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第43話 依頼荒らし
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空間魔法で移動した場所、遺跡の地図作成だが、コレは時間をかけるつもりはなのでスキルで地図を作製した。
そして一応確認の為に遺跡に入ったが、地図は完璧であり、全ての情報が書き示されたいるようだ。
「流石に今日は疲れたな。もう夜になった事だし、今日はこれで終わるとしよう」
空間魔法でギルドに移動し、報告をしてザナドゥ王国へと戻る事にした。
ちなみにギルドで報告をした際、受付嬢はもちろん、周りの冒険者までもが諦めたような顔をしていたのは言うまでもない。
「あ! お帰りシュウト!」
「お帰りなさいませシュウト様!」
「お帰りなさいシュウトさん」
屋敷に戻るとパメラ・バーバラ・キャロラインの3人が出迎えた。
少々疲れた顔をしている修斗を気遣おうかとも考えた様だが、ヘタに声をかけると機嫌を損ねてしまうため、口ではなく行動で案じる事にした様だ。
左右からそっと修斗に寄り添い、まずは食事をと食堂に案内する。
「オークターガースに行ってきたんだろう? どうだったんだい? ギルドの連中は」
「頭が固い気もするが、しょせんは下っ端だ、勝手な判断は出来ないんだろう」
温かい食事を取りながら、今日の出来事を話している。
普段修斗はこんな会話はしない。
それだけ肉体的・精神的に疲れている証拠だろう。
だが疲れているからと夜が終わる事は無かった。
パメラ達3人と、新しい重鎮の3人に加え、気に入った女を数名連れての乱交パーティーは朝まで続いた。
そして次の朝、修斗は昨日とは別の、もう一つ先の街へと移動した。
あそこにはめぼしい依頼が無かったので、他の街を順番に回って依頼を受けようという魂胆だ。
次の街ではいきなり現れたBランク冒険者の修斗に戸惑っていたが、冒険者タグは本物だったので依頼をいくつか受ける事が出来た。
討伐3つに調査が3つ。
これで合計15個の依頼を受けた事になるが、まだ半分にも満たない。
なので日替わりで街を回り、Bランクの依頼を受けまくった事から、妙な二つ名が付いてしまった。
【依頼荒らしのシュウト】と。
しかし実際の所は討伐依頼というのは敬遠されがちで、長期間放置されることもある依頼の類だ。
危険を冒すよりも、護衛や調査依頼を受けた方が安全であり、成功報酬も高いからだ。全く依頼が無ければ受けるだろうが、そうでなければ最後まで残っている。
そしていくつもの街を渡り歩き、ようやくBランクの依頼を30個達成する事が出来た。
「まだ足りないな。Bランクの依頼はこんなに少ないのか」
次の街に移動してギルドの掲示板を見ているが、Bランクの依頼が1つもない。
一番最初の街が一番Bランクの依頼が多く、他の街では平均すると3~4しか張られていなかった。
受付嬢に話を聞いた所、Bランクというのは中途半端な立場で、難易度の高い物を回す事が出来ず、かといって簡単な物は回せない。そんなランクのようだ。
「Aランクの依頼を受けられればいいんだが、AはAで全然ないな」
そうなのだ。Aランクの依頼はほぼ貼られていない。
Aランク冒険者は152名しかおらず、ほぼすべてが縄張りの様なものが決まっている。なので難易度の高い依頼は冒険者を指名されるので、掲示板に張り出されることはほぼ無い。
「しょうがない、次の街に行くか」
ギルドのドアを開けて出ようとした時、後ろから声をかけられた。
「しゅしゅしゅ、しゅーちょしゃん! あ、あれ? しゅー、しゅーしょしゃん!」
シュウトと言おうとしているようだが、緊張しているのか噛みまくっている。
恐らくは自分の事であろうと思い、修斗は立ち止まって振り返る。
そこには10代前半の少女がオロオロしながら修斗を見つめていた。
