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怪我
しおりを挟むよかった、あのままいたら俺は取り付かれていたかもしれないー…
しばらく経ち、授業が終わり帰りの時間になった。
「これで帰りのホームルームを終わります。みなさん気をつけて下校して下さいね。」
「はーい!先生、さようならー!」
みんなが先生に挨拶し、立ち上がった。
俺は友達に話しかけられないように急いで立ち上がった。
幽霊のこともあるが、もう1つ築かれたくないことがあるからだ。
「じゃ、俺今日は先に帰るな!」
そう言い、ランドセルを持ちその場を去ろうとした。
「優羽、最近お前一緒に帰れねーじゃんなんかあるの?」
「美羽(みう)と帰ってるんだよ…」
俺は男子に答えた。美羽は俺の1つ上の姉のこと。
「あー!ねーちゃんか!なるほどね!優羽さ、前から思ってだんだけどさ…」
……早く、もっと早く帰ればよかった。
「お前、その足の怪我どうしたんだよ…?」
1人の男子が言うと、近くにいた他の男子と女子たちも集まってきた。
「それ、私も気になってたー!」
「俺も俺も!なにスポーツでもして転んだ?」
「いやいや、転んでそんな怪我しなくね?打撲じゃんか、見た目!」
俺の話題で盛り上がる友達たち
俺の左足には青っぽい、痣ができている
その理由は誰にも言いたくない
「…………誰かに殴られてたりして……」
1人の女子の言葉に俺はドキッとした。
「ち、ちげーよ!そんなわけないじゃん!俺急いでいるから帰るわ!」
ランドセルを背負って俺はその場を離れた。
みんなの顔も見ずに。
教室の外へ出て、呼吸を整えた。
やっぱりみんな知っているんだ
この怪我のことを。
「ーーー…優羽大丈夫なのかな……」
俺が居なくなったと思い、1人の男子が呟いた。
思わず聞き耳をたてる。
「ね……聞いてもなにも言ってくれない。あの怪我絶対やばいよ!私、腕にも同じような怪我があるの体育でみたよ!!」
「お、俺もみた……すごく青っぽくなってた。あれ絶対転んだとかじゃないよ。」
そう…腕にも同じような怪我が俺にはある。隠してはいたけど、やっぱり隠せてなかったんだな……
「俺さ、聞いちゃったんだよ…優羽の家でお父さんが怒鳴る声……。」
「「ーーーー…えっ!!??」」
みんなが声を揃えて言った。
「な、なにそれ!!それじゃあ優羽は…」
ーーーーやめてくれよ……
「俺さ、家が向いだから聞こえるんだよ最近、お父さんが怒鳴ったり…」
もう言うのやめてくれよ……!!
「物を投げたりする音が」
俺は自分のズボンの裾をぎゅっと握った。
体が震える。
この場から立ち去りたい。だけど、思うように体が動かなかった。
みんな、知っていたこれで明日の朝には広がるんだろうか………
どうして暴力している父さんよりも俺がこんな思いしなくちゃいけないんだよっ…!!
「………鳥沢……!!」
その声はそんなに大きくなかったんだろう。だけど、俺には大きく聞こえた。
「…なにしているの?」
俺の名前を呼んだのは隣のクラスの女子、日高 葵(ひだか あおい)
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