45 / 48
第45話-非公式会談
しおりを挟む
四方の壁がすべて破壊され風通しが良くなりすぎた部屋。
外からガチャガチャと鎧の音が徐々に近づいてくる。
「なんだこれは!?」
「一体何が起こった!? 壁が崩れてるぞ!」
「大臣は無事かっ! 手分けして探せ!」
そして大声を上げ、次々と部屋になだれ込んでくる鎧姿の兵士たち。
「お、おい、お前!」
「何者だ!」
その中の一人の兵士が私たちを見つけ大声を上げると、次々と兵士が集まってくる。
私があわあわしているとリンがすっと立ち上がり巻物を広げ、一番前に居る兵士に見えるように広げてみせた。
「カネーション家の者です。この意味が分からないなら、上司を連れてきなさい」
「なんだと!?」
剣を向けたままの兵士がリンの言葉に怒鳴り声を上げ、私の身体がビクッと竦む。
「時間が経てばそれだけあなたの出世に響くよ?」
「…………だ、大隊長! こちらへ」
また怒鳴りつけられるのかと身構えていたが、兵士は剣を仕舞うと軍服姿の一人に声をかけた。
「容疑者か?」
「いえ、こちらの女性たちの話を……」
「このお兄さん、話が分かりやすくて助かりました。大隊長さん? 彼は使える人材ですよ?」
リンが目の前の兵士の肩をポンポンと叩きながら軍服姿の大隊長とやらに向き直る。
(……リン、なんだか凄い)
物は言いようなのだろうが、その兵士は顔がすっかり緩んでいた。
「それで? 貴殿は?」
大隊長がまだ少し構えながら私たちを見渡す。
「私はリン・カネーション。そこに転がっている二人にとある事件の事情を伺いに来たのですが、監禁され殺されそうになったので反撃しました」
そう言いながらリンは国王陛下から下賜された巻物を大隊長へ広げて見せる。
マルさんから預かっていた『いつでも何処でも自由に捜査をする権利を認める』と書かれた勅書だった。
「こっ、これは……たしかに陛下の勅書……しかし詳しいお話をお聞かせ願えますでしょうか」
「わかりました」
◇◇◇
「――おい! 貴様無断で入るんじゃない! こら、止まれ!」
私たちが移動しようとしたところで、廊下の方から兵士の怒声が聞こえてきた。
「リン!」
「あっ、ボス。すいません、その人は私の上司です!」
「リン……それにクリス嬢も無事で何よりです。目標は……あれですか、なるほど」
いつもよ黒装束姿のマルさんが辺りを見回し状況を理解したのか、何やら勝手にウンウンと頷いている。
「あの二人が、私達のこと汚しながらナイフで切り刻むって言ってたからつい」
「――ほほぅ?」
そんなマルさんにリンがぼそっと周りに聞こえないような声色で事実を溢す。
一瞬でマルさんから溢れ出す恐ろしい量の殺気。
急に発生した異様な気配を察したのか部屋を捜索していた兵士たちが、バッと顔を上げた。
目の前にいる私も、冷や汗が額を流れ落ちてくる。
(……あれ?)
