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第26話-答え合わせ
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「ぅ…………」
「あたた……」
二人が目を覚ましたのはそれから数時間経ってからだった。
ドルチェさんとナルさんはロープで足から胸元まで縛られた状態だ。
口には猿轡までしてあったが事情を聞くために外してあった。
「ドルチェさん、ナルさん……」
「……殺せ」
私がお父様の後ろから二人の名を呼ぶと、ドルチェさんが私のことを睨みながら冷たい口調でそれだけを溢す。
前回とは立場が逆だったが、それでも一日近く一緒に過ごしたのだ。たった一日だったけれどエアハルトもいれて五人でこの村へとやってきたのだ。
しかも彼らは私の手首に仕込まれた呪印を治してくれた恩もある。
「どうしてそんなこと言うんですか?」
「俺たちは最初からあんたを狙ってたんだ」
ドルチェさんが私を睨んだままそんな事を言う。
「エアハルトは?」
「エアハルトの兄貴は何も知らねえよ」
「…………」
リンが隣からエアハルトのことを尋ねる。
確かにエアハルトをパーティーリーダーとして三人で私の捜索依頼を受けたと言っていた。
だがドルチェさんはあっさりとエアハルトは関係が無いと言い切った。
けれど、ドルチェさんとナルさんだけが実行犯ということは、今度は「どうして二人が私のことを?」という疑問が湧いてくる。
しかし私の疑問はマルさんの一言であっさり理由が判明した。
「お前たちはティエラ教会だな?」
「……執行部だ」
「ティエラ教会の執行部……」
マルさんが寝る前に話してくれていた「教会の暗殺や誘拐を専門にしている部隊」というやつだ。
そしてあっさりと自分の所属を認めたドルチェさん。
ただ「執行部が私を殺しに来た」ということは解った。けれど私が狙われた「理由」が分からなない。
重い沈黙が辺りを支配する。
テーブルの上に置かれたいくつかのランプだけがこの部屋を照らしている。
お父様とお母様は少し離れたところでソファーに並んで座っている。
リンは隣に立ったまま私の手をぎゅっと握りしめる。
「はぁ……俺たちが分かる部分は喋ります」
「ナル!」
沈黙に耐えかねたというより、覚悟が完了したという雰囲気でそれまで黙っていたナルさんが口を開いた。
「別に命を助けてもらおうなんて思ってないですよ。ただ、標的が聞いていた人物像とはかなり違っていたので。絆されたのでしょう」
ナルさんはそう言いつつ苦笑する。
後ろで両腕を縛られてたままだが、その苦笑いは先日見たままの表情だった。
「ちっ…………しかたねぇ。エアハルトの兄貴にも恩があったからな。知っていることは話してやる」
そしてナルさんの言葉にドルチェさんも知っていることを洗いざらい話してくれるという。
マルさんが長い話になると思ったのか、私とリンに座るように椅子をもってきてくれた。
私は椅子に座ると、背筋を伸ばして二人に視線を落とす。
少し間をおいた後、ドルチェさんが「そもそも事の発端は」と口を開いた。
◇◇◇
ドルチェさんが語った「事件の発端」というのは「私が屋敷からこつ然と消えた」というお父様が一番知りたがっていた事件からだった。
そもそもの話として、ティエラ教会は魔力の高い人物を各地で勧誘し司祭として受け入れているそうだ。
しかし教会内部に過激な急進派と呼ばれている派閥が存在しており、どうしても取り込みたい人物を誘拐や脅迫という手段で連れてくることもあるらしい。
――クリスは学園での魔法学の成績がトップだった。
それが教会に目をつけられた理由とのことだ。
ティエラ教会にとって困ったことは、クリスがこの国の伯爵家の一人娘だということだ。
普通に考えて、一人娘を教会に預けることはありえない。
そしてティエラ教会の急進派が取った行動が、執行部への誘拐依頼。
「直属の上司から『教会に仇を成す者がいるから捕らえろ』という命令だった」
「今までに数えるほどしか無いが、『いつもどおり』の依頼でした」
屋敷へと侵入したドルチェさんが昏睡魔法を掛け、二人がかりで屋敷から連れ出した。
その後、ティエラ教会の地下にある座敷牢のようなところへ放り込んだそうだ。
「まぁ、これが最初の話で、本当ならこれでこの話は終わりなんだがな」
「……」
本来ドルチェさんが受けたのは「私を教会に誘拐する」ということだけだ。
そして二人もこの件は「これで終わり」だと思っていたそうだ。
◇◇◇
「暫く羽根を伸ばすかとスルツェイへ向かおうと考えてたときだ」
「ちょうどスルートの道具屋を出たところでしたね」
突然ティエラ教会執行部の大司教という、所謂一番偉い人物から突然通達を受けたそうだ。
「俺達が誘拐した令嬢が、実は第二王女殺害の罪で投獄されたと」
