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35 おみやげ
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夕焼けの回廊を歩いていた。ルークの帰りを部屋で待っていられなくて、うろうろしていたのだ。
遠くからルークの笑い声が聞こえた。三人と一緒に帰って来たのだろう。あいつらと一緒にいるルークは本当によく笑う。
伏目がちのルークはいなくなったのだ。
部屋に戻って待っていると、ルークがただいまと笑いながら入って来た。
それから、小さな紙包みを懐から取り出した。
「これ、お土産」
取り出すと、それは細い光沢のあるリボンだ。艶のある濃い青で、端に銀糸で何かが刺繍されていた。
「これは?」
聞くと、ルークはすまし顔で答えた。
「リボンだよ。街で流行っっているんだ」
髪をまとめる・・・うん。そうだね。リボンも髪留めも持っているよ。
「これは何て書いてあるんだ?って聞いたんだ」
と聞くとルークは
「内緒」と答えた。
耳が赤くなって、顔も赤い。
「向こうの字だよ。読めなくていいんだよ」
小さな声で拗ねたように言う。
その顔が可笑しくて、つい追い打ちをかけたくなる。
「お前がわざわざ刺繍を入れたんだろう? 意味を知らずに着けるわけにはいかない」
「別に・・・知らなくていいんだよ」
「だめだ!」
「大したことは書いてないよ」
ルークは、じわじわと頬を赤くしていく。
耳の先まで染まって、言葉を詰まらせているのが丸わかりだ。
俺はテーブルにリボンを置き、刺繍を指で撫でた。
不思議な文字だ。模様に見える。内緒なら余計に知りたい。こうなったら意地だ。
「なあ、何て書いてある?」
「内緒」
「内緒は困るな。護衛役として、不審な文字が入っているかもしれない」
「しつこい!」
と言葉にため息が漏れる。それはそうだろう。
俺はルークを捕まえて服を脱がせているんだから・・・
「気になるんだ。お前が選んだんだろう? 意味を教えてくれないと」
ルークが苦しそうな顔をして俺を見る。
「フェルナンド」と呼ぶ声に艶が混じる。普段ならここでルークの望みを叶えるが今日は意地悪だ。
「教えて欲しいな」声は冷静に・・・でも情熱的に体を動かす。
「大したことは・・・」
「だったら教えてもいいだろう。な?いいだろう!」と耳元で囁く。
「ルークのル。フェルナンドのフ。ね!・・・大したことじゃない・・・ね」
必死に平静さを装うのが、可愛い。ますます意地悪したくなる。
「それだけじゃないよね」
「・・・あ・・・う」
なんか今日はいつもより・・・だめだ。しっかりしろ・・・溺れるな。ちゃんと聞き出すんだ。
「教えて欲しいな」
「意地悪」と掠れた声が俺を非難する・・・おや、涙まで。
俺は涙と飲み込みむと耳元で囁く、ついでに舐めてやった。
「愛してる・・・」
「俺も愛してる」と耳から首すじ、背中を舌を這わせた。
「愛・して・る」とルークが息も絶え絶えも言った。
黙って、キスを続ける。
「だ・から・・・愛し・て・・・」と大きく仰け反った。
愛してるだと・・・俺は弾けた。その後は切れ切れにしか覚えていない。
明け方、目が覚めて・・・反省した。
風呂の用意をして・・・侍従だから。
その後、ルークから睨まれたが仕方ない。俺が悪かった。
ルークが目を覚まして、気まずそうに目を逸らす横顔を、指先でそっと撫でる。
ビルに店を教えて貰うと俺は一人で訪ねた。
ルークが注文の時に書いた見本はまだ残っていた。俺はそれを譲って貰った。お礼の金貨はとても喜ばれた。
ルークが「愛してる」と書いたんだ。誰にも渡さない。とても不思議な字。
この字がこのリボンがどれほど大切なものなのかはルークは知らない。
この想いを、誰にも渡さずに胸にしまっておく。
何があっても、俺だけのものだ。
あの時「知らなくていい」と背中を向けた気持ちごと、全部まとめて愛おしい。
俺はリボンを小さく畳んで懐に入れた。皮の袋に入れた。
「ありがとう」とは言わない。ましてあのことを話題になって出来ない。
言葉にしたら、きっとルークは恥ずかしさのあまり遠くへ逃げてしまうから。
ルークの可愛さ、ルークへの愛おしさに我を忘れたなんて絶対に言えない。
