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第24話 え?知ってるの
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帰りは馬を飛ばして港に着くのは早かった。
ラズベリーが船でアリスの手入れをするというので化粧品をたくさん買い込んだ。
服も買いたかったが、アリスがいらないというので我慢した。店ごとだって買ってやるのにとアレクが、がっかりしていると
「国に戻って注文すればいいだろう。似合いそうなやつとか、お前の色のやつとか」とデイビスが慰めた。
夕食はまた海のものを食べようと出かけた。
今回は少し冒険してアレクは生魚のカルパッチョを頼んだ。
「これ、好きです」と白身の魚の薄切りを見てアリスはそう言った。
「この辛口の白ワインもいい選択ですね」と笑うアリスに驚いて
「生魚を食べるとは、なかなかだね」とアレクが言うと
「わたくし、お刺身好きですよ。米で作ったお酒と一緒に食べると最高です」とアリスはさらりと言った。アリスの返事を聞いてデイビスが
「刺身? 食べた?」と言うと
「はい、海の一族との会食に出席してましたので」とあっさり答えた。
『海の一族』『会食』と二人は重大な情報を得たと理解したが、興奮を押さえて
「へーー会食って?」と相槌を打った。
「本当は王妃が出るんですよ。王妃殿下はわたくしの伯母様ですけど、父の姉ですので・・・会食はとても大事な公務らしく、今後の為にってわたくしを連れて行ったんですが、途中で王妃は体調を崩してわたくしが一人で出席したんです。そして伯母が姪を派遣したって説明したら歓迎してくれて・・・
以来ずっとわたくしが出席してます。伯母は途中までは来ますけど・・・毎回体調が悪くなります。多分刺身がいやなんでしょうね。
刺身以外も美味しいものが出るんですよ。焼き魚、煮魚、茶碗蒸し、美味しいですよ。キッシュとは違う美味しさです。お酒も美味しいし。お米の料理もいいですよ。たくさん食べられないのを理解してくれるから、一口ずつ食べてました。
お米のお酒以外に梅のお酒もいけますよ。
これからあの会食に行けなくなるのは、寂しいですね」とカルパッチョを食べて白ワインを飲みながら、アリスは言った。
『ほんとに拾いものだ』と二人は思った。
その後の料理も美味しそうに食べて、デザートのリンゴのゼリーを食べ終わるとアリスは
「美味しかった」と息を吐いた。
宿に戻って二人はまた話し合った。
「いやぁ参ったな。アリスの価値が上がってしまった」と嘆くアレクに
「アリスがいればあの国いらないね」とデイビスが返した。
「いや、あの国は滅ぼせないよ。アリスが目立ってしまう」
「そうだな・・・」とデイビスが呆れた声で言った。
帰りの船では髪や肌の手入れの合間にアリスは本を読み、ビザン帝国で気がついたことをまとめた報告書を書いて過ごした。
アレクとしてはアリスがなにを気にして、どんなことを考えたのか知りたい。それを大げさに仕事だと言ったわけだが
「アリス、ちょっといいか?」とアレクは前日にアリスが提出した報告書を持ってやって来た。
そこにはラズベリーがいて
「ですから、買っていただけば良かったんです」と言っていた。
「だって、背が伸びるって信じられなかったんですもの」とアリスが言っていた。
アリスはあのピンクの服を着ていた。
「背が伸びて丈が短くなって」と言いながらラズベリーは裾を調べて
「少し、伸ばしましょう。他のものも調べなくては」と言った。
アレクはそれを聞いて
「やっぱり、そうかなと思ったんだ。だから買おうって言ったんだ」と言ったが、ラズベリーに睨まれて
「いや、なんとなくね。伸びたかなって」と笑って誤魔化した。
「でもラズベリー、もうすぐ十八よ。伸びると思わないでしょ」とアリスが言うと
「伸びる機会がなかったから伸びなかったんですよ」とラズベリーが言い切った。
「降りたらすぐに買いに行こう。ラズベリー手間をかけなくていいぞ」とアレクは言ったがラズベリーは服を全部持って出て行った。
「ビザンの服が好きなのに。流行ればいいな」とアリスは言って
「あれ?アレク様、御用ですか?」と聞いた。
「あぁこの報告書のことで」とアレクはそれを見せながら
「このビザン帝国は自らが外に出るのではなく、外からの人や物を受け入れて良さを吸収して発展して来たように思えるってところどうしてこう考えたの?」
「深く考えたわけではないですが、ビザンって国内にすべてそろっているでしょう。わざわざ外にでなくても手に入る。国は広く豊か。万が一港が封鎖されてもビザンは困らない。そういったところから、連想しての感想です。外国からの商人も多かったし、多分留学生も多いのでは? いや、恥ずかしいです。深く考えてる人から見たら・・・それに旅行中、国の人が親切でした。親切だけど外国の人は可哀想だな。って思われているようにも感じました。船に乗って国をでようとするのを気の毒がられているような・・・確かに全部ある国ですが、ここに住んでるだけの人がそういう考えになるも奇妙だと感じました・・・いろんな纏まらない考えを無理にまとめたのがそれです。文才がなくて・・・」
「なるほど。アリス。やっぱり君を雇ってよかった」とアレクは言うと
