隣人はクールな同期でした。

氷萌

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*傍にいたいと思いました。

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どうやら煌月も今帰宅したばかりらしく
歩きながら上着を脱いでネクタイも外すと
ハンガーに簡単に掛け
そのままドサッとソファに座り込み
力なく項垂れた。


よっぽどツライんだろうな…


「お茶でも…入れようか?」


アタシが言うのはおかしいけどね。
ココはアンタの部屋なんだから。


「いや、ビールが飲みてぇ。
冷蔵庫に入ってるから七星も飲め」

「あ、はい」


なぜかアタシも付き合う事になり
言われるまま冷蔵庫を開け2本取り出すと
2人で乾杯…。


「…お疲れ様」

「あぁ…
 マジでスッゲェ疲れた。
 喪主って大変だな。
 何したらいいかよくわかんねぇし
 気ばっか使うしで
 仕事よりしんどいんじゃねぇか?」


あー…そっちね。

これだけ文句が言えるんだから元気そうだな。

強がり…なのかもしれないけど。


「親戚に任せたって…
 そんな事して大丈夫だったの?」

「ダメだろうな」


ダメってわかってんのかい。


「いくら親族とは言え
 遺族の前で両親の話をされても
 聞くのもラクじゃねぇよ。
 おかげでヒナコはぶっ倒れるし」


え…
 
 
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