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色あせた日々
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日はとっぷりと暮れていた。にぶく痛む腰をかばいながら家に向かう。家に戻ると家族は夕食を済ませており、わずかなスープと洗い物が待っていた。
なんとか片付けてベッドに横になった。目を閉じたらもう朝だった。今日の当番はわたしじゃない、もう少しベッドにいようと目を閉じた。
激しいノックの音で目が覚めた。
「マリア居るんでしょ。悪いけど今日変わってくれない?どうしても離せない用事があるの」とデイジーの声がそう言っている。
『無理だ。今日は休みたい』わたしは返事をしなかった。
ノックの音は止むことなく続く。
「マリア。たまにはいいでしょ。変わってよ。次はわたしがするから」
『約束守った事ないじゃない』
「お姉さま。起きてるんでしょ。出て来てよ」と妹のメラニーの声も重なった。
「時間がないからもう行くわ」とデイジーが続けた所で仕方なくドアを開けて
「無理よ、昨日も一昨日もその前もわたしが行ったの今日は休みたいわ」
「それってわたしじゃないでしょ。わたしは今日、頼んでるの。お祖父様を見捨てるなんてひどい」
「そうよお姉さま、ひどいわ」
『どうして悪者がわたしなの』
「じゃあ行くわね」とデイジーは走って家を出て行った。
「まかせてお姉さまを行かせるから」とメラニーが手を振っている。
痛みを増した腰を抑えながらわたしは見送った。
「お姉さま、婚約者の家を助けるのは当たり前です。そんな機会を与えてもらえるのを感謝しないといけません。さっグズグズしないで」と言いながら、メラニーはわたしの腰を叩いた。
『うーーーーー』声も出ない痛みにわたしはうづくまった。
「お姉さま、大げさですわ」と笑いながらメラニーも出かけて行った。
わたし、マリア・ホワイトはショーン・シリアスと婚約している。
シリアス家は我が家の近所で、両家の子供はいわゆる幼馴染だ。シリアス家は小間物を扱う小さな商店だったが時代に乗って商売を大きくして、このあたりで最大の商店になっている。
我が家はこのあたりの領主の分家の分家で領主の仕事を手伝っていたが、領主制度が廃止されたおり、わずかばかりの農地をもらった。
それを貸したり、作ったものを売ったりしてなんとか、やっていっている。
わたしは学校の成績がよかったので、もと領主の家で働くよう推薦されたのだがシリウス家の婚約の申し込みを親が受けたので、辞退してシリウス家の手伝いをするようになった。
シリウス家はショーンの姉のデイジー、ショーンの妹のマギーと子供が三人。ホワイト家はわたしと妹のメラニーの二人姉妹だ。
わたしとショーンはデイジーの結婚式が終わったら結婚する予定だったが、デイジーの婚約が破棄された。
デイジーのお相手はうちとおなじく領主の分家で、そこの三男だったがこの時代のせいで土地をわけてもらえなかった。それを聞いた途端にデイジーが婚約破棄を申し出たのだ。
わたしは内心惜しいなと思ったが、わたしの意見なんかだれも聞かないのでなにも言わなかった。
そのため、わたしたちの結婚は無期延期となったのだ。わたしは婚約者だからと給料なしで商店の帳簿をつけたり、届いた商品を整理したりして働いている。
ショーンはかろうじて店に顔を出すが、デイジーもマギーも顔はださない。だけど給料は払っている。
ホワイト家ではわたしは嫁に行ったとみなされ、食事の用意がない。子供の頃から両親はメラニーを優先していたので、いまさらだが・・・・
自分の部屋がありベッドがあるだけで充分だし・・・・食事も残り物が鍋に残っているだけで生きていける・・・・
腰の痛みに耐えながらわたしはそう思ってじっとしていた。