少女は冒険者に見えるが、恐らくはEかDランク。良くてもCランクだろう。
栗色のまっすぐ伸びた髪、クリクリの眼は泳いでいるが必死に修斗を見ようとしている。まだあどけなさの残る顔つきだが、唇の隅には斜めに斬られた傷跡が残っている。
紺色でスカートの短いワンピース、首には赤くて長いスカーフを巻きつけ、白いマントにも見える長いコートをはおり、膝の上まである長いブーツを履いている。
「俺の事か?」
少々不機嫌そうに声をかけると、少女はビクリと身を縮こまらせ、うつ向いてしまった。
冒険者……だと思うが、あまりにも気が小さすぎるようだ。
「しゅしゅしゅしゅしゅしゅーとちゃん!」
「誰がちゃんだ? おいこのクソガキが、殺すぞ」
首を掴んで持ち上げると、少女は目をつむり咳をしながら必死に謝っている。
「ぎょ、ぎょべんなしゃい! ゆゆひちぇ!」
その様子を見ていた受付嬢が慌てて駆け寄り、修斗の腕にぶら下がって必死に降ろそうとしている。
「落ち着いてくださいシュウトさん! このままだと死んでしまいますから~!」
「無礼な奴は殺してもいいって法律があっただろう?」
「ありません! そんな法律があったら怖くて住めなくなります!」
そう言われ、この国を裏で操ってその法律を制定させれば、恐ろしくなってザナドゥ王国に人が流れてくるのではないか、などと考えてしまった様だが、修斗が制定させたことがバレたらザナドゥからも人が逃げてしまうと気づき、やめる事にした。
手を離すと少女は尻もちを付いた。
「あいたぁ!」
大声で叫び声をあげる少女を見て、こいつは関わったらダメな奴だ、そう思って足早にギルドを出る……事が出来なかった。
「ま、待ってくださいシュウトさん!」
今度は足にすがり付いてきたのだ。
活火山の上空に空間を開けて、その中に放り込みたい衝動に襲われるが、そんな事をしたら冒険者資格を剥奪されるかもしれない。
自分の目的はザナドゥに冒険者ギルドを置かせることだと必死に言い聞かせ、ゆっくりと少女を足から引き離す。
「……何の用だ」
「友達を助けてください!」
そして一応確認の為に遺跡に入ったが、地図は完璧であり、全ての情報が書き示されたいるようだ。
「流石に今日は疲れたな。もう夜になった事だし、今日はこれで終わるとしよう」
空間魔法でギルドに移動し、報告をしてザナドゥ王国へと戻る事にした。
ちなみにギルドで報告をした際、受付嬢はもちろん、周りの冒険者までもが諦めたような顔をしていたのは言うまでもない。
「あ! お帰りシュウト!」
「お帰りなさいませシュウト様!」
「お帰りなさいシュウトさん」
屋敷に戻るとパメラ・バーバラ・キャロラインの3人が出迎えた。
少々疲れた顔をしている修斗を気遣おうかとも考えた様だが、ヘタに声をかけると機嫌を損ねてしまうため、口ではなく行動で案じる事にした様だ。
左右からそっと修斗に寄り添い、まずは食事をと食堂に案内する。
「オークターガースに行ってきたんだろう? どうだったんだい? ギルドの連中は」
「頭が固い気もするが、しょせんは下っ端だ、勝手な判断は出来ないんだろう」
温かい食事を取りながら、今日の出来事を話している。
普段修斗はこんな会話はしない。
それだけ肉体的・精神的に疲れている証拠だろう。
だが疲れているからと夜が終わる事は無かった。
パメラ達3人と、新しい重鎮の3人に加え、気に入った女を数名連れての乱交パーティーは朝まで続いた。
そして次の朝、修斗は昨日とは別の、もう一つ先の街へと移動した。
あそこにはめぼしい依頼が無かったので、他の街を順番に回って依頼を受けようという魂胆だ。
次の街ではいきなり現れたBランク冒険者の修斗に戸惑っていたが、冒険者タグは本物だったので依頼をいくつか受ける事が出来た。
討伐3つに調査が3つ。
これで合計15個の依頼を受けた事になるが、まだ半分にも満たない。
