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馬車の窓から夕暮れ時の綺麗な空が見えます。
星も見え始めてとても幻想的です。


「ティナ。久しぶりの外出だね。緊張してないかい?」

お兄様が心配してくれているようです。

「大丈夫ですわ。半年も引きこもらせて下さり感謝していますわ。」


「今日はあいつも来ると思うが……。」

心配そうなお兄様。

「心配しないでください。もうすっかり気にしておりませんから!」

むしろはじめから気にしていない。。。

「辛い時は僕に言うんだよ?」

「ありがとうございます。」

心配症なお兄様を安心させなきゃよね。
お友達を作ればいいかしら?
結婚相手?
んー結婚ってあんまりピンと来ないけど……

そんな事を考えていたら、

ガタッ!

と馬車が止まった。

ドアが開けられお兄様が先に出られる。

そしてドアをくぐって私もお兄様のエスコートの元、馬車から出ます。
 

ザワザワ……ザワザワ……


なんだか視線が……
あっ、お兄様よね!
うちのお兄様、美男子だし、婚約者もまだいないし!

「カイゼル様と一緒の方はどなたかしら?」
「カイゼル様と同じハニーブラウンの髪の毛よ?親戚の方じゃない?」
「婚約者?」


色々な大きなヒソヒソ声が聞こえてきますわ。

まさか私だと気付かれていないらしいです。

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