やがて痛みが治まって来て、わたしはよろよろ立ち上がるとのろのろ着替えた。
お祖父様の所に行かないと・・・・・わたしが行かなければ誰も行かないから・・・・・
なんとか片付けてベッドに横になった。目を閉じたらもう朝だった。今日の当番はわたしじゃない、もう少しベッドにいようと目を閉じた。
激しいノックの音で目が覚めた。
「マリア居るんでしょ。悪いけど今日変わってくれない?どうしても離せない用事があるの」とデイジーの声がそう言っている。
『無理だ。今日は休みたい』わたしは返事をしなかった。
ノックの音は止むことなく続く。
「マリア。たまにはいいでしょ。変わってよ。次はわたしがするから」
『約束守った事ないじゃない』
「お姉さま。起きてるんでしょ。出て来てよ」と妹のメラニーの声も重なった。
「時間がないからもう行くわ」とデイジーが続けた所で仕方なくドアを開けて
「無理よ、昨日も一昨日もその前もわたしが行ったの今日は休みたいわ」
「それってわたしじゃないでしょ。わたしは今日、頼んでるの。お祖父様を見捨てるなんてひどい」
「そうよお姉さま、ひどいわ」
『どうして悪者がわたしなの』
「じゃあ行くわね」とデイジーは走って家を出て行った。
「まかせてお姉さまを行かせるから」とメラニーが手を振っている。
痛みを増した腰を抑えながらわたしは見送った。
「お姉さま、婚約者の家を助けるのは当たり前です。そんな機会を与えてもらえるのを感謝しないといけません。さっグズグズしないで」と言いながら、メラニーはわたしの腰を叩いた。
『うーーーーー』声も出ない痛みにわたしはうづくまった。
「お姉さま、大げさですわ」と笑いながらメラニーも出かけて行った。
わたし、マリア・ホワイトはショーン・シリアスと婚約している。
シリアス家は我が家の近所で、両家の子供はいわゆる幼馴染だ。シリアス家は小間物を扱う小さな商店だったが時代に乗って商売を大きくして、このあたりで最大の商店になっている。
我が家はこのあたりの領主の分家の分家で領主の仕事を手伝っていたが、領主制度が廃止されたおり、わずかばかりの農地をもらった。
それを貸したり、作ったものを売ったりしてなんとか、やっていっている。
わたしは学校の成績がよかったので、もと領主の家で働くよう推薦されたのだがシリウス家の婚約の申し込みを親が受けたので、辞退してシリウス家の手伝いをするようになった。
シリウス家はショーンの姉のデイジー、ショーンの妹のマギーと子供が三人。ホワイト家はわたしと妹のメラニーの二人姉妹だ。
わたしとショーンはデイジーの結婚式が終わったら結婚する予定だったが、デイジーの婚約が破棄された。
デイジーのお相手はうちとおなじく領主の分家で、そこの三男だったがこの時代のせいで土地をわけてもらえなかった。それを聞いた途端にデイジーが婚約破棄を申し出たのだ。
わたしは内心惜しいなと思ったが、わたしの意見なんかだれも聞かないのでなにも言わなかった。
そのため、わたしたちの結婚は無期延期となったのだ。わたしは婚約者だからと給料なしで商店の帳簿をつけたり、届いた商品を整理したりして働いている。
ショーンはかろうじて店に顔を出すが、デイジーもマギーも顔はださない。だけど給料は払っている。
ホワイト家ではわたしは嫁に行ったとみなされ、食事の用意がない。子供の頃から両親はメラニーを優先していたので、いまさらだが・・・・
自分の部屋がありベッドがあるだけで充分だし・・・・食事も残り物が鍋に残っているだけで生きていける・・・・
腰の痛みに耐えながらわたしはそう思ってじっとしていた。
やがて痛みが治まって来て、わたしはよろよろ立ち上がるとのろのろ着替えた。
お祖父様の所に行かないと・・・・・わたしが行かなければ誰も行かないから・・・・・
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