代わりに、そっと髪を梳きながら、心の奥で繰り返す。
こちらこそ、愛している。お前より、ずっと深く、高く、広く愛してる。
遠くからルークの笑い声が聞こえた。三人と一緒に帰って来たのだろう。あいつらと一緒にいるルークは本当によく笑う。
伏目がちのルークはいなくなったのだ。
部屋に戻って待っていると、ルークがただいまと笑いながら入って来た。
それから、小さな紙包みを懐から取り出した。
「これ、お土産」
取り出すと、それは細い光沢のあるリボンだ。艶のある濃い青で、端に銀糸で何かが刺繍されていた。
「これは?」
聞くと、ルークはすまし顔で答えた。
「リボンだよ。街で流行っっているんだ」
髪をまとめる・・・うん。そうだね。リボンも髪留めも持っているよ。
「これは何て書いてあるんだ?って聞いたんだ」
と聞くとルークは
「内緒」と答えた。
耳が赤くなって、顔も赤い。
「向こうの字だよ。読めなくていいんだよ」
小さな声で拗ねたように言う。
その顔が可笑しくて、つい追い打ちをかけたくなる。
「お前がわざわざ刺繍を入れたんだろう? 意味を知らずに着けるわけにはいかない」
「別に・・・知らなくていいんだよ」
「だめだ!」
「大したことは書いてないよ」
ルークは、じわじわと頬を赤くしていく。
耳の先まで染まって、言葉を詰まらせているのが丸わかりだ。
俺はテーブルにリボンを置き、刺繍を指で撫でた。
不思議な文字だ。模様に見える。内緒なら余計に知りたい。こうなったら意地だ。
「なあ、何て書いてある?」
「内緒」
「内緒は困るな。護衛役として、不審な文字が入っているかもしれない」
「しつこい!」
と言葉にため息が漏れる。それはそうだろう。
俺はルークを捕まえて服を脱がせているんだから・・・
「気になるんだ。お前が選んだんだろう? 意味を教えてくれないと」
ルークが苦しそうな顔をして俺を見る。
「フェルナンド」と呼ぶ声に艶が混じる。普段ならここでルークの望みを叶えるが今日は意地悪だ。
「教えて欲しいな」声は冷静に・・・でも情熱的に体を動かす。
「大したことは・・・」
「だったら教えてもいいだろう。な?いいだろう!」と耳元で囁く。
「ルークのル。フェルナンドのフ。ね!・・・大したことじゃない・・・ね」
必死に平静さを装うのが、可愛い。ますます意地悪したくなる。
「それだけじゃないよね」
「・・・あ・・・う」
なんか今日はいつもより・・・だめだ。しっかりしろ・・・溺れるな。ちゃんと聞き出すんだ。
「教えて欲しいな」
「意地悪」と掠れた声が俺を非難する・・・おや、涙まで。
俺は涙と飲み込みむと耳元で囁く、ついでに舐めてやった。
「愛してる・・・」
「俺も愛してる」と耳から首すじ、背中を舌を這わせた。
「愛・して・る」とルークが息も絶え絶えも言った。
黙って、キスを続ける。
「だ・から・・・愛し・て・・・」と大きく仰け反った。
愛してるだと・・・俺は弾けた。その後は切れ切れにしか覚えていない。
明け方、目が覚めて・・・反省した。
風呂の用意をして・・・侍従だから。
その後、ルークから睨まれたが仕方ない。俺が悪かった。
ルークが目を覚まして、気まずそうに目を逸らす横顔を、指先でそっと撫でる。
ビルに店を教えて貰うと俺は一人で訪ねた。
ルークが注文の時に書いた見本はまだ残っていた。俺はそれを譲って貰った。お礼の金貨はとても喜ばれた。
ルークが「愛してる」と書いたんだ。誰にも渡さない。とても不思議な字。
この字がこのリボンがどれほど大切なものなのかはルークは知らない。
この想いを、誰にも渡さずに胸にしまっておく。
何があっても、俺だけのものだ。
あの時「知らなくていい」と背中を向けた気持ちごと、全部まとめて愛おしい。
俺はリボンを小さく畳んで懐に入れた。皮の袋に入れた。
「ありがとう」とは言わない。ましてあのことを話題になって出来ない。
言葉にしたら、きっとルークは恥ずかしさのあまり遠くへ逃げてしまうから。
ルークの可愛さ、ルークへの愛おしさに我を忘れたなんて絶対に言えない。
代わりに、そっと髪を梳きながら、心の奥で繰り返す。
こちらこそ、愛している。お前より、ずっと深く、高く、広く愛してる。
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