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第二章 奪ってやる

10 証言者・・・その人たちは警官

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「そうなんですね。よくわかりますが、これも規則でね」と警官はカイルの怒号に動じずに続けた。

その時ドアが開いた。三人がそちらを見るとミリアムが立っていた。

カイルはすぐに立ち上がると

「リア、無理しちゃいけません。頭痛がずっとひどかったでしょ」

「さっきクスリ飲んだから平気よ。何度もいらして貰うのは申し訳ないし、明日より今日のほうがよく覚えてるし」と冗談めかして言った。

「頭痛がひどいとは?」

「えぇそこにある頭痛薬を飲めば楽になるけど・・・ちょっと飲みすぎてるわね」

「そうですよ。ケティに当てられたんですよ」とカイルが怒りの滲んだ声で言うと

「死んだ人を悪く言うのはいけないわ」とミリアムは咎めるように言うと椅子に座った。


「どうぞ、なんでも答えるわ」と二人に微笑みかけた。

「ケティさんを見てどう思いましたか?」

「嫌いだと思いました」

「なるほど」と一人が言うともう一人が

「殺されたと聞いた時は?」

「驚きました・・・・いえ・・・またかと思いました・・・・殺されたのはサミエルについで二番目ですが・・・・・どうやって殺されたんですか?その死は三回目です。そういえばサミエルの犯人は?」

「まだ、見つかりません。ケティさんは毒で死にました」

「・・・・そうなんですか?」とミリアムは少し涙ぐんだ。

「奥様がお茶をいれたと聞きましたが」

「あぁあの日はね、カイルが庭を見せに行ったから、わたくしが準備したのよ・・・・それがお腹が痛いとか」

「でもすぐに回復しました。自動車のなかではケラケラ元気でした」とカイルが早口で言うと

「本当?・・・・なら良いけど・・・・・わたくしその・・・・なにも・・・」

「お茶が原因というのはないですね。毒はワインにはいってました」と警官が言うと

「ワイン・・・・・・あら・・・・」と緊張が解けてほっとしたようだった。

「あのへんの人がよく飲む安酒です」と警官が言うと

「はー、そうなんですか・・・・それは」とため息をついた。

警官は目で合図しあうと

「ありがとうございます。ご協力助かりました」と立ち上がった。

ミリアムも立ち上がり

「捜査関係者ってとても頼りになる方たちですね。心強いですわ」

「お送りします」とカイルがドアを開けると二人は

「ご協力ありがとうございました」ミリアムに頭を下げた。


門まで歩きながらカイルが二人に

「ミリアムは一杯ひっかけてました」と教えると三人は少し笑った。

「ちょっと旅行に行こうとおもいますが、留守にしても良いですか?」

「大丈夫です。この訪問も形式的な物ですし」

「わかりました。三人目はちょっとわたしでも、いろいろと」とカイルが言うのを二人はもっともだとうなづきながら聞いた。


警官の車をカイルは「お疲れ様」と見送った。

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