「そして処刑前に逃げ出したので探して連れ戻せと書いてありました」
ドルチェさんが所属する執行部が「暗殺・誘拐」の役割を担っているといっても、基本は情報収集が仕事だという。
「誘拐なんて今まで数件しかなかった。それも裏で相当悪どい事をしていた人間ばっかりだ」
「ですから誘拐した令嬢が裏で『王女殺害』なんて大それた事をしていたと聞いても、あまり驚かなかったんです」
二人はその通達の通り、私を捜索するためにスルートを出発し、スルツェイへと向かったそうだ。
そこで昔、冒険者をやっていたときに世話になったエアハルトと再会した。
「そんとき、エアハルトの兄貴がホド男爵家の人物からクリス嬢捜索の依頼を受けようとしててな」
「丁度いいと思い私達も手伝いを申し出たんです」
「エアハルト……そっか……よかった……」
ずっと私の手を握って静かに話を聞いていたリンが顔を両手で覆う。
幼馴染が犯人の一味でないと言うことが理解できて相当安堵したようだ。
「リン……」
「エアハルトの兄貴は昔、執行部に所属する前に世話になっただけだ」
「私達が今、ティエラ教会に所属していることすら知りません」
先日、この村からホド男爵へ情報を流すようにと言われた三人だったが、
今夜まで例の小屋で時間つぶしのために泊まっていたそうだ。
「エアハルトの兄貴はまだ昏睡魔法で眠っているから多分朝まで目を覚まさねぇよ」
「一つ聞いてもいいかね?」
するとそれまで腕を組んだまま黙っていたマルさんが口を開いた。
「君たちはホド男爵とつながりはあるのか?」
「いいやしらねぇ。だが上層部の誰かと親戚だとか噂を聞いたことがある」
「そうか」
となると、私を誘拐した犯人はドルチェさんとして、私に罪をなすりつけたのはホド男爵だということになる。
もしくはそのどちらも「ティエラ教会執行部」そのものが犯人の可能性ももちろん捨てきれない。
「洞穴を出てすぐ、クリスさんがこの村に居ると上司に伝えました」
「だからあの兵が……?」
「あの兵たちに関してはホド男爵が勝手に動いた結果でしょう、意味はなかったようですが」
執行部から連絡を受けたホド男爵が暴走して勝手に兵を送り込んだ。
やはり、執行部の一部の人間とホド男爵が繋がっていると考えるのが自然だろうとマルさんが言う。
そこまで話を聞いた私は「少し休憩しませんか」と席を立ち、グラスに水を注ぐ。
私はドルチェさん達にもと思ってグラスを差し出したが「気にするな」と断られてしまった。
「あたた……」
二人が目を覚ましたのはそれから数時間経ってからだった。
ドルチェさんとナルさんはロープで足から胸元まで縛られた状態だ。
口には猿轡までしてあったが事情を聞くために外してあった。
「ドルチェさん、ナルさん……」
「……殺せ」
私がお父様の後ろから二人の名を呼ぶと、ドルチェさんが私のことを睨みながら冷たい口調でそれだけを溢す。
前回とは立場が逆だったが、それでも一日近く一緒に過ごしたのだ。たった一日だったけれどエアハルトもいれて五人でこの村へとやってきたのだ。
しかも彼らは私の手首に仕込まれた呪印を治してくれた恩もある。
「どうしてそんなこと言うんですか?」
「俺たちは最初からあんたを狙ってたんだ」
ドルチェさんが私を睨んだままそんな事を言う。
「エアハルトは?」
「エアハルトの兄貴は何も知らねえよ」
「…………」
リンが隣からエアハルトのことを尋ねる。
確かにエアハルトをパーティーリーダーとして三人で私の捜索依頼を受けたと言っていた。
だがドルチェさんはあっさりとエアハルトは関係が無いと言い切った。
けれど、ドルチェさんとナルさんだけが実行犯ということは、今度は「どうして二人が私のことを?」という疑問が湧いてくる。
しかし私の疑問はマルさんの一言であっさり理由が判明した。
「お前たちはティエラ教会だな?」
「……執行部だ」
「ティエラ教会の執行部……」
マルさんが寝る前に話してくれていた「教会の暗殺や誘拐を専門にしている部隊」というやつだ。
そしてあっさりと自分の所属を認めたドルチェさん。
ただ「執行部が私を殺しに来た」ということは解った。けれど私が狙われた「理由」が分からなない。
重い沈黙が辺りを支配する。
テーブルの上に置かれたいくつかのランプだけがこの部屋を照らしている。
お父様とお母様は少し離れたところでソファーに並んで座っている。
リンは隣に立ったまま私の手をぎゅっと握りしめる。
「はぁ……俺たちが分かる部分は喋ります」
「ナル!」
沈黙に耐えかねたというより、覚悟が完了したという雰囲気でそれまで黙っていたナルさんが口を開いた。
「別に命を助けてもらおうなんて思ってないですよ。ただ、標的が聞いていた人物像とはかなり違っていたので。絆されたのでしょう」
ナルさんはそう言いつつ苦笑する。
