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第7話 アリスが話したこと
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「わたくしはリーブル王国の王太子の婚約者です。いえ、でした。この状態ですので婚約はなくなっていると思いますので。わたくしは死んだと思われていると」
「そうなんですか?理由ありだと思ってましたが、そこまでとは・・・アリスを見つけた状況が状況ですので・・・あっ・・・どうぞ続けて下さい」とアレクが言うとアリスは
「あの日のことを話します。あの日はピクニックと言いまして王室主催の親睦会ですね。でも貴族のことですので上位貴族の大半がどこかでつながりますし、国王夫妻の学院の同級生が来たりしますので、参加条件はかなりゆるいですし集まりその物もゆるいです。
本来の主旨は炊き出しの練習。いざという時に迅速に炊き出しをして民を安心させ励まそうと言う炊き出しの練習です。それで主催は四公爵家が交代でやります。今年はスぺーダ公爵家でしたが、王妃殿下に泣きついて・・・相談して・・・まぁわたくしが裏方で手伝うことになりました。
わたくしはと言えば、子供の頃はともかく、ずっと留守番で今回が殆ど初めての参加です。まぁ準備はずっとわたくしがやってましたので・・・つまりある年は国王がこっそり頼んでくる。次の年は宰相が・・・王太子殿下が頼んで来たこともありました・・・片付けもわたくしがやってました」
アリスの声は少し震え・・・堪えきれない涙があふれたが、二人は黙ってアリスが落ち着くのを待った。
「ピクニックは炊き出しの練習ですので、汁物を大鍋で作ります。スープ?シチュー?もちろんわたくしにその役目が押し付けられました。厨房で練習して・・・厨房で働くものとはそれなりに親しいので練習させてもらえました。会場でもバーベキューをしますのでお城の厨房が協力してくれます。本当は公爵家の厨房のものがやらなくてはいけないのですが・・・
わたくしはスープをかき混ぜまして、カップに一杯貰って飲みました。
バーベキューはそれなりに楽しみにしておりました。子供の頃もほとんど食べたことがないのです。いい匂いもしてまして・・・ですけど食べる暇がないんです。迷子が出たとか・・・転んで泣いたとか・・・使用人もいるんですよ。親もいるんですよ。主催者もいるんですよ。しまいにはブランコで怪我した。責任を取れとか。その最中に雨が・・・冷たい風が吹いた時点ですぐに馬車に乗るように大声で知らせました。幸い従ってくれまして全員、避難しました。そして置いていかれました。
わざとだとは思いませんが・・・忘れられました。行きは家族と同じ馬車に乗りました。わたしの家は兄、わたくし、妹と両親の五人家族ですが、わたくしは、ほとんど王宮にいますので家族は四人家族・・・行きもわたくしがいるせいで馬車が狭いと文句を言われました」
アリスは泣き出し、話は中断した。
「あの雨であたりは夜のように暗くなりました。わたくしは怒りに任せて歩きました。どちらに向かっているかも気にしませんでした」
ここでアリスはお茶を飲んでしばらく海に目をやって黙っていた。それから
「アレク様がそのわたくしを見つけて下さったのですね。ありがとうございます。見つけてからのことを教えて貰っていいですか?」
「そうなんですか?理由ありだと思ってましたが、そこまでとは・・・アリスを見つけた状況が状況ですので・・・あっ・・・どうぞ続けて下さい」とアレクが言うとアリスは
「あの日のことを話します。あの日はピクニックと言いまして王室主催の親睦会ですね。でも貴族のことですので上位貴族の大半がどこかでつながりますし、国王夫妻の学院の同級生が来たりしますので、参加条件はかなりゆるいですし集まりその物もゆるいです。
本来の主旨は炊き出しの練習。いざという時に迅速に炊き出しをして民を安心させ励まそうと言う炊き出しの練習です。それで主催は四公爵家が交代でやります。今年はスぺーダ公爵家でしたが、王妃殿下に泣きついて・・・相談して・・・まぁわたくしが裏方で手伝うことになりました。
わたくしはと言えば、子供の頃はともかく、ずっと留守番で今回が殆ど初めての参加です。まぁ準備はずっとわたくしがやってましたので・・・つまりある年は国王がこっそり頼んでくる。次の年は宰相が・・・王太子殿下が頼んで来たこともありました・・・片付けもわたくしがやってました」
アリスの声は少し震え・・・堪えきれない涙があふれたが、二人は黙ってアリスが落ち着くのを待った。
「ピクニックは炊き出しの練習ですので、汁物を大鍋で作ります。スープ?シチュー?もちろんわたくしにその役目が押し付けられました。厨房で練習して・・・厨房で働くものとはそれなりに親しいので練習させてもらえました。会場でもバーベキューをしますのでお城の厨房が協力してくれます。本当は公爵家の厨房のものがやらなくてはいけないのですが・・・
わたくしはスープをかき混ぜまして、カップに一杯貰って飲みました。
バーベキューはそれなりに楽しみにしておりました。子供の頃もほとんど食べたことがないのです。いい匂いもしてまして・・・ですけど食べる暇がないんです。迷子が出たとか・・・転んで泣いたとか・・・使用人もいるんですよ。親もいるんですよ。主催者もいるんですよ。しまいにはブランコで怪我した。責任を取れとか。その最中に雨が・・・冷たい風が吹いた時点ですぐに馬車に乗るように大声で知らせました。幸い従ってくれまして全員、避難しました。そして置いていかれました。
わざとだとは思いませんが・・・忘れられました。行きは家族と同じ馬車に乗りました。わたしの家は兄、わたくし、妹と両親の五人家族ですが、わたくしは、ほとんど王宮にいますので家族は四人家族・・・行きもわたくしがいるせいで馬車が狭いと文句を言われました」
アリスは泣き出し、話は中断した。
「あの雨であたりは夜のように暗くなりました。わたくしは怒りに任せて歩きました。どちらに向かっているかも気にしませんでした」
ここでアリスはお茶を飲んでしばらく海に目をやって黙っていた。それから
「アレク様がそのわたくしを見つけて下さったのですね。ありがとうございます。見つけてからのことを教えて貰っていいですか?」
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