ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第2話 ステータス改変開始!

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 どこをどう見ても最悪な状況で、修斗しゅうとはスキルを使用する。

 ステータス
 名前:なし
 年齢:0歳
 HP:1
 MP:0
 力強さ:1
 知 力:1
 防御力:1
 素早さ:1
 魅 力:1
 状態:麻薬による中毒状態(徐々に体力低下)
    捨て子
   
 スキル:ステータス改変

 まずは状態を改変し、母親から受け継いだ麻薬中毒を削除する。
 続いてHPを100に上げ、直ぐに死にそうな状態を無くす。
 そして目が見えないこの状況で、さらには捨て子という状態では、いつ何時襲われるかもしれない。

 改変した時の影響を恐れてか、年齢を1ずつ上げて行き、1歳で目が見え、2歳で歩き言葉を話せるようになり、それ以降は単純に体の成長が進んだ。

 ステータス
 名前:なし
 年齢:10歳
 HP:111
 MP:10
 力強さ:11
 知 力:11
 防御力:11
 素早さ:11
 魅 力:11
 状態:捨て子
   
 スキル:ステータス改変

 10歳まで年齢を上げるとやっと落ち着いたようで、周囲を見る余裕が出来た。
 どうやら年齢を1つ重ねるごとに、ステータスは1上がる様だ。
 もっともステータス改変が出来る修斗には、意味のない知識だが。

「さてっと、10歳まで上げると流石に安心できるな。それにしてもあの売女《ばいた》め、俺様を生んですぐに捨てるとはいい度胸だ。今度会ったら覚えておけよ」

 ふと、状態:捨て子が目に入る。

「あんな女の子供だなんて汚らわしい。抹消だ、抹消!」

 捨て子を消そうとするが、なぜか消すことが出来ない。

「なんでだ!? クソッ! あのアマ、絶対に殺してやる」

 とはいえ、母親の顔は分からないので、出会ったとしても気付かないだろう。
 周囲を見回しているが、どうやらここはスラム街の家、屋根が半分崩壊し、雨すらしのげない上、壁も穴だらけで非常に風通しが良い。

「おっと、俺は裸じゃないか。何か着る物はないかな」

 残念ながら、どこを探してもこの家には服になりそうな物は無く、あるのは腐った木と虫の死骸、崩れたレンガくらいだ。

「せめて布切れでもないと、外を歩くのは嫌だな」

 どこが出入り口か分からないが、通れそうな場所から顔だけ出して外の様子を見ると、近くには数名の浮浪者が寝ている。
 そして、浮浪者はボロではあるが、布をまとっている。

「アレをもらおう」

 ステータスを表示させ、適当に数値を変えていく。

 ステータス
 名前:なし
 年齢:10歳
 HP:11100
 MP:1000
 力強さ:1100
 知 力:1100
 防御力:1100
 素早さ:1100
 魅 力:1100
 状態:捨て子
   
 スキル:ステータス改変

 本当に適当に、ゼロを2つ追加しただけだった。
 ちなみにこの世界の熟練戦士のHPは1000前後、力強さは200ほどだ。
 10歳の子供、120センチメートル程度の身長しかなく、体つきも子供そのものでこの数値は、バケモノといって良い。

 抵抗する浮浪者を力づくで押さえつけ、無言で布を剥ぎ取ると体に巻き付けた。
 
「ん? 俺は髪が長いのか。って、10歳まで伸び放題だからか」

 黒い髪は腰まで伸びており、手入れがされていないためボサボサになっている。
 顔も髪で隠されて良く見えない。

「さてっと、まずはこの格好を何とかしないとな。スラム街って店あるのか? あっても金が無いな。スラムで金がある場所……アレか。場所はどこだろ」

 他の浮浪者の元へ行き、情報を引き出そうとするが……。

「おい、スラムの元締めはどこに居る? いるんだろ? ヤクザとかマフィアみたいなのが」

 頭を掴んで持ち上げるが、叫び声を上げるが一向に話そうとはしない。
 いや、実は喋っているのだ。

「もしもーし、ちっ、プー太郎は言葉も通じないのかよ」

 浮浪者を横に投げ捨てると、浮浪者は指笛を鳴らしながら走り、どこかへと逃げて行った。
 まるでどこかの誰かに合図を送るように。

「どうすっかな。このままじゃ、お姫様や貴族の娘をはべらすのに時間がかかり過ぎるな。適当に暴れたら出てくるか?」

 そういってステータスの改変を始める

 ステータス
 名前:なし
 年齢:10歳
 HP:1110000
 MP:20000
 力強さ:110000
 知 力:110000
 防御力:110000
 素早さ:110000
 魅 力:110000
 状 態:捨て子
 スキル:ステータス改変
 
 相変わらず適当にゼロを2つ追加しただけだった。
 ちなみにこのステータスだと、魔王をデコピンで倒せる強さだ。
 剣も魔法も通じない。

 適当に歩きながら建物を拳で破壊し、叫びながらスラムをうねり歩いている。
 パンチ、キック、体当たりなど、何も考えずに破壊してまわり、進む先に建物があっても問答無用で破壊し突き進む。

 そしてようやく、望みのイベントが発生する。

「ナウロダンルイテキ、デハゴクカハニラカタシデマコソ! エマオイオ!」

 チンピラが叫んでいるが、何を言っているのか分からない。
 そう、修斗は日本語は喋れるが、この世界の言葉は理解できないのだ。
 やっと理解した修斗は、面倒になりチンピラに殴り掛かった。

 が、当然デコピンで魔王を倒せる力があるため、チンピラは腹に大きな穴が開き、腰から肩までが消失、剣を構える事すらなく絶命する。
 チンピラが地面に落ちると同時に、どこに隠れていたのか沢山の男たちがあちこちから現れ、問答無用で修斗に襲い掛かる。

 剣を突き立てるが刺さらず、斬りつけても皮一枚切れず、巨大なハンマーで潰そうとしてもはじき返される。
 しかし一向に動こうとしない修斗。
 修斗は……口の両端を吊り上げ、不気味にニヤけていた。

「俺……Tueee! ……ひ、ひっひっひっひ、俺、最強じゃん。人殺すのってきんもちぃいい!」

 虐殺が始まった。

 軽くジャンプして1人の顔面を掴み、握りつぶす。しかし手が小さいため目と鼻をえぐっただけだ。顔が無くなり暴れる男の腕をつかむと、何度も何度も地面に叩きつけ、原型を留めなくなりやっと捨てた。

 次は自分に向けられた剣を奪い、近くにいる男の足に突き刺す。
 切れ味の悪い剣をノコギリのように前後に動かし、足を縦に、薄くスライスする。
 
 3人が殺された時点で、チンピラは剣を振るうのを止め、殺された3人を呆然と眺めている。
 ミンチ、スライス、パンチで体の半分が消失……子供だと思っていたら、とんでもない化け物だったのだ、戦意を喪失しない方がおかしい。
 
 そして次にとる行動は、修斗の望むモノだった。
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