ある日突然異世界へ(本編完結.番外編展開中)

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アルの職場に潜入です!

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やっと私達の番になりました!

「次は…アルフレッド様の婚約者と侍女2人…」
ファイルを見ながら守衛さんがマジマジと私達、正確には私を見る。
「本当にいらっしゃったんですね…」
「それってどういう意味ですか?」
思わず聞いてしまう。

「申し訳ありません!あの、アルフレッド様の女性嫌いは有名でしたので…貴女の様な綺麗な婚約者様が現れたのでつい失礼を…」

そういう意味だったのね。てか綺麗だなんてお世辞まで言わせてしまったわ。
「謝らないでください。どうぞよろしくお願いします。」
そういうと守衛さんはちょっと驚いた顔をしていた。
「ユーリ様、もう行きましょう。」
サリーが言う。
「もう入って良いですか?」
守衛さん物凄い勢いでうなずいてくれました。

「サリー、彼は何故あんなに驚いた様な顔をしたのかしら?」
気になったので聞いてみる。
「貴族は下の者に謝ったり普通に会話する方は珍しかったからだと思います。ユーリ様は私達にもお優しいですから…私もはじめはビックリしましたよ。」
そうだったのね。身分差がある世界は本当大変ね。

しばらく道なりに歩いて行くと、広い場所に出た。普段は運動場みたいな感じかしら?
今は人がたくさんいて、とっても賑わっています。
まるでお祭りの様です!

「マリー、王立騎士団ってすごいのね…敷地も広いけど建物もなかなか立派だし。アルは毎日ここで働いといるのね。」
「そうですね!私も初めて中に入れて感激しています。ユーリ様のおかげです。ありがとうございます。」
私のおかげでは無いけれどマリーが喜んでいるのがわかるから私も嬉しくなる。

「ユーリ様、中央テントの所にトーナメント表が貼り出されている様です。アルフレッド様の試合がいつか見ましょう。」
足早にサリーが向かう。
彼女も楽しんでいる様で良かったわ。

「え~とアルは第一部隊よね?」
指で追いながら探していく。

「ありました!Aブロックで第4部隊と対戦の様です。」
「Aブロックは…1番手前のようですね!場所取りしましょう。アルフレッド様はいつ出ますかね?」
「そうね。このトーナメントは部隊対抗なのね?」
「そのようですね。」
つまり剣道の試合みたいなのかな?
剣道のルールも私あまりわからないけど…

先にアルを見つけたいかな?
「アルを探しましょう。」
「そうですね!」
そうしてアル捜索が始まりした。(笑)
まずはグルリと辺りを見回します。騎士団の方々もいらっしゃいますが、私達同様に応援に来た方々もいらっしゃいます。
すごい人です!
自力で見つけるのはちょっと大変そうです。
「ユーリ様、アルフレッド様はどこにいますかね?」
「Aブロックの試合だからこの近くにはいる気がするのだけど…」
「とりあえずAブロックのテントがあっちにあるみたいですよ?」
「じゃあ行ってみましょう。」
とりあえず私達はテントへ向かう。
騎士団の方々がテント中心にいらっしゃいますが…みんな似たようなコスチュームなので見分けが…
そんな時に背後から声を掛けられました。
「ユーリ!」
振り返ると、前に怪我をしたアルを家まで送って来てくれた人ね。
「えっと、エドワード様ですね。お久しぶりでございます。」
そう言って散々練習した挨拶をしてみる。
公爵家の方って言ってたわよね?粗相しないようにしなきゃ。
「ユーリ、かしこまらなくてよいよ。エドって呼んで。今日の君は一段と綺麗だね。」
この人サラとこういう事言うのね。
「エドワード様、私達は今アルを探しています。どちらにいらっしゃるかご存知ですか?」
エドワードの軽口には乗らず笑顔で尋ねる私。
「流石アルの婚約者だね~。アルはテントの中だよ。待ってて。」
そう言ってテントまで行くと…
「アルフレッド!婚約者がお待ちだよ。」
ってそれはそれは大きな声で言ってくれました!
おかげで注目の的です!
アルは慌ててテントから出てきてエドワードに肘打ちを食らわせたのち私の元へ…

アルは耳まで何故か真っ赤でした。
「ユーリ、こっちへ」
アルは素早く私の手を取り誘導します。
背後を見ると2人も頷いて付いてきてくれました。

その間周りはとっても賑やかです。
テントから少し離れた観覧席に案内してくれました。
「ユーリ悪かったな。エドのせいで…」
アルはげんなりしてました。注目されてやはり恥ずかしかったんですよね?
「大丈夫です。こちらこそすみません。忙しい中ありがとうございます。アルはいつ出ますか?」
そう聞くと第2試合だと教えてくれました。
因みに第3試合はエドワード様だそうです。
「頑張って来てくださいね。」
そう言うと、素敵な笑顔が見れました。
アルを見送ってから観覧席へ戻ると、観覧席にいらっしゃる方々がすごい形相で私を見ていました。
ちょっと引くくらい…
後ろの方が話しかけて来ました。
「貴女一体どんな手を使ってアルフレッド様に気に入られたの?あの方は女性嫌いだったはずよ?」
なんだか皆様同じような認識なのね。
「いや…特に何も…」
と呟くしかできませんでした。
そんな時に、トーナメント会場の中心から開会式宣言がされました。
すると…
「「「おぉ~!!!」」」
と会場全体から雄叫びが上がりました!
格闘技の試合会場!って感じです。
私への関心もみんな薄れたようで良かったです。

初戦の試合の順番はどうやら第1試合はグループ内の若手、第2と第3試合は中堅、第4試合は副隊長第5試合は隊長が出ると決まっているらしい。

Aブロックは第1部隊VS第4部隊だったわね。
第1部隊は襟のところに赤いスカーフの様な物が巻かれていて、第4部隊は緑色だ。部隊は色分けされているのね。

今まさに2人の若手…10代後半位かな?が試合場所中央で見合う。
「騎士道精神にのっとり正々堂々と戦う事を誓います。」
2人は剣を抜き一度上に上げる動作をして構えたところで試合開始の合図が審判よりされる。
「はじめ!」

審判の大きな声が響き渡った。
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