ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第52話 古代龍を見て気を失ったからチョメチョメした

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「あのシュウトさん? 今なんとおっしゃいましたか?」

伝説のレジェンダリー・古代エンシェント・ドラゴン古代エンシェント・ドラゴンの2頭を手下にした」

 ギルド内が静かになる。
 修斗がもう一度指を鳴らすと、街を覆っていた影は無くなり日が差し込む。
 それと同時に何者かがギルドに入ってくる。

あるじヨ、来たゾ」

「我らを連れてきテ、どうするのダ?」

 大きさ以外では見た目の何も変わらないカイザーとロード。
 しかしその姿は修斗以外の者を恐怖させるには十分だった。

「お前達は俺がSランク冒険者になるために必要だったんだ。おい、これでSランクに上がれるのか? ん? おいどうした、なぜ寝ている」

 受付嬢がカウンター裏で倒れている。
 ふと周りを見ると、他の冒険者も全員倒れている。

「ん? なんだ、どうして全員寝ている」

「おオ、忘れていたが主ヨ、我らを見た普通の人間ハ、恐怖で意識を失うのダ。主があまりにも普通に接してくるから忘れていたゾ」

 どうやらその言葉の通りらしく、街の外ではほとんどの人間が意識を失っていた。
 かろうじて意識を保っている者も腰が抜けて動けないでいる。

「それは困ったな。そんなんじゃお前たちの首でも差し出さないと、Sランクに上がれないじゃないか」

「安心せよ主、我らは自らを別の姿に見せかける事ができル。それならば意識を失わないはずダ」

 そういうと3メートルある大男と、2メートルある大男の姿になった。
 しかもすっ裸だ。

「せめて服を着た姿になれ。そこらに転がっている、適当な奴の真似をしろ」

 そうすると軽装な冒険者スタイルになった。
 本当に見た目は何にでも変えられるらしい。

 姿が変わると、ギルド内の数名がうめき声と共に目を覚ます。
 徐々に目を覚ますものが増えていき、受付嬢も目を覚ました。

「あ、あら? 私ったらどうして……あ! 龍! 巨大な龍が街を襲っているわ! 緊急配置を!」

「お前も落ち着け。危険はないから安心しろ」

「し、しかしシュウトさん、あんな巨大な龍に襲われたら――」

「だから、あれが俺の手下の龍なんだよ。ちなみに今はこんな姿をさせている」

 カイザーとロードを親指で指差すと、不自然に巨大な男を怪しげな表情で見ている。
 とても人間サイズでは無いのだから仕方が無いだろう。
 受付嬢は無表情になり、もう自分では無理! と思ったのだろう、ギルドマスターの部屋へと修斗を案内した。



「え~つまり、シュウト君は伝説の古代龍と古代龍の2頭を同時に手下にした……と?」

「そうだ」

 長ソファーに横になり、受付嬢の膝枕で耳をかかせている。
 その両脇をカイザーとロードが立っているのだが、あまりに異様な雰囲気だ。
 ギルドマスターはイスに座り、両肘を机において手を組んでいる。

「し、失礼ながら、大きな人だとは思いますが、古代龍というには無理が……流石にSランクの申請を出すには無理があるかと……」

「ん? 言われてみればそうだな。おい、何か証明できるものは無いか?」

「証明と言われてもナ……この街を破壊したら証明になるカ?」

「なるのか?」

「や・め・て・く・だ・さ・い!」

「じゃあどうするか……お、今のところ気持ちいいな、もう少し強くやってくれ」

「はい、ここですか?」

「おお、おお~、そこだ、そこ」

 何やら耳かきで良い所に入ったようだ。
 この受付嬢も修斗をハート目で見ていたが、必死に仕事だからと押さえていた。
 それがどうだろう、意識を失って、更に修斗に命令された事でタガが外れたのかもしれない。
 耳をかきながら、修斗の顔を撫でてニヤけている。

「こほん。あの、龍の鱗でもあれば、本部に送って検討してもらえるかもしれません」

「鱗だト!?」

「ひ! す、すみません!」

「鱗ははがすと痛いのダ。せめて爪のカケラにしロ」

「ツメ……ですか? しかし爪は硬いのでは?」

 そう言ってカイザー……ロードか? 小さい方だからロードだろう、左腕の術を解いて龍の腕にすると、鋭い爪の先端をんで切り落とす。
 親指ほどの大きさの爪を口から取り出すのだが、中々ギルドマスターに渡そうとしない。

「注意せヨ。我が身から離れれバ、元の大きさに戻ル」

 机の上に置き、手を離すと……いきなり10倍ほど、こぶしほどに巨大化した。

「うへぁ!? え? どういう事ですか?」

「それは我の本来の大きさの爪ダ。今は小型化しているに過ぎン。その爪は、この世界の物質では傷をつける事は難しいだろウ」

 恐る恐るさわり、手で持ち上げると腕が勢いよく上がる。
 どうやら想像以上に軽いため、力加減が出来なかったようだ。

「我が主の証明に使えるのならバ、それをやろウ」

「わ、分かりました、コレを本部に送ります。返事にはしばらくかかりますが、この街でお待ちになりますか?」

「いや、俺はザナドゥへ戻る。返事が来たら連絡しろ」

「かしこまりました、それではその様にします。本日は他に御用がありますか?」

「無いな。あ~、いやもう一つ、この女は連れて帰るから、しばらく休みにさせろ」

 そう言って膝枕から体を起こし、受付嬢を抱き寄せる。
 すっかりその気になっていたのだろう、受付嬢も修斗に抱き付いている。

「はぁ、分かりました。しばらく休みを取らせます」

「よし、では戻るぞ」

 受付嬢と手を繋ぎ、ザナドゥ王国に空間を繋げると、あっという間に姿が見えなくなった。



 
 丁度修斗達がザナドゥ王国に戻った時、何者かが気配を感じ取った。

「これは……!!! どうした事か」

 深い森の中で、耳の尖った女性がザナドゥ王国の方を向いた。
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