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第50話 治療不可能な攻撃
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「お前が古代龍か? お前を殺しに来た」
修斗の言葉に龍は何の反応も示さなかった。
その無表情な顔は驚くことも喜ぶこともない。
ただじっと修斗を見ている。
「ココに来た時点で並の人間ではないようだガ、それでも我に勝てると思っているのカ?」
「勝てる? 勝つのは当たり前で、問題は何秒かかるかだ」
「グルルル、確かにナ。人間を殺すには数秒あれば十分だからナ」
真虞魔水から細長い物が飛び出して修斗に襲い掛かる。
しかし修斗は周囲に青く光る膜で防ぐ。
どうやら【万物を拒否する盾】をスキルに追加していたようだ。
聖女の固有スキルだが、どうやら自分にも追加したのだろう。
盾に弾かれた真虞魔水の結晶は砕け散ってしまう。
「んん? コレを防ぐカ。ではコレではどうダ?」
今度は真虞魔水の中から青い光が放たれると、なんと【万物を拒否する盾】と通り抜けるではないか!
青い光は修斗の左肩を貫通し、真っ赤に燃える地面に命中する。
「ぐっ! コレを突き抜けてくるのか!?」
「グルルル、この世界の理では破壊できない術だったナ。ならば違う世界の理で攻撃すればいいだけの事ダ。あまり、ワタシを甘く見ない事だナ」
左肩の大きな穴から血があふれ出し、慌てて肩を手で押さえる。
ステータスを確認すると、左肩損傷(治療不可能)となっていた。
どうやら古代龍が言っていた、この世界の理とは違う手段での攻撃のため、治療不可能になっているのだろう。
だがステータスに書かれているのだから、理がどうとか関係がない。
そのまま左肩損傷(治療不可能)を消去して……消えない。
何度も消そうとするが消える事は無く、肩からは血が流れ出ている。
「グルルルル。何をしようとしているのかしらないガ、無駄な事はやめる事ダ。人間ごときの手に負える怪我では無いのだヨ」
どうやらステータス改変はこの世界の理の中でしか使えない様だ。
他の世界の理での攻撃には対処できない。
「そうか、流石は古代龍……だな。倒すのが惜しくなってきたぞ」
「グルル? 人間、まだ勝つつもりでいるのカ? 往生際が悪いゾ」
「俺はただの人間じゃないんでね。こんな事も出来るのさ」
肩に当てていた手をどけると、肩に開いていた穴が……塞がっていく。
「グ!? キサマ、一体どうやっテ!?」
「お前が違う世界の理を使うなら、俺もそれと同等かそれ以上の力を使うまでさ」
古代龍に手のひらを向けると、ゆっくりと手を閉じていく。
「ヴァルハラ・プレッシャー」
古代龍の体が何かに押し潰されていく。
そう、まるで巨大な手に握りつぶされているように。
「グルル!? 何だこれハ! おのレ!」
古代龍の周囲に黒い壁が現れ、潰される速度が落ちる。
「これは次元の壁ダ! コレを破壊するには世界を破壊するのと同等の力が……!?」
黒い壁に亀裂が入り、ボロボロと崩れ去っていく。
「バ、馬鹿ナ! こんな、こんな事ガ!!!」
「おいお前、俺の物になるなら助けてやってもいいぞ。俺のペットになれ」
「ふざけるナ! 誰が人間のペットになどなるものカ!」
更に古代龍が押しつぶされていく。
首は不自然に折れ曲がり、体に押し付けられている。
「グガ!? ま、まテ、お前のペットになりたくてもなれないのダ! 真名を知る者にしか仕える事が出来ないのダ!」
「あん? なら教えろよ」
「真名は我が親龍しか知らないのダ。真名は親龍が死すときニ、解放という意味もかねて知らされるのダ」
「つまり、お前は真名を知っている親龍の言いなりであり、自分の真名をしらない、と?」
「そうダ」
「じゃあその親龍はどこに居る」
「分からなイ。会った事がないのダ」
「あん? 一度も会った事がないのか?」
「そうだ。卵から孵化した時から、私はずっと一人だ」
どうやら親龍は子龍を支配するつもりはなく、死ぬ間際に再会する気なのかもしれない。
しかしそれでは親龍を見つける事など出来そうにない。
「お前はここで孵化したのか?」
「そうダ」
「お前は何歳だ?」
「詳しくは知らないが、そろそろ3000年生きているはずダ」
「わかった、待っていろ」
そういうと修斗の姿が消えた。
「どこへいっタ?」
その頃修斗は時間をさかのぼっていた。
古代龍の卵が産み落とされた時、その時ならば親龍が居るはずなので、そこで真名を聞きだそうと思ったのだ。
そう、時間を行き来できる能力、神魔法によるものだが、時間も場所も自由に移動する事が出来るようだ。
風景がとてつもない速さで巻き戻り、過去へと戻っていく。
「ここらへんか?」
時間をゆっくりにすると、そこには先程の龍よりも更に巨大な龍が真虞魔水に入っていた。
どうやら真虞魔水の海底近くに卵を産んだようだ。
「おいお前、その卵の真名を教えろ」
修斗の言葉に龍は何の反応も示さなかった。
その無表情な顔は驚くことも喜ぶこともない。
ただじっと修斗を見ている。
「ココに来た時点で並の人間ではないようだガ、それでも我に勝てると思っているのカ?」
「勝てる? 勝つのは当たり前で、問題は何秒かかるかだ」
「グルルル、確かにナ。人間を殺すには数秒あれば十分だからナ」
真虞魔水から細長い物が飛び出して修斗に襲い掛かる。
しかし修斗は周囲に青く光る膜で防ぐ。
どうやら【万物を拒否する盾】をスキルに追加していたようだ。
聖女の固有スキルだが、どうやら自分にも追加したのだろう。
盾に弾かれた真虞魔水の結晶は砕け散ってしまう。
「んん? コレを防ぐカ。ではコレではどうダ?」
今度は真虞魔水の中から青い光が放たれると、なんと【万物を拒否する盾】と通り抜けるではないか!
