電車の中で

クロム

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太陽の恥じらい

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線路がひかる。
自分はこげ茶のくせに
自慢げに白を語る。
なんだってそうだ。
太陽のおかげで普段無視される
小石、屋根、ゴミ箱が
目を刺す勢いで自己主張する。
だが肝心の女神は臆病だ。
建物に隠れながら僕らを照らしている。
そこにあるはずなのに
煙のように消えてしまう。 
誰かが言った。
太陽を直接見てはいけない。
太陽ははにかみ屋だと。
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