私が「マルさん怖いっ!」と思った瞬間、部屋の両端に転がされたままのホド男爵とリック大臣が「グエッ」と蛙が潰れたような呻き声を上げた。
(いま一瞬、マルさんの姿がブレたよね……まさか)
マルさんの足元をチラリと見ると、どこで付着したのかブーツに血の跡がくっきりとついていた。
「さて、私も同席させて頂きますので会議室をお借りしますぞ、マイケル殿」
「私のことをご存知……なのですか。貴殿とは初めてお会いするのですが」
「存じ上げております。可愛らしい奥様と、お二人の彼女のことまでよーく知っております」
「なっ!?」
マルさんがマイケルさんの耳元で呟いたセリフは私にもはっきりと聞こえ、マイケルさんの顔がサァッと青くなる。
「案内していただけますかな?」
「はっ、はい。こちらへ。 残りはそこの三人を取調室へ! 暴れるようなら独房へ移動して差し上げろ!」
「はっ」
マイケルさんが周りの兵士たちに指示を出し、大臣とホド男爵、ミルドを担いで連れ出していく。
(…………マルさんもリンも怖い……エアハルト大丈夫かな)
私はここにいないリンの旦那(予定)の将来が少し心配にってきたのだった。
――――――――――――――――――――
「事情はわかりました」
大きなテーブルが置かれた会議室に私とリン、フレンダが並んで座る。
三人ともメイド服だ。
しかも私とリンは胸元が大きく露出したメイド服で、正直ローブか何かを貸してほしかった。
(……はずかしい)
向かい側に座るのはお父様、アレックス・フォン・ガメイ伯爵とマルさん、何処かの部隊の大隊長のマイケルさん。
それと……。
「クリス・フォン・ガメイ嬢、あの部屋はどういう魔法で……一応この監獄棟自体には強力な魔力障壁が掛けられているのですが……」
額に浮いている汗をタオルで拭きながら、部屋を破壊した方法を聞いてくる宰相さん。
(……オスカル・フォン・アンノヴァッツィ大公……だったかな)
家名が間違えているかも知れないが、だいたいそんな感じだったと思う。
この国の大公といえば、貴族たちの一番上。国王陛下の直下だ。
「スルート王国が「大公国」だと王様にあたる人だなと」と眼の前に座っている人の良さそうな表情をした老人をちらりと見る。
「……クリス嬢?」
「あっ、はい、すいません。えっとあれは【神雷嵐鎖】……です」
「【神雷嵐鎖】…ですと? いや、あの威力は……」
「すいません、目の前にナイフが迫ってきてまして、脇腹にもナイフが刺さっていたので必死で……」
「なっ、クリス!? 怪我は!大丈夫なのかっ!?」
私の台詞を聞いたお父様がガタッと立ち上がる。
「はい、【治癒】で直しましたので……」
「なるほど、フレンダ嬢が居られましたな」
どうやらこの大公さんはフレンダが回復魔法を使えるのを知っていたようだ。
「いえ、あれはクリスが自分で…「そうなんですよ! ほんとフレンダが居てくれたおかげで」」
否定しようとするフレンダのセリフに私が被せるように言うと、フレンダが三白眼で私を睨んでくる。
けれどややこしくなるので、この場では勘弁してほしい。
「アンノビ……アンノヴィッチ……失礼しました。アンノビッチ大公――」
「……アンノヴァッツィでございますリン・カネーション嬢」
「すいません、アノビッチ大公、先程お願いしておりました契約書ですが見つかりましたか?」
「アンノヴァッツィで……いえ、契約書ですがそれらしいものをホド男爵がもっておりました。こちらをご確認ください」
大公が一枚の羊皮紙をケースから取り出してフレンダの前へ差し出す。
「はっきりと詳細まで見たわけではありませんが、このような契約書が発行されたことは甚だ遺憾であり、即刻私の判断で無効に致します。オーガスト辺境伯にも私からお伝えいたしましょう。フレンダ・フォン・オーガスト嬢、貴女がこのような状態になっていることに気づかなくて申し訳有りませんでした」
つらつらと契約書についての見解を述べた大公が、テーブルに両手をついてフレンダに頭を下げた。
非公式な会議だがこんな事があるんだとびっくりすると同時に、大公の人の良さがはっきりと見えた気がした。
「そんな! アンビッチ大公、頭をお上げください――し、失礼しました!」
「……アンノヴァッツィです。すでにオーガスト辺境伯には使いのものを走らせております」