なので日替わりで街を回り、Bランクの依頼を受けまくった事から、妙な二つ名が付いてしまった。
【依頼荒らしのシュウト】と。
しかし実際の所は討伐依頼というのは敬遠されがちで、長期間放置されることもある依頼の類だ。
危険を冒すよりも、護衛や調査依頼を受けた方が安全であり、成功報酬も高いからだ。全く依頼が無ければ受けるだろうが、そうでなければ最後まで残っている。
そしていくつもの街を渡り歩き、ようやくBランクの依頼を30個達成する事が出来た。
「まだ足りないな。Bランクの依頼はこんなに少ないのか」
次の街に移動してギルドの掲示板を見ているが、Bランクの依頼が1つもない。
一番最初の街が一番Bランクの依頼が多く、他の街では平均すると3~4しか張られていなかった。
受付嬢に話を聞いた所、Bランクというのは中途半端な立場で、難易度の高い物を回す事が出来ず、かといって簡単な物は回せない。そんなランクのようだ。
「Aランクの依頼を受けられればいいんだが、AはAで全然ないな」
そうなのだ。Aランクの依頼はほぼ貼られていない。
Aランク冒険者は152名しかおらず、ほぼすべてが縄張りの様なものが決まっている。なので難易度の高い依頼は冒険者を指名されるので、掲示板に張り出されることはほぼ無い。
「しょうがない、次の街に行くか」
ギルドのドアを開けて出ようとした時、後ろから声をかけられた。
「しゅしゅしゅ、しゅーちょしゃん! あ、あれ? しゅー、しゅーしょしゃん!」
シュウトと言おうとしているようだが、緊張しているのか噛みまくっている。
恐らくは自分の事であろうと思い、修斗は立ち止まって振り返る。
そこには10代前半の少女がオロオロしながら修斗を見つめていた。
少女は冒険者に見えるが、恐らくはEかDランク。良くてもCランクだろう。
栗色のまっすぐ伸びた髪、クリクリの眼は泳いでいるが必死に修斗を見ようとしている。まだあどけなさの残る顔つきだが、唇の隅には斜めに斬られた傷跡が残っている。
紺色でスカートの短いワンピース、首には赤くて長いスカーフを巻きつけ、白いマントにも見える長いコートをはおり、膝の上まである長いブーツを履いている。
「俺の事か?」
少々不機嫌そうに声をかけると、少女はビクリと身を縮こまらせ、うつ向いてしまった。
冒険者……だと思うが、あまりにも気が小さすぎるようだ。
「しゅしゅしゅしゅしゅしゅーとちゃん!」
「誰がちゃんだ? おいこのクソガキが、殺すぞ」
首を掴んで持ち上げると、少女は目をつむり咳をしながら必死に謝っている。
「ぎょ、ぎょべんなしゃい! ゆゆひちぇ!」
その様子を見ていた受付嬢が慌てて駆け寄り、修斗の腕にぶら下がって必死に降ろそうとしている。
「落ち着いてくださいシュウトさん! このままだと死んでしまいますから~!」
「無礼な奴は殺してもいいって法律があっただろう?」
「ありません! そんな法律があったら怖くて住めなくなります!」
そう言われ、この国を裏で操ってその法律を制定させれば、恐ろしくなってザナドゥ王国に人が流れてくるのではないか、などと考えてしまった様だが、修斗が制定させたことがバレたらザナドゥからも人が逃げてしまうと気づき、やめる事にした。
手を離すと少女は尻もちを付いた。
「あいたぁ!」
大声で叫び声をあげる少女を見て、こいつは関わったらダメな奴だ、そう思って足早にギルドを出る……事が出来なかった。
「ま、待ってくださいシュウトさん!」
今度は足にすがり付いてきたのだ。
活火山の上空に空間を開けて、その中に放り込みたい衝動に襲われるが、そんな事をしたら冒険者資格を剥奪されるかもしれない。
自分の目的はザナドゥに冒険者ギルドを置かせることだと必死に言い聞かせ、ゆっくりと少女を足から引き離す。
「……何の用だ」
「友達を助けてください!」
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