後ろで両腕を縛られてたままだが、その苦笑いは先日見たままの表情だった。
「ちっ…………しかたねぇ。エアハルトの兄貴にも恩があったからな。知っていることは話してやる」
そしてナルさんの言葉にドルチェさんも知っていることを洗いざらい話してくれるという。
マルさんが長い話になると思ったのか、私とリンに座るように椅子をもってきてくれた。
私は椅子に座ると、背筋を伸ばして二人に視線を落とす。
少し間をおいた後、ドルチェさんが「そもそも事の発端は」と口を開いた。
◇◇◇
ドルチェさんが語った「事件の発端」というのは「私が屋敷からこつ然と消えた」というお父様が一番知りたがっていた事件からだった。
そもそもの話として、ティエラ教会は魔力の高い人物を各地で勧誘し司祭として受け入れているそうだ。
しかし教会内部に過激な急進派と呼ばれている派閥が存在しており、どうしても取り込みたい人物を誘拐や脅迫という手段で連れてくることもあるらしい。
――クリスは学園での魔法学の成績がトップだった。
それが教会に目をつけられた理由とのことだ。
ティエラ教会にとって困ったことは、クリスがこの国の伯爵家の一人娘だということだ。
普通に考えて、一人娘を教会に預けることはありえない。
そしてティエラ教会の急進派が取った行動が、執行部への誘拐依頼。
「直属の上司から『教会に仇を成す者がいるから捕らえろ』という命令だった」
「今までに数えるほどしか無いが、『いつもどおり』の依頼でした」
屋敷へと侵入したドルチェさんが昏睡魔法を掛け、二人がかりで屋敷から連れ出した。
その後、ティエラ教会の地下にある座敷牢のようなところへ放り込んだそうだ。
「まぁ、これが最初の話で、本当ならこれでこの話は終わりなんだがな」
「……」
本来ドルチェさんが受けたのは「私を教会に誘拐する」ということだけだ。
そして二人もこの件は「これで終わり」だと思っていたそうだ。
◇◇◇
「暫く羽根を伸ばすかとスルツェイへ向かおうと考えてたときだ」
「ちょうどスルートの道具屋を出たところでしたね」
突然ティエラ教会執行部の大司教という、所謂一番偉い人物から突然通達を受けたそうだ。
「俺達が誘拐した令嬢が、実は第二王女殺害の罪で投獄されたと」
「そして処刑前に逃げ出したので探して連れ戻せと書いてありました」
ドルチェさんが所属する執行部が「暗殺・誘拐」の役割を担っているといっても、基本は情報収集が仕事だという。
「誘拐なんて今まで数件しかなかった。それも裏で相当悪どい事をしていた人間ばっかりだ」
「ですから誘拐した令嬢が裏で『王女殺害』なんて大それた事をしていたと聞いても、あまり驚かなかったんです」
二人はその通達の通り、私を捜索するためにスルートを出発し、スルツェイへと向かったそうだ。
そこで昔、冒険者をやっていたときに世話になったエアハルトと再会した。
「そんとき、エアハルトの兄貴がホド男爵家の人物からクリス嬢捜索の依頼を受けようとしててな」
「丁度いいと思い私達も手伝いを申し出たんです」
「エアハルト……そっか……よかった……」
ずっと私の手を握って静かに話を聞いていたリンが顔を両手で覆う。
幼馴染が犯人の一味でないと言うことが理解できて相当安堵したようだ。
「リン……」
「エアハルトの兄貴は昔、執行部に所属する前に世話になっただけだ」
「私達が今、ティエラ教会に所属していることすら知りません」
先日、この村からホド男爵へ情報を流すようにと言われた三人だったが、
今夜まで例の小屋で時間つぶしのために泊まっていたそうだ。
「エアハルトの兄貴はまだ昏睡魔法で眠っているから多分朝まで目を覚まさねぇよ」
「一つ聞いてもいいかね?」
するとそれまで腕を組んだまま黙っていたマルさんが口を開いた。
「君たちはホド男爵とつながりはあるのか?」
「いいやしらねぇ。だが上層部の誰かと親戚だとか噂を聞いたことがある」
「そうか」
となると、私を誘拐した犯人はドルチェさんとして、私に罪をなすりつけたのはホド男爵だということになる。
もしくはそのどちらも「ティエラ教会執行部」そのものが犯人の可能性ももちろん捨てきれない。
「洞穴を出てすぐ、クリスさんがこの村に居ると上司に伝えました」
「だからあの兵が……?」
「あの兵たちに関してはホド男爵が勝手に動いた結果でしょう、意味はなかったようですが」
執行部から連絡を受けたホド男爵が暴走して勝手に兵を送り込んだ。
やはり、執行部の一部の人間とホド男爵が繋がっていると考えるのが自然だろうとマルさんが言う。
そこまで話を聞いた私は「少し休憩しませんか」と席を立ち、グラスに水を注ぐ。
私はドルチェさん達にもと思ってグラスを差し出したが「気にするな」と断られてしまった。
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