「う~フレンダぁ~よかったねーっっ!!」
「……うん」
私は隣の席に座っているフレンダの首に両手を回しぎゅっと抱きしめた。
けれど、フレンダの反応が薄い。
もしかしたら振りほどかれると思ったのだが、私が顔を見上げると強気そうなフレンダがハラハラと涙を流していた。
唇をぎゅっと閉じ、流れ出る涙を両手で必死に拭っている姿は、クリスの記憶にあるあの雨の日の時と同じだった。
「さて、ガメイ伯爵」
「はっ」
「此度の件、最終的には陛下より裁可を頂こうと思います」
「承知しました」
流石に今回はことが大きすぎると判断されたらしい。
思えば、ティエラ教会による私の誘拐から始まり、ホド男爵令嬢による王女の殺害。
そして私へ罪を被そうとした事。
リック大臣とホド男爵には私とリン、フレンダに対する婦女暴行未遂と殺人未遂も追加されるそうだ。
教会執行部による暴走。
法務大臣による権力の違法行使。
男爵家による第一級犯罪の数々。
これが明るみにでれば国家を揺るがす大事件になるだろう。
しかし隠そうと思っても隠せるレベルは遥かに超えていた。
「……オスカル・フォン・アンノヴァッツィ大公、お伺いしたいことが」
「ク、クリス嬢!」
名前をフルネームで呼んでもらえたのが嬉しいのか、大公がパァァと顔をほころばせ「どうぞどうぞ!」と手で合図してくる。
(……普通に可愛いおじいちゃんに見えてきた)
「ホド男爵の娘さんは、どうなっているかわかりますか?」
私が片手を上げおずおず伺うと、少し立ち上がりかけていた大公がペタンを椅子に座り直し、背筋を正して口を開いた。
外からガチャガチャと鎧の音が徐々に近づいてくる。
「なんだこれは!?」
「一体何が起こった!? 壁が崩れてるぞ!」
「大臣は無事かっ! 手分けして探せ!」
そして大声を上げ、次々と部屋になだれ込んでくる鎧姿の兵士たち。
「お、おい、お前!」
「何者だ!」
その中の一人の兵士が私たちを見つけ大声を上げると、次々と兵士が集まってくる。
私があわあわしているとリンがすっと立ち上がり巻物を広げ、一番前に居る兵士に見えるように広げてみせた。
「カネーション家の者です。この意味が分からないなら、上司を連れてきなさい」
「なんだと!?」
剣を向けたままの兵士がリンの言葉に怒鳴り声を上げ、私の身体がビクッと竦む。
「時間が経てばそれだけあなたの出世に響くよ?」
「…………だ、大隊長! こちらへ」
また怒鳴りつけられるのかと身構えていたが、兵士は剣を仕舞うと軍服姿の一人に声をかけた。
「容疑者か?」
「いえ、こちらの女性たちの話を……」
「このお兄さん、話が分かりやすくて助かりました。大隊長さん? 彼は使える人材ですよ?」
リンが目の前の兵士の肩をポンポンと叩きながら軍服姿の大隊長とやらに向き直る。
(……リン、なんだか凄い)
物は言いようなのだろうが、その兵士は顔がすっかり緩んでいた。
「それで? 貴殿は?」
大隊長がまだ少し構えながら私たちを見渡す。
「私はリン・カネーション。そこに転がっている二人にとある事件の事情を伺いに来たのですが、監禁され殺されそうになったので反撃しました」
そう言いながらリンは国王陛下から下賜された巻物を大隊長へ広げて見せる。
マルさんから預かっていた『いつでも何処でも自由に捜査をする権利を認める』と書かれた勅書だった。
「こっ、これは……たしかに陛下の勅書……しかし詳しいお話をお聞かせ願えますでしょうか」
「わかりました」
◇◇◇
「――おい! 貴様無断で入るんじゃない! こら、止まれ!」
私たちが移動しようとしたところで、廊下の方から兵士の怒声が聞こえてきた。
「リン!」
「あっ、ボス。すいません、その人は私の上司です!」
「リン……それにクリス嬢も無事で何よりです。目標は……あれですか、なるほど」
いつもよ黒装束姿のマルさんが辺りを見回し状況を理解したのか、何やら勝手にウンウンと頷いている。
「あの二人が、私達のこと汚しながらナイフで切り刻むって言ってたからつい」
「――ほほぅ?」
そんなマルさんにリンがぼそっと周りに聞こえないような声色で事実を溢す。
一瞬でマルさんから溢れ出す恐ろしい量の殺気。
急に発生した異様な気配を察したのか部屋を捜索していた兵士たちが、バッと顔を上げた。
目の前にいる私も、冷や汗が額を流れ落ちてくる。
(……あれ?)