「邪魔して悪かった。いい報告だ。ありがとう」と出て行った。
ラズベリーが船でアリスの手入れをするというので化粧品をたくさん買い込んだ。
服も買いたかったが、アリスがいらないというので我慢した。店ごとだって買ってやるのにとアレクが、がっかりしていると
「国に戻って注文すればいいだろう。似合いそうなやつとか、お前の色のやつとか」とデイビスが慰めた。
夕食はまた海のものを食べようと出かけた。
今回は少し冒険してアレクは生魚のカルパッチョを頼んだ。
「これ、好きです」と白身の魚の薄切りを見てアリスはそう言った。
「この辛口の白ワインもいい選択ですね」と笑うアリスに驚いて
「生魚を食べるとは、なかなかだね」とアレクが言うと
「わたくし、お刺身好きですよ。米で作ったお酒と一緒に食べると最高です」とアリスはさらりと言った。アリスの返事を聞いてデイビスが
「刺身? 食べた?」と言うと
「はい、海の一族との会食に出席してましたので」とあっさり答えた。
『海の一族』『会食』と二人は重大な情報を得たと理解したが、興奮を押さえて
「へーー会食って?」と相槌を打った。
「本当は王妃が出るんですよ。王妃殿下はわたくしの伯母様ですけど、父の姉ですので・・・会食はとても大事な公務らしく、今後の為にってわたくしを連れて行ったんですが、途中で王妃は体調を崩してわたくしが一人で出席したんです。そして伯母が姪を派遣したって説明したら歓迎してくれて・・・
以来ずっとわたくしが出席してます。伯母は途中までは来ますけど・・・毎回体調が悪くなります。多分刺身がいやなんでしょうね。
刺身以外も美味しいものが出るんですよ。焼き魚、煮魚、茶碗蒸し、美味しいですよ。キッシュとは違う美味しさです。お酒も美味しいし。お米の料理もいいですよ。たくさん食べられないのを理解してくれるから、一口ずつ食べてました。
お米のお酒以外に梅のお酒もいけますよ。
これからあの会食に行けなくなるのは、寂しいですね」とカルパッチョを食べて白ワインを飲みながら、アリスは言った。
『ほんとに拾いものだ』と二人は思った。
その後の料理も美味しそうに食べて、デザートのリンゴのゼリーを食べ終わるとアリスは
「美味しかった」と息を吐いた。
宿に戻って二人はまた話し合った。
「いやぁ参ったな。アリスの価値が上がってしまった」と嘆くアレクに
「アリスがいればあの国いらないね」とデイビスが返した。
「いや、あの国は滅ぼせないよ。アリスが目立ってしまう」
「そうだな・・・」とデイビスが呆れた声で言った。
帰りの船では髪や肌の手入れの合間にアリスは本を読み、ビザン帝国で気がついたことをまとめた報告書を書いて過ごした。
アレクとしてはアリスがなにを気にして、どんなことを考えたのか知りたい。それを大げさに仕事だと言ったわけだが
「アリス、ちょっといいか?」とアレクは前日にアリスが提出した報告書を持ってやって来た。
そこにはラズベリーがいて
「ですから、買っていただけば良かったんです」と言っていた。
「だって、背が伸びるって信じられなかったんですもの」とアリスが言っていた。
アリスはあのピンクの服を着ていた。
「背が伸びて丈が短くなって」と言いながらラズベリーは裾を調べて
「少し、伸ばしましょう。他のものも調べなくては」と言った。
アレクはそれを聞いて
「やっぱり、そうかなと思ったんだ。だから買おうって言ったんだ」と言ったが、ラズベリーに睨まれて
「いや、なんとなくね。伸びたかなって」と笑って誤魔化した。
「でもラズベリー、もうすぐ十八よ。伸びると思わないでしょ」とアリスが言うと
「伸びる機会がなかったから伸びなかったんですよ」とラズベリーが言い切った。
「降りたらすぐに買いに行こう。ラズベリー手間をかけなくていいぞ」とアレクは言ったがラズベリーは服を全部持って出て行った。
「ビザンの服が好きなのに。流行ればいいな」とアリスは言って
「あれ?アレク様、御用ですか?」と聞いた。
「あぁこの報告書のことで」とアレクはそれを見せながら
「このビザン帝国は自らが外に出るのではなく、外からの人や物を受け入れて良さを吸収して発展して来たように思えるってところどうしてこう考えたの?」
「深く考えたわけではないですが、ビザンって国内にすべてそろっているでしょう。わざわざ外にでなくても手に入る。国は広く豊か。万が一港が封鎖されてもビザンは困らない。そういったところから、連想しての感想です。外国からの商人も多かったし、多分留学生も多いのでは? いや、恥ずかしいです。深く考えてる人から見たら・・・それに旅行中、国の人が親切でした。親切だけど外国の人は可哀想だな。って思われているようにも感じました。船に乗って国をでようとするのを気の毒がられているような・・・確かに全部ある国ですが、ここに住んでるだけの人がそういう考えになるも奇妙だと感じました・・・いろんな纏まらない考えを無理にまとめたのがそれです。文才がなくて・・・」
「なるほど。アリス。やっぱり君を雇ってよかった」とアレクは言うと
「邪魔して悪かった。いい報告だ。ありがとう」と出て行った。
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