青い光は修斗の左肩を貫通し、真っ赤に燃える地面に命中する。
「ぐっ! コレを突き抜けてくるのか!?」
「グルルル、この世界の理では破壊できない術だったナ。ならば違う世界の理で攻撃すればいいだけの事ダ。あまり、ワタシを甘く見ない事だナ」
左肩の大きな穴から血があふれ出し、慌てて肩を手で押さえる。
ステータスを確認すると、左肩損傷(治療不可能)となっていた。
どうやら古代龍が言っていた、この世界の理とは違う手段での攻撃のため、治療不可能になっているのだろう。
だがステータスに書かれているのだから、理がどうとか関係がない。
そのまま左肩損傷(治療不可能)を消去して……消えない。
何度も消そうとするが消える事は無く、肩からは血が流れ出ている。
「グルルルル。何をしようとしているのかしらないガ、無駄な事はやめる事ダ。人間ごときの手に負える怪我では無いのだヨ」
どうやらステータス改変はこの世界の理の中でしか使えない様だ。
他の世界の理での攻撃には対処できない。
「そうか、流石は古代龍……だな。倒すのが惜しくなってきたぞ」
「グルル? 人間、まだ勝つつもりでいるのカ? 往生際が悪いゾ」
「俺はただの人間じゃないんでね。こんな事も出来るのさ」
肩に当てていた手をどけると、肩に開いていた穴が……塞がっていく。
「グ!? キサマ、一体どうやっテ!?」
「お前が違う世界の理を使うなら、俺もそれと同等かそれ以上の力を使うまでさ」
古代龍に手のひらを向けると、ゆっくりと手を閉じていく。
「ヴァルハラ・プレッシャー」
古代龍の体が何かに押し潰されていく。
そう、まるで巨大な手に握りつぶされているように。
「グルル!? 何だこれハ! おのレ!」
古代龍の周囲に黒い壁が現れ、潰される速度が落ちる。
「これは次元の壁ダ! コレを破壊するには世界を破壊するのと同等の力が……!?」
黒い壁に亀裂が入り、ボロボロと崩れ去っていく。
「バ、馬鹿ナ! こんな、こんな事ガ!!!」
「おいお前、俺の物になるなら助けてやってもいいぞ。俺のペットになれ」
「ふざけるナ! 誰が人間のペットになどなるものカ!」
更に古代龍が押しつぶされていく。
首は不自然に折れ曲がり、体に押し付けられている。
「グガ!? ま、まテ、お前のペットになりたくてもなれないのダ! 真名を知る者にしか仕える事が出来ないのダ!」
「あん? なら教えろよ」
「真名は我が親龍しか知らないのダ。真名は親龍が死すときニ、解放という意味もかねて知らされるのダ」
「つまり、お前は真名を知っている親龍の言いなりであり、自分の真名をしらない、と?」
「そうダ」
「じゃあその親龍はどこに居る」
「分からなイ。会った事がないのダ」
「あん? 一度も会った事がないのか?」
「そうだ。卵から孵化した時から、私はずっと一人だ」
どうやら親龍は子龍を支配するつもりはなく、死ぬ間際に再会する気なのかもしれない。
しかしそれでは親龍を見つける事など出来そうにない。
「お前はここで孵化したのか?」
「そうダ」
「お前は何歳だ?」
「詳しくは知らないが、そろそろ3000年生きているはずダ」
「わかった、待っていろ」
そういうと修斗の姿が消えた。
「どこへいっタ?」
その頃修斗は時間をさかのぼっていた。
古代龍の卵が産み落とされた時、その時ならば親龍が居るはずなので、そこで真名を聞きだそうと思ったのだ。
そう、時間を行き来できる能力、神魔法によるものだが、時間も場所も自由に移動する事が出来るようだ。
風景がとてつもない速さで巻き戻り、過去へと戻っていく。
「ここらへんか?」
時間をゆっくりにすると、そこには先程の龍よりも更に巨大な龍が真虞魔水に入っていた。
どうやら真虞魔水の海底近くに卵を産んだようだ。
「おいお前、その卵の真名を教えろ」
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