私が「マルさん怖いっ!」と思った瞬間、部屋の両端に転がされたままのホド男爵とリック大臣が「グエッ」と蛙が潰れたような呻き声を上げた。
(いま一瞬、マルさんの姿がブレたよね……まさか)
マルさんの足元をチラリと見ると、どこで付着したのかブーツに血の跡がくっきりとついていた。
「さて、私も同席させて頂きますので会議室をお借りしますぞ、マイケル殿」
「私のことをご存知……なのですか。貴殿とは初めてお会いするのですが」
「存じ上げております。可愛らしい奥様と、お二人の彼女のことまでよーく知っております」
「なっ!?」
マルさんがマイケルさんの耳元で呟いたセリフは私にもはっきりと聞こえ、マイケルさんの顔がサァッと青くなる。
「案内していただけますかな?」
「はっ、はい。こちらへ。 残りはそこの三人を取調室へ! 暴れるようなら独房へ移動して差し上げろ!」
「はっ」
マイケルさんが周りの兵士たちに指示を出し、大臣とホド男爵、ミルドを担いで連れ出していく。
(…………マルさんもリンも怖い……エアハルト大丈夫かな)
私はここにいないリンの旦那(予定)の将来が少し心配にってきたのだった。
――――――――――――――――――――
「事情はわかりました」
大きなテーブルが置かれた会議室に私とリン、フレンダが並んで座る。
三人ともメイド服だ。
しかも私とリンは胸元が大きく露出したメイド服で、正直ローブか何かを貸してほしかった。
(……はずかしい)
向かい側に座るのはお父様、アレックス・フォン・ガメイ伯爵とマルさん、何処かの部隊の大隊長のマイケルさん。
それと……。
「クリス・フォン・ガメイ嬢、あの部屋はどういう魔法で……一応この監獄棟自体には強力な魔力障壁が掛けられているのですが……」
額に浮いている汗をタオルで拭きながら、部屋を破壊した方法を聞いてくる宰相さん。
(……オスカル・フォン・アンノヴァッツィ大公……だったかな)
家名が間違えているかも知れないが、だいたいそんな感じだったと思う。
この国の大公といえば、貴族たちの一番上。国王陛下の直下だ。
「スルート王国が「大公国」だと王様にあたる人だなと」と眼の前に座っている人の良さそうな表情をした老人をちらりと見る。
「……クリス嬢?」
「あっ、はい、すいません。えっとあれは【神雷嵐鎖】……です」
「【神雷嵐鎖】…ですと? いや、あの威力は……」
「すいません、目の前にナイフが迫ってきてまして、脇腹にもナイフが刺さっていたので必死で……」
「なっ、クリス!? 怪我は!大丈夫なのかっ!?」
私の台詞を聞いたお父様がガタッと立ち上がる。
「はい、【治癒】で直しましたので……」
「なるほど、フレンダ嬢が居られましたな」
どうやらこの大公さんはフレンダが回復魔法を使えるのを知っていたようだ。
「いえ、あれはクリスが自分で…「そうなんですよ! ほんとフレンダが居てくれたおかげで」」
否定しようとするフレンダのセリフに私が被せるように言うと、フレンダが三白眼で私を睨んでくる。
けれどややこしくなるので、この場では勘弁してほしい。
「アンノビ……アンノヴィッチ……失礼しました。アンノビッチ大公――」
「……アンノヴァッツィでございますリン・カネーション嬢」
「すいません、アノビッチ大公、先程お願いしておりました契約書ですが見つかりましたか?」
「アンノヴァッツィで……いえ、契約書ですがそれらしいものをホド男爵がもっておりました。こちらをご確認ください」
大公が一枚の羊皮紙をケースから取り出してフレンダの前へ差し出す。
「はっきりと詳細まで見たわけではありませんが、このような契約書が発行されたことは甚だ遺憾であり、即刻私の判断で無効に致します。オーガスト辺境伯にも私からお伝えいたしましょう。フレンダ・フォン・オーガスト嬢、貴女がこのような状態になっていることに気づかなくて申し訳有りませんでした」
つらつらと契約書についての見解を述べた大公が、テーブルに両手をついてフレンダに頭を下げた。
