ある日突然異世界へ(本編完結.番外編展開中)

ミント

文字の大きさ
6 / 38

初異世界料理

しおりを挟む
「ユーリ様そろそろ夕食会へご案内します。」
そう言われて、初めて自分が空腹な事に気付く。
「ありがとう。お腹ぺこぺこだわ。」
2人はニコニコしながら案内してくれる。
大きな扉の前にセバスがいる。
そして扉を開けてくれると…


「あぁ、とってもいい匂い!」
思わず言ってしまった。だって長テーブルにたくさんのご馳走が並んでいるから!
そこへアルが登場!笑

「ユーリ、見違えたな~そのドレスも似合ってるよ。」
そう言って、私の手を取り椅子までエスコートしてくれる。
そんな事今までされた事なんて無いから赤面してしまう。

「アルは余程彼女にご執心らしいな。」
座った瞬間に声が聞こえ、反射的に顔を上げるとそこにはアルに似たおじ様と綺麗な女の方がいらっしゃった。

「ユーリ、父上と母上だよ。そんなに緊張しないで。」
と言う。
いやいや、緊張しないでと言われても…アルが私をフィアンセとして紹介しちゃったから…


「は、はじめまして!愛川優梨と申します!アル、いやアルフレッド様には大変お世話になっております!この度はお部屋やドレスに食事までありがとうございます!」
「ユーリ、そんなにかしこまらなくて大丈夫だよ。」
アルのお父様がにこやかに言われる。
「さぁお食事をはじめましょう。ユーリ、遠慮せず召し上がってね。」
アルのお母様も笑顔!
アルをみると頷いている。これはとりあえず…食べていいのかな?
もう私お腹空き過ぎです。

「ユーリはブドウ酒は飲める?」
アルが聞いてきた。ワインかな?たまに飲んでたから飲めるって言って良いのかな?
コクンと頷くと、サリーがグラスに注いでくれる。
そして一口…
「あっ甘い。赤玉ワインみたい?」
マリーが耳元て囁く。
「ユーリ様、ブドウ酒は飲み過ぎにご注意下さいね。」
サリーの忠告を聞いてブドウ酒はちびちび飲む事に…
とりあえず食事食事!
サラダを食べる。ドレッシングはレモンが使われていて爽やかな味。
スープは黄金色に輝くオニオンスープ!
とっても美味しい!
あと、プチトマトの中をくり抜いてツナ?が入っているのは見た目可愛い。
後はローストビーフや白身魚のソテー…この世界の料理はまるでフランス料理みたいで味も美味しい!

全然知らない、よくわからないものが出てこなくて良かったとホッとする。

そしてパン!
焼きたてらしくふわっとしてて本当に美味しい!

ひたすら食べる事を堪能していた私は、アル一家にその姿を観察されている事に気が付かなかった。

「ユーリ、美味しい?」
パンを口に入れたところでアルが聞く。
私はしゃべれないので頷いて意思表示をする!
「すみません!食べるのに夢中になってしまいました。
なんだか恥ずかしい。アルのお父様もお母様も笑っているようだ。
そしてお母様、
「ユーリがアルの大事な人って言うのは本当みたいね。てっきりその場しのぎに言ったウソだと思っていたわ。」
ドキッとする。私どうしたらいいのかな?アルをみる。
「母上は息子が信じられないようだ。ユーリは気に入った?」
ウソなのに~とドギマギする私。
「ユーリは可愛いらしいし美味しそうにごはんを食べる姿には好感をもてるわね。でも…ユーリは異国の方ね。」
あっそうか、私日本人だもんね。異国と言うか異世界人ですね…
「父上、母上、俺は政略結婚は出来ない。ユーリがどこの誰であっても…ユーリだけしか考えられない。許して欲しい。」

アルが真剣に言う。

本当の告白ならもっとドキドキしたかな?
でも私は偽者だから…

目の前に置かれたケーキを凝視しながら返事を待つ。
「とりあえずアルの気持ちはわかった。しかし貴族同士でない結婚はきっと苦労するしユーリも大変だろう。それでも頑張れるのか?」
お父様が真剣な表情でアルに問う。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「彼女は異国の娘だからこの国のことは何も知らない。だからこれからしっかり学んでもらうよ。」

あっ、私が何も知らないのをカバーしてくれたのね。
「これからしっかり学ばせていただきます。」
私もお辞儀をする。
 自立するにも何にも知らない状態じゃムリよね。

もうケーキどころではなかったが…しっかり食べてから退室しました。 笑
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……? ※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

【完結】転生したぐうたら令嬢は王太子妃になんかになりたくない

金峯蓮華
恋愛
子供の頃から休みなく忙しくしていた貴子は公認会計士として独立するために会社を辞めた日に事故に遭い、死の間際に生まれ変わったらぐうたらしたい!と願った。気がついたら中世ヨーロッパのような世界の子供、ヴィヴィアンヌになっていた。何もしないお姫様のようなぐうたらライフを満喫していたが、突然、王太子に求婚された。王太子妃になんかなったらぐうたらできないじゃない!!ヴィヴィアンヌピンチ! 小説家になろうにも書いてます。

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

処理中です...