成瀬 慶 140字小説

成瀬 慶

文字の大きさ
上 下
6 / 36

カーテンが揺れた

しおりを挟む
暑い夏
窓を開けると
君を見つけた
突然、目の前に現れた君は
とても綺麗で
溶けそうなアイスクリームを握ったまま
俺は、見とれていた
生温かい風が吹き
レースのカーテンが揺れた
彼女がこちらに目をやり
「こんにちは」
と言って、クスクスと笑う
その瞬間、心は奪われた
俺は、彼女に恋をした

【narusegoto】
短編『溶けそうなアイスクリーム』
での尚の初恋の瞬間を切り取りました

尚はよくいる高校生
アイスが大好きで
だらだらと過ごす夏休み
まだまだ未熟で幼さの残る彼が
はじめて異性を感じた瞬間です


しおりを挟む

処理中です...