非公式な会議だがこんな事があるんだとびっくりすると同時に、大公の人の良さがはっきりと見えた気がした。
「そんな! アンビッチ大公、頭をお上げください――し、失礼しました!」
「……アンノヴァッツィです。すでにオーガスト辺境伯には使いのものを走らせております」
「う~フレンダぁ~よかったねーっっ!!」
「……うん」
私は隣の席に座っているフレンダの首に両手を回しぎゅっと抱きしめた。
けれど、フレンダの反応が薄い。
もしかしたら振りほどかれると思ったのだが、私が顔を見上げると強気そうなフレンダがハラハラと涙を流していた。
唇をぎゅっと閉じ、流れ出る涙を両手で必死に拭っている姿は、クリスの記憶にあるあの雨の日の時と同じだった。
「さて、ガメイ伯爵」
「はっ」
「此度の件、最終的には陛下より裁可を頂こうと思います」
「承知しました」
流石に今回はことが大きすぎると判断されたらしい。
思えば、ティエラ教会による私の誘拐から始まり、ホド男爵令嬢による王女の殺害。
そして私へ罪を被そうとした事。
リック大臣とホド男爵には私とリン、フレンダに対する婦女暴行未遂と殺人未遂も追加されるそうだ。
教会執行部による暴走。
法務大臣による権力の違法行使。
男爵家による第一級犯罪の数々。
これが明るみにでれば国家を揺るがす大事件になるだろう。
しかし隠そうと思っても隠せるレベルは遥かに超えていた。
「……オスカル・フォン・アンノヴァッツィ大公、お伺いしたいことが」
「ク、クリス嬢!」
名前をフルネームで呼んでもらえたのが嬉しいのか、大公がパァァと顔をほころばせ「どうぞどうぞ!」と手で合図してくる。
(……普通に可愛いおじいちゃんに見えてきた)
「ホド男爵の娘さんは、どうなっているかわかりますか?」
私が片手を上げおずおず伺うと、少し立ち上がりかけていた大公がペタンを椅子に座り直し、背筋を正して口を開いた。
10
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
乙女ゲームの悪役令嬢は前世の推しであるパパを幸せにしたい
藤原遊
ファンタジー
悪役令嬢×婚約者の策略ラブコメディ!
「アイリス・ルクレール、その波乱の乙女ゲーム人生――」
社交界の華として名を馳せた公爵令嬢アイリスは、気がつくと自分が“乙女ゲーム”の悪役令嬢に転生していることに気づく。しかし破滅フラグなんて大した問題ではない。なぜなら――彼女には全力で溺愛してくれる最強の味方、「お父様」がいるのだから!
婚約者である王太子レオナードとともに、盗賊団の陰謀や宮廷の策略を華麗に乗り越える一方で、かつて傲慢だと思われた行動が実は周囲を守るためだったことが明らかに……?その冷静さと知恵に、王太子も惹かれていき、次第にアイリスを「婚約者以上の存在」として意識し始める。
しかし、アイリスにはまだ知らない事実が。前世で推しだった“お父様”が、実は娘の危機に備えて影で私兵を動かしていた――なんて話、聞いていませんけど!?
さらに、無邪気な辺境伯の従兄弟や王宮の騎士たちが彼女に振り回される日々が続く中、悪役令嬢としての名を返上し、「新たな人生」を掴むための物語が進んでいく。
「悪役令嬢の未来は破滅しかない」そんな言葉を真っ向から覆す、策略と愛の物語。痛快で心温まる新しい悪役令嬢ストーリーをお楽しみください。
悪役令嬢に転生したけど、破滅エンドは王子たちに押し付けました
タマ マコト
ファンタジー
27歳の社畜OL・藤咲真帆は、仕事でも恋でも“都合のいい人”として生きてきた。
ある夜、交通事故に遭った瞬間、心の底から叫んだーー「もう我慢なんてしたくない!」
目を覚ますと、乙女ゲームの“悪役令嬢レティシア”に転生していた。
破滅が約束された物語の中で、彼女は決意する。
今度こそ、泣くのは私じゃない。
破滅は“彼ら”に押し付けて、私の人生を取り戻してみせる。
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる