考えさせてくれ」

「……ああ。時間は……ある。急がなくていい」

 そう答えてセセラは、踵を返しながら──。

「けど、できれば答えは早めにくれ。……頼む」

「…………ッ……」

「……行くぞ、レイラ」

「……え、……うん……」

 それだけを言い残して、レイラと共にその場を離れていく。


 ◇


 夜。

 外灯の淡い光が芝生を照らし、虫の音が静かに響いている。
 人影の無いその空間に、リルはまだひとりで座っていた。

 先程のセセラとの会話、レイラの決意、擬似レイラと擬似リル──自分たちに酷似したの存在。

 リルはその全てを背負うように、片肘を膝に乗せて俯いていた。

「…………」

 握った拳が僅かに震える。
 どこか呼吸も浅く、乱れていた。

「……また、かよ……」

 小さく呟いたその声は、風にすら届かないほど弱い。

(……何で……オレの姿なんだよ)

 自嘲が混じる。その瞳には、怒りも、悲しみも、恐怖も──全てが混ざっていた。

(……誰がオレを、どこまで利用すりゃ気が済むんだ)

 肩が微かに揺れる。
 何かを振り払いたくて、しかし振り払えるものなどどこにもなくて。

(レイラは……もう前を向いてんのに……)

 リルは片手で顔を覆った。

「……オレは……なんで、こんなにもよえぇんだよ……」

 声が震える。
 その震えは、怒りからでも、誰かを責めたいからでもない。

「……バケモンなんて言われたくねえのに、……心のどっかで、ほんとにそうなんじゃねえかって思っちまってる。……最低だ」

 誰にも見られていないと思っていた。
 だから、ようやく声に出せた。

(……こんなオレが……)

(誰かの役に立てるのかよ……)

 擬似リル。
 自分の模倣品コピーが、誰かを傷つける。

 それだけで、“自分の存在がまた誰かの不幸になるのでは”という疑念が、リルの胸に深く深く根を下ろしていた。

「……オレがこの世に生まれなきゃ……最初から、何も起きなかったのかもな……」

 ぽつり、と呟いたその言葉。

 夜の空に吸い込まれて──消えていった。